Triple Double Star

f:id:KG21:20191124110149j:plain

 

 

今シーズン序盤の驚きとして、イーストからはヒートを取り上げました。

その後もヒートは好調を維持し、現在11勝3敗でイースト2位につけています。

 

kg21.hatenablog.com

 

さて、ウェストの方で予想外の好調さを見せているのは・・・・

ダラス・マーベリックスではないでしょうか?

現在10勝5敗で、強豪揃いのウェストの中でジャズと並んで5位タイにつけています。

 

そして、ここ2試合の結果がスゴイ。

 

11/21 vs.ウォリアーズ 142ー94 48点差

11/23 vs.キャブス 143ー101 42点差

 

2試合連続で、140点超え+40点差ゲームを演じてるんですね。

いくら相手が弱いとはいえ、なかなかNBAでこの結果はお目にかかれません。

 

2試合連続の140点超えは、マブスのチーム史上初めてのこと。

2試合連続40点差以上は、NBAの歴史上4チーム目の快挙だそうです。

 

2試合連続で40点差ゲームをマークしたことで、シーズンの得失点差も一気に上がり、+8.8点はウェスト首位のレイカーズに次ぐ2番手の数字になっています。

 

この快進撃の中心となっているのは、もちろんルカ・ドンチッチです。

2年目を迎えた新人王は、今シーズンさらなる進化を遂げています。

 

・29.9点(リーグ4位)

・10.4リバウンド(リーグ12位)

・9.7アシスト(リーグ2位)

 

主要3部門でリーグトップクラスに入り、平均トリプルダブルに迫る数字を残しています。

リーグ最高のオールラウンダーと比較しても、全く遜色のない結果です。

 

・アデトクンボ 30.1点・14.1リバウンド・6.6アシスト・FG56.6%・3P29.0%

・ドンチッチ 29.9点・10.4リバウンド・9.7アシスト・FG49.3%・3P34.6%

・ルブロン 24.9点・7.7リバウンド・11.3アシスト・FG48.6%・3P34.6%

 

新人王から、オールスターを飛び越えて、一気にスーパースターの領域にジャンプアップしてしまった印象です。

 

トリプルダブル数7回は、リーグNo.1。

開幕14試合で7回のトリプルダブルですから、2試合に1回はトリプルダブルをマークしているわけです。

 

しかも、ただのトリプルダブルではありません。

 

10/26 vs.ペリカンズ  25点・10リバウンド・10アシスト

11/2   vs.レイカーズ  31点・13リバウンド・15アシスト

11/4   vs.キャブス   29点・14リバウンド・15アシスト

11/9   vs.ニックス   38点・14リバウンド・10アシスト

11/15 vs.ニックス   33点・10リバウンド・11アシスト

11/19 vs.スパーズ   42点・11リバウンド・12アシスト

11/21 vs.ウォリアーズ 35点・10リバウンド・11アシスト

 

最後の2つは、2試合連続で35点以上のトリプルダブルをマークしましたが、20才265日での達成はNBA史上最年少記録。(これまでの記録はオスカー・ロバートソンの22才34日)

 

そして、40点以上のトリプルダブルは、ルブロンに次いで2番めの若さでの達成。

 

 

最後の35点・10リバウンド・11アシストをマークしたウォリアーズ戦はさらにスゴく、なんと25分もかからずにこの数字に到達しています。

 

 

これもNBA史上初の記録。

 

そして同じ試合の1Qでは、ドンチッチ1人で相手のウォリアーズ全員のスタッツを上回りました。

 

 

これは、2002−03シーズンのアイバーソン以来の記録だそうです。

 

そして、ここ3試合の結果がこれですが、

 

11/19 vs.スパーズ   35分・42点・11リバウンド・12アシスト

11/21 vs.ウォリアーズ 26分・35点・10リバウンド・11アシスト

11/23 vs.キャブス   28分・30点・7リバウンド・14アシスト

 

20才以下で3試合連続の30点・10アシスト以上をマークしたのは、NBA史上初の記録。

 

しかも、直近の2試合はいずれも20分台の出場時間でこの数字です。

その勢いは留まるところを知りません。

 

 

ただ一方で、ドンチッチ以外の調子はまだ上がっておらず、ラインナップも試行錯誤が続いています。

 

1シーズン半ぶりのプレーとなるポルツィンギスは、ブランクが長かったことでまだシュートタッチが戻っておらず、新戦力のデロン・ライトはうまくフィットせずに先発落ち、ティム・ハーダウェイJr.もFG成功率が40%に届いていません。

 

ドンチッチ以外の調子がこれだけ上がらない中でのこの成績(10勝5敗)ですので、これで周りの選手の調子が上がってくれば、さらに手強くなっていくでしょう。

 

現在のラインナップはこちら。

 

PG:ルカ・ドンチッチ/ジェイレン・ブランソン/JJ・バレア

SG:ティム・ハーダウェイJr./デロン・ライトセス・カリージョシュ・リーブス

SF:ドリアン・フィニー・スミス/ジャスティン・ジャクソン/コートニー・リーライアン・ブロコフ/アントニウスクリーブランド

PF:クリスタップス・ポルツィンギス/マキシ・クリーバー/アイザイア・ロビー

  C:ドワイト・パウエル/ボバン・マリヤノビッチ

 

ベテランのバレアもアキレス腱のケガから復帰し、ポルツィンギスもシーズンを追うごとにタッチも良くなっていくと思うので、これからますます注目のチームになっていくと思います。

 

 


Luka Doncic outscores Warriors in 1st Qtr, records historic triple-double | 2019-20 NBA Highlights

 

 


Luka Doncic joins LeBron: youngest players to get 40-point triple-double | 2019-20 NBA Highlights

 

 

f:id:KG21:20191124105854j:plain

Melo to POR

f:id:KG21:20191116112313j:plain

 


メロの復帰がようやく決まりました!

 

昨シーズン、ロケッツでわずか10試合しか出場できず、その後はずっと浪人状態となっていました。

この夏もネッツ入りなどが噂されましたが、結局オフの間は行き先が決まらず。

 

kg21.hatenablog.com

 

そのネッツも、出場停止のウィルソン・チャンドラーの穴埋めとして、メロではなくイマン・シャンパートと契約しました。

元ロケッツ違いでしたね・・・・

 

そして今回、メロに最後の手(?)を差し伸べたのはブレイザーズでした。

 

ブレイザーズはここ数年ずっとフォワード・ポジションが弱く、特にオフェンス力不足はずっと課題として残っていました。

なので、以前のブログでも、メロの行き先候補としてブレイザーズを一番に挙げていました。

 

kg21.hatenablog.com

 

エースのリラードも、メロがロケッツ入りする前から「ウチに来てくれ」とラブコールを送っていましたが、なかなか実現しませんでした。

なので、今回やっとブレイザーズ入りが決まったのは、両者にとって良かったなと思います。

 

ロースターはこんな感じでしょうか?

ケガ人続出の今の状態であれば、早い段階でメロの先発起用もあると思います。

 

PG:デイミアン・リラード/アンファニー・サイモンズ

SG:CJ・マッカラム/ケント・ベイズモア/ゲイリー・トレントJr.

SF:ロドニー・フッド/マリオ・へゾーニャ/ナシアー・リトルジェイレン・オアール

PF:カーメロ・アンソニーアンソニー・トリバー/(ザック・コリンズ)

  C:ハッサン・ホワイトサイド/スカル・ラビシエール/モーゼス・ブラウン(パウ・ガソール/(ユスフ・ヌルキッチ)

 

 

今シーズンのブレイザーズは開幕から苦戦が続いています。

それはオフの選手入れ替えの失敗が響いている気がします。

 

kg21.hatenablog.com

 

ここでも触れていますが、フォワードで先発していたハークレスとアミヌを別な選手に入れ替えようというところまではOKだと思います。

得点力不足は否めなかったので、プレーオフであと一歩の殻を破るには必要な動きでした。

 

ロドニー・フッドを残したのもいいと思います。

ただ、ジェイク・レイマンとマイヤーズ・レナードはキープすべきでした。

 

特にレナードは、プレーオフの最後で爆発して可能性を感じさせたし、何より先発Cのヌルキッチが復帰するまで、Cを務めることもできます。

復帰したらしたでPFにスライドできるので、非常に使い勝手がいい選手でした。

 

しかし、わざわざそのレナードと交換してまで、Cとしてしか使いみちがないホワイトサイドを獲るという選択をします。

ただでさえフォワードの層が薄いのに、Cしかできない選手を2人揃えてどうするつもりなのかな?と思ってしまいます。

 

一方、放出したレナードは、新チームのヒートで開幕から先発PFに固定され、平均7.7点・4.3リバウンド・FG64.2%・3P68.4%という安定した働きを見せています。

 

もう1人似たタイプのザック・コリンズがいたため、2人は要らないということで放出したのかもしれませんが、それにしたってPFとCで並べて先発させることだってできたはずなので、非常に疑問の残る動きでした。

 

先発PFとして期待されたコリンズが、開幕わずか3試合で肩を痛め長期離脱となった今では、ますますその思いが強くなっています。

 

残すべきだったと思うロースターを整理するとこんな感じです。

 

PG:デイミアン・リラード/セス・カリー

SG:CJ・マッカラム/アンファニー・サイモンズ

SF:ロドニー・フッド/ジェイク・レイマン

PF:マイヤーズ・レナード/ザック・コリンズ

  C:イネス・カンター/(ユスフ・ヌルキッチ)

 

カンター(4.8mil)はホワイトサイド(27.1mil)より安価ですし、仮にカンターを手放してもレナードとコリンズはCのサイズがあるので代役は務められます。

また、レイマンはSF/PF、フッドはSG/SF、カリーはSG/PGと複数のポジションをこなせるので、ケガ人や不調の選手が出た時にスライドさせて起用できます。

 

今回メロを入れたのは、こういうチーム構成が作れたはずなのに、間違った補強をしたことで立ち行かなくなって、やむを得ず助けを求めたという格好です。

メロを入れて勝てなくても、それはメロのせいではなく、チーム作りの失敗が原因ですので、どうか温かく見守っていただけたらなと思います(笑)

 

 

f:id:KG21:20191116112551j:plain

みんなメロの復帰を喜んでいます!

 

 

f:id:KG21:20191116112621j:plain

これだけの選手ですから、納得いくまでやってほしいですね

Fresh Heat

f:id:KG21:20191110230842j:plain

 

今シーズン序盤戦で新鮮な驚きを与えたチームは、ヒートでした。

開幕から5勝1敗と好調な滑り出しを見せましたが、そのラインナップが予想外でした。

 

PG:ケンドリック・ナン(24)/ゴラン・ドラギッチ(33)

SG:タイラー・ヒーロー(19)

SF:ジャスティス・ウィンズロウ(23)/ダンカン・ロビンソン(25)

PF:マイヤーズ・レナード(27)/ケリー・オリニク(28)

  C:バム・アデバヨ(22)

  ※( )内は年齢

 

ジミー・バトラーが欠場したこともありましたが、開幕からルーキー2人をバックコートで先発させたのは驚きでした。

しかも、正PGのドラギッチが復帰していたにもかかわらず、無名の新人ナンが先発PGとして出場したのはさらにビックリでした。

 

しかし、そのナンが大爆発。

開幕から5試合の平均で22.4点・FG51.8%・3P48.4%をマークし、チームのスタートダッシュに貢献しました。

 

f:id:KG21:20191110230922j:plain

 

ナンは昨年のドラフトで指名されず、ウォリアーズのキャンプに参加したものの開幕前にカット。

その後、ウォリアーズ傘下のGリーグチームでプレーし、シーズン終了間際の4月にヒートと契約しました。

 

しかし、昨シーズン中の出場はなかったため、今シーズンがルーキー扱いとなります。 

その今シーズンはサマーリーグから持ち前の得点力を発揮し、サマーリーグの優秀選手の1stチームに選出されました。

 

kg21.hatenablog.com

 

開幕直前のプレシーズンマッチ終戦でも、ロケッツ相手に40点と爆発。

44点をマークしたハーデンを相手に、壮絶な点の取り合いを演じました。

この勢いをそのままレギュラーシーズンにも持ち込んだ形になりました。

 

大学時代のナンは、トレイ・ヤングに次ぐ全米2位の平均25.9点をマーク。

Gリーグでも平均19.3点をマークしましたが、これはほとんどベンチスタートから挙げたものでした。

Gリーグプレーオフでも、やはりベンチスタートから2試合で平均30.0点をマーク。

その得点力は本物です。

 

今年の1巡目指名ルーキーのヒーローも、開幕5試合で平均16.4点・5.8リバウンド・FG45.3%・3P35.7%と活躍。

4試合目からバトラーが復帰したためベンチスタートとなりましたが、その試合でベンチから29点をマークして勝利に貢献しています。

これまで9試合通算では、37.2%の3P成功率を残しています。

 

f:id:KG21:20191110231046p:plain

 

昨年ドラフト外から2way契約を結んだダンカン・ロビンソンも、今シーズンは本契約を獲得してNBA2シーズン目を迎えました。

ナンやヒーローと同様サマーリーグとプレシーズンで結果を残し、見事に開幕からローテーション入り。

既に4試合で先発出場も果たしています。

その先発4試合の成績は、平均11.0点・4.5リバウンド・3P40.7%としっかり役割を果たしています。

 

f:id:KG21:20191110231347j:plain

 

この3人を含め、ウィンズロウやアデバヨといった既に主力となっている選手たちもまだ20代前半と若く、このチームの今後の可能性を強く感じさせてくれます。

 

そして、大物FAとして加入したジミー・バトラーが復帰した後も、バトラーが若手のまとめ役となって積極的にパスをさばき、チームNo.1の5.5アシストをマークしています。

 

これまで、どちらかと言うと不協和音が多かったヒートですが、若手中心にチームを再編し、ベテランがそれをうまくまとめる形でバランスが生まれれば、この勢いも本物の実力になっていくような気がします。

 

今シーズン、どこまで伸びていくか注目して見ていきたいと思います。

 

f:id:KG21:20191110231412j:plain

Backup plan

f:id:KG21:20191110114245j:plain

 

さて、昨日ウォリアーズの現状についてお話をしました。

 

で、その打開策としてアーロン・ゴードン&モー・バンバを獲るトレードを提案していましたが、もう1つ違ったトレードも考えてみたいと思います。

 

<ウォリアーズ>      ⇔ <キャブス>

 ケビン・ラブ          ディアンジェロラッセ

 ジョーダン・クラークソン    ドレイモンド・グリーン

 アンテ・ジジッチ        ジェイコブ・エバンス

 アルフォンゾ・マッキニー

 

厳密には、ラッセルをトレードできるのは12/14以降、ドレイモンドをトレードできるのは2/2以降となりますが、サラリーが釣り合い実現可能なトレード案として提示してみました。

 

ウォリアーズはインサイドに高さが足りず、計算できるスコアラーもいません。

トンプソン復帰後もガード3人体制でずっと行くのか?という疑問もあり、早い段階でラッセルをインサイドプレイヤーと交換した方がいいのではないかと考えています。

 

ラブは、かつて所属していたデビッド・リーのように、リバウンドが強く、インサイドの攻撃の核になれます。

カリー&トンプソンのスプラッシュブラザーズを補完していいバランスを保てる、絶好のインサイドプレイヤーになりそうな気がします。

 

一方のキャブスは、サラリーを整理して来夏のFA市場に乗り出しても、オールスター級の選手には魅力がなく、来てくれないんじゃないかという心配があります。

そこで、かつてのオールスターであるラブとの交換で、現在のオールスターである選手を2人も取れるのであれば、悪い話ではないと思われます。

 

クラークソンはPGとSGをどちらもこなすことができるコンボガードなので、カリー不在の間は先発PGとして、カリー復帰後は先発SGとしてプレーすることができます。

また、トンプソン復帰後は6thマンとしてバックアップに回ることもできるので、ラッセルのように3ガード体制を心配する必要もありません。

 

マッキニーは、昨シーズンからウォリアーズのローテーションに入っており、今シーズンは先発SFとしての出場も可能性がありました。

ウォリアーズとしては手放したくなかったものの、インサイドにケガ人が続出したことと、財政的な事情により、唯一のノンギャランティー契約だったマッキニーをカットせざるを得ませんでした。

 

kg21.hatenablog.com

 

ただ、今回のようなトレードという形であれば、ギャランティー契約を動かすことができます。

ウォリアーズとしては、1巡目指名でギャランティー契約を持ちながらローテーションに入れていないジェイコブ・エバンスあたりを放出して、マッキニーを取り戻したいと思っていることでしょう。

 

ジジッチは未知数ですが、高さのある若いビッグマンは、今のウォリアーズにとって確保しておきたい素材です。

キャブスが新人契約のオプションを行使せず、チームに残す意思を示さなかったこともあり、とりあえず獲得しておいて、その可能性に賭けてみる価値はあるでしょう。

 

そんなことで想定ロースターです。

 

<ウォリアーズ>

PG:ジョーダン・クラークソンカイ・ボウマン(ステフェン・カリー)

SG:アレック・バークスジョーダン・プール/(クレイ・トンプソン)

SF:グレン・ロビンソンⅢ/アルフォンゾ・マッキニー/デイミオン・リー

PF:ケビン・ラブエリック・パスカルマーキース・クリス/アレン・スマイラジッチ/(ケボン・ルーニー

  C:ウィリー・コーリー・スタイン/オマリ・スペルマン/アンテ・ジジッチ

 

クラークソンとラブが入って、アウトサイドとインサイドにベテランの軸ができることで、多少安定した戦い方ができるようになるでしょう。

ぷちブレイク中のエリック・パスカルを先発Cで、マッキニーを先発SFで起用してもいいと思います。

 

ただしこれは、あくまで来シーズン以降にフルメンバーが揃った後のバランス作りのためであり、今シーズンを勝つためのトレードではありません。

今シーズンはこのままプレーオフを逃し、ドラフトでロッタリーピックの即戦力ルーキーを獲る方がチームにとってもいいと思います。

 

最も大きな意味を持つのは、来シーズンの53mil分のギャランティー契約(ラッセル+ドレイモンド+エバンス)を手放して、残るのは31milのラブの契約だけという点です。

クラークソン、ジジッチ、マッキニーの3人はいずれも今シーズン限りの契約なため、20mil以上のサラリーキャップの空きを作ることができます。

 

リー・トンプソン・ラブのBIG3がいて、残りの20milでもう一度ロースター作りをやり直せば、再び勝てるチームを作ることも十分可能でしょう。

まだウォリアーズのブランドも失墜していない(と思う)ので、FA選手の行き先としても魅力はあると思います。

 

<キャブス>

PG:コリン・セクストン/ダリアス・ガーランド/マシュー・デラベドーバ

SG:ディアンジェロラッセ/ブランドン・ナイト/ジェイコブ・エバンス

SF:ジェディ・オスマンケビン・ポーターJr.ディラン・ウィンドラー

PF:ドレイモンド・グリーンラリー・ナンスJr.ディーン・ウェイド

  C:トリスタン・トンプソン/ジョン・ヘンソン/タイラー・クック

 

ラッセルの加入により先発級のPGがダブついてしまうことになりますが、元々サイズのないセクストンとガーランドを両方先発で使うのは無理があったので、遅かれ早かれいずれどちらかはトレードで出される運命だったと思います。

 

サイズのあるラッセルとであれば、ダブルPGで先発バックコートを組むことも可能ですので、将来性も考えてどちらを残すかを吟味しながら、いずれ先発級のインサイドプレイヤーと交換するのがいいと思います。

 

 

いずれにしても、今シーズンのトレードデッドラインまでに何らかのトレードを実行しないと、来シーズンはカリー・ラッセル・トンプソン・ドレイモンドという6−6(198cm)以下を4人並べるミニミニラインナップで勝負していかないといけなくなります。

 

ウォリアーズのフロントがそれでいいと考えているなら話は別ですが・・・・

End of dynasty

f:id:KG21:20191109202035j:plain

 

シーズンが開幕してしばらく経ちましたが、ウォリアーズの凋落ぶりが著しいですね。。

昨シーズンのラインナップと比べると、その違いは一目瞭然です。

 

PG:ステフェン・カリー

SG:クレイ・トンプソン

SF:ケビン・デュラント

PF:ドレイモンド・グリーン

  C:ディマーカス・カズンズ

 

このオールスター5人を揃えた超豪華ラインナップが、今シーズンは・・・・

 

PG:カイ・ボウマン(ルーキー/ドラフト外/2way契約)

SG:ジョーダン・プール(ルーキー/1巡目28位)

SF:グレン・ロビンソンⅢ(FAでペイサーズから加入)

PF:エリック・パスカル(ルーキー/2巡目41位)

  C:ウィリー・コーリー・スタイン(FAでキングスから加入)

 

ケガ人続出で、ルーキー3人を先発させるほどの窮状になっています。。

しかも、司令塔は2way契約のドラフト外ルーキーです。

オールスター5人を揃えた昨シーズンとは雲泥の差です。

 

ただ、こうなる危険性は昨シーズンから始まっていました。

さすがに、ここまで急激に落ちるとは思ってませんでしたが。

 

 

ちょうど1年前、ウォリアーズはデュラントの去就で揺れていました。

ウォリアーズ加入後のKDは、基本的には1年ごとにFAになれる契約を選択してきました。

 

その前のシーズンオフには、イグオダーラやリビングストンがいい条件で再契約が結べるよう、自分の年俸をディスカウントしてまで、チーム優先の姿勢を示しました。

 

そしてチームを2連覇に導き、2年連続のファイナルMVPに輝いたKDに対して、フロントも最大限の敬意を示し、「金額も期間も好きなだけ希望を言っていい。言われた条件で契約を結ぶ」という破格のオファーを出しました。

 

しかし、そこでKDが希望した条件は、やっぱり1年でFAになれる契約だったんですね。

 

4〜5年の長期契約を予想していた周囲は、にわかにザワめきだしました。

好きなだけ契約していいと言ってるのに、1年でいいというのは、チームを出るつもりだからじゃないのか?という勘ぐりです。

 

それは、シーズンに突入してもチームに影を落としました。

マスコミは試合のことよりも、KDのFAのことばかり質問するようになり、本人も周りもイライラが募るようになってきました。

 

そして、ついに事件が起こります。

 

同点の試合で残り時間わずか、最後のショットを誰が打つかという場面で、ドレイモンド・グリーンがKDにボールを渡さず、自滅してチャンスをつぶしました。

このプレーを巡って2人は言い争いとなり、頭に血が上ったドレイモンドが、全くプレーには関係のないFAの話を持ち出し、「オマエなんかいなくたって俺たちは勝ってきたんだ」とぶちまけてしまったんですね。

 

この一件で、人一倍繊細なKDが深く傷ついたことは想像に難くありません。

表面的には取り繕っても、心の距離は離れていきました。

この試合に、ムードメーカーのカリーがケガで欠場していたことも不運な巡り合わせでした。

 

その後の顛末はご存知の通りですが、ウォリアーズは優勝を逃し、KDはアキレス腱を切り、オフにFAで去っていきました。

 

でも、これは本当に仕方のないことだったんでしょうか?

 

ウォリアーズがKDをどこまで残したいと思っていたか定かではありませんが、個人的にはあの一件があった段階で、ドレイモンドは出すべきだったと思います。

 

KDのFAがトピックになっていたのは、ウォリアーズの契約事情が大きく絡んでいました。

 

1年前のオフ、それまで年7milと低年俸だったカリーがスーパーMAXを結び、いきなり年40milにジャンプアップしました。

それは同時に、チームのサラリーキャップを大きく圧迫することを意味します。

 

さらにその1年後、つまりこの夏のオフにはクレイ・トンプソンもFAになり、おそらくMAXで再契約するだろうと予想されていました。

 

チームにはサラリーキャップという限度枠があり、それは強いチームも弱いチームも変わりません。

つまり、いい選手がいるからと言って、何人もにMAX契約を与え続けることはできないわけです。

 

これまでの例を考えても、MAX契約はほぼほぼ3人が限度です。

ルブロン・ウェイド・ボッシュBIG3がわかりやすい例かなと思いますが、ロールプレイヤーにもある程度いい選手を揃えようと思ったら、MAX契約を3人ぐらいまでに留めておかないと、ロースターがスカスカになってしまいます。

 

当時のウォリアーズで考えると、それはカリー・KD・トンプソンの3人だろうと思います。

ドレイモンドは優秀なロールプレイヤーではありますが、フランチャイズプレイヤーではありません。

 

しかも、KDとの確執を作った張本人です。

自分がウォリアーズのフロントなら、先にドレイモンドをトレードで放出した上で、KDに何とか残ってくれとお願いしたと思います。

 

しかし、ウォリアーズが取った選択は真逆でした。

KDはあっさりと諦め、ドレイモンドとMAXで延長契約を結んだんですね。

 

実はこの時、「ウォリアーズは終わった」と思いました。

 

これまでウォリアーズがチーム作りに成功できたのは、「安くてよく働く選手が多くいた」からです。

 

その代表格がカリーでした。

 

カリーはキャリア前半は毎年のように足首のケガに苦しみ、なかなか思うような活躍ができませんでした。

ちょうどそんな時に契約更改の時期を迎え、すごく低い条件で長期契約を結んでしまいました。

そのため、リーグMVPになっても、年俸は7mil程度と激安でした。

 

でも、それがあったために、チームが強いにもかかわらず、スーパースターのKDを獲ることができたんですね。

KDクラスの選手をFAで獲得できたのは、カリーの年俸が安かったため、主力をキープしながらもサラリーキャップに余裕を作ることができたからなんです。

 

しかし、カリーの年俸がスーパースターのそれになった今、以前のように主力全員を今まで通りキープするのは難しくなっていました。

誰を切って、誰を残すかという選択を迫られる局面を迎えた、ということです。

 

だとすれば、MAX契約を払うべきは、カリー・KD・トンプソンの3人だろうというのが自分の考えです。

 

でも、結果的にウォリアーズが残したのは、カリー・トンプソン・ドレイモンドの3人でした。

 

ドレイモンドはいいロールプレイヤーですが、MAXを払う選手ではないと思います。

かつてのカリーのように、「安くてよく働く」選手としてなら残したいですが、スーパースター並みの年俸を払ってまで残す選手ではないと思います。

 

新加入のディアンジェロラッセルにもMAXを与えていたウォリアーズは、なんと4人にMAX契約を払うという選択をしました。

これが決定的にサラリーキャップを圧迫しました。

 

ウォリアーズは、残りのロースターを最低年俸で取れるFAとルーキーで埋めるほかなくなりました。

そしてそれでもロースター枠いっぱいの15人分を支払うことができず、1人分を節約して14人としか契約できませんでした。

 

その結果が、最初に書いたルーキー3人が先発するという異常事態につながっています。

 

仮に主力にケガ人が出ていなかったとしても、KDを残せなかったウォリアーズの今後は厳しいものになると思います。

 

早い段階でロースターの大改革を断行して、来シーズン以降を見据えたチーム再編を実施した方がいいと思います。

 

例えば、以前提案したようなトレードですね。

 

kg21.hatenablog.com

 

今後ウォリアーズがどういう動きを見せるのか、注目したいと思います。

 

 

f:id:KG21:20191109202109j:plain

2巡目指名ながら、唯一の明るい材料となっているエリック・パスカル

 

 

f:id:KG21:20191109202132j:plain

ドラフト外の2way契約ながら、先発PGの重責を担うカイ・ボウマン

Zion OUT

f:id:KG21:20191022113640j:plain

 

ちょっと残念なビッグニュースが入ってきました。

 

今シーズン大注目の超大型新人ザイオン・ウィリアムソンが、プレシーズンマッチ終戦でヒザを痛め、半月板の手術を行うということになりました。

 

復帰には、1ヶ月半から2ヶ月を要するということです。

 

1年生で大学最優秀選手に選ばれ、ぶっちぎりのドラフト1位でNBA入りしたザイオンは、プレシーズンマッチでもその片鱗を見せ、出場した4試合の成績は、平均23.3点・6.5リバウンド、FG成功率は驚異の71.4%というスタッツを残していました。

 

ペリカンズは、リビルディングイヤーでありながら、プレーオフ争いも狙えてしまうんじゃないかと思わせるほど、期待値は高まっていました。

 

単純に次世代のスーパースターのプレーを見たいと楽しみにしていたファンも含め、落胆の大きいニュースとなりました。

 

 

一方、これで混沌としてくるのが新人王争いです。

 

誰もがザイオンで決まりと思っていたのが、急にオープンレースとなってきました。

 

もちろん、ザイオンが復帰してから巻き返してやっぱり新人王を獲るという可能性もあるんですが、ザイオンがいなかったらどうなるのか?という他の可能性を考えてみたいと思います。

 

★本命:ジャー・モラント(グリズリーズ

●対抗:RJ・バレット(ニックス)

■大穴:タイラー・ヒーロー(ヒート)

 

・候補:ディアンドレ・ハンター(ホークス)

    ジャレット・カルバー(ウルブス)

    八村塁(ウィザーズ)

    PJ・ワシントン(ホーネッツ)

 

ここに挙げた7人のルーキーには、ある共通するポイントがあります。

それは何でしょうか???

 

答えは、開幕から先発で起用される可能性が高い選手たちです。

 

ルーキーが結果を残すためには、その実力もさることながら、まず出場機会がないことには始まりません。

 

たとえ実力があっても、チームがプレーオフを狙っていてベテランを優先させたり、そのポジションの層が厚くて出られないというケースだってあるわけです。

 

開幕から先発で起用されるということは、それだけ出場機会をいっぱいもらえることが約束されているということなんですね。

 

というわけで、この7人を候補に挙げたわけですが、中でも本命はジャー・モラントでしょう。

ザイオンに次ぐドラフト2位ということもありますが、何より一番ボールを触るPGなので、得点もアシストも自ずと増えていくでしょう。

 

f:id:KG21:20191022114127j:plain

 

対抗は、ザイオンと大学のチームメイトだったバレット。

こちらもニックスのチーム事情から、第2エースぐらいの役割を与えられそうなので、ショットを狙える機会が多いと予想されます。

 

な〜んだ、結局ドラフトの順位通りじゃん!となるかもしれませんが、ここからが違います。

 

f:id:KG21:20191022114406j:plain

 

大穴に持ってきたのが、ドラフト13位指名のタイラー・ヒーロー。

以前のブログでも紹介したように、サマーリーグからその活躍は大いに目立っていました。

 

kg21.hatenablog.com

 

なので、いい選手だということはわかっていたんですが、ヒートは同じポジションにジミー・バトラーがいたので、さすがにバックアップだろうなと考えていました。

 

でも、ここにきて先発起用される可能性が出てきたんですね!

 

ヒートのアウトサイドは、従来この3人で決まりと思われていました。

 

 PG:ゴラン・ドラギッチ

 SG:ジミー・バトラー/タイラー・ヒーロー

 SF:ジャスティス・ウィンズロウ

 

しかし、昨シーズンはドラギッチが長期離脱し、バックアップPGがいなかったヒートは、その間ウィンズロウをポイントフォワードにしてしのいでいました。

 

今シーズンはドラギッチが戻ってきたので、またポジションも元に戻すものと思っていたんですが、プレシーズンマッチもドラギッチはずっとベンチスタートで、PG役にはウィンズロウが使われていたんですね。

 

このままレギュラーシーズンも同じ起用法をしていくとすると、ラインナップはこうなります。

 

 PG:ジャスティス・ウィンズロウ/ゴラン・ドラギッチ

 SG:タイラー・ヒーロー

 SF:ジミー・バトラー

 

ヒーローがスタートから使われる可能性が出てきたんですね!

これは非常に楽しみです。

 

シューターと認識されていたヒーローですが、パスセンスにも非凡なものがあり、ウィンズロウと共にパス出し役としても機能しそうです。

 

f:id:KG21:20191022114832j:plain

 

日本の期待を背負う八村塁も、プレシーズンでは主力の1人として扱われており、開幕から先発で起用されるのは間違いなさそうです。

 

うまくすれば、ブラッドリー・ビールに次ぐ第2エースの役回りを担うことも期待されるので、いい形でNBAキャリアをスタートさせてほしいなと思います。

 

順調にいけば、オール・ルーキー・1stチーム入りも現実的だと思います。

 

f:id:KG21:20191022115019j:plain

Roster moves

f:id:KG21:20191020123717j:plain

 

プレシーズンマッチが終わり、10/22の開幕に向けたロースターの整理が行われています。

 

通常、レギュラーシーズンのロースターは15人。

2way契約も含めると、最大でも17人しかロースターに残すことはできません。

 

その一方で、キャンプロースターは最大で20人まで確保することができ、プレシーズンまでキープすることができます。

 

その20人まで膨らませたロースターを、開幕前までに15人(または17人)に絞る作業が今まさに行われているというわけです。

 

ダラスのキャンプロースターに呼ばれた馬場雄大が、一旦カットされて下部チームのテキサス・レジェンズに行くのは、まさにそんな動きの一つです。

 

ここでは、いくつかの気になる動きを見ていきたいと思います。

 

 

★ウォリアーズがアルフォンゾ・マッキニーをカット

 

ちょうど1年前、パトリック・マッコウが契約問題でウォリアーズと揉めていました。

 

その穴を埋める3&Dプレイヤーとして、キャンプから勝ち残ってロースター入りしたのが、アルフォンゾ・マッキニーでした。

 

全くの無名だったマッキニーですが、堅実な働きでローテーションの一角を担い、1年を通してウォリアーズに貢献しました。

 

実力だけで言えば、そのまま今シーズンもロースターに残るのが当然の流れでしたが、予期せぬ事態が起こります。

 

まず第一に、オフにクレイ・トンプソンとディアンジェロラッセルに大金をはたいたことで、サラリーキャップに余裕がなくなり、ロースターを14人までしか残せない厳しい財政事情になっていました。

 

そこにきて、ウィリー・コーリー・スタインやケボン・ルーニーらの先発C候補にケガが相次ぎ、ビッグマンの確保が急務となってしまいました。

 

そこで、かつてのドラフト上位指名選手であるマーキース・クリスを招いたところ、予想以上の活躍を見せ、開幕の先発C候補になりました。

 

となると、その代わりに誰かをカットしないといけない状況になりました。

 

実績から考えると、それがマッキニーではなかったんですが、ロースターの中で唯一のノンギャランティー契約だったがために、カットされるという憂き目に遭いました。

 

実力が未知数なルーキー3人や、2年目3年目の若手もいますが、いずれもギャランティー契約だったためカットできませんでした。

 

当初無名だったマッキニーは、カットしてもチームがその年俸を負担しなくてよいノンギャランティー契約でキャリアをスタートさせたため、実力ではなく財政的な理由でカット候補に選ばれてしまいました。

 

メンバーが大きく様変わりしたウォリアーズの中で、勝ち方を知る数少ないメンバーの一人がまたチームを去ることになってしまいました。

 

ウォリアーズは全く違うチームになってしまいそうです。

 

一方のマッキニーはすぐさま他チームが興味を示していて、ネッツやキャブスが狙っていると言われているので、所属先もすぐに決まりそうです。(※その後、キャブスと契約)

 

 

渡邊雄太グリズリーズで2シーズン目を迎えられそう

 

グリズリーズと2way契約を結んでいる渡邊ですが、なんとか2シーズン目もロースターに残ることができそうです。

 

ただ、決して安泰ではありませんでした。

 

サマーリーグでは結果を残していた渡邊でしたが、日本代表に合流して以降はケガもあって調子が上がらず、ワールドカップでも、その後のプレシーズンマッチでも思うような結果が残せていませんでした。

 

グリズリーズは、オフに複数のトレードを行ったことでロースターが膨らみ、昨シーズン渡邊の先を越して15人のロースターに入っていたブルーノ・カボクロやアイバン・ラブといった選手たちも、15人の枠からこぼれる可能性が出ていました。

 

そうすると、カボクロやラブが15人枠からこぼれた場合、2人を2way契約に切り替え、渡邊たちをカットするという選択肢も考えられました。

 

つまり、チームの判断次第では、渡邊がロースターに残れるかどうかも、決して安泰ではなかったわけです。

 

最終的にグリズリーズが取った判断は、12.4milのギャランティー契約が残っていたマイルズ・プラムリーをカットしてカボクロをロースターに残し、ラブはそのままリリースして2way契約へは移行しませんでした。

 

17.2milの契約が残すイグオダーラをバイアウトせず、そのままロースターに残す判断していたグリズリーズでしたので、極力無駄金は払わないでいく方針かなと思っていましたが、プラムリーの12.4milは負担する覚悟を決めたわけですね。

 

日本では、渡邊は当たり前に今シーズンもグリズリーズに残ると思われていたかもしれませんが、結構ギリギリで何とか残れたというイメージだと思います。

 

運があったと言えるかもしれませんが、今シーズンは本当に勝負の年になると思いますので、2way契約が終わっても残したいと思わせる結果を出していかないといけないと思います。