ニックスは、今年のオフの主役になるはずでした。
リーグ最低勝率に沈んだお陰で、ドラフトNo.1ピックをGETする予定でした。
そして、エースのポルツィンギスまで放出してサラリーキャップを空け、MAX契約のFAを2人獲得する予定でした。
ニックスが描いていたシナリオ通りにいっていれば、ドラフト1位でザイオンを指名し、FAでデュラントとカイリーの両取りに成功し、こんなラインナップが完成するはずでした。
PG:カイリー・アービング(FA)
SG:デニス・スミスJr./ケビン・ノックス
SF:ケビン・デュラント(FA)
PF:ザイオン・ウィリアムソン(ドラフト)
C:ディアンドレ・ジョーダン(再契約)
ドラフト1位が取れずに3位に落ちても、まだこんなラインナップは可能でした。
PG:カイリー・アービング(FA)/デニス・スミスJr.
SG:RJ・バレット(ドラフト)
SF:ケビン・ノックス
PF:ケビン・デュラント(FA)
C:ディアンドレ・ジョーダン(再契約)
しかし、現実はこうなりました。。。
PG:デニス・スミスJr./エルフリッド・ペイトン/フランク・二リキナ
SG:RJ・バレット/ウェイン・エリントン/アロンゾ・トリアー
SF:ケビン・ノックス/レジー・ブロック/デイミアン・ダットソン
PF:ジュリアス・ランドル/タージ・ギブソン
C:ボビー・ポーティス/ミッチェル・ロビンソン
一番の大物FAはランドル、若手有望株はポーティス、あとはベテランのロールプレイヤーばかりという補強に・・・・
どうしてこうなった?
途中までは順調に見えていたんです。
全30チーム中で唯一MAX2人分の空きを作り、この夏のFA市場をリードしていました。
そしてリーグ最下位をひた走り、ドラフト1位指名をGETする確率も上げていました。
しかし、神はニックスに味方しませんでした。
まず、ドラフト・ロッタリーで1位指名が取れず・・・・
最大の売りだったMAX契約2人分の空きも、唯一ではなくなり・・・・
風向きは大きく変わっていってしまいました。
そして、ニックスは自らも失策を犯していきます。。
デュラントがアキレス腱を切ったという衝撃的な事実が判明しても、FAでデュラントの獲得を狙っていた各チームは方針を変えず、あくまでデュラントにMAX契約をオファーしていました。
しかしニックスは、オーナーのジェームズ・ドーランが、ケガをしたデュラントに懐疑的な目を向け、MAX契約のオファーを躊躇したと報道されました。
そんなことでは、アンダードッグのチームがリーグのトップタレントを獲得することはできません。
立場的に断然有利だったはずのニックスでしたが、デュラントにソッポを向かれてしまったら、セットだったカイリーも振り向かず、じゃあ今旬のレナードでも誘ってみようかなと思ったら、レナードは故郷のLAの2チームとトロントにしか興味がなく。
そうこうしているうちに有力なFAは次々と決まっていき、大物狙いだったはずのニックスは、ロールプレイヤーの小物ばかりを集めていきました。
しかも、ジュリアス・ランドル、ボビー・ポーティス、タージ・ギブソンと、同じPFポジションの3人を、同じ日に立て続けに獲得していくという謎の動き。
大幅に空いてしまったサラリー枠をとにかく埋めようと、やみくもに取れる人を取っているようにしか見えない動き方でした。
せめて、もう一度仕切り直しをして、来年のFA戦線で大物を引き当てられるようになるといいのですが・・・・
ザイオンだ! と思ってメガネを拭いてみたら・・・・ランドルでした
その他の「ちょっと残念な動き」も追っていきましょう。
ハッサン・ホワイトサイド ⇔ モー・ハークレス(⇒クリッパーズ)
マイヤーズ・レナード(⇒ヒート)
先発Cのヌルキッチをケガで失っているブレイザーズは、その穴を埋めるビッグマンとして、ヒートからホワイトサイドを獲得しました。
それだけならわかるような気もするんですが、でもヌルキッチが復帰した時はどうするんでしょう?
両者ともセンターしかできませんので、どちらかが控えに回ることになります。
そしてそれはおそらくホワイトサイドになるでしょう。
ここ数年ホワイトサイドとヒートの関係が悪かったのは、出場時間や役割に不満を持っていたからでした。
ヌルキッチが不在中は問題ありませんが、復帰してからはまたヒートの時と同じ問題が勃発することになると思います。
ブレイザーズもおそらくそれはわかっていて、ホワイトサイドの契約は残り1年なので、1シーズン限定のレンタル・センターと考えているのかもしれません。
でも、もしそうであるならば、代わりに放出したハークレスとレナードも同じ残り1年契約だったんですよね。
であれば、わざわざ27.1milという高額年俸のホワイトサイドではなく、11.5milのレナードを先発Cとして使えばよかったのではないか?
というのも、レナードはウォリアーズとのカンファレンス・ファイナル最後の2戦で爆発し、GAME3で3P3/7の16点、GAME4でも3P5/8の30点・12リバウンドと覚醒していたんですね。
また27才と若く、7-1(216cm)のサイズで3Pも決められるセンターはなかなかいません。
であれば、ヌルキッチが復帰するまでの間、レナードを先発させて様子を見てもよかったんじゃないかと思うんですよね。
なぜわざわざホワイトサイドを取る必要があったのか?
全くの謎です。
さらにブレイザーズは、SFのジェイク・レイマンも放出しています。
身体能力もあって3Pも入るいい選手であり、開幕当初は先発として33試合に出場していました。
しかも、レイマンが新たに結んだ契約は3年11.5mil(年3.8mil)という安価なもの。
残そうと思えば残せたはずの選手でした。
今回動いた選手をまとめてみると・・・・
◆OUT:イネス・カンター/アル・ファルーク・アミヌ/モー・ハークレス/エバン・ターナー/マイヤーズ・レナード/ジェイク・レイマン/セス・カリー
◆IN:ハッサン・ホワイトサイド/ケント・ベイズモア/マリオ・ヘゾーニャ/アンソニー・トリバー
ロドニー・フッドと再契約したのはよかったですが、この中でレナードとレイマンは残すべき選手だったと思います。
そして金額的にも残せたはずの選手でした。
新しいロースターはこうなります。
PG:デイミアン・リラード
SG:CJ・マッカラム/ケント・ベイズモア/アンファニー・サイモンズ
SF:ロドニー・フッド/マリオ・ヘゾーニャ/ナシアー・リトル
PF:ザック・コリンズ/アンソニー・トリバー
C:ハッサン・ホワイトサイド/スカル・ラビシエール/(ユスフ・ヌルキッチ)
ホワイトサイドのトレードをせず、レイマンとも再契約をしていればこうでした。
PG:デイミアン・リラード
SG:CJ・マッカラム/ケント・ベイズモア/アンファニー・サイモンズ
SF:ロドニー・フッド/ジェイク・レイマン/ナシアー・リトル
PF:モー・ハークレス/ザック・コリンズ/アンソニー・トリバー
C:マイヤーズ・レナード/スカル・ラビシエール/(ユスフ・ヌルキッチ)
僕はこっちのチームの方がよかったと思います。
これでもしレナードが先発級のタレントに育てば、ナーキッチが復帰してきた時にどちらかをトレード要員としてフォワードの補強に回すこともできますし、少なくとも優秀なバックアップには育つと思うので。
たった1年のレンタルのために、ブレイクするかもしれない若手を簡単に出してしまうのはもったいなさすぎます。
ヒートでレナードがどんな結果を出すか、注目していきたいと思います。
ジェイク・レイマンはウルブスへ
マイヤーズ・レナードはヒートへ
★サンズがジョシュ・ジャクソンをグリズリーズへトレード
ジョシュ・ジャクソンがサンズを代表してロッタリー抽選に臨み、ドラフトNo.1ピックを引き当てたのは、わずか1年前の出来事でした。
昔はオーナーやGMばかりだったドラフトロッタリー抽選会も、近年は将来チームの顔となりそうな若手やレジェンドなどを送り込むことがトレンドになっています。
そして、サンズがチームの未来として送り込んだのがジャクソンでした。
それからわずか1年後。
ジャクソンは、サンズを追われトレードで放出されました。
1年という期間はなんて残酷なのか。
いったい何があったのでしょう?
まず、今シーズンの開幕を前に、スターターからベンチへと落ちました。
エースのデビン・ブッカー、ドラフト1位ルーキーのディアンドレ・エイトンとともに、昨シーズンのドラフト4位指名であったジャクソンは、チームの中心となるはずでした。
しかし、開幕前にベテランSFのトレバー・アリーザが加入すると、あっさりとレギュラーを追われてベンチスタートに。
なぜプレーオフの望みがないサンズが、若手のプレータイムを奪ってまでベテランを入れるのか全く謎でしたが、そんな動きの中で新人の年よりも出場時間が減るという憂き目に。
ジャクソン自身も、減った出場時間の中でシュート成功率が上がらず、ルーキーイヤーよりも平均得点を落としてしまいました。
そして、トドメとなる出来事が起きました。
シーズンが終了して程なく、音楽イベントに遊びに行っていたジャクソンが、通行パスがないのにVIPエリアへ何度も出入りしていたことで警察に逮捕されました。
そしてこの時、手錠をかけられたにもかかわらず逃走を図り、公務執行妨害で勾留されるという事件を起こしてしまったんですね。
さらに不祥事は続きます。
今度は生後5ヶ月の娘の近くで大量のマリファナを吸ったことで、訴えられました。
麻薬の濫用と児童虐待ですね。
本業の不振にオフコートでのトラブル。
これにはサンズのフロントも、さすがに愛想を尽かしました。
この一連の出来事が決定打となって、未来のチームの顔だったはずの若手ホープは、あっという間に放出対象となってしまいました。。
<グリズリーズ> ⇔ <サンズ>
ジョシュ・ジャクソン カイル・コーバー
ディアンソニー・メルトン ジェボン・カーター
2020年2巡目指名権
2021年2巡目指名権
ベテランのコーバーはトレード後にカットされていますので、コーバーが欲しかったわけではありません。
メルトンとカーターは昨年2巡目で指名された控えPG同士なので、同じランクの選手同士の交換になります。
ということはつまり、ジャクソンはタダ同然で放出されたということです。
しかも、サンズ側が2巡目指名権×2つを献上してますから、プレゼントをあげて引き取ってもらったという体裁になります。
2年前は1巡目4位指名、1年前はチームの代表としてステージに立ち、今はドラフト権2つを無駄にしてまで厄介払い・・・・
う〜ん。。。
<グリズリーズ>
PG:ジャー・モラント/デロン・ライト/ディアンソニー・メルトン
SG:エイブリー・ブラッドリー/CJ・マイルズ/ディロン・ブルックス/グレイソン・アレン
SF:アンドレ・イグオダーラ/カイル・アンダーソン/ジョシュ・ジャクソン/ソロモン・ヒル
PF:ジャーレン・ジャクソンJr./ジェイ・クラウダー/ブランドン・クラーク
C:ヨナス・ヴァランシウナス/マイルズ・プラムリー
トレードが多くて、まだロースターの整理ができてない状態ですね。。
<サンズ>
PG:リッキー・ルビオ/ジェボン・カーター/エリー・オコボ
SG:デビン・ブッカー/タイラー・ジョンソン/タイ・ジェローム
SF:ケリー・ウーブレイJr./ミケル・ブリッジズ/キャメロン・ジョンソン
PF:ダリオ・サリッチ/フランク・カミンスキー
C:ディアンドレ・エイトン/アーロン・ベインズ
うーん・・・・なんとも言いようがないですね。
サンズの動きは全てが謎なので、常人の頭には理解できません。
TJ・ウォーレンをタダでペイサーズにあげちゃうし。
ドラフトでPG取らずに、2巡目の選手取ってるし。
ルビオに他のチームが誰も払わない大金出してるし。
1巡目4位の選手を、ドラフト権2つつけてまで追い出してるし。
何をどうしたいのか全くわかりません。
2年前のドラフトでは4位で指名された有望株でした
1年前のドラフトロッタリー抽選会ではチームの代表として1位指名を引き当てた
エースのブッカーとドラフト1位のエイトンとともにサンズの未来を担うはずでした
ちゃんと更生して頑張ってくれるといいのですが・・・・