いやいや~
プレーオフも盛り上がってますが、ドラフト・ロッタリーも波乱の連続で大盛り上がりでした。
来月に行われるドラフトの順位を決める、ロッタリー抽選会が今日開かれました。
昨年までは、リーグ最下位のチームが25%(1/4)の高確率でNo.1ピックが当たる権利を持ち、あとは勝率の低い方から順番に当たる確率が割り当てられていました。
W=ワースト(成績が悪かったという意味)
W1位 25.0%
W2位 19.9%
W3位 15.6%
W4位 11.9%
W5位 8.8%
W6位 6.3%
W7位 4.3%
W8位 2.8%
W9位 1.7%
W10位 1.1%
W11位 0.8%
W12位 0.7%
W13位 0.6%
W14位 0.5%
成績が悪かったチームがより高い順位のドラフト指名権を獲得できるように配慮され、当選確率が割り当てられていたのですが、その格差が大きかったため、もうプレーオフに行けないと諦めたチームがわざと主力を休ませ、より成績を悪くしようとする“tanking”があからさまに行われるようになりました。
そこでNBAが改革に乗り出し、わざと負けるようなことが横行しないよう、当選確率のルール変更を行いました。
W1位 14.0%(←25.0%)
W2位 14.0%(←19.9%)
W3位 14.0%(←15.6%)
W4位 12.5%(←11.9%)
W5位 10.5%(←8.8%)
W6位 9.0%(←6.3%)
W7位 7.5%(←4.3%)
W8位 6.0%(←2.8%)
W9位 4.5%(←1.7%)
W10位 3.0%(←1.1%)
W11位 2.0%(←0.8%)
W12位 1.5%(←0.7%)
W13位 1.0%(←0.6%)
W14位 0.5%(←0.5%)
上位チームの確率が低くなり、W1位~W3位は同確率に。
逆に下位チームの確率が高くなり、上位と下位の確率差が少なくなりました。
つまり、「わざと負けて順位を悪くしても、ドラフトの恩恵は少ないですよ」というメッセージをNBA側が各チームに送ったんですね。
この変更後、初めて行われるドラフト・ロッタリーが今回でした。
そして、その影響はモロに現れました。
まず、今シーズンのレギュラーシーズンの結果を見てみましょう。
W1 ニックス 17-65
W2 キャブス 19-63
W2 サンズ 19-63
W4 ブルズ 22-60
W5 ホークス 29-53
W6 ウィザーズ 32-50
W7 グリズリーズ 33-49
W7 ペリカンズ 33-49
W7 マブス 33-49
W10 ウルブス 36-46
W11 レイカーズ 37-45
W12 ホーネッツ 39-43
W12 キングス 39-43
W12 ヒート 39-43
ニックス、キャブス、サンズがワースト3となっていて、これまでのロッタリー抽選で言えば、この3チームの中からNo.1ピックが出る可能性が高かったわけです。
しかし、結果はこうなりました。
1位 ペリカンズ W7(6ランクアップ↑↑↑↑↑↑)
2位 グリズリーズ W7(5ランクアップ↑↑↑↑↑)
3位 ニックス W1(2ランクダウン↓↓)
4位 レイカーズ W11(7ランクアップ↑↑↑↑↑↑↑)
5位 キャブス W2(3ランクダウン↓↓↓)
6位 サンズ W2(4ランクダウン↓↓↓↓)
7位 ブルズ W4(3ランクダウン↓↓↓)
8位 ホークス W5(3ランクダウン↓↓↓)
9位 ウィザーズ W6(3ランクダウン↓↓↓)
10位 ホークス(←マブス) W7(3ランクダウン↓↓↓)
11位 ウルブス W10(1ランクダウン↓)
12位 ホーネッツ W12(変わらず→)
13位 ヒート W13(変わらず→)
14位 セルティックス(←キングス) W14(変わらず→)
なんと、ワースト7位だったペリカンズとグリズリーズが1位と2位に、さらにワースト11位だったレイカーズも4位へとジャンプアップしたんですね。
逆に、ワースト1位だったニックスが3位に、ワースト2位だったキャブスとサンズが、それぞれ5位と6位にランクダウンする結果となりました。
豊作と呼ばれる今年のドラフトで、チーム再建を狙っていたニックス・キャブス・サンズは大ショック・・・・
逆に、ペリカンズ・グリズリーズ・レイカーズは、思わぬプレゼントをもらった格好です。
ペリカンズはワースト7位だったわけですが、昨年まではワースト1位と7位の差は、25.0%と4.3%と5倍ぐらいの開きがありました。
しかし、今年は14.0%と7.5%でわずかに2倍程度の差しかありません。
確率による格差が縮んだ結果、今回のような“下克上”が起こってしまったんですね。
さらに、ロッタリー抽選に該当するチームを上位3チームから4チームへと増やす変更も加えられていました。
昨年までは、上位3チームだけ抽選で決まり、あとは成績順に4位以降が決められていました。
しかし今年は、上位4チームが抽選となったため、さらなる下克上の可能性が広がり、見事にワースト11位だったレイカーズが4位へと上がる余地が生まれたんですね。
上位指名を狙っていたチームにとっては何ともやるせない結果となってしまいましたが、ある意味これで、成績が悪くてもドラフト順位が上がるわけではないということが結果として示されたので、来シーズン以降は、わざと負けてもあまり得しないという雰囲気が定着し、いわゆる“tanking”が少なくなるのではないかと思います。
そしてそれは、NBA側が目論んだ通りの結果なので、今ごろアダム・シルバーさんはほくそ笑んでいるかもしれませんね。。。
ペリカンズがドラフト1位を引き当てたという事実も、今年のオフの動きをおもしろくさせそうです。
そもそも、アンソニー・デイビスがトレードを直訴したのも、せっかく獲得したオールスターのディマーカス・カズンズを何の見返りもなくFAで手放したりして、一向に補強が進まないチームに嫌気がさしたことが大きな原因でしょう。
それだけに、ドラフトNo.1ピックで即戦力のザイオン・ウィリアムソンを取れるなら、再び勝てるチーム作りができるかもしれません。
さらには、前キャブスGMだったデビッド・グリフィンが新GMに就任し、ADをチームに残るよう翻意させようとしています。
グリフィンはキャブスのGM時代、ルブロンと良好な関係を築いていました。
ADは開幕前に、ルブロンと同じエージェントと契約しています。
(それもあって、レイカーズ行きのトレード話が出たわけですが)
つまり、グリフィン新GMは、ADのエージェントとキャブス時代から良好な関係にあるので、もしかしたらADを翻意させることができるかもしれないんですね。
それから、もしトレードになるにしても、だいぶ事情が変わりました。
例えばニックスは、ADを取ろうとしてポルツィンギスをオファーしましたが、断られていました。
ニックスにとってポルツィンギス以上のオファーがあるとしたら、それはドラフト1位指名権ぐらいしかありません。
そしてリーグ最下位だったニックスは、1位指名権を取れる最有力候補でした。
なので、1位指名権が取れたら、それをダシにADのトレードを画策しようという狙いがありました。
しかし、当のペリカンズが1位指名権を引き当ててしまったことで、そういう計画は全て崩れてしまいました。
成績下位のチームにとって、切り札だったとも言える1位指名権を、よりによってペリカンズが取ってしまうとは・・・・
いろいろな意味で、各チームにとってショックの大きな結果となりました。
また、レイカーズが4位指名権を引き当てたことで、再びADのトレード話が加速する可能性もあります。
トレード・デッドラインの時、レイカーズは若手有望株をほぼ全員差し出しましたが、結局ペリカンズに断られました。
しかし今回、4位指名権という強力な武器を手に入れたことで、デッドラインの時よりも魅力的なオファーをできるようになりました。
ペリカンズ的にも、もしADの慰留に失敗したとしても、豊作と言われる今年のドラフトで1位と4位を指名でき、さらにレイカーズの若手コアを獲得できれば、十分チームの再建を行うことができます。
そのレイカーズのオファーを断る遠因ともなったボストンの動きも気になります。
FAとなるカイリー・アービングがチームに残るのか、残らないのかにもよってきますが、残るとしたら、仲がうまくいっていない若手コアを出して、ADを取る可能性が高まります。
その場合、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、テリー・ロジアー、マーカス・スマートといったあたりがトレード候補となってくるでしょう。
さらには、ジュルー・ホリデーをペイサーズのマイルズ・ターナーと交換すれば、不在となるセンターの穴が埋まります。
そうすると、
PG:テリー・ロジアー/マーカス・スマート
SG:ジェイレン・ブラウン
SF:ジェイソン・テイタム
PF:ザイオン・ウィリアムソン
C:マイルズ・ターナー
なんていうラインナップも可能なわけです。
単なるドラフトの抽選会が行われただけなのに、これだけのことが一気に動き出すんですよねぇ~
ドラフトの行方も楽しみですが、それに絡んだADの去就問題からも目が離せません。
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