今年は久々にサマーリーグに注目した年でした。
なんせ日本人が4人も出場することなんてなかったですからね。
NBAとの距離が縮まってきたのかな?と感じさせてくれます。
そして、サマーリーグ自体が若手の登竜門であることに変わりはありません。
2年前のドラフトで1巡目27位と下位指名だったカイル・クーズマがMVPに輝き、あれは誰だ?と言われながらも、決してその結果がまぐれではなく、現在も唯一レイカーズの主力として生き残っている事実から考えても、サマーリーグで実力を示すことは若手選手にとって非常に重要な意味を持ちます。
そして今年のMVPは、やはり1巡目21位と下位指名だったブランドン・クラーク。
サマーリーグ全体のMVPとサマーリーグ決勝のMVPの両方に輝きました。
クラークは、ご存知の通り八村塁のゴンザガ大のチームメイトです。
クラークのトーナメントでの活躍を見て、これはロッタリーピック間違いないだろうと考えて、モックドラフトでもそのように書きました。
しかし、意外なことに上位指名はされず、21位まで落ちました。
運良く拾ったグリズリーズはラッキーだったと思います。
実力よりも、サイズやポテンシャルが重視されるドラフト特集の評価の中で、インサイドプレイヤーなのに6−8(203cm)と上背が足りないクラークは、大学では通用してもNBAでは厳しいだろうと評価されたのでしょう。
でも、誰もがドラフト1位指名と認めるザイオンも、上背が足りないインサイドプレイヤーです。
NBAでは活躍できない、なんてことはないと思います。
トランジッションの速い現在のNBAの潮流の中で、スモールラインナップのセンターとしても機能する素材だと思います。
上背があって3Pも打てるジャーレン・ジャクソンJr.と、ないものを補い合えるいいコンビとなりそうです。
Best of Summer League MVP Brandon Clarke | MGM Resorts NBA Summer League
さて、サマーリーグの優秀選手も発表されています。
<1stチーム>
G ケンドリック・ナン(ヒート) 2年目
G ニキール・アレクザンダー・ウォーカー(ペリカンズ) ルーキー
F ブランドン・クラーク(グリズリーズ) ルーキー
C ジャレット・アレン(ネッツ) 3年目
C ミッチェル・ロビンソン(ニックス) 2年目
<2ndチーム>
G アンファニー・サイモンズ(ブレイザーズ) 2年目
G ロニー・ウォーカーⅣ(スパーズ) 2年目
F 八村塁(ウィザーズ) ルーキー
F クリス・ブシェール(ラプターズ) 3年目
C ジャクソン・ヘイズ(ペリカンズ) ルーキー
2年目、3年目の選手もいる中で、選ばれているルーキーは期待大ですね。
八村とクラークのゴンザガ勢が2人も入っているのは嬉しいニュースです。
さて、1stチームと2ndチームを紹介しておいてなんなんですが、サマーリーグで個人的に気になったルーキーを勝手に紹介していきたいと思います。
◎ニキール・アレクザンダー・ウォーカー(ペリカンズ) 1巡目17位指名
1stチームにも選手されたアレクザンダー・ウォーカーは、以前のブログでも紹介したように、シェイ・ギルジャス・アレクザンダーと同学年のいとこです。
サイズや風貌も似てる2人ですが、シェイが長身のPGであるのに対して、ニキールはDo-it-allタイプのSGです。
得点力や3Pのシュート力もさることながら、スティールやアシストパスでも光る才能を見せています。
それは、スタッツラインからも明らかです。
34点・5リバウンド・5アシスト・4スティール・3P5本
26点・5リバウンド・6アシスト・1スティール・1ブロック・3P3本
23点・2リバウンド・8アシスト・3スティール・2ブロック・3P3本
といった具合に、オールラウンドな働きぶりで非常に目立っていました。
シュートは右手からなのに、ドリブルやパスは左手からが圧倒的に多いプレースタイルも特徴的です。
Pelicans' Nickeil Alexander-Walker Highlights | 2019 NBA Summer League
◎タイラー・ヒロー(ヒート) 1巡目13位指名
前回のブログでも紹介しましたが、タイラー・ヒローの活躍も印象的でした。
ドノバン・ミッチェルやデビン・ブッカーなど、ドラフト13位指名でチームのエースに成長した掘り出し物が見つかるケースが続いたため、このタイラー・ヒローもそうなるんじゃないか?という期待が高まっています。
25点・7リバウンド・5アシスト・1スティール・3P2本
23点・2リバウンド・4アシスト・3スティール・3P4本
16点・7リバウンド・5アシスト・1スティール・3P1本
白人のシューターなので、レディックのようなシュート職人タイプを想像していましたが、ドリブルワークやアシストパスでも器用なところを見せています。
先ほどのアレクザンダー・ウォーカーほどのオールラウンダーではないにしても、PGのバックアップもできるコンボガードとしても使えそうな雰囲気がします。
ドラギッチのバックアップがおらず、クリス・ポールのトレード話も進展していないチーム事情を考えると、ヒローの存在はヒートにとって貴重な戦力となりそうです。
Best of Tyler Herro | MGM Resorts NBA Summer League
最後は、みんな大好きタッコ・フォールです。
なんと身長は、7−7(231cm)!
NBA史上最長身記録を持つ、ジョージ・ミュアサンとマヌート・ボルと同じ身長です。
そして、両手を広げたウィングスパンはあのルーディ・ゴベアよりも15cm長く、スタンディングリーチは3m10cmを超えているそうです・・・・
それって、どういうことかわかりますか?
リングの高さは3m5cmですよ?
つまり、立ったままで既にリングを超えているんです!!!
これはビックリ大巨人ですねぇ〜
そして、今後に期待を抱かせるのは、この特大サイズの割には動きが軽やかで、あまりギクシャクしたところが見受けられないことです。
意外とスムーズな動きを見せるのであまりその大きさを感じないのですが、手を伸ばしただけで周りの上からリバウンドをもぎ取ったり、ほとんどジャンプせずに簡単にダンクをしている姿を見ると、やっぱり大きいんだなと実感します。
ある試合では、17分という短い出場時間の中で、FG6/8本の12点・8リバウンド・4ブロックという立派な成績も残しています。
サマーリーグでのプレーを見ていると、どうしてドラフトされなかったんだろう?という疑問すら沸いてくるのですが、このままいけばセルティックスのロースターに残れそうな流れなので、ぜひNBAのコートでそのプレーを見てみたいですね。
Best of Tacko Fall | MGM Resorts NBA Summer League
183cmのカーセン・エドワーズとはこの身長差
足はフロアに付いたままこの高さ・・・・
普通の人と並ぶと半分ぐらいにしか見えません(笑)