ウェストブルックはどこへ行く?というブログを書いたらすぐ行き先が決まりました。
しかしそれは、最も有力視されていたヒートではなく、ロケッツでした。
ヒートの交換相手として「ドラギッチ+α」を書きましたが、サンダーは若手のアデバヨやルーキーのタイラー・ヒローらを要求したようです。
ヒートは将来有望な若手を出してまでウェストブルックを取ろうとはしていませんでしたので、ここで交渉が決裂しました。
特に、ドラフト13位指名のタイラー・ヒローは、サマーリーグで大活躍を見せており、今からドノバン・ミッチェルやデビン・ブッカーらに続く「13位の掘り出し物」ではないかと言われています。
ヒートもそこまでして、絶対取らなきゃとは思っていなかったので、ベテランで取れないんならいいや、という判断になったものと思われます。
一方のロケッツは、どげんかせんといかん状態でした。
チームがこのままだと手詰まり状態だったので、何かを変える必要がありました。
当初は、ハーデンとクリス・ポール以外の3人(カペラ、ゴードン、タッカー)を売りに出して誰かを取ろうとしていましたが、FA戦線の中で完全に取り残されていました。
ウェストブルックのトレードを考えた時も、交換相手はこの3人にするのかな?と考えていました。
なぜなら、リビルディングを決めたサンダーに、40mil×3年の契約が残る34才のPGは必要ないからです。
ただ、前回のブログに書いた通り、ロケッツ的には40milのガードを3人並べるラインナップは、バランス的にもサラリー的にもありえませんでした。
なので、このロケッツ行きのトレードは難しいんじゃないかと思っていました。
しかし、サンダーはクリス・ポールを引き取ることを受け入れたんですね。
これは驚きでした。
自分のチームに不必要な選手を入れてまで、ウェストブルックの行き先を優先させてあげたのかなと思います。
長年貢献してくれたフランチャイズプレイヤーへの、せめてもの敬意でしょう。
温情を感じます。
ロケッツのロースターです。
<ロケッツ>
PG:ラッセル・ウェストブルック/オースティン・リバース
SF:ジェームス・ハーデン/ダヌエル・ハウスJr.
PF:PJ・タッカー/ゲイリー・クラーク
C:クリント・カペラ/タイソン・チャンドラー
ちょっとサイズは足りないですが、バランス的には悪くないですね。
ファリードは再契約しておきたいです。
ウェストブルックとハーデンの共存を疑問視する声もありますが、そこはあまり問題ではないかなと思います。
元々チームメイトとして一緒にやっていたので、お互いの活かし方はわかっているということは、当人たちもコメントしています。
それと、ウェストブルックのチームがうまくいかないのは、ウェストブルックがNo.1オプションとなった場合です。
デュラントなり、ハーデンなり、スコアリングのNo.1オプションが別にいる場合は、No.2のポジションでうまく働きます。
しかし、ひとたび自分がNo.1オプションになってしまうと、ボールを持ちすぎ、確率の悪いシュートセレクションを乱発し、調子が悪くても打ち続ける、みたいな独善的なプレースタイルが出てきてしまいます。
ただ、ハッキリしたNo.1オプションが決まっていれば、それを補完する2番手としての動きは優秀です。
ゆっくりしたハーデンのペースと、スピーディなウェストブルックのペースは、チームとしてのチェンジ・オブ・ペースになって、相手チームにとっては非常に嫌でしょう。
勝手知ったる仲として、ウェストブルックがハーデンのサポート役に徹することができれば、コンビネーションは機能するでしょう。
さて、サンダーの方はどうでしょう?
サンダーは、クリス・ポールの次なる行き先を探しています。
トレード先の候補としては、前回ウェストブルックのトレード先として挙げた各チームと共通すると思います。
ヒート、ピストンズ、ウルブスといった、PGを求めていて今勝ちたいチームです。
特にピストンズになるとおもしろいなあと思います。
グリフィンとのコンビ再結成になるからです。
“ロブ・シティ”と呼ばれたアリウープパスの出し手が返ってきたら、イーストのダークホース的な存在になるんじゃないかなと思います。
では、まだ候補として出てきてないチームをいくつか見ていきましょう。
マジックはずっと先発PG不在の状態が続いていて、現在は控えPGのDJ・オーガスティンが先発を務めている状態です。
こんなトレードであれば成立します。
<マジック> ⇔ <サンダー>
DJ・オーガスティン
マーケル・フルツ
ラインナップはこうなります。
<マジック>
PG:クリス・ポール/マイケル・カーター・ウィリアムス
SF:ジョナサン・アイザック/ウェス・イワンドゥ
PF:アーロン・ゴードン/アル・ファルーク・アミヌ
C:ニコラ・ブチェビッチ/モー・バンバ
自らオフェンスをクリエイトできるタイプがいないので、ものすごくPGを必要としているロースターですが、果たしてクリス・ポールが行きたいかどうかは微妙ですね。
続いてブルズ。
こちらもPGを必要としているチームです。
<ブルズ> ⇔ <サンダー>
クリス・ポール オットー・ポーターJr.
クリス・ダン
シャキール・ハリソン
<ブルズ>
PG:クリス・ポール/コービー・ホワイト/ライアン・アーチディアコノ
SG:ザック・ラビーン/トマス・サトランスキー/アントニオ・ブレイクニー
SF:サディアス・ヤング/チャンドラー・ハッチソン/デンゼル・ワシントン
PF:ラウリー・マカネン/ダニエル・ガフォード
C:ウェンデル・カーターJr./クリスティアーノ・フェリシオ
う〜ん、マジックと同じで、チームとしてPGは欲しいですが、クリス・ポールが行きたいかどうかは別問題ですね。。
最後に、実は一番おもしろいんじゃないかと思っているトレードを。
<マブス> ⇔ <サンダー>
クリス・ポール ティム・ハーダウェイJr.
コートニー・リー
ジャスティン・ジャクソン
<マブス>
PG:クリス・ポール/ジェイレン・ブランソン/(JJ・バレア)
SG:デロン・ライト/セス・カリー/ライアン・ブロコフ
SF:ルカ・ドンチッチ/ドリアン・フィニー・スミス
PF:クリスタップス・ポルツィンギス/マキシ・クレベル
C:ドワイト・パウエル/ボバン・マリヤノビッチ
先ほどの2チームと比べると、マブスは今勝てるチームだろうと思います。
そういう意味では、リビルディング中のチームに入るよりはクリス・ポールのモチベーションも上がるのではないかと。
ドンチッチとポルツィンギスは、年齢こそ若いものの、確実にオールスタークラスのタレントです。
これをクリス・ポールが操れば、プレーオフも狙えるチームになります。
先発PG候補としてFA契約したデロン・ライトは、6−5(196cm)と上背があるコンボガードのため、SGとして起用することも可能です。
であれば、このオフ補強した戦力も無駄にならずに、オールスターPGを加えることができます。
また、オーナーのマーク・キューバンは大物好きですので、かつて35才のジェイソン・キッドをネッツから獲得したように、34才のクリス・ポールを迎え入れることに抵抗がないかもしれません。
ちょっとこれが実現したら、見てみたいチームになりますねぇ〜