Mock Draft Vol.1

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前回のブログで、ドラフトの指名順が決まったことをお伝えしましたが、今回はどんな選手が指名されそうなのかという候補を挙げていってみたいと思います。

 

注目の八村塁に関する噂も出ていましたので、その辺りも踏まえた「Mock Draft(模擬ドラフト)」にしてみました。

 

【1位 ペリカンズ】

 Zion Williamson(ザイオン・ウィリアムソン) 6-7(201cm) PF デューク大1年

 22.6点/8.9リバウンド/1.8ブロック/2.1スティール/FG68.0%/3P33.8%

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もう1位はこの人に決まり、と言われています。

1年生にして、文句なしでカレッジ最優秀選手に選ばれました。

 

ルブロンⅡ世なんて呼ばれたりもしていますが、まあ確かに体格の良さとかダンクのスゴさは似ていますが、どちらかというとPF系の選手ですね。

しかし、横幅のある体格の割には、軽々と高く跳ぶジャンプ力に、横への敏捷な動きもできるので、怪物と呼ぶに相応しい末恐ろしいポテンシャルを持っています。

 

ペリカンズは、アンソニーデイビスの去就問題を抱えていますので、ザイオンとADがゴール下に並んでプレーすることがあるのか、それともADはトレードされてしまうのか、このオフの動きが注目されます。

 

【2位 グリズリーズ】

 Ja Morant(ジャ・モラント) 6-3(191cm) PG マレー州立大2年

 24.5点/10.0アシスト/5.7リバウンド/1.8スティール/FG49.9%/3P36.3%

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2位指名権を引き当てたグリズリーズは、もうモラントの指名を明言しています。

モラントは、開幕前はそれほど注目された存在ではありませんでしたが、2年生のシーズンに大ジャンプアップ。

得点は全米8位の24.5点、そしてアシスト10.0本はダントツの全米No.1。

2位が7.7本ですから、圧倒的な大差でアシスト王となりました。

(ちなみにアシスト2位は、日本代表でもあるテーブス海です)

 

グリズリーズにはマイク・コンリーがいますが、チームは既にリビルディングを見据え、2月のトレード・デッドラインの時に放出に動いていましたから、夏の間に再びトレードを画策するでしょう。

昨年4位で指名したジャーレン・ジャクソンJr.とモラントをチームの核として、未来に向けたチーム作りを進めていくことになります。

 

【3位 ニックス】

 RJ Barrett(RJ・バレット) 6-7(201cm) SG デューク大1年(カナダ)

 22.6点/7.6リバウンド/4.3アシスト/0.9スティール/FG45.4%/3P30.8%

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開幕前のドラフト1位最有力候補は、ザイオンではなく、このバレットでした。

U19世界選手権やナイキ・フープ・サミットなどでMVPを獲り、高校No.1プレイヤーとしてデューク大に進学しました。

身体能力はザイオンの方が上でしたが、選手としての完成度はバレットの方が上でした。

そしてデューク大でもチームのトップスコアラーとして活躍しますが、徐々にザイオンの存在感が増していき、ドラフト順位も評価もいつの間にか逆転されていました。

 

しかし、ずっとドラフト1位と言われてきたその実力は確か。

自らの得点だけでなく、アシストパスによるゲームメイクもでき、オールマイティさと総合力の高さは、どのチームでもフランチャイズ・プレイヤーとなれる素材。

 

問題は、ニックスがどう出るのか。

バレットを中心にしたチーム作りを考えるのか、それとも大物FAやオールスター級のベテランを狙って、バレットの指名権をトレードの材料とするのか。

現状ではどちらの可能性も考えられるので、今後の動きが注目されます。

 

【4位 レイカーズ】

 Darius Garland(ダリアス・ガーランド) 6-3(191cm) PG ヴァンダービルト大1年

 16.2点/3.8リバウンド/2.6アシスト/0.8スティール/FG53.7%/3P47.8%

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スピードとシュート力に優れる超攻撃的PG。

ただ開幕5試合目でケガを負い、シーズン全休となってしまったため、その実力は未知数のままになっています。

しかし、既にPGを必要としているチームから指名の約束をもらったという噂があり、それが4位のレイカーズか6位のサンズではないかと言われています。

 

マジック・ジョンソンが辞任し、アンソニーデイビスのトレード問題もくすぶったままと、お家事情が騒がしいレイカーズですが、ロンドがFAとなり、ロンゾ・ボールを指名したマジックも去ったことを考えると、新PGを指名して再出発を狙ってもおかしくはないでしょう。

 

【5位 キャブス】

 DeAndre Hunter(ディアンドレ・ハンター) 6-7(201cm) SF/PF バージニア大2年

 15.2点/5.1リバウンド/2.0アシスト/0.6スティール/FG52.0%/3P43.8%

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成績通りで言えば2位指名権をもらえたはずのキャブスは、まさかの5位に。

ルブロン後のフランチャイズ・プレイヤーを指名しようと目論んでいたのに、当てが外れてしまいました・・・・

 

そうなると、優秀なロールプレイヤータイプを指名するしかなさそうですが、昨年のドラフトでPGのセクストンを指名しているので、PG以外になると思います。

候補としては、ハンター、レディッシュ、カルバーあたりが考えられますが、ここでは優勝したバージニア大で攻守の要として活躍したハンターを入れてみました。

 

ハンターは、フィジカルに強く、ディフェンスがいい選手ですが、3Pを決められる器用さも持ち合わせています。

トーナメントでも、大事なところで3Pを決めていたシーンが印象的でした。

 

【6位 サンズ】

 Coby White(コービー・ホワイト) 6-5(196cm) PG/SG ノースカロライナ大1年

 16.1点/4.1アシスト/3.5リバウンド/1.1スティール/FG42.2%/3P35.3%

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サンズは、現在NBAで最もPGを必要としているチームです。

本当は2位か3位に入って、モラントを指名するのがベストなシナリオでした。

そして、その可能性は十分ありました。

しかし、5位のキャブス同様、TOP3に入るはずが6位まで落ちてしまいました。

 

もし4位のレイカーズがガーランドを指名した場合、次なるPG候補がホワイトになります。

ただ、ホワイトはサイズのあるコンボガードで、プレイメイカーというよりはスコアラータイプです。

サンズが求めるPG像に合致する選手なのかどうかが気になるところです。

 

【7位 ブルズ】

 Cameron Reddish(キャメロン・レディッシュ) 6-8(203cm) SF/SG デューク大1年

 13.5点/3.7リバウンド/1.9アシスト/1.6スティール/FG35.6%/3P33.3%

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レディッシュは、高校時代にTOP3に入る評価を受け、ザイオン、バレットとともにデューク大のスーパー1年生トリオとして期待されていました。

しかし、ほぼ同じポジションの3人が同じチームに入ったことで、誰かが脇役に回らなくてはいけなくなり、そのあおりを食ったのがレディッシュでした。

そのため、カレッジでのスタッツは低調なものになってしまいましたが、元々持っているポテンシャルは高いものがあり、将来性は期待されています。

 

ブルズはチーム再建の途中であり、ラビーン、マカネン、ウェンデル・カーターJr.らの若手コアに、さらにできる限りのタレントを追加しようとしています。

レディッシュは、将来大化けする可能性を秘めた素質があり、上位だとリスクがありますが、7位という指名順でなら賭けに出る価値があると言えます。

さほどポジション的なニーズに迫られていないこともあるので、ブルズはタレントと潜在能力重視の指名に来るのではないかなと思います。

 

【8位 ホークス】

 Jarrett Culver(ジャレット・カルバー) 6-7(201cm) SG テキサス工科大2年

 18.5点/6.4リバウンド/3.7アシスト/1.5スティール/FG46.1%/3P30.4%

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8位と10位の2つの指名権を持つホークス。

ポジション的なニーズでいけば、トレイ・ヤング、ジョン・コリンズ、トーリーン・プリンス以外のSGとCにスターター級の選手を取りたいところです。

 

そうすると、SGで2番目の評価を受けているカルバーが浮上します。

八村塁のゴンザガ大を破ったテキサス工科大のエースとして活躍したカルバーは、攻守に安定した働きが期待できます。

アウトサイドシュートの確率にはやや課題がありますが、ディフェンスでも計算できるのはチームにとって大きなメリットとなるでしょう。

 

【9位 ウィザーズ】

 Jaxson Hayes(ジャクソン・ヘイズ) 7-0(213cm) C テキサス大1年

 10.0点/5.0リバウンド/2.2ブロック/FG72.8%/FT74.0%

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ウィザーズにおいて一番手薄なポジションはCになるでしょう。

トーマス・ブライアントが予想外のブレイクをしましたが、ゴール下のディフェンスが弱いことには変わりありません。

ドワイト・ハワードもイアン・マイーミも不良債権化しているので、ショットブロッカーがほしいところです。

 

ただ、今年のドラフトでは、上位に来そうなCの有力候補があまりいません。

ヘイズは全米2位の高いFG成功率と、ショットブロックが売りの典型的なセンター。

よりディフェンシブなゴール下のビッグマンということで、トーマス・ブライアントとは正反対の魅力があるのではないかと思います。

 

【10位 ホークス(←マブス)】

 Bol Bol(ボル・ボル) 7-2(218cm) C オレゴン大1年

 21.0点/9.6リバウンド/2.7ブロック/FG56.1%/3P52.0%/FT75.7%

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もう一人の数少ないセンター候補が、このボル・ボルです。

NBA最長身プレイヤーだったマヌート・ボル(7-7/231cm)の息子です。

ボル・ボルは、身長こそお父さんに届きませんでしたが、軽やかに動き、細かいスキルも持ち合わせている器用なプレイヤーです。

少ない試合数ながら、3P成功率は52.0%を記録しています。

 

残念ながら、カレッジでのゲームは9試合しか出場できませんでした。

このケガの多さと細い身体が、常に故障のリスクを背負っているため、スタッツの割には評価が上がらない原因となっています。

 

ただ、先程8位のところで紹介したように、ホークスはSGとCが不足しています。

8位でSGを指名した場合、10位はポテンシャルを秘めたCを指名してもおかしくありません。

2つの指名権を持っているホークスは、多少のリスクを覚悟した攻めの指名にいけるチームではないかと思っています。

 

【11位 ウルブス】

 Rui Hachimura(八村塁) 6-8(203cm) SF/PF ゴンザガ大3年(日本)

 19.7点/6.5リバウンド/1.5アシスト/0.9スティール/FG59.1%/3P41.7%

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ウルブスから指名の約束を受けたのではないかという噂の信憑性はわかりません。

しかし、もし本当だとしたら、ウルブスは八村にとって悪くないチームだと思います。

若手が中心であり、かつフォワード・ポジションに先発となれる余地を残しているチームだからです。

カール・アンソニー・タウンズとアンドリュー・ウィギンス以外は、ポジションが固まっていないワイドオープンなチームと言えるでしょう。

 

ただ気になるのは、八村自身の評価が安定しないことです。

PFとしてはサイズが足りず、SFとしてはジャンプシュートや1on1スキルが足りないため、中途半端な“tweener”と捉えられています。

オールマイティに何でもできる反面、これといった特徴がなく、特にオフェンス面での売りが少ない点が、いまいちドラフトでアピールできない要因となっています。

コンスタントに3Pを決められるシュートレンジを手に入れるなど、NBAでも通用するオフェンススキルが求められます。

 

すぐに結果を求められるようなチームではなく、じっくり成長を待ってくれるチームに行くことが重要になるでしょう。

そういう意味でも、ウルブスは成長途中の八村にとって都合のいいチームではないかと考えます。

是非、ロバート・コビントンからディフェンスを学び、ダリオ・サリッチから3Pのスキルを学んで、選手としてレベルアップしてほしいなと思います。

 

【12位 ホーネッツ】

 Brandon Clarke(ブランドン・クラーク) 6-8(203cm) PF/C ゴンザガ大3年

 16.9点/8.6リバウンド/1.9アシスト/3.2ブロック/1.2スティール/FG68.7%

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八村とゴンザガ大で一緒にプレーしたクラークは、トーナメントで評価が急上昇しました。

2回戦のベイラー大戦で36点・8リバウンド・5ブロックをマークするなど、トーナメント平均で20.3点・10.0リバウンド・3.75ブロック・FG64.7%と大ブレイク。

エースの八村よりも注目を浴びる存在となりました。

 

上背はないものの高いジャンプ力から繰り出されるブロックは、今年のドラフトの中でもNo.1という評価を受けています。

11位のウルブスから14位のセルティックスまでの全てのチームが興味を持っていると言われていますが、その中でも特にフォワード・ポジションが弱いホーネッツが強い興味を示しています。

 

【13位 ヒート】

 Sekou Doumbouya(セクー・ドンボーヤ)  6-9(206cm) PF/SF ギニア/フランス

 6.4点/2.9リバウンド/0.6アシスト/0.4ブロック/0.6スティー

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ヒートには本当はPGが必要ですが、この順位までいいPGは残っていないと思われるため、ポテンシャル重視の指名となりそう。

ギニア生まれフランス育ちのドンボーヤは、まだ荒削りなものの、身体能力が高く、攻守両面で大成するポテンシャルを秘めています。

同じアフリカ出身のパスカル・シアカムのような選手になれる可能性があります。

(シアカムはドラフト27位指名)

ちょうどディフェンシブなPFがいないチーム事情もあるので、ヒートにとっては悪い指名ではないと思われます。

 

【14位 セルティックス(←キングス)】

 Romeo Langford(ロメオ・ラングフォード) 6-6(198cm) SG インディアナ大1年

 16.5点/5.4リバウンド/2.3アシスト/0.8ブロック/0.8スティール/FG44.8%

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各ポジションにまんべんなくタレントを揃えているセルティックスですが、あえて手薄なポジションを挙げると、SGとPFになるかと思います。

特にSGは、本来PGであるマーカス・スマートや本来SFであるジェイレン・ブラウンで埋めている状態です。

 

ラングフォードは、純粋なSGタイプのスコアラーで、高校の頃から注目されていた選手。

自らショットをクリエイトできる存在として、重宝されるでしょう。

ただ3P成功率は27%と低いため、アウトサイドショットの向上が課題です。

 

 

以上、14位のロッタリーピックまで見てきましたが、このドラフト1ヶ月前という段階に来ても選手の評価というのはどんどん変わっていきます。

八村もTOP5から20位ぐらいまでの大きな幅のある予想となっていますので、今後の動きを注視していきたいと思います。