ドラフトのロッタリー抽選がありました。
レギュラーシーズンの成績が悪かった順に並ぶのがベースですが、今年も上位はその通りにはなりませんでした。
1位(↑2位) ピストンズ
2位(↓1位) ロケッツ
3位(↑5位) キャブス
4位(↑7位) ラプターズ
5位(↓3位) マジック
6位(↓4位) サンダー
7位(↓6位) ウォリアーズ(←ウルブス)
8位 マジック(←ブルズ)
9位 キングス
10位 ペリカンズ
11位 ホーネッツ
12位 スパーズ
13位 ペイサーズ
14位 ウォリアーズ
まず、No.1ピックが欲しかったロケッツは残念ながらTOPピックを取れず。
代わりに、ワースト2位だったピストンズが1位指名権を獲得しました。
このトップピックが取れるか取れないかというのは、順位1つ分以上の重みがあります。
また、3位と4位に入ったキャブスとラプターズは、今年の幸運をつかんだチームです。
逆に、5位と6位のマジックとサンダーは順位を落としました。
今年はTOP5とそれ以外のタレントに差があると言われているので、5位以内に入るかどうかという点も大きなポイントでした。
7位のウォリアーズと8位のマジックはそれぞれ、ディアンジェロ・ラッセルのトレードとニコラ・ブチェビッチのトレードで得た1巡目指名権になります。
両チームとも、今年のロッタリーに2つずつ指名権を持つことになるので、そのまま新人を指名するのか、トレードの駒として使うのか、今後の動きが注目されます。
では、チームごとの状況と最初の指名予想です。
【1位 ピストンズ】
PG/SG ケイド・カニングハム(オクラホマ州立大1年) 6−8(203cm)
20.1点/6.2リバウンド/3.5アシスト/1.6スティール/FG43.8%/3P40.0%
今年最大の目玉は、203cmの大型PGケイド・カニングハムです。
ただ、ピストンズはリビルディング初年度となった昨年のドラフトで、同じPGのキリアン・ヘイズを7位で指名し、開幕から先発PGとして起用しました。
2年連続でPGを指名するとなると、昨年の指名は無駄になってしまいます。
ただ、現在のドンチッチやトレイ・ヤングの活躍ぶりを見ると、フランチャイズプレイヤーとなれる司令塔の存在は、リビルディングを成功させる鍵とも言えます。
ピストンズがカニングハムを指名し、ヘイズをトレードに出すのか。
それとも、2人をバックコートで並べて先発させるのか。
はたまたトレードダウンして別のポジションの選手を指名するのか。
ピストンズのチーム作りの考え方が注目されます。
PG:キリアン・ヘイズ/コーリー・ジョセフ
SG:ケイド・カニングハム/(ハミドゥ・ディアロ)
SF:サディック・ベイ/ジョシュ・ジャクソン
PF:ジェラミ・グラント/セクー・ドゥンブーヤ
C:メイソン・プラムリー/アイザイア・スチュワート
【2位 ロケッツ】
SG ジェイレン・グリーン(Gリーグ・イグナイト) 6−6(198cm)
17.9点/4.1リバウンド/2.8アシスト/1.5スティール/FG46.1%/3P36.5%
シーズン成績はワーストだったロケッツでしたが、ドラフトNo.1ピックは取り逃がしました。
カニングハムがGETできれば、このドラフトからリビルディングを始めるロケッツにとってピッタリの選手でしたが、残念でした。。
次に来る選手となると、身体能力抜群のSGジェイレン・グリーンか、7フッターのエバン・モーブリーのどちらかになりそうです。
現時点では五分五分という印象ですが、ここでは将来的なポテンシャルが最も高いと評判のグリーンを入れてみました。
身体能力の高いウィングであるジェイレン・グリーンは、大学に行かずにNBAを目指すことを目的に新設された、Gリーグ・イグナイトの最大の目玉選手でした。
チームのトップスコアラーとなっただけでなく、3Pも1試合6本近く打って36.5%の成功率とシューティングも安定して決められることを示しました。
ポテンシャルの高さが評価されていますが、即戦力としても十分通用するでしょう。
PG:ジョン・ウォール/DJ・オーガスティン
SG:エリック・ゴードン/ジェイレン・グリーン
SF:ケビン・ポーターJr./ジェイショーン・テイト
PF:ダヌエル・ハウスJr./ケニオン・マーティンJr.
C:クリスチャン・ウッド
一つの可能性ですが、仮にピストンズがポジション的にダブるPGのカニングハムではなく、Cのモーブリーでもいいと考えた場合、1位と2位の指名権を交換するトレードがありうるかもしれません。
例えば、「2位指名権+ケビン・ポーターJr.」⇔「1位指名権」というトレードならどうでしょうか?
ピストンズは、1位指名権を手放す代わりに、先発ポジション2つを将来性ある若手で埋めることができます。
<ピストンズ>
PG:キリアン・ヘイズ/コーリー・ジョセフ
SG:ケビン・ポーターJr./(ハミドゥ・ディアロ)
SF:サディック・ベイ/ジョシュ・ジャクソン
PF:ジェラミ・グラント/セクー・ドゥンブーヤ
C:エバン・モーブリー/メイソン・プラムリー/アイザイア・スチュワート
<ロケッツ>
PG:ジョン・ウォール/DJ・オーガスティン
SF:ジェイショーン・テイト/カイリー・トーマス
PF:ダヌエル・ハウスJr./ケニオン・マーティンJr.
C:クリスチャン・ウッド
ロケッツは、どこかの時点でジョン・ウォールを出してカニングハムを司令塔に据え、ウッドと共に将来のチームの柱とすることができます。
両チームにとって、悪くない取り引きなのではないかと思います。
【3位 キャブス】
C エバン・モーブリー(USC1年) 7−0(213cm)
16.4点/8.7リバウンド/2.4アシスト/2.9ブロック/FG57.8%
キャブスの指名は、2位のロケッツが指名しなかった方ということになりそうです。
ロケッツがジェイレン・グリーンを指名した場合、キャブスはビッグマンのエバン・モーブリーということになるでしょう。
キャブスの先発Cにはジャレット・アレンがいますが、このオフ制限付きFAとなります。
キャブスとしては再契約をしたいところですが、他チームから高額のオファーが来た場合、それでもマッチするかどうかというのは迷いどころです。
特に、コリン・セクストンの契約延長をどうするか決めるタイミングにも重なりますので、チーム全体のコスト管理を調整する必要が出てきます。
7フッターのモーブリーは、先発Cに求められるほとんどの要素を備えています。
特にディフェンス面においては即戦力で、カレッジ1年目で2.9ブロックという数字を残しています。
モーブリーを先発Cに据えるという決断をした場合、ジャレット・アレンをサイン&トレードに出して、他のポジションの戦力アップを図るという選択もできます。
PG:ダリアス・ガーランド
SG:コリン・セクストン
SF:アイザック・オコロ/ジェディ・オズマン
PF:ケビン・ラブ/ラリー・ナンスJr./トーリーン・プリンス
C:ジャレット・アレン/エバン・モーブリー
【4位 ラプターズ】
PG/SG ジェイレン・サグズ(ゴンザガ大1年) 6−4(193cm)
14.4点/5.3リバウンド/4.5アシスト/1.9スティール/FG50.3%/3P33.7%
ジェイレン・サグズは、バスケットボールIQが高く、ベテランのような落ち着きで、勝つためのプレーができる選手です。
オフェンスでは、派手さはなくとも得点に直結するアシストパスを出し、ディフェンス面でも相手の動きを読んだスティールを量産するなど、攻守両面でチームへの貢献度が高いプレーができます。
NCAAトーナメントでは勝負強さも見せつけ、準決勝のUCLA戦では、同点の試合終了間際に劇的なブザービーターを沈め、チームをファイナルへと導きました。
完全にイチからリビルディングを始めようというチームでなく、昨年までプレーオフ常連だったチームに加入するのは、サグズにとってもラプターズにとってもWIN−WINな関係になると思います。
PG:フレッド・バンブリート/(カイル・ラウリー)
SG:(ゲイリー・トレントJr.)/ジェイレン・サグズ
SF:OG・アヌノビー
PF:パスカル・シアカム
C:アーロン・ベインズ/クリス・ブシェー
ラウリーは完全FAになるので、もしドラフトでサグズが指名できたら、高額な金額をかけてまで再契約は目指さないと思います。
【5位 マジック】
SF/PF ジョナサン・クミンガ(Gリーグ・イグナイト) 6−8(203cm)
15.8点/7.2リバウンド/2.7アシスト/1.0スティール/FG38.7 %/3P24.6%
ジョナサン・クミンガは、フィジカルの強さが目立つフォワード。
SFとPFを両方こなせるサイズ、スピード、強さを併せ持っています。
ジェイレン・グリーンと同じく、高校から直接Gリーグ入りしたことで注目されました。
マジックは、アーロン・ゴードンとジョナサン・アイザックのダブルPF問題が長らく引っかかっていましたが、ついにゴードンをトレードに出しました。
クミンガはSFもこなせるので、アイザックと将来性豊かな若手コンビを組むことになるでしょう。
PG:マーケル・フルツ/コール・アンソニー
SG:ゲイリー・ハリス/RJ・ハンプトン
SF:テレンス・ロス/ジョナサン・クミンガ
PF:ジョナサン・アイザック/チュマ・オキキ
C:ウェンデル・カーターJr./モー・バンバ
【6位 サンダー】
PF/SF スコッティ・バーンズ(フロリダ州立大1年) 6−9(206cm)
10.3点/4.0リバウンド/4.1アシスト/1.5スティール/FG50.3%
リビルディングを目指し、ドラフト指名権を集めまくっていたサンダーは、今年のドラフトでTOP5の指名権を2つGETできる可能性がありました。
まずサンダーはワースト4位の成績だったので、確率通りなら4位の指名権を得られていたはずでした。
そしてさらに、ロケッツとのトレードの結果、もしロケッツの指名権が5位以下に落ちていたら、自動的に指名権がサンダーに移る権利を持っていたんです。
つまり、サンダーが1〜4位の指名権をGETし、かつロケッツが5位に落ちていたら、TOP5の中に2つ指名権を得ていた可能性があったわけです。
今年はTOPの5人が、他の年なら1位指名の可能性もあるというほど、TOP5ヘビーなドラフトでした。
もしサンダーの思惑通りにコトが運んでいたら、そのTOP5のタレントを2人GETできていたことになるんですね。
KDやウェストブルック、ハーデンをドラフトして一時代を築いた、敏腕GMサム・プレスティ恐るべしです。
PG:ケンバ・ウォーカー/セオ・マレドン
SG:シェイ・ギルジャス=アレクザンダー/タイ・ジェローム
SF:ルーゲンツ・ドート/ガブリエル・デック
PF:ダリアス・ベイズリー/スコッティ・バーンズ
C:アイザイア・ロビー/アレクセイ・ポクセウスキー
スコッティ・バーンズは、PFのサイズがあって、PGのスキルを持つ稀有なタレント。
ユニークなスキルを持つ若手タレントを集めるサンダーに、また一つおもしろい存在を加えることができます。
1位〜6位までは大体指名されそうな選手が決まっているのですが、7位以降はまだまだ未確定要素が多いため、これ以降の順位はまた次回にしたいと思います。