Kemba for Horford

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取り上げる順番が逆になりましたが、ケンバ・ウォーカーのトレードです。

 

セルティックスは、球団社長のダニー・エインジが健康上の理由で引退し、後任にHCを務めていたブラッド・スティーブンスが昇格するという驚きの人事がありました。

 

HCがGMを兼任するというケースは結構ありましたが、現役のHCがそのまま球団トップに上がるという人事は聞いたことがありません。

 

しかも、44才のスティーブンスは若手HCの代表格でしたので、その年齢でHCを辞めるのも、フロント入りするのも驚きでした。

 

とはいえ、エインジの後釜はスティーブンスしかいないという認識が、セルティックスのフロント内にはあったようですね。

 

まあ、聡明なスティーブンスに球団の運営を任せたいという思いは、わからなくはありません。

 

ただ、既に名HCと評価されていたスティーブンスが、もうHCのキャリアを終えてしまうというのは、なんだかとってももったいない気もしてしまいます。

 

NBAの歴史に名を残す、名HCになっていたでしょうから。

 

さて、そんなわけでセルティックスの人事権を握ることになったスティーブンスが、まず行ったのがこのトレードでした。

 

<サンダー>       ⇔ <セルティックス>

 PG ケンバ・ウォーカー     C アル・ホーフォード

 2021年1巡目16位指名権    C モーゼス・ブラウン

 2025年2巡目指名権       2023年2巡目指名権

 

大物FAとしてMAX契約でセルティックスに来たのは、わずか2年前。

 

テリー・ロジアーとのサイン&トレードという形での移籍でしたが、オールスターガードのケンバと控えPGでしかなかったロジアーの交換は、不平等条約のようでした。

 

それが今や、ロジアーはホーネッツのトップスコアラーとして定着し、ケンバはセルティックスから厄介払いされることになるとは、この時は想像もつきませんでした。

 

しかも、セルティックスはケンバを引き取ってもらうために、貴重な1巡目指名権をセットにして差し出しています。

 

普通なら、オールスター選手を獲得するための対価として1巡目指名権を差し出すものですが、ここでは逆にオールスター選手を引き取ってもらうために1巡目指名権をオマケで付けているんですね。

 

言い方を変えれば、1巡目指名権を付けなければ、相手にもらってもらえないような価値にまで落ちてしまったということになります。

 

わずか2年間で、ここまで選手の価値というのは変動するものなのでしょうか?

 

しかも、2週間前まで選手を預かっていた元HCがその決断をしたという意味は、非常に重たいと思います。

 

選手のことを誰よりもよく把握しているわけですからね。

 

一方のホーフォードは、その同じ2年前のオフにセルティックスからFAとなり、シクサーズと契約しました。

 

しかし1年でシクサーズからサンダーへ放出され、今回古巣のセルティックスへと出戻ってきました。

 

セルティックス的には、2年前のオフに再契約を結んでいたら・・・・という"What if"の想いもあったと思いますので、4年契約の3年目と4年目を迎えたという捉え方もできるかもしれません。

 

また今回のトレードは、コスト面の要素も大きく絡んでいます。

 

36.0/37.7milという高額契約を2年残すケンバに対して、ホーフォードの契約は27.0/26.5mil。

 

年平均で10milも差があるのと、ホーフォードの契約は年々金額が下がっていくため、全体のコストカットを図ることができます。

 

故障続きで満足のいく結果が残せていないMAX契約を残しておくよりも、年齢的なピークは過ぎてもチームにフィットすることはわかっているベテランビッグマンの方が、チームにとって良いという判断だったのでしょう。

 

ただ、そのために1巡目指名権を犠牲にするのはもったいないなという気はします。

 

特に今年のドラフトは豊作年と言われているので、16位でも十分ローテーションプレイヤーが獲得できたと思います。

 

代わりに若手ビッグマンのモーゼス・ブラウンを獲得しましたが、ブラウンが16位で指名する新人に匹敵する価値があると判断したのかもしれませんね。

 

ブラウンの活躍について紹介した記事はこちらです。

 

kg21.hatenablog.com

 

さて、ロースターです。

来シーズンに向けてのものなので、FAになる選手は除いています。

 

<サンダー>

 PG:ケンバ・ウォーカー/セオ・マレドン

 SG:シェイ・ギルジャス=アレクザンダー/タイ・ジェローム

 SF:ルーゲンツ・ドート/ケンリッチ・ウィリアムス

 PF:ダリアス・ベイズリー/ガブリエル・デック

   C:アレクセイ・ポクセウスキー/アイザイア・ロビー

 

ケンバ・ウォーカーは、遅かれ早かれ再びトレードで放出されることは間違いありません。

それがこのオフからもしれないし、トレードデッドラインの時かもしれません。

いずれにしても、サンダーのリビルディングプランには入らないので、一時的な所属となります。

 

セルティックス>

 PG:マーカス・スマート/ペイトン・プリチャード

 SG:ジェイレン・ブラウン/ロミオ・ラングフォード

 SF:ジェイソン・テイタム/アーロン・ネズミス

 PF:ロバート・ウィリアムス/グラント・ウィリアムス

   C:アル・ホーフォードモーゼス・ブラウン/トリスタン・トンプソン

 

2年前までセルティックスの先発Cだったホーフォード、今季サンダーで先発Cになったモーゼス・ブラウン、今季セルティックスで先発Cになったロバート・ウィリアムスと、3人の先発C候補がいるため、ポジションの配置が難しそうです。

 

サンダーでは、ブラウンを先発起用するためにホーフォードを出場させないという選択肢を取っていました。

 

新HCとなったイメ・ウドカがどんな舵取りをするのか、注目されます。

 

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