前回のブログで、カイル・ラウリーのトレードが成立しなかったことを書きましたが、そのラウリーを狙っていた各チームは、プランBに切り替え、もっと安価で獲得できる司令塔の補強を行いました。
<シクサーズ>
PG ジョージ・ヒル(←サンダー)
SF イグナス・ブラズデイキス(←ニックス)
<サンダー>
C トニー・ブラッドリー(←シクサーズ)
SG オースティン・リバース(←ニックス)
2025年2巡目指名権(←シクサーズ)
2026年2巡目指名権(←シクサーズ)
<ニックス>
C ヴァンサン・ポアリエ(←シクサーズ)
2021年2巡目指名権(←シクサーズ)
ラウリーを諦めたシクサーズは、代わりにジョージ・ヒルを獲得しました。
サイズがあってディフェンスがよく、3P成功率も高いヒルは、プレーオフチームにもってこいのPGです。
派手さはありませんが、攻守で計算できる安定感が持ち味です。
特にシクサーズは、エンビードとシモンズが3Pを打たないので、残りの3人は3Pが打てるメンバーで囲まなければいけません。
そういう意味でも、シクサーズに合った人材じゃないかと思います。
★ロンドが再びLAのチームへ
<クリッパーズ> ⇔ <ホークス>
PG ラジョン・ロンド SG ルイス・ウィリアムス
ドラフト2巡目指名権✕2つ
昨シーズンはレイカーズで優勝メンバーとなったロンドが、再びLAのチームに戻ることになりました。
同じLAでも、今度はクリッパーズです。
FAで移籍したホークスでは、ケガでほとんど出場できませんでしたが、後半戦に向けて体調面がどうなのか気になるところではあります。
クリッパーズは、シクサーズと違ってエースの2人が3Pを打てるので、PGに求めるのは司令塔としてのゲームメイクの役割です。
そういう意味で、クリッパーズにはロンドがぴったりのPGと言えます。
驚きだったのは、ルイス・ウィリアムスの価値でしょうか。
昨シーズンまでは、毎年のような6thマン賞候補に名前が挙がるベンチエースでした。
今シーズンはシュート機会が減ったことでアベレージは下がりましたが、成功率はさほど変わっていません。
にもかかわらず、タダ同然のように放出されたことには驚きました。
しかも、今シーズンわずか3.9点のロンドと交換されたことに加え、ルーの方に2巡目指名権を2つもプラスして交換してるんですね。
そんなに価値が落ちてるの???と思わず二度見してしまうトレードでした。
ロンドがクリッパーズが求めるPG像に合致しているのは確かですが、今シーズンはケガでまともに出場できていないので、果たしてプレーオフに向けてフル回転できるのか、体調面が疑問視されます。
また、そうしたリスクのある35才のガードを獲得するために、まだ十分戦力になるルー・ウィリアムスにドラフト権を2つ付けてまで交換する価値があるのか疑問です。
ロンドを高く買いすぎ、あるいはルーを安く売りすぎ、というトレードでした。
★マブスがレディックを獲得
SG JJ・レディック PF ジェイムズ・ジョンソン
PF ニコロ・メリ SF ウェスリー・イワンドゥ
2021年2巡目指名権
基本的には、シーズン終了後にFAとなる契約最終年同士の交換です。
マブスはシューター、ペリカンズはインサイドの人材を入れたという感じです。
レディックは、もっと価値の高いトレード要員となるはずですが、ペリカンズが放出をするのが半年遅かったという印象です。
ただ、トレードできずにバイアウトになる可能性も大いにあったので、トレードが成立しただけでも御の字だと思います。
★ウォリアーズがコストカットを実施
<ホーネッツ>
PG ブラッド・ワナメイカー(←ウォリアーズ)
<スパーズ>
PF マーキース・クリス(←ウォリアーズ)
<ウォリアーズ>
カディ・ラランの指名権(2015年2巡目55位指名)(←スパーズ)
トレードデッドラインに大きく動くことが予想されたウォリアーズですが、フタを開けてみれば戦力的な補強は皆無。
ラグジュアリータックスを少しでも減らそうという、コストカットのためのマイナーなトレードがあっただけでした。
ウォリアーズは、プレーオフに向けた戦力アップの補強ができなかったので、今シーズンはもう浮上するきっかけがないかもしれません。
さて、ロースターを整理していきます。
<シクサーズ>
PG:ベン・シモンズ/ジョージ・ヒル/タイリース・マクシー
SG:セス・カリー/シェイク・ミルトン/アイザイア・ジョー/レイジョン・タッカー/メイソン・ジョーンズ
SF:ダニー・グリーン/フルカン・コルクマズ/マティース・サイブル/イグナス・ブラズデイキス
PF:トバイアス・ハリス/マイク・スコット/ポール・リード
スターター5人はこのまま変わらないと思いますが、試合を締めくくるフィニッシャー5人は、ヒルがPGに入るラインナップになると思います。
プレーオフでは特に、昨シーズンのようにベン・シモンズをPF的に使って、3Pがないという弱点を突かれないようにする必要があります。
その点、3Pが高確率で、サイズとディフェンス力のあるヒルは、うってつけのPGになると思います。
地味ながら、的確な補強だと言えるでしょう。
<サンダー>
PG:セオ・マレドン/タイ・ジェローム/オースティン・リバース
SG:シェイ・ギルジャス=アレクザンダー/スビアトスラフ・ミハイリュウク/ダリアス・ミラー
SF:ルーゲンツ・ドート/ケンリッチ・ウィリアムス/ジャスティン・ジャクソン/ジョシュ・ホール
PF:ダリアス・ベイズリー/アレクセイ・ポクセウスキー/マイク・マスカーラ
C:モーゼス・ブラウン/アイザイア・ロビー/トニー・ブラッドリー/(アル・ホーフォード)
サンダーには、ニックスからオースティン・リバース、シクサーズからトニー・ブラッドリーが加入しましたが、リバースはすぐリリースされるようです。
また、ホーフォードが若手に出場時間を与えるために、今シーズンの残り試合に出場しないことになりました。
2way契約だった7-2(218cm)のビッグマン、モーゼス・ブラウンがここ数試合ブレイクの兆しを見せ、21点・23リバウンド、20点・16リバウンド、19点・12リバウンドといったゲームを連発していました。
ホーフォードは、このブラウンに出場機会を譲るために身を引き、オフにトレードを模索するものと思われます。
<ニックス>
PG:エルフリッド・ペイトン/デリック・ローズ/フランク・ニリキナ/ジャレッド・ハーパー
SG:レジー・ブロック/イマニュエル・クイックリー/セオ・ピンソン
SF:RJ・バレット/アレック・バークス/テレンス・ファーガソン
PF:ジュリアス・ランドル/ケビン・ノックス/オビ・トッピン
C:ミッチェル・ロビンソン/ナーレンズ・ノエル/ヴァンサン・ポアリエ
ニックスは、シクサーズからテレンス・ファーガソンとヴァンサン・ポアリエが加入しましたが、両方ともリリースする方向性のようです。
一時、アンドレ・ドラモンドを獲得する可能性を模索していましたが、それは断念し、代わりにグリズリーズからバイアウトされたゴーギー・ジェンと契約する模様です。
<クリッパーズ>
PG:ラジョン・ロンド/パトリック・ビバリー/レジー・ジャクソン
SG:ポール・ジョージ/ルーク・ケナード/ジェイ・スクラブ
SF:カワイ・レナード/テランス・マン/アミーア・コフィー
PF:マーカス・モーリス/ニコラ・バトゥーム/パトリック・パターソン
C:セルジュ・イバカ/イビチャ・ズーバッツ/ダニエル・オトゥル
ロンドかビバリーのどちらかが先発になると思いますが、HCの方針次第ですね。
クリッパーズはこれまで司令塔タイプのPGがいなかったため、ポール・ジョージとレナードが代わる代わる不慣れな司令塔役をこなしていました。
そこがイマイチ伸び悩む原因にもなっていたのですが、エースの2人をスコアリングに集中させてあげることで、爆発力が出てくると思います。
そのためには、一流のパサーであるロンドの能力が非常に重要となってきます。
<ホークス>
PG:トレイ・ヤング/ルイス・ウィリアムス/クリス・ダン/ブランドン・グッドウィン
SG:ボグダン・ボグダノビッチ/ケビン・ハーター/スカイラー・メイズ
SF:ディアンドレ・ハンター/トニー・スネル/キャメロン・レディッシュ
PF:ジョン・コリンズ/ダニーロ・ガリナーリ/ソロモン・ヒル/ネイサン・ナイト
C:クリント・カペラ/オニエカ・オコングー/ブルーノ・フェルナンド
スコアラー/シューターを多く抱えるホークスが、また1人ベンチにスコアラーを追加したことになります。
オフェンス力という点では、かなり強力なラインナップになりますね。
あまり出場できていなかったロンドに代えて獲れたというのも、ラッキーだと思います。
プレーオフに向け、ホークスの強力シューター陣は、相手チームの脅威になりそうです。
<マブス>
PG:ルカ・ドンチッチ/ジェイレン・ブランソン/トレイ・バーク/タイレル・テリー
SG:ジョシュ・リチャードソン/JJ・レディック/ジョシュ・グリーン/ネイト・ヒントン
SF:ドリアン・フィニー・スミス/ティム・ハーダウェイJr./タイラー・ベイ
PF:マキシ・クリーバー/ドワイト・パウエル/ニコロ・メリ
C:クリスタップス・ポルツィンギス/ウィリー・コーリー・スタイン/ボバン・マリヤノビッチ
レディックは36才ですが、3Pシュート職人としてまだ貢献できると思います。
マブスは3Pシュート力が弱いので、プレーオフに向けた戦力として期待されます。
ただ、全体としてフォワードの人材が手薄なので、今後バイアウト市場などで戦力の上積みが必要になると思います。
<ペリカンズ>
PG:ロンゾ・ボール/カイラ・ルイスJr.
SG:エリック・ブレッドソー/ニキール・アレクザンダー=ウォーカー
SF:ブランドン・イングラム/ジョシュ・ハート/ウェスリー・イワンドゥ/ナジ・マーシャル
PF:ザイオン・ウィリアムソン/ジェイムズ・ジョンソン/ウェ二エン・ゲイブリエル
C:スティーブン・アダムス/ジャクソン・ヘイズ/ウィリー・エルナンゴメス/ウィル・マグネイ
ペリカンズは、噂されていたロンゾ・ボールの放出はありませんでした。
ガードが余っている反面、フォワードポジションの選手層が不足していたので、レディックを出して、フォワードの2人を入れたのは戦力の底上げになったと思います。
<ホーネッツ>
PG:デボンテ・グラハム/ブラッド・ワナメイカー/グラント・リラー/(ラメロ・ボール)
SG:テリー・ロジアー/マリーク・モンク/ネイト・ダーリング
SF:ゴードン・ヘイワード/コーディ・マーティン/ケイレブ・マーティン
PF:PJ・ワシントン/マイルズ・ブリッジズ/ジェイレン・マクダニエルズ
C:コーディ・ゼラー/ビスマック・ビヨンボ/ニック・リチャーズ/バーノン・キャリーJr.
ラメロ・ボールがケガでしばらく戦列を離れることになったホーネッツは、ワナメイカーで一時的にでもPGポジションを補強することができました。
ただ、本当はアンドレ・ドラモンドを獲得するトレードをすればよかったのになあ・・・・と思うので、もっとアグレッシブに獲りにいってほしかったです。
<スパーズ>
PG:デジョンテ・マレー/パトリック・ミルズ/トレ・ジョーンズ
SG:デリック・ホワイト/ロニー・ウォーカー/クインダリー・ウェザースプーン
SF:デマー・デローザン/デビン・バッセル/キャメロン・レイノルズ/ケイタ・ベイツ=ジョップ
PF:ケルドン・ジョンソン/ルーディ・ゲイ/ルカ・サマニッチ/マーキース・クリス
C:ヤコブ・ポエルトル/トレイ・ライルズ/ドリュー・ユーバンクス
ウォリアーズからマーキース・クリスを獲得したスパーズですが、クリスはリリースする方針だそうです。
ケガで長期離脱中のクリスは、一旦FAとなって、また来シーズンに向けて新たなチームを探していくことになると思います。
<ウォリアーズ>
PG:ステフェン・カリー/ニコ・マニオン
SG:アンドリュー・ウィギンス/ジョーダン・プール/デイミオン・リー/マイカル・モルダー/(クレイ・トンプソン)
SF:ケリー・ウーブレイJr./ケント・ベイズモア/フアン・トスカーノ=アンダーソン
PF:ドレイモンド・グリーン/エリック・パスカル/アレン・スマイラジッチ
C:ジェイムズ・ワイズマン/ケボン・ルーニー
ここ数試合、ニコ・マニオンが結果を残し、第2PGとしてプレーしていたので、いまいちフィットしていなかったワナメイカーを放出しました。
また、ケガで今シーズンの復帰が微妙だったクリスも、コストカットのために放出されました。
ウーブレイやドレイモンドなどを放出して、チームをシャッフルする大きな動きがなかったのは残念です。