Struggling teams vol.1

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シーズンが始まってしばらく経ちました。

 

オフがほとんどなく、準備期間が極端に短い変則シーズンとなっている影響か、30点差や40点差といったワンサイドになるゲームが多かったり、ケガも多くなったりと難しいシーズンになっている印象です。

 

そんな中、特に気になったチームについて見ていきたいと思います。

 

まずは、プレーオフ進出に向けて大型補強を行ったホークスから。

 

FAマーケットで最も活発に動き、ダニーロガリナーリとボグダン・ボグダノビッチという目玉FA2人を獲得したホークス。 

最初は4勝1敗と好スタートを切ったかに見えましたが、ここ3試合で3連敗と失速。

しかも、キャブス、ニックス、ホーネッツという格下チームに3連敗という内容。

さらには、2試合続けて15点リードを守れずに逆転されるという後味の悪い負け方でした。

 

すると早くも内部分裂が勃発し、ジョン・コリンズがトレイ・ヤングのワンマンプレーに異を唱え、せっかく戦力を補強したんだから、もっとボールを回して周りを使うべきだと訴えたそうです。

 

これは確かにその通りだと思います。

 

大型補強をして戦力を厚くしたんだから、何も毎試合ヤングが30点を取る必要はなくなったわけです。

それなのに戦い方が変わっていないのはおかしいだろう、ということですね。

 

ヤングは元々、自分でボールを持つ時間が長く、そこからリズムを作るタイプの選手なので、致し方ない部分もあります。

ただ、チームのタレント力がアップしたならば、それを生かしたチームオフェンスを構築していかなければいけないのもPGの仕事です。

 

また、HCが選択したスタートのラインナップも改善の余地があると思います。

現在の先発と2番手の選手だけを抜粋したロースターです。

 

<ホークス>

 PG:トレイ・ヤング/ラジョン・ロンド

 SG:キャメロン・レディッシュ/ケビン・ハーター

 SF:ディアンドレ・ハンター/ボグダン・ボグダノビッチ

 PF:ジョン・コリンズ/ダニーロガリナーリ

   C:クリント・カペラ/オニエカ・オコングー

 

このスタメンでいくと、先発5人の中で純粋なシューターと言えるのはヤングだけ。

ガリナーリ、ボグダノビッチ、ハーターというチームのベストシューター3人は、いずれもベンチスタートになっているんですね。

 

これだと非常にアンバランスです。

せっかく補強した新戦力の2人の能力を、十分に活かすこともできません。

両方ベンチスタートにするのであれば、FAで大枚をはたく必要もなかったはずです。

 

先程の、ヤングがボールを持ちすぎる問題も、ファーストユニットにシューターがいないから、というのも一つの原因だと思います。

スターターにもバランス良くシューターを配置すれば、ヤングの問題も改善されるのではないかと思います。

 

例えばこんな感じです。

 

<ホークス>

 PG:トレイ・ヤング/ラジョン・ロンド

 SG:ボグダン・ボグダノビッチ/ケビン・ハーター

 SF:ディアンドレ・ハンター/キャメロン・レディッシュ

 PF:ダニーロガリナーリオニエカ・オコングー

   C:ジョン・コリンズ/クリント・カペラ

 

先発5人中3人がシューターとなれば、ヤングも球離れが良くなるはずです。

無理に自分で行かずとも、頼れる選択肢が増えるからです。

そして、セカンドユニットにもハーターが控えていますので、シューターが常時2〜3人はコート上にいる状態を作ることができます。

 

こうした細かいバランスの違いは、見た目以上に重要です。

宝の持ち腐れにならないようするためにも、今ある戦力をフルに活かすやり方を実行する必要があると思います。

 

 

さらに言うと、ホークスにはドラフトでタイリース・ハリバートンを指名して欲しかったなと、今でも思います。

ハリバートンは、PGとSGの両方をこなすことができ、パス出しも、シュートも、ディフェンスも何でもこなす万能タイプのコンボガードです。

 

そして何より、バランサーとして優秀なんですね。

バランサーとは、自分が目立つのではなく、間に入ってバランスを取ることに秀でた選手という意味です。

 

ホークスであれば、ヤングの隣でバランスを取り、ヤングの得点力を活かしながらも、周りにも分配できるファシリテーターの役割をこなしていたはずです。

実際キングスでは、これまで平均28.3分/12.1点/5.1アシスト/1.4スティール/FG50.8%/3P52.9%/FT87.5%と素晴らしい活躍を見せています。

 

しかも、0.7ターンオーバーというミスの少なさは特筆ものです。

PGの安定感を計る指標であるアシスト/ターンオーバー比率では、7.3でリーグ全体で2位という数字なんです。(1位はナゲッツのモンテ・モーリス)

 

6−5(196cm)と上背があり、PGでもSGでもプレーでき、アシストも多く、ミスが少なく、ディフェンスも良くて、シュートも高確率・・・・

なんでそんな選手が12位まで落ちたんでしょうね???

 

事前のドラフト予想記事では、ずっとホークスの指名候補に挙げていました。

 

kg21.hatenablog.com

 

kg21.hatenablog.com

 

この通りに指名していれば、ラインナップはこうなっていました。

 

<ホークス>

 PG:トレイ・ヤング/ラジョン・ロンド

 SG:タイリース・ハリバートン/ケビン・ハーター

 SF:ボグダン・ボグダノビッチ/キャメロン・レディッシュ

 PF:ダニーロガリナーリ/ディアンドレ・ハンター

   C:ジョン・コリンズ/クリント・カペラ

 

このラインナップになっていたら、冒頭に書いたようなヤングのボール持ちすぎ問題は発生していなかったかもしれません。

ハリバートンがボールを分散させ、ボグダノビッチやガリナーリのシューター陣もうまく活かされていたのではないかと思います。

 

ドラフト指名一つ、FAの使い方一つでも、チームは大きく変わります。

ホークスが今ある戦力を有効に活用して、強豪チームに成長していくことを願います。