今シーズン序盤戦で新鮮な驚きを与えたチームは、ヒートでした。
開幕から5勝1敗と好調な滑り出しを見せましたが、そのラインナップが予想外でした。
PG:ケンドリック・ナン(24)/ゴラン・ドラギッチ(33)
SG:タイラー・ヒーロー(19)
SF:ジャスティス・ウィンズロウ(23)/ダンカン・ロビンソン(25)
PF:マイヤーズ・レナード(27)/ケリー・オリニク(28)
C:バム・アデバヨ(22)
※( )内は年齢
ジミー・バトラーが欠場したこともありましたが、開幕からルーキー2人をバックコートで先発させたのは驚きでした。
しかも、正PGのドラギッチが復帰していたにもかかわらず、無名の新人ナンが先発PGとして出場したのはさらにビックリでした。
しかし、そのナンが大爆発。
開幕から5試合の平均で22.4点・FG51.8%・3P48.4%をマークし、チームのスタートダッシュに貢献しました。
ナンは昨年のドラフトで指名されず、ウォリアーズのキャンプに参加したものの開幕前にカット。
その後、ウォリアーズ傘下のGリーグチームでプレーし、シーズン終了間際の4月にヒートと契約しました。
しかし、昨シーズン中の出場はなかったため、今シーズンがルーキー扱いとなります。
その今シーズンはサマーリーグから持ち前の得点力を発揮し、サマーリーグの優秀選手の1stチームに選出されました。
開幕直前のプレシーズンマッチ最終戦でも、ロケッツ相手に40点と爆発。
44点をマークしたハーデンを相手に、壮絶な点の取り合いを演じました。
この勢いをそのままレギュラーシーズンにも持ち込んだ形になりました。
大学時代のナンは、トレイ・ヤングに次ぐ全米2位の平均25.9点をマーク。
Gリーグでも平均19.3点をマークしましたが、これはほとんどベンチスタートから挙げたものでした。
Gリーグプレーオフでも、やはりベンチスタートから2試合で平均30.0点をマーク。
その得点力は本物です。
今年の1巡目指名ルーキーのヒーローも、開幕5試合で平均16.4点・5.8リバウンド・FG45.3%・3P35.7%と活躍。
4試合目からバトラーが復帰したためベンチスタートとなりましたが、その試合でベンチから29点をマークして勝利に貢献しています。
これまで9試合通算では、37.2%の3P成功率を残しています。
昨年ドラフト外から2way契約を結んだダンカン・ロビンソンも、今シーズンは本契約を獲得してNBA2シーズン目を迎えました。
ナンやヒーローと同様サマーリーグとプレシーズンで結果を残し、見事に開幕からローテーション入り。
既に4試合で先発出場も果たしています。
その先発4試合の成績は、平均11.0点・4.5リバウンド・3P40.7%としっかり役割を果たしています。
この3人を含め、ウィンズロウやアデバヨといった既に主力となっている選手たちもまだ20代前半と若く、このチームの今後の可能性を強く感じさせてくれます。
そして、大物FAとして加入したジミー・バトラーが復帰した後も、バトラーが若手のまとめ役となって積極的にパスをさばき、チームNo.1の5.5アシストをマークしています。
これまで、どちらかと言うと不協和音が多かったヒートですが、若手中心にチームを再編し、ベテランがそれをうまくまとめる形でバランスが生まれれば、この勢いも本物の実力になっていくような気がします。
今シーズン、どこまで伸びていくか注目して見ていきたいと思います。