シーズンも1/3が終わろうとしていますが、なかなか調子の上がらないチームが多く、苦戦している印象が強いですね。
このオフにFA契約を結んだ選手たちのトレード禁止期間が明け、そろそろトレードの動きが出てきてもいい頃になりました。
そこで、出す理由がある選手と、補強する理由があるチームを結ぶ、いくつかのトレード案を考えてみました。
①マブスがリバウンドとディフェンスを強化
マブスは、直近の6連敗を含めて、これまで10勝14敗と負けが先行しています。
ルカ・ドンチッチがMVP級のパフォーマンスを展開しているのに、この成績に陥っているため、ドンチッチもフラストレーションを溜めています。
特にリバウンドは、リーグで下から2〜3番目と大きな弱点の一つになっています。
ドラモンドは、ここ5年間で4度のリバウンド王に輝き、今シーズンもリーグのトップ争いをしています。
加えて機動力もあり、昨シーズンはCにもかかわらず、スティールでリーグ3位に入るスタッツを残しました。
ただ、今シーズンが契約最終年のため、もしキャブスが長期契約を結ぶ意思がないのであれば、トレードして何らかの見返りをもらった方が得策です。
先日のハーデンのトレードに絡んで、若手有望株のジャレット・アレンを獲得したこともあり、キャブスがドラモンドをキープする可能性は低いと思われます。
そこで、トレードのパターンをいくつか考えてみました。
キャブス側は、アイザック・オコロの加入で先発の座を追われたオスマンを、ドラモンドと一緒に放出する形。
対するマブスは、いくつかのロールプレイヤーの組み合わせで考えてみます。
★パターン①
<マブス> ⇔ <キャブス>
C アンドレ・ドラモンド SG ティム・ハーダウェイJr.
SF ジェディ・オスマン PF ジェイムズ・ジョンソン
<マブス>
PG:ルカ・ドンチッチ/ジェイレン・ブランソン/トレイ・バーク/タイレル・テリー
SG:ジョシュ・リチャードソン/ジョシュ・グリーン/ネイト・ヒントン
SF:ジェディ・オスマン/ドリアン・フィニー・スミス/ウェスリー・イワンドゥ
PF:クリスタップス・ポルツィンギス/マキシ・クリーバー/ドワイト・パウエル/タイラー・ベイ
C:アンドレ・ドラモンド/ウィリー・コーリー・スタイン/ボバン・マリヤノビッチ
先発Cにリバウンド王のドラモンドが入り、SFにシューターのオスマンが入るラインナップ。
ドンチッチがボールを持ち、インサイドにドラモンドとポルツィンギス、ウィングにリチャードソンとオスマンという布陣は、バランスは取れていると思います。
<キャブス>
PG:ダリアス・ガーランド/マシュー・デラベドーバ
SG:コリン・セクストン/ティム・ハーダウェイJr./デイミヤン・ダットソン
SF:アイザック・オコロ/トーリーン・プリンス/ディラン・ウィンドラー
PF:ケビン・ラブ/ラリー・ナンスJr./ジェイムズ・ジョンソン/ディーン・ウェイド/ラマー・スティーブンス
C:ジャレット・アレン/ジャベイル・マッギー/マーキス・ボールデン
ドラモンドが抜けたことで、ジャレット・アレンが晴れて先発Cに昇格。
ハーダウェイは、サイズのないSGのバックアップ、または先発SFとして即戦力となれる存在です。
★パターン②
<マブス> ⇔ <キャブス>
C アンドレ・ドラモンド PF ジェイムズ・ジョンソン
SF ジェディ・オスマン PF ドワイト・パウエル
SG ジョシュ・リチャードソン
<マブス>
PG:ルカ・ドンチッチ/ジェイレン・ブランソン/トレイ・バーク
SG:ティム・ハーダウェイJr./ジョシュ・グリーン/タイレル・テリー/ネイト・ヒントン
SF:ジェディ・オスマン/ドリアン・フィニー・スミス/ウェスリー・イワンドゥ
PF:クリスタップス・ポルツィンギス/マキシ・クリーバー/タイラー・ベイ
C:アンドレ・ドラモンド/ウィリー・コーリー・スタイン/ボバン・マリヤノビッチ
入る選手は、ドラモンドとオスマンで変わりません。
出る選手が、ハーダウェイからリチャードソンに変わるのが大きな変更点です。
マブス的にどちらを残すのが優先か、という話になります。
<キャブス>
PG:ダリアス・ガーランド/マシュー・デラベドーバ
SG:コリン・セクストン/ジョシュ・リチャードソン/デイミヤン・ダットソン
SF:アイザック・オコロ/トーリーン・プリンス/ディラン・ウィンドラー
PF:ケビン・ラブ/ラリー・ナンスJr./ジェイムズ・ジョンソン/ディーン・ウェイド/ラマー・スティーブンス
C:ジャレット・アレン/ドワイト・パウエル/ジャベイル・マッギー/マーキス・ボールデン
ウィングのディフェンダーとしてリチャードソンが加わるのは、ディフェンス強化を図るキャブスにとっていい補強です。
オコロに代わって、先発SFに入ってもいいのではないかと思います。
②サンズが先発PFを補強
<サンズ> ⇔ <ホークス>
SF トニー・スネル PF ジェイ・クラウダー
PF ジョン・コリンズ SF キャメロン・ジョンソン
SG イートワン・ムーア
ドラフト1巡目指名権
ジョン・コリンズは今シーズンで安い新人契約が明け、制限付きFAとなります。
しかし、ホークス側はコリンズにMAX契約を支払う意思がなく、1年前の今オフに結べる延長契約は合意に達しませんでした。
加えて、Cにはクリント・カペラ、PFにはダニーロ・ガリナーリを獲得し、さらにドラフトでも1巡目6位という高順位でPF/Cのオニエカ・オコングーを指名しています。
つまり、代わりの選手はいっぱいおり、ホークス側がコリンズと高額の再契約を結ぶ理由はますますなくなってきています。
ただ、昨シーズンはリーグで4人しかいなかった平均20点・10リバウンドを達成しているので、コリンズ側もMAX契約を妥協する理由がありません。(他の3人は、アデトクンボ、エンビード、カール・アンソニー=タウンズ)
ならば、他のチームでと考えるのは自然なことかと思います。
さらには、トレイ・ヤングと揉めた一件もあったので、そういった意味でも力を発揮できる新しい環境を求める方がいいのではないかと思います。
一方のサンズは、なかなか埋められない先発PFのスポットを、ヒートで活躍を見せたジェイ・クラウダーに賭けましたが、FG30%台に低迷し、ついに先発落ちしました。
昨シーズン先発していたダリオ・シャリッチはケガでなかなか出場できず、ドラフト1巡目11位で指名したジェイレン・スミスもその穴を埋められていません。
身体能力が高く、走って跳べるコリンズは、クリス・ポールのようなパサーがいるチームで輝くタイプの選手です。
3Pも打てて、トランジッションにも向いているので、サンズのプレースタイルにピタッとハマるビッグマンだと思います。
<サンズ>
PG:クリス・ポール/キャメロン・ペイン/ジェボン・カーター
SG:デビン・ブッカー/ラングストン・ギャロウェイ/タイション・アレクザンダー
SF:ミケル・ブリッジズ/アブデル・ナダー/トニー・スネル
PF:ジョン・コリンズ/ダリオ・シャリッチ/ジェイレン・スミス
C:ディアンドレ・エイトン/フランク・カミンスキー/デイミアン・ジョーンズ
先発PFにコリンズが入ることによって、これまで一人インサイド状態だったエイトンの負担も軽くなると思います。
クラウダーの3年契約を早めに放出し、契約最終年のスネルを代わりに入れることによって、来オフのコリンズとの再契約に向けたサラリーキャップの空き作りもできます。
<ホークス>
PG:トレイ・ヤング/ラジョン・ロンド/クリス・ダン/ブランドン・グッドウィン
SG:ケビン・ハーター/キャメロン・レディッシュ/イートワン・ムーア/スカイラー・メイズ
SF:ディアンドレ・ハンター/ボグダン・ボグダノビッチ/キャメロン・ジョンソン
PF:ダニーロ・ガリナーリ/ジェイ・クラウダー/ソロモン・ヒル/ネイサン・ナイト
C:クリント・カペラ/オニエカ・オコングー/ブルーノ・フェルナンド
コリンズが抜けたPFはガリナーリが先発に上がり、クラウダーがバックアップに。
キャメロン・ジョンソンは、ボグダノビッチの穴を埋めるシューター役に。
イートワン・ムーアも3Pのスペリャリストとして、SGのバックアップに入ります。
タレント的に釣り合いが取れない分は、1巡目指名権を差し出すことでバランスを取るトレードになります。
③ウィザーズがインサイドを強化
コロナの影響でメンバーが揃わず、試合の延期などを余儀なくされたウィザーズは、現在も万全の状態とは言えず、苦戦が続いています。
特に先発Cのトーマス・ブライアントが今季絶望となった、インサイドの弱体化が顕著となっています。
ブラッドリー・ビールとウェストブルックのバックコートが爆発した時はスゴイのですが、これが毎試合続くわけではないので、少なくともインサイドに3番目の核が必要です。
それが八村になれば理想的ですが、そうなるにしてもこの先もう何年かかかる話でしょう。
そこで、こんなトレードはどうでしょうか?
<ウィザーズ> ⇔ <ニックス>
PF ジュリアス・ランドル C ロビン・ロペス
SF デニ・アブディーヤ
SG ジェローム・ロビンソン
ドラフト1巡目指名権
不釣り合い?に見えるかと思いますが、ミソはアブディーヤと1巡目指名権です。
元々ニックスは、今年のドラフトでオビ・トッピン、デニ・アブディーヤ、タイリース・ハリバートンあたりを狙っていました。
将来のコアである、RJ・バレットとミッチェル・ロビンソン以外のポジションを埋めるタレントですね。
しかし、ニックスが指名する8位の指名順に、この3人が全て残ってきたんですね。
本当は3人とも指名したかったところでしょうが、もちろんそんなわけにはいかないので、ニックスは3人の中からトッピンを選ぶことにしました。
ただ、できれば他の2人も手に入れたかったわけです。
12位でキングスに指名されたハリバートンは、その後ウェストの月間最優秀新人に選ばれ、チームになくてはならない存在になっているので、もう無理です。
でも、アブディーヤであれば、まだいまいちウィザーズにフィットしていないので、獲得が可能だと思います。
今シーズンのランドルは、平均22.6点・10.9リバウンド・5.9アシストはいずれもキャリアハイで、オールスターは間違いなさそうな数字を残しています。
ただ、若いメンバーに移行してリビルディングを目指しているニックスが、1年半後にFAとなるランドルに、長期契約をオファーするかどうかは微妙です。
もしニックスが、将来的にランドルを中心としたチーム作りを考えていないのなら、時間軸が合う若手やドラフト指名権と交換するのが得策だと言えます。
具体的にはこんなイメージです。
PG:イマニュエル・クイックリー(21才)
SG:RJ・バレット(20才)
SF:デニ・アブディーヤ(20才)
PF:オビ・トッピン(22才)
C:ミッチェル・ロビンソン(22才)
もちろん、ランドルもまだ26才なのでそんなに違わないのですが、トッピンを指名した以上は、長期的にキープする考えはないのではないかと思います。
また、これにプラスしてウィザーズの1巡目指名権がついてきます。
これは現在の状況から考えると確実に上位指名権になるので、かなり価値があります。
上記の5人に加えて、さらに主力級のタレントを指名できる可能性が高いです。
<ウィザーズ>
PG:ラッセル・ウェストブルック/イシュマイル・スミス/ラウル・ネト/カシアス・ウィンストン
SG:ブラッドリー・ビール/ギャリソン・マシューズ
SF:八村塁/トロイ・ブラウンJr./イザック・ボンガ
PF:ジュリアス・ランドル/ダービス・ベルターンズ/アンソニー・ギル
C:アレックス・レン/モリッツ・ワーグナー/(トーマス・ブライアント)
ビール、ウェストブルック、ランドルのBIG3が結成されると、バランスが向上し、ビール1人に頼らない戦い方ができるようになります。
ランドルは、得点とリバウンドだけでなく、平均6アシストとパスもさばくことができるので、両ガードの負担を軽くし、得点機会も演出してくれるでしょう。
SFには八村をスライドして入れましたが、3Pやハンドリングなどウィングとしてプレーする技術面を磨かないといけないと思います。
Cには新加入のレンを入れましたが、ここはさらなる補強が必要になると思います。
<ニックス>
PG:エルフリッド・ペイトン/イマニュエル・クイックリー/フランク・ニリキナ/デニス・スミスJr./ジャレッド・ハーパー
SG:レジー・ブロック/オースティン・リバース/ジェローム・ロビンソン/セオ・ピンソン
SF:RJ・バレット/アレック・バークス/デニ・アブディーヤ/イグナス・ブラズデイキス
PF:オビ・トッピン/ケビン・ノックス/タージ・ギブソン
C:ミッチェル・ロビンソン/ナーレンズ・ノエル/ロビン・ロペス
ランドルが抜けたPFにはトッピンが上がり、アブディーヤはSFのバックアップに入ります。
長期的に視野に立ったリビルディングを進めていく、タレント集めといった意味合いが強くなると思います。
今シーズンに勝つことが目的でなければ、トッピンやロビンソンに得点の機会を増やすことも成長につながると思います。