前々回のブログで、ウォリアーズが2way契約の2人をキープするためには、ロースター枠を空けなければいけないというお話をしました。
1人目のデイミオン・リーは、ノンギャランティー契約だったマーキース・クリスを一旦カットし、その空いたロースター枠でリーと本契約を結び、逆にクリスをリーに代わる2way契約選手として再び迎え入れるという荒業を使いました。
サラリーキャップがパンパンで余裕のないウォリアーズは、無駄にキャップにカウントされてしまう不良債権を作りたくありません。
そのため、いくら活躍していないからといっても、ギャランティー契約の選手をそのままカットすることができないんですね。
ただ、2人目のカイ・ボウマンの場合は、もうクリスのようなカットできるノンギャランティー契約の選手はいません。
そこで、ジェイコブ・エバンスやジョーダン・プールのような、ギャランティー契約を持っているけど活躍していない1巡目指名選手をトレードで放出することが得策だろうという話をしていました。
しかし、ウォリアーズは別の手を打ちました。
なんと、先発Cを務めていたウィリー・コーリー・スタインを、タダ同然で放出するという判断をしたんですね。
<マブス> ⇔ <ウォリアーズ>
ウィリー・コーリー・スタイン ドラフト2巡目指名権
これは意外でした。
なぜなら、今シーズンのウォリアーズはただでさえ高さがありません。
その中で、チーム唯一の7フッターであるコーリー・スタインは、41試合中37試合で先発していた、たった1人のビッグマンでした。
これを放出してしまうということは、残るは6−9(206cm)のクリスや6−8(203cm)のスペルマンあたりがセンターを務めなければいけなくなります。
PFとしてもややサイズが足りないぐらいの選手たちが、センターを務めなければいけなくなるという状態を、自ら作ったわけですね。
そして、かつての1巡目6位指名の7フッターを、50位以下となりそうな2巡目指名権1つとしか交換できないという効率の悪さ。
いくらロースター枠を捻出しなければいけない状況だったと言えども、褒められた動きであるとは言えません。
今シーズンはもう捨てるしかないので、次のドラフトで上位指名権を獲得して、ジェイムス・ワイズマンあたりのビッグマンを狙っているんだとは思いますが・・・・
<ウォリアーズ>
PG:ディアンジェロ・ラッセル/カイ・ボウマン/(ステフェン・カリー)
SG:デイミオン・リー/ジョーダン・プール/(クレイ・トンプソン)
SF:グレン・ロビンソンⅢ/アレック・バークス/ジェイコブ・エバンス
PF:ドレイモンド・グリーン/エリック・パスカル/アレン・スマイラジッチ
C:マーキース・クリス/オマリ・スペルマン/(ケボン・ルーニー)
やはり、前々から指摘しているラッセルのポジション問題と、グリーンのもらい過ぎ問題がいずれ困ったことになってくるはずなので、早めに手を打ってほしかったです。
ちなみにグリーンの成績ですが、キャリアベストだった2015−16シーズンと比較すると、今シーズンの成績はかなり悪いことがわかります。
◯今季:8.4点・6.3リバウンド・5.7アシスト・FG38.4%・3P27.2%
◯15−16:14.0点・9.5リバウンド・7.4アシスト・FG49.0%・3P38.8%
しかも今シーズンは、得点源のカリーやトンプソン、KDまでがいないわけなので、シュートチャンスがいっぱいあり、平均20点を超えていてもおかしくない状況です。
オールスタークラスの年俸20mil前後をもらっている選手としては、全く物足りない成績です。
以前から指摘していたこの問題が、ついに表面化してきてしまったなという感じです。
ただ、気付いた時にはもう遅い。
不良債権化してからでは、もうどこも取ってはくれません。
20⇒25milと上がっていく契約をあと5年も抱えながら、今後どうやってロースターをやり繰りをしていくのか、ウォリアーズは正念場を迎えています。
やはり、とっととこのトレードでもやっておくべきだったなと思います。
そうすれば少なくとも、多少のサラリーキャップの空きを作り、次のオフにFAとドラフトでSFとCを埋め、再出発を図ることができたのになあ・・・と思ってしまいます。
<マブス>
PG:ルカ・ドンチッチ/ジェイレン・ブランソン/JJ・バレア
SG:ティム・ハーダウェイJr./デロン・ライト/セス・カリー/コートニー・リー/ジョシュ・リーブス
SF:ドリアン・フィニー・スミス/ジャスティン・ジャクソン/ライアン・ブロコフ/アントニウス・クリーブランド
PF:クリスタップス・ポルツィンギス/マキシ・クリーバー
C:ウィリー・コーリー・スタイン/ボバン・マリヤノビッチ/(ドワイト・パウエル)
マブスは、先発Cのドワイト・パウエルがアキレス腱を切って今シーズン絶望となってしまったため、急遽センターを補強する必要がありました。
元々ジャズからその権利を得ていた2巡目指名権は、ジャズが好成績を挙げているため下位の順位にしかなりません。
なので、手放してもあまり惜しくないわけです。
それで年俸2.2milと安価で、オフにはFAとなってサラリーキャップへの負担もない7フッターを獲れるなら、好物件ですよね。
現在ウェスト5位につけているマブスは、プレーオフを射程圏にしています。
マブスにとっては、プレーオフに向けてゴール下を守れるビッグマンは戦力として獲っておきたいですし、コーリー・スタインにとっても、プレーオフチームに移籍して結果を残せば、次のオフにFAとなった時の評価を上げることができます。
お互いWINWINのトレードと言えるでしょう。