65 games minimum

 

レギュラーシーズンが終わり、各賞の候補が発表されています。

 

MVPはエンビード、ヨキッチ、アデトクンボの3人が最終候補となっていますが、ヨキッチが3年連続となるのか、エンビードが初の受賞となるのか熾烈な争いとなっています。

 

ただ気になるのは、来シーズンから適用される新しい労使協定です。

 

それによると、今度からMVPやオールNBAチームといった各賞の受賞基準が、65試合以上出場していないとダメになるらしいです。

 

僕は前々から、各賞の受賞者にはある程度の基準が必要だと言ってきました。

 

ただそれは、平均得点などが公式記録に残る規定試合出場数でいいと考えていました。

 

つまり、全試合数の70%にあたる58試合以上の出場です。

 

公式記録に残らない人がオールNBAチームとかに選ばれちゃうのはおかしいだろう、という単純かつ明快な基準です。

 

これまで基準がなかったのに、いきなりその58試合の最低ラインをもはるかに飛び越えた65試合という基準には驚きました。

 

これはかなり厳しいハードルだと思います。

 

どれぐらい厳しいのかというのは、実際に今シーズンのスタッツを見てみるのがわかりやすいと思います。

 

まずは、58試合以上をクリアして公式記録に残る人の一覧です。(得点ランキング順)

かつ、65試合以上をクリアしている人を太字にしています。

 

①ジョエル・エンビード 66試合/33.1点/10.2R/4.2A/1.0S/1.7B/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

②ルカ・ドンチッチ 66試合/32.4点/8.6R/8.0A/1.4S/FG49.6%/3P34.2%/FT74.2%

③デイミアン・リラード 58試合/32.2点/4.8R/7.3A/FG46.3%/3P37.1%/FT91.4%

④シェイ・ギルジャス=アレクザンダー 68試合/31.4点/4.8R/5.5A/1.6S/1.0B/FG51.0%/3P34.5%/FT90.5%

⑤ヤニス・アデトクンボ 63試合/31.1点/11.8R/5.7A/FG55.3%/3P27.5%/FT64.5%

⑥ジェイソン・テイタム 74試合/30.1点/8.8R/4.6A/1.1S/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

⑦ドノバン・ミッチェル 68試合/28.3点/4.3R/4.4A/1.5S/FG48.4%/3P38.6%/FT86.7%

⑧カイリー・アービング 60試合/27.1点/5.1R/5.5A/1.1S/FG49.4%/3P37.9%/FT90.5%

⑨ジェイレン・ブラウン 67試合/26.6点/6.9R/3.5A/1.1S/FG49.1%/3P33.5%/FT76.5%

⑩トレイ・ヤング 73試合/26.2点/3.0R/10.2A/1.1S/FG43.0%/3P33.5%/FT88.6%

⑪ジャー・モラント 61試合/26.2点/5.9R/8.1A/1.1S/FG46.6%/3P30.7%/FT74.8%

⑫ラウリ・マルッカネン 66試合/25.6点/8.6R/1.9A/FG49.9%/3P39.2%/FT87.5%

⑬ジュリアス・ランドル 77試合/25.1点/10.0R/4.1A/FG46.0%/3P34.3%/FT75.7%

⑭ディアーロン・フォックス 73試合/25.0点/4.2R/6.1A/1.1S/FG51.2%/3P32.4%/FT78.0%

⑮ザック・ラビーン 77試合/24.8点/4.5R/4.2A/FG48.5%/3P37.5%/FT84.8%

アンソニー・エドワーズ 79試合/24.6点/5.8R/4.4A/1.6S/FG45.9%/3P36.9%/FT75.6%

⑰デマー・デローザン 74試合/24.5点/4.6R/5.1A/1.1S/FG50.4%/3P32.4%/FT87.2%

⑱ニコラ・ヨキッチ 69試合/24.5点/11.8R/9.8A/1.3S/FG63.2%/3P38.3%/FT82.2%

パスカル・シアカム 71試合/24.2点/7.8R/5.8A/FG48.0%/3P32.4%/FT77.4%

⑳ジェイレン・ブランソン 68試合/24.0点/3.5R/6.2A/FG49.1%/3P41.6%/FT82.9%

㉑クリスタップス・ポルツィンギス 65試合/23.2点/8.4R/2.7A/1.5B/FG49.8%/3P38.5%/FT85.1%

㉒ジミー・バトラー 64試合/22.9点/5.9R/5.3A/1.8S/FG53.9%/3P35.0%/FT85.0%

 

◯ジェイムズ・ハーデン 58試合/21.0点/6.1R/10.7A/1.2S/FG44.1%/3P38.5%/FT86.7%

◯ジュルー・ホリデイ 67試合/19.3点/5.1R/7.4A/1.2S/FG47.9%/3P38.4%/FT85.9%

◯ドマンタス・サボニス 79試合/19.1点/12.3R/7.3A/FG61.5%/3P37.3%/FT74.2%

 

続いて、58試合に満たなかった参考記録の人たちです。

そうそうたるメンバーですが、公式記録には残りません。

 

★ステフェン・カリー 56試合/29.4点/6.1R/6.3A/FG49.3%/3P42.7%/FT91.5%

★ケビン・デュラント 47試合/29.1点/6.7R/5.0A/1.4B/FG56.0%/3P40.4%/FT91.9%

★ルブロン・ジェイムズ 55試合/28.9点/8.3R/6.8A/FG50.0%/3P32.1%/FT76.8%

★デビン・ブッカー 53試合/27.8点/4.5R/5.5A/1.0S/FG49.4%/3P35.1%/FT85.5%

★アンソニーデイビス 56試合/25.9点/12.5R/2.6A/1.1S/2.0B/FG56.3%/3P25.7%/FT78.4%

★ブランドン・イングラム 45試合/24.7点/5.5R/5.8A/FG48.4%/3P39.0%/FT88.2%

★カワイ・レナード 52試合/23.8点/6.5R/3.9A/1.4S/FG51.2%/3P41.6%/FT87.1%

★ポール・ジョージ 56試合/23.8点/6.1R/5.1A/1.5S/FG45.7%/3P37.1%/FT87.1%

★ブラッドリー・ビール 50試合/23.2点/3.9R/5.4A/FG50.6%/3P36.5%/FT84.2%

★タイリース・ハリバートン 56試合/20.7点/3.7R/10.4A/1.6S/FG49.0%/3P40.0%/FT87.1%

 

 

これらを踏まえて、各賞を見ていきたいと思います。

 

まずMVPから考えてみると・・・・

 

①ジョエル・エンビード 66試合/33.1点/10.2R/4.2A/1.0S/1.7B/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

⑤ヤニス・アデトクンボ 63試合/31.1点/11.8R/5.7A/FG55.3%/3P27.5%/FT64.5%

⑱ニコラ・ヨキッチ 69試合/24.5点/11.8R/9.8A/1.3S/FG63.2%/3P38.3%/FT82.2%

 

最終候補に選ばれた3人の中で、アデトクンボは65試合に到達していないので、対象外ということになります。

 

エンビードも66試合なので、ギリギリです。

 

こうして見ると、65試合というラインがいかにハードルが高いかわかると思います。

 

どんなに活躍していても、ちょっとケガで離脱したら、すぐ資格を失いかねません。

 

 

次にオールNBAチームですが、こちらは65試合の基準とともに、ポジション枠が撤廃されました。

 

これは時代に合ったいい動きかと思います。

 

昨年は、MVPを争ったエンビードが、ヨキッチと同じセンターであるため2ndチームに落ちるというありえない事態が起こりました。

 

こうした実態に合わない結果が生まれてしまうと、賞自体の権威がなくなりますので、これが是正されるのはいいことだと思います。

 

kg21.hatenablog.com

 

ただし、今シーズンはまだ従来通りの基準ですので、まずは従来の基準のままオールNBAチームを選んでみたいと思います。

 

最初は、「規定試合数到達」+「ポジション枠あり」で選んでみます。

 

<1st Team>

G:デイミアン・リラード 58試合/32.2点/4.8R/7.3A/FG46.3%/3P37.1%/FT91.4%

G:ルカ・ドンチッチ 66試合/32.4点/8.6R/8.0A/1.4S/FG49.6%/3P34.2%/FT74.2%

F:ジェイソン・テイタム 74試合/30.1点/8.8R/4.6A/1.1S/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

F:ヤニス・アデトクンボ 63試合/31.1点/11.8R/5.7A/FG55.3%/3P27.5%/FT64.5%

C:ジョエル・エンビード 66試合/33.1点/10.2R/4.2A/1.0S/1.7B/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

 

ポジション枠の関係で、ヨキッチは泣く泣く2ndチームへ。

リラードとSGAは迷いますが、アシストと3Pを重視してリラードにしてみました。

 

<2nd Team>

G:シェイ・ギルジャス=アレクザンダー 68試合/31.4点/4.8R/5.5A/1.6S/1.0B/FG51.0%/3P34.5%/FT90.5%

G:ドノバン・ミッチェル 68試合/28.3点/4.3R/4.4A/1.5S/FG48.4%/3P38.6%/FT86.7%

F:ジェイレン・ブラウン 67試合/26.6点/6.9R/3.5A/1.1S/FG49.1%/3P33.5%/FT76.5%

F:ジュリアス・ランドル 77試合/25.1点/10.0R/4.1A/FG46.0%/3P34.3%/FT75.7%

C:ニコラ・ヨキッチ 69試合/24.5点/11.8R/9.8A/1.3S/FG63.2%/3P38.3%/FT82.2%

 

Fは悩みどころですが、チーム成績も加味してブラウンとランドルを選びました。

ブラウンは今シーズンはSFとしての出場が多かったので、Fで選出しています。

 

<3rd Team>

G:ディアーロン・フォックス 73試合/25.0点/4.2R/6.1A/1.1S/FG51.2%/3P32.4%/FT78.0%

G:ジャー・モラント 61試合/26.2点/5.9R/8.1A/1.1S/FG46.6%/3P30.7%/FT74.8%

F:ラウリ・マルッカネン 66試合/25.6点/8.6R/1.9A/FG49.9%/3P39.2%/FT87.5%

F:パスカル・シアカム 71試合/24.2点/7.8R/5.8A/FG48.0%/3P32.4%/FT77.4%

C:ドマンタス・サボニス 79試合/19.1点/12.3R/7.3A/FG61.5%/3P37.3%/FT74.2%

 

モラントは不祥事による欠場がありましたが、前半戦の活躍ぶりを否定するものではないと思いますので、3rdチームに値すると思います。

 

 

さて今度は、実際に選ばれるのは誰かという基準で考えてみたいと思います。

 

なんでそんなことを言うのかというと、実際はあまり「規定試合数到達」が意識されていないからです。

 

なので、規定試合数に到達していなくても、スター選手は選ばれる傾向があります。

 

おそらくこんな感じです。

 

<1st Team>

★G:ステフェン・カリー 56試合/29.4点/6.1R/6.3A/FG49.3%/3P42.7%/FT91.5%

G:ルカ・ドンチッチ 66試合/32.4点/8.6R/8.0A/1.4S/FG49.6%/3P34.2%/FT74.2%

F:ジェイソン・テイタム 74試合/30.1点/8.8R/4.6A/1.1S/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

F:ヤニス・アデトクンボ 63試合/31.1点/11.8R/5.7A/FG55.3%/3P27.5%/FT64.5%

C:ジョエル・エンビード 66試合/33.1点/10.2R/4.2A/1.0S/1.7B/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

 

リラードかSGAかで迷ったガードですが、カリーは規定試合数にわずか2試合足りないだけなので、おそらく記者はカリーを1stチームに選ぶのではないかと思います。

 

<2nd Team>

G:デイミアン・リラード 58試合/32.2点/4.8R/7.3A/FG46.3%/3P37.1%/FT91.4%

G:シェイ・ギルジャス=アレクザンダー 68試合/31.4点/4.8R/5.5A/1.6S/1.0B/FG51.0%/3P34.5%/FT90.5%

★F:ルブロン・ジェイムズ 55試合/28.9点/8.3R/6.8A/FG50.0%/3P32.1%/FT76.8%

F:ジュリアス・ランドル 77試合/25.1点/10.0R/4.1A/FG46.0%/3P34.3%/FT75.7%

C:ニコラ・ヨキッチ 69試合/24.5点/11.8R/9.8A/1.3S/FG63.2%/3P38.3%/FT82.2%

 

また、ルブロンも規定試合数に3試合足りないだけなので、2ndチームには入ってくると思います。

テイタムに代わって1stチームに入る可能性もありますが、さすがにそれはないかなと思っています。

 

<3rd Team>

G:ディアーロン・フォックス 73試合/25.0点/4.2R/6.1A/1.1S/FG51.2%/3P32.4%/FT78.0%

G:ドノバン・ミッチェル 68試合/28.3点/4.3R/4.4A/1.5S/FG48.4%/3P38.6%/FT86.7%

F:ジェイレン・ブラウン 67試合/26.6点/6.9R/3.5A/1.1S/FG49.1%/3P33.5%/FT76.5%

F:パスカル・シアカム 71試合/24.2点/7.8R/5.8A/FG48.0%/3P32.4%/FT77.4%

C:ドマンタス・サボニス 79試合/19.1点/12.3R/7.3A/FG61.5%/3P37.3%/FT74.2%

 

3rdチームは、KDが選ばれる可能性もありそうですが、さすがに47試合は少なすぎると思います。

スタッツ的にはADもありそうですが、今シーズンはCでの出場が多いので、Fにねじ込んでくるのは反則かなという気がしています。

 

★G:タイリース・ハリバートン 56試合/20.7点/3.7R/10.4A/1.6S/FG49.0%/3P40.0%/FT87.1%

★G:デビン・ブッカー 53試合/27.8点/4.5R/5.5A/1.0S/FG49.4%/3P35.1%/FT85.5%

★G:ポール・ジョージ 56試合/23.8点/6.1R/5.1A/1.5S/FG45.7%/3P37.1%/FT87.1%

★F:ケビン・デュラント 47試合/29.1点/6.7R/5.0A/1.4B/FG56.0%/3P40.4%/FT91.9%

★C:アンソニーデイビス 56試合/25.9点/12.5R/2.6A/1.1S/2.0B/FG56.3%/3P25.7%/FT78.4%

 

 

最後に、新ルールが適用されたら、これだどう変わるのかな?というのを考えてみたいと思います。

 

おさらいすると、「65試合以上」+「ポジション枠なし」という条件になります。

 

<1st Team>

G:シェイ・ギルジャス=アレクザンダー 68試合/31.4点/4.8R/5.5A/1.6S/1.0B/FG51.0%/3P34.5%/FT90.5%

G:ルカ・ドンチッチ 66試合/32.4点/8.6R/8.0A/1.4S/FG49.6%/3P34.2%/FT74.2%

F:ジェイソン・テイタム 74試合/30.1点/8.8R/4.6A/1.1S/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

C:ニコラ・ヨキッチ 69試合/24.5点/11.8R/9.8A/1.3S/FG63.2%/3P38.3%/FT82.2%

C:ジョエル・エンビード 66試合/33.1点/10.2R/4.2A/1.0S/1.7B/FG54.8%/3P33.0%/FT85.7%

 

ポジション枠が撤廃されるので、晴れてヨキッチとエンビードを両方1stチームに選ぶことができます。

ただガードは、カリーもリラードも選べなくなるので、SGAが1stチーム入りというなかなかの結果になりました。

 

<2nd Team>

G:ディアーロン・フォックス 73試合/25.0点/4.2R/6.1A/1.1S/FG51.2%/3P32.4%/FT78.0%

G:ドノバン・ミッチェル 68試合/28.3点/4.3R/4.4A/1.5S/FG48.4%/3P38.6%/FT86.7%

F:ジェイレン・ブラウン 67試合/26.6点/6.9R/3.5A/1.1S/FG49.1%/3P33.5%/FT76.5%

F:ジュリアス・ランドル 77試合/25.1点/10.0R/4.1A/FG46.0%/3P34.3%/FT75.7%

C:ドマンタス・サボニス 79試合/19.1点/12.3R/7.3A/FG61.5%/3P37.3%/FT74.2%

 

うーん、悪くはないんですが、なんというか3rdチームがそのまま2ndチームに上がったような小粒感が否めません。。

 

<3rd Team>

G:トレイ・ヤング 73試合/26.2点/3.0R/10.2A/1.1S/FG43.0%/3P33.5%/FT88.6%

G:ジェイレン・ブランソン 68試合/24.0点/3.5R/6.2A/FG49.1%/3P41.6%/FT82.9%

G:ジュルー・ホリデイ 67試合/19.3点/5.1R/7.4A/1.2S/FG47.9%/3P38.4%/FT85.9%

F:ラウリ・マルッカネン 66試合/25.6点/8.6R/1.9A/FG49.9%/3P39.2%/FT87.5%

F:パスカル・シアカム 71試合/24.2点/7.8R/5.8A/FG48.0%/3P32.4%/FT77.4%

 

3rdチームはさらに小粒になりました。

ヤニスが選べなくなったので、リーグトップのバックスから1人も入れないというのはアレだろうということで、ホリデイを入れてみました。

 

「65試合以上」がいかに厳しい基準かということが、おわかりいただけたでしょうか?

 

ヘタをすると、スターが不在のオールNBAチームになっていくかもしれません。

 

そうなると、“無事これ名馬”みたいな色が強くなっていくので、とにかくケガをしないこと、長期離脱をしないことが各賞レースの絶対条件になってきそうです。

 

やっぱり公式記録に残る「58試合以上」を基準にした方がよかったと思うんですけどねぇ・・・・