2022 All-Star Reserves

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オールスターのリザーブメンバーが発表されました。

 

オールスターのリザーブメンバーは、ファン投票中心のスターターとは違い、各チームのヘッドコーチの推薦によって選ばれます。

 

その際、ガード2名、フロントコート3名、ポジションにかかわらず選べるワイルドカード2名という枠の中から選びます。

 

スターター選出の際も、このポジション枠の弊害の話をしましたが、リザーブ選びにもやはり影響しているようです・・・・

 

イースト>

 G フレッド・バンブリート(ラプターズ

 G ダリアス・ガーランド(キャブス)

 G ジェイムズ・ハーデン(ネッツ)

 G ザック・ラビーン(ブルズ)

 F ジミー・バトラー(ヒート)

 F クリス・ミドルトン(バックス)

 F ジェイソン・テイタム(セルティックス)

 

<ウェスト>

 G クリス・ポール(サンズ)

 G ルカ・ドンチッチ(マブス

 G ドノバン・ミッチェル(ジャズ)

 G デビン・ブッカー(サンズ)

 F ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)

 F カール・アンソニー=タウンズ(ウルブス)

 F ルディ・ゴベール(ジャズ)

 

一見して分かるように、両カンファレンスともに、ガードが限度枠いっぱいの4人ずつ選ばれています。

 

一方のフロントコートは、3人選ばなければいけないという枠の問題から、無理くり選ばれているように見えます。

 

例えば・・・・

★ジミー・バトラー

 21.7点/6.3リバウンド/6.3アシスト/1.9スティール/FG48.3%

現在ヒートはイースト2位と好調なので、選ぶ側のHCたちには「勝っているチームから誰か選ばないと」という意識が先に働きます。

ただ、例年選ばれているバトラーやアデバヨといった主力は、ケガによる欠場のため、平均得点ランキングの規定試合数に達していません。

とはいえ、6thマンのタイラー・ヒーローをヒートの代表として選ぶわけにもいかず、無難なバトラーに落ち着いたというところでしょう。

ただ、53試合中33試合にしか出ていないので、規定試合数には未達です。

果たして、今シーズンのオールスターとして相応しいですか?という話です。

 

次に・・・・

★クリス・ミドルトン

 19.6点/5.6リバウンド/5.2アシスト/FG44.1%/3P38.2%

毎年安定した成績を残してはいるのですが、今シーズンは過去2シーズンよりもわずかに数字を落としていて、特別調子がいいわけではありません。

それでも、バックスが首位を走っていたりするのならまだわかりますが、序盤戦は5割前後をウロウロしていて、現在も4位あたりと特別成績がいいわけではありません。

であれば、特別バックスから2人選ばなければいけない理由もないんですね。

 

逆に選ばれるべきじゃないかと思うのが、例えば・・・・

★ジェイレン・ブラウン

 24.2点/6.6リバウンド/3.1アシスト/FG45.9%/3P35.7%

平均得点でリーグ15位につけていて、バトラーやミドルトンのスタッツもはるかに上回っています。

ただ、登録がガード枠なんですね。

本来はSFのプレイヤーですが、チーム事情からSGとしての先発が多く、オールスターの登録もGになっているので、外されてしまったのでしょう。

完全にポジション枠の犠牲者だと思います。

 

フロントコート枠の中の選手でも、候補になりそうな人は他にもいます。

パスカル・シアカム

 21.0点/8.5リバウンド/5.1アシスト/FG47.4%/3P33.6%

★マイルズ・ブリッジズ

 19.9点/7.2リバウンド/3.4アシスト/FG48.6%/3P31.6%

★ドマンタス・サボニス

 19.1点/12.1リバウンド/5.0アシスト/FG58.1%/3P32.4%

★ニコラ・ブチェビッチ

 16.8点/11.4リバウンド/3.6アシスト/1.2ブロック/FG45.0%/3P32.4%

★ジャレット・アレン

 16.0点/10.7リバウンド/1.9アシスト/1.4ブロック/FG67.8%

 

シアカムは、同じチームからバンブリートが入ったので選ばれません。

ブリッジズは選ばれるかと思いましたが、ミドルトンに持っていかれました。

サボニスは、ペイサーズが下位なので選ばれませんでした。

ブチェビッチとアレンはチーム好調のご祝儀で選ばれるかと思いましたが、入りませんでした。

 

「ポジション枠の縛り」と「上位チームから選ぶという不文律」。

この2つのポイントが、選考過程に色濃く影響していると思います。

 

 

ただ、さらに問題なのはウェストです。

 

★ドレイモンド・グリーン

 7.9点/7.6リバウンド/7.4アシスト/FG53.7%/3P28.6%

平均得点が2ケタにもいってない選手が、オールスターと呼べるんでしょうか?

さらに、53試合中34試合しか出場しておらず、規定試合数に達していません。

完全に、序盤戦絶好調だったチーム成績を反映した選考ですが、それも現在はサンズに抜かれて2位ですし、既にカリーとウィギンスと2人も選ばれています。

3人目を選ばなくてはいけないような圧倒的な成績でもありませんので、2人選ばれればもう十分です。

 

ディフェンスがいい?

じゃあ、スティール王のデジョンテ・マレーはどうして選ばれないんでしょうか?

ブロック王のマイルス・ターナーはどうして選ばれないんでしょうか?

チーム成績がいいから、自動的に主力を選ぶっていう考え方やめませんか?

 

オールスターは個人戦であり、チームの成績を愛でるイベントではありません。

同じぐらいのスタッツで迷った場合は、プラスアルファの要素としてチーム成績が上の方の選手を選ぶという形で、チーム成績を反映させてもいいでしょう。

でも、オールスターはあくまで個人の栄誉であり、個人成績で選ぶべきです。

せっかく頑張って結果残しても、チーム成績で選ばれない選手が不憫でなりません。

 

他のフロントコートの候補を見ると・・・・

★ブランドン・イングラム

 22.5点/6.0リバウンド/5.2アシスト/FG44.3%/3P34.9%

アンソニー・エドワーズ

 22.3点/5.0リバウンド/3.7アシスト/FG44.3%/3P36.3%

★ヨナス・バランチウナス

 18.2点/12.0リバウンド/2.5アシスト/FG52.5%/3P40.2%

 

ペリカンズは下位だから選ばれません。

アンソニー・エドワーズはスターターの記事でも書きましたが、SFで出場しているにもかかわらず、オールスターではガード枠になっているため選ばれません。

 

また、規定試合数に達してなくてもいいのであれば・・・・

★アンソニーデイビス

 23.4点/9.7リバウンド/2.8アシスト/2.2ブロック/FG52.5%

ADは53試合中31試合出場なので、ドレイモンド・グリーンと3試合しか変わりません。

ドレイモンドがOKで、ADがダメな理由にはならないと思います。

じゃあどこが境界線なのかと考えると、一番わかりやすいのはやっぱり規定試合数(チーム試合数の70%)に達しているか否かだと思います。

 

で、今年選ばれるべきだと思うのは・・・・

★デジョンテ・マレー

 19.6点/8.5リバウンド/9.1アシスト/2.0スティール/FG45.2%/3P31.8%

スパーズのマレーは、年間トリプルダブルに迫るスタッツを残しています。

しかも、スティールでは目下リーグトップと、攻守両面でチームを引っ張る獅子奮迅の活躍を見せています。

チーム成績が振るわなくとも、これだけのスタッツを残して頑張っている選手は正当に評価してあげるべきだろうと思います。

 

もしガード枠の問題で、こういう選手が選外になってしまうのなら、ポジション枠の縛りは完全に取っ払った方がいいと思います。

どのみち、その後ドラフト方式でチーム決めをしていくのであれば、なおさらです。

 

実際ポジションにかかわらず、ベストな12人を選んでみようかと思います。

そうしてみたところで、チームとしては成立するはずですので。

(*印は規定試合数未達の選手です)

 

イースト>

 G:トレイ・ヤング 28.1点/4.0R/9.2A/FG45.7%/3P38.1%

 G:デマー・デローザン 26.5点/5.1R/5.0A/FG50.3%/3P35.3%

 F:ケビン・デュラント 29.3点/7.4R/5.8A/FG52.0%/3P37.2%

 F:ヤニス・アデトクンボ 28.9点/11.3R/6.0A/1.4B/FG53.6%/3P27.7%

 F:ジョエル・エンビード 29.1点/10.8R/4.4A/1.4B/FG49.5%/3P35.8%

 

 G:フレッド・バンブリート 21.5点/4.7R/7.1A/1.7S/FG41.3%/3P39.0%

 G:ダリアス・ガーランド 19.8点/3.3R/8.2A/FG46.7%/3P36.9%

 G:ジェイムズ・ハーデン 22.5点/8.0R/10.2A/FG41.4%/3P33.2%

 G:ザック・ラビーン 24.7点/4.8R/4.3A/FG48.6%/3P39.7%

 F:*ジミー・バトラー 21.7点/6.3R/6.3A/1.9S/FG48.3%

 F:ジェイレン・ブラウン 24.2点/6.6R/3.1A/FG45.9%/3P35.7%

 F:ジェイソン・テイタム 25.9点/8.4R/4.1A/FG43.0%/3P32.7%

 

 G:ラメロ・ボール 19.9点/7.2R/7.7A/1.5S/FG42.6%/3P35.8%

 G:ブラッドリー・ビール 23.2点/4.7R/6.6A/FG45.1%/3P30.0%

 F:ドマンタス・サボニス 19.1点/12.1R/5.0A/FG58.1%/3P32.4%

 

スターター5人、リザーブ7人、次点で2人選んでみましたが、別にポジションを意識せずに選んでも、それなりのバランスには収まっていると思います。

イースト2位のヒートから1人もいないというのはさすがにアレなので、バトラーは入れておきました。

 

<ウェスト>

 G:ステフ・カリー 25.9点/5.4R/6.3A/1.5S/FG42.1%/3P38.1%

 G:ジャー・モラント 26.3点/5.9R/6.9A/FG48.6%/3P34.2%

 F:ルカ・ドンチッチ 26.0点/8.8R/8.9A/FG44.5%/3P31.2%

 F:*ルブロン・ジェイムズ 29.1点/7.7R/6.3A/1.6S/FG52.2%/3P35.2%

 F:ニコラ・ヨキッチ 25.9点/13.8R/7.8A/FG57.2%/3P37.5%

 

 G:クリス・ポール 14.9点/4.5R/10.5A/1.9S/FG48.9%/3P34.0%

 G:デジョンテ・マレー 19.6点/8.5R/9.1A/2.0S/FG45.2%/3P31.8%

 G:ドノバン・ミッチェル 25.5点/4.0R/5.2A/1.6S/FG45.0%/3P33.9%

 G:デビン・ブッカー 25.5点/5.3R/4.3A/FG44.7%/3P37.3%

 F:*アンソニーデイビス 23.6点/9.9R/2.8A/2.2B/FG52.4%

 F:カール・アンソニー=タウンズ 24.3点/9.6R/3.9A/FG51.5%/3P40.2%

 F:ルディ・ゴベール 16.0点/15.1R/1.2A/2.3B/FG70.7%

 

 G:シェイ・ギルジャス=アレクザンダー 22.7点/4.7R/5.5A/FG42.4%

 F/G:アンソニー・エドワーズ 22.3点/5.0R/3.6A/1.5S/FG44.2%/3P36.0%

 F:ブランドン・イングラム 22.5点/6.0R/5.2A/FG44.3%/3P34.9%

 F:ヨナス・バランチウナス 18.2点/12.0R/2.5A/FG52.5%/3P40.2%

 

出場試合数からアンソニーデイビスが微妙ですが、これはアンソニー・エドワーズやブランドン・イングラムに替えてもいいと思います。

ただ、チーム成績やポジション枠を取っ払って、純粋にスタッツだけで選んでいけば、ウィギンスやドレイモンドは候補にも入って来ません。

 

現代NBAは、ガード4人+ビッグマン1人といった変則ラインナップや、ビッグマンがアシストリーダーになったり3Pシューターになったりと、ポジションレス化やボーダーレス化がどんどん進んでいます。

そんな時代に活躍する選手を選ぼうというのに、いつまで既存の枠組みを押し付けているんでしょうか???

時代の変化やスタイルの変化に合わせていかなかったら、現実世界を正当に評価することはできないと思います。