ジェラミ・グラントに、ウィザーズ行きの噂があります。
そもそもなぜ、ピストンズに来てからエースとして活躍しているグラントに放出の話が出るのか?という点から説明すると・・・・
グラントの契約は、残り2年(20.0/21.0mil)となっています。
もしピストンズが、今後もチームに残ってもらうべく長期契約を結ぼうとするなら、今シーズン終了後に延長契約のオファーをすることができます。
ただし、ピストンズに来てから評価が上がったグラントの次の契約は、もっと高額なものになってくることが予想されます。
そして、グラントは3月には28才になります。
ピストンズがリビルディングの核にしている、ケイド・カニングハム(20才)、サディック・ベイ(22才)、アイザイア・スチュワート(20才)、キリアン・ヘイズ(20才)といった選手たちとは時間軸が違います。
そこで、28才のグラントと4〜5年の長期契約を結ぶことが、果たしてチームにとっていいことなのか?という疑問が出てくるわけです。
そして、完全なるリビルディングを目指すならば、負け続けてドラフト順位を上げた方がいいということもあります。
なので、もしグラントと高額な長期契約を結ぶつもりがないのであれば、延長契約交渉のタイミングを迎える前の段階でトレードに出した方がいいということになります。
引く手あまたな価値の高い状態でトレードに出し、ドラフト権や有望な若手と交換した方が、リビルディング中のチームにとってプラスにもなります。
そしてもう一つ、なぜウィザーズなのか?という点ですが・・・・
まず、彼の父であるハービー・グラントが最も長くプレーしたのが、ワシントンでした(当時のチーム名はブレッツ)。
その結果、彼もワシントンエリアで育ち、高校までを通いました。
つまり、地元なんですね。
それから、今シーズンからウィザーズのHCになったウェス・アンセルドJr.は、ナゲッツのアシスタントコーチ時代にグラントをコーチした間柄です。
そんなこんなで、グラントとワシントンを結びつける接点が多いんですね。
ピストンズ側の交換要員は、3月に28才になるグラントと、4月に31才になるケリー・オリニクの2人。
いずれも実力者ですが、リビルディング中のピストンズには必要のないベテランです。
一方のウィザーズ側の交換要員は、安価でこれから伸びる余地がある若手選手が中心になります。
ウィザーズは選手層は厚くなったものの、オールスター級の選手がビールしかいないので、先発メンバーの中にスター選手を増やしたいところです。
いくら10人いい選手がいたとしても、同時に出せるのは5人しかいないので、2〜3人のローテーションプレイヤーで1人のスター級選手を獲るのは、今のウィザーズにとって必要な動きになってくると思います。
★パターン①
カイル・クーズマ(26才)
トーマス・ブライアント(24才)
デニ・アブディーヤ(21才)
今シーズン平均15.7点・8.9リバウンドで、チームNo.2のスコアラーであるクーズマは、実力があるにもかかわらず、13.0/13.0/13.0milと安価な長期契約なのも魅力。
高額な延長契約が必要なグラントの後釜として、安価で実力があって若いクーズマは、ピストンズにとって絶好のトレード候補です。
<ピストンズ>
PG:ケイド・カニングハム/キリアン・ヘイズ/コーリー・ジョセフ/セイベン・リー/デリック・ウォルトンJr./ジェイショーン・ペイジ
SG:ハミドゥ・ディアロ/ジョシュ・ジャクソン/フランク・ジャクソン/カシアス・スタンリー/ジャスティン・ロビンソン
SF:サディック・ベイ/デニ・アブディーヤ/ロドニー・マッグルーダー/クリス・スミス/トレイボン・パーマー
PF:カイル・クーズマ/トレイ・ライルズ/アイザイア・リバース/ジャモーコ・ピケット
C:アイザイア・スチュワート/トーマス・ブライアント/ルカ・ガルザ
先発PFにクーズマ、控えSFにアブディーヤ、控えCにブライアントと、3人とも重要なローテーションプレイヤーになります。
しかも全員20代ですので、若いピストンズのコアメンバーとなっていく可能性があります。
各ポジションに2人ずつ先発級が揃う形になるので、チームの選手層がグッとアップしそうです。
<ウィザーズ>
PG:スペンサー・ディンウィディ/アーロン・ホリデイ/ラウル・ネト/トレモント・ウォータース/カシアス・ウィンストン
SG:ブラッドリー・ビール/ケンタビウス・コールドウェル=ポープ/ブラッド・ワナメイカー/ジョエル・アヤイ/クレイグ・スウォード
SF:ジェラミ・グラント/コーリー・キスパート/ダービス・ベルターンズ
PF:八村塁/ケリー・オリニク/アンソニー・ギル/アリーゼ・ジョンソン/アイザイア・トッド
C:ダニエル・ギャフォード/モントレズ・ハレル/ジェイミー・エチェニーク
先発PFにグラントが入り、オリニクがPF/C両方のバックアップに。
グラントは、ビールに次ぐ第2のスター選手となります。
インサイドが増えることで、八村やベルターンズはSFとしてのプレーも増えることになるでしょう。
★パターン②
ダービス・ベルターンズ(コストカット)
カイル・クーズマ(26才)
デニ・アブディーヤ(21才)
リーズナブルなクーズマを渡す代わりに、ベルターンズの不良債権を引き取ってもらうトレードです。
ベルターンズは16.0/16.0/17.0/16.0milと高額な4年契約が残っているので、安価な3年契約のクーズマと抱き合わせで引き取ってもらう作戦です。
ピストンズはサラリーキャップに余裕があるので、条件次第では引き取ってくれるかもしれません。
<ピストンズ>
PG:ケイド・カニングハム/キリアン・ヘイズ/コーリー・ジョセフ/セイベン・リー/デリック・ウォルトンJr./ジェイショーン・ペイジ
SG:ハミドゥ・ディアロ/ジョシュ・ジャクソン/フランク・ジャクソン/カシアス・スタンリー/ジャスティン・ロビンソン
SF:サディック・ベイ/デニ・アブディーヤ/ロドニー・マッグルーダー/クリス・スミス/トレイボン・パーマー
PF:カイル・クーズマ/ダービス・ベルターンズ/アイザイア・リバース/ジャモーコ・ピケット
C:アイザイア・スチュワート/トレイ・ライルズ/ルカ・ガルザ
ディフェンスで再評価されているアブディーヤは、ブレイクすれば先発SFも狙えるタレント。
まだ21才で、これからのチームを支えるコアメンバーになれる可能性があります。
<ウィザーズ>
PG:スペンサー・ディンウィディ/アーロン・ホリデイ/ラウル・ネト/トレモント・ウォータース/カシアス・ウィンストン
SG:ブラッドリー・ビール/ケンタビウス・コールドウェル=ポープ/ブラッド・ワナメイカー/ジョエル・アヤイ/クレイグ・スウォード
SF:ジェラミ・グラント/コーリー・キスパート/アンソニー・ギル
PF:八村塁/ケリー・オリニク/アリーゼ・ジョンソン/アイザイア・トッド
C:ダニエル・ギャフォード/モントレズ・ハレル/トーマス・ブライアント/ジェイミー・エチェニーク
グラントは2シーズン前にブレイクした時には、SFで先発していました。
KCPとグラントが先発Fでもいいのですが、グラントと八村の先発パターンもあると思います。
★パターン③
ダービス・ベルターンズ(コストカット)
トーマス・ブライアント(24才)
八村塁(23才)
デニ・アブディーヤ(21才)
ベルターンズの不良債権を引き取ってもらうための“ニンジン”を、クーズマから八村とブライアントに替えたパターンです。
26才のクーズマよりもさらに若い、23才の八村と24才のブライアントの方が、ピストンズ若手のタイムラインには合うと言えます。
ピストンズ的にどっちがいいのかというところですね。
<ピストンズ>
PG:ケイド・カニングハム/キリアン・ヘイズ/コーリー・ジョセフ/セイベン・リー/デリック・ウォルトンJr./ジェイショーン・ペイジ
SG:ハミドゥ・ディアロ/ジョシュ・ジャクソン/フランク・ジャクソン/カシアス・スタンリー/ジャスティン・ロビンソン
SF:サディック・ベイ/デニ・アブディーヤ/ロドニー・マッグルーダー/クリス・スミス/トレイボン・パーマー
PF:八村塁/トレイ・ライルズ/ダービス・ベルターンズ/アイザイア・リバース/ジャモーコ・ピケット
C:アイザイア・スチュワート/トーマス・ブライアント/ルカ・ガルザ
SFアブディーヤ、PF八村、Cブライアントが加わることで、選手層はかなり厚くなった印象を受けます。
すでに若手のガードは多いので、フロントコートに若いプロスペクトを加えるのはいい動きになると思います。
<ウィザーズ>
PG:スペンサー・ディンウィディ/アーロン・ホリデイ/ラウル・ネト/トレモント・ウォータース/カシアス・ウィンストン
SG:ブラッドリー・ビール/ケンタビウス・コールドウェル=ポープ/ブラッド・ワナメイカー/ジョエル・アヤイ/クレイグ・スウォード
SF:ジェラミ・グラント/コーリー・キスパート/アンソニー・ギル
PF:カイル・クーズマ/ケリー・オリニク/アリーゼ・ジョンソン/アイザイア・トッド
C:ダニエル・ギャフォード/モントレズ・ハレル/ジェイミー・エチェニーク
ジェラミ・グラントがSFに入り、クーズマがPFにいるラインナップは、なかなか強力だと思います。
選手層の厚さをうまく生かして、コートに立つ5人のクオリティを上げていく作業は、今後のウィザーズにとって必要なことだと思います。