ニックスが8連勝を飾り、イースト4位に浮上しました。
かつての強豪も近年は低迷が続いており、4位以上のAクラスでシーズンを終了したのは、2012-13シーズンが最後。
この時は、カーメロ・アンソニーがエースのチームでした。
それから8年。
ようやく、古豪復活の兆しが見えてきたのかもしれません。
その中心にいるのは、初のオールスターにも選ばれた、ジュリアス・ランドル。
その頑丈な体躯から、インサイドを主戦場としたパワー系の選手でしたが、近ごろは3Pも打ち、パスも出せるオールラウンドな選手へと変貌を遂げています。
8連勝中のランドルのスタッツを見てみます。
15点・10リバウンド・11アシスト
26点・8リバウンド・5アシスト
34点・10リバウンド・4アシスト
32点・8リバウンド・5アシスト
44点・10リバウンド・7アシスト
33点・5リバウンド・10アシスト
16点・10リバウンド・7アシスト
40点・11リバウンド・6アシスト
8試合の平均は・・・・
30.0点・9.0リバウンド・6.9アシスト
オールラウンドにチームを引っ張っていることがわかる数字ですね。
24.0 点
10.5リバウンド
6.0アシスト
1.0スティール
3P41.6%
FT80.5%
トリプルダブル5回
これ全てキャリアハイの数字なんですね。
FG成功率とブロック以外は、全ての主要項目でキャリアハイをマークしているわけです。
7シーズン目にして、これだけオールラウンドに自身をレベルアップさせることは、非常に難易度の高いことだと思います。
特に、NBA入り当初はゴリゴリのPFだったランドルが、アシストや3Pといったガード系の技術を磨き上げてきたのは、称賛に値します。
振り返ると、ランドルのNBAキャリアは、順調と言えるものではありませんでした。
NBA入りしてから7シーズン目で、ニックスが3チーム目となるランドルですが、これまでチームの主力と認められたことはありませんでした。
カレッジは、強豪ケンタッキー大で1年生から不動のレギュラーとして活躍。
15.0点・10.4リバウンド・FG50.1%をマークして、チームのNCAAファイナル進出に貢献しました。
そして、1年生でNBAドラフトにアーリーエントリーすると、1巡目7位でレイカーズに指名されました。
ところが、デビュー戦となるシーズン開幕戦で足を骨折。
ルーキーシーズンを丸々棒に振ることになりました。
2年目に復帰すると、ほどなくレギュラーに定着し、11.3点・10.2リバウンドと平均でダブルダブルをマーク。
そのままチームの中心になっていくものと思いましたが、4年目のシーズンは開幕からリザーブへ。
若返りを図りたいチームが、3年目のラリー・ナンスJr.や新人のカイル・クーズマにプレータイムを与えようとしたことが原因でした。
ただ、ランドルも4年目でまだ「若手」だったんですが・・・・
この年、結局途中からスターターに復帰し、最終的にはチームのトップスコアラーにまで上がっているんですが、なぜかチームからの評価は上がりませんでした。
そして、このシーズンを最後にレイカーズを追われることになります。
安価なルーキー契約が終わり、制限付きFAとなる4年目が終わったことと、チームが大物FA獲得のためにサラリーキャップの空きを作りたかったという要因が重なり、ランドルは契約延長の話どころか、保有権を破棄され完全FAとなりました。
ちなみに、この時レイカーズが獲得した大物FAが、ルブロンでした。
それはまあ仕方ないことなんでしょうけど、チームに貢献し、結果も残していたランドルに対して、チームに残そうとする意思は全く見られませんでした。
そうしてレイカーズを追われたランドルは、ペリカンズに拾われることになります。
なぜ「拾われた」と表現したかと言うと、当時のペリカンズにはアンソニー・デイビスがおり、PFを必要としていないチームだったからです。
本来であれば、平均16.1点・8.0リバウンド・FG55.8%をマークしていた23才のPFがいたら、各チームが先発PFとして迎え入れるのが普通だと思います。
ただ、新人契約を打ち切られたランドルに好条件をオファーするチームはなく、既にスターPFがいるペリカンズと、年9milというロールプレイヤー並みの低い契約を結ぶしかありませんでした。
チームのエースから、一転して「ロールプレイヤー」としてプレーすることになったランドルは、前のシーズンに続いて再びベンチスタートを余儀なくされました。
しかし、ここで終わらないのがランドルのスゴイところ。
ベンチから結果を出し続け、またシーズン途中でスターターの座をGETしたんですね。
最終的には、平均21.4点というキャリアハイのスタッツを残しました。
ベンチスタートだったとは思えない数字です。
実力があるのに、最初からスターターとして評価してもらえない。
ランドルのキャリアは、それを打破して自らを証明し続ける戦いでもありました。
ペリカンズで1年を過ごした後、ランドルは再びFAとなり、ニックスと初の大型契約を結びます。
大型契約と言っても、3年63milという金額は、まだ市場価値以下の評価だと思います。
そしてニックス2年目の今シーズン、世間はようやくジュリアス・ランドルの実力を認識しました。
ようやく、価値のある選手だと気付き始めました。
今シーズンは3年契約の2年目で、来シーズンが終わると再びFAになります。
その時点でも、まだ27才。
次こそは、一流のプレイヤーとして各チームから正当な評価を受けられるようになってほしいなと思います。
レイカーズでの最初の2シーズンはコービーと一緒にプレー
ペリカンズ時代は、AD、ホリデイ、ミロティッチらと共にプレー
現在は名実ともにニックスのエースへ