5 Triple-Doubles

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現地3/13のゲームで、1日に5人がトリプルダブルを記録するという、NBA史上初の快挙がありました。

 

ジュリアス・ランドル(ニックス) 26点/12リバウンド/12アシスト

ヤニス・アデトクンボ(バックス) 33点/11リバウンド/11アシスト

ラッセル・ウェストブルック(ウィザーズ) 42点/10リバウンド/12アシスト

ジェイムズ・ハーデン(ネッツ) 24点/10リバウンド/10アシスト

ドマンタス・サボニス(ペイサーズ) 22点/13リバウンド/10アシスト

 

ちなみに、アデトクンボとウェストブルックは対戦相手同士だったのですが、対戦相手同士で30点以上のトリプルダブルを記録したのは、史上6例目のレアな出来事だったそうです。

 

それはそれでスゴイことだったんです、気になったのは選手のポジションです。

ウェストブルックとハーデンはガードだからわかりますが、ランドル、アデトクンボ、サボニスはいずれもPFの選手です。

しかも、アデトクンボとサボニスは6-11(211cm)と超大型のプレイヤー。

ヨキッチに代表されるように、最近ビッグマンのトリプルダブルが増えているように思います。

 

そこで、今シーズンのトリプルダブル数のランキングを見てみることにしました。

 

①11 ラッセル・ウェストブルック(ウィザーズ) PG

②9 ジェイムズ・ハーデン(ネッツ) SG

   ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ) C

④8 ルカ・ドンチッチ(マブス) PG

⑤6 ヤニス・アデトクンボ(バックス) PF

⑥5 ドマンタス・サボニス(ペイサーズ) PF

⑦3 ルブロン・ジェイムズ(レイカーズ) SF

   ベン・シモンズ(シクサーズ) PG

⑨2 カイル・ラウリー(ラプターズ) PG

   メイソン・プラムリー(ピストンズ) C

   ジュリアス・ランドル(ニックス) PF

   デジョンテ・マレー(スパーズ) PG

⑬1 ニコラ・ブチェビッチ(マジック) C

   ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ) PF

   TJ・マッコーネル(ペイサーズ) PG

   スティーブン・アダムス(ペリカンズ) C

   クリント・カペラ(ホークス) C

   パスカル・シアカム(ラプターズ) PF

   バム・アデバヨ(ヒート) C

   ジャー・モラント(グリズリーズ) PG

   ラメロ・ボール(ホーネッツ) PG

 

ポジション別にカウントしてみると・・・・

 

PG:8人

SG:1人

SF:1人

PF:5人

C:6人

 

なんと、21人中11人がPF/Cのビッグマンなんですね。

そしてPGの8人の中には、SFが本職のドンチッチと、サイズはPFのベン・シモンズも含まれています。

ポジションレスの現代NBAを象徴するような数字ですね。

 

しかも、ビッグマンのトリプルダブルも、ブロックではなく、アシストによるトリプルダブルですからね。

ひと昔前には、ディケンベ・ムトンボやデイビッド・ロビンソンなど、ビッグマンによるトリプルダブルは、「得点・リバウンド・ブロック」によるものがほとんどでした。

それだったら、得点とリバウンドのダブルダブルはほぼ毎試合なので、ちょっとブロックが当たったゲームにトリプルダブルを記録、てなパターンがあったわけです。

 

でも現代のビッグマンによるトリプルダブルは、完全に「得点・リバウンド・アシスト」によるトリプルダブルなんですね。

そこが全く違う点です。

かつては技術はなくても高さがあれば記録できたビッグマンのトリプルダブルですが、現代は技術を備えたビッグマンが急増しているということなんです。

これは本当に現代NBAを象徴していると思います。

 

ちなみに、余談ですが、ペイサーズのTJ・マッコーネルは、スティールによるトリプルダブルを達成しています。

3/4のキャブス戦で、16点・13アシスト・10スティールという、なかなかトリッキーなトリプルダブルを決めています。

ティールというのは、そこまで量産できるスタッツではありませんので、スティールでのトリプルダブルはかなり珍しいと思います。

 

それから、ウェストブルックが3年連続でマークしたことによってそのスゴさが薄れてしまった感もありますが、シーズンを通しての平均トリプルダブルというのは、それまでオスカー・ロバートソンしか達成したことのない実現困難な記録でした。

それが、今シーズンのスタッツを見ると、平均トリプルダブルに近い成績を残している選手が結構います。

 

ラッセル・ウェストブルック(ウィザーズ) 21.1点/9.4リバウンド/9.8アシスト

ジェイムズ・ハーデン(ネッツ) 25.2点/7.9リバウンド/11.0アシスト

ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ) 27.1点/11.1リバウンド/8.6アシスト

ルカ・ドンチッチ(マブス) 28.2点/8.4リバウンド/9.1アシスト

ルブロン・ジェイムズ(レイカーズ) 25.6点/7.9リバウンド/7.8アシスト

ベン・シモンズ(シクサーズ) 16.0点/7.8リバウンド/7.7アシスト

 

ちょっと前まで、近づくことさえ難しいと言われていたシーズン・トリプルダブルですが、それに近い成績を残している選手がこれだけいるんですね。

これは本当にスゴイことですし、選手のオールラウンド化、ポジションレス化がますます進んでいる証拠だと思います。

 

昨シーズンは6-9(206cm)のSFであるルブロンがアシスト王に輝き、今シーズンは6-11(211cm)のヨキッチがMVP候補に挙げられています。

ネッツを優勝候補に押し上げているハーデンはSGのポジションから今シーズンのアシスト王を走っていますし、ドンチッチはSFの体格で2年連続28-9-9クラスのスタッツを残しています。

 

サイズやポジションの概念はあまり重要ではなく、選手が持つ万能性がゲームを支配する時代になったのかもしれませんね。