Youngest 50-10

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ロケッツのケビン・ポーターJr.が、4/29のバックス戦で50点・11アシスト・3P9本成功というすごいスタッツをマークしました。

 

純粋にスタッツだけでもすごい数字なんですが、ケビン・ポーターJr.はまだ2年目の20才なんですね。

 

弱冠20才にして、50点・10アシスト超えをマークした、史上最年少記録を更新してしまったんです。

 

ちなみにこれまでの記録は、ルブロンの23才と66日。

 

ケビン・ポーターJr.の20才と360日という記録が、いかに若いかがわかります。

 

 

ここで注目したいのは、ケビン・ポーターJr.という選手がこれまで辿ってきた道のりです。

 

2年前の2019年ドラフトで1巡目最後の30位指名を受け、NBA入りしたケビン・ポーターJr.。

 

しかし、純粋なタレントレベルはもっと高く、一時は「TOP5のタレント」と評価されたこともありました。

 

ただ、素行が悪く、たびたび問題を起こしていたことから、精神面の未熟さが問題視されて、ドラフトの評価を落としました。

 

名門USCでのフレッシュマンシーズンは、ケガもあって満足にプレーできず、先発したのも数試合。

 

シーズン後半は、内部で問題を起こしてチームから出場停止を食らい、プレーすることすらできませんでした。

 

そんな状態でも1年でアーリーエントリーして、さらにはギリギリとはいえ1巡目で指名されるというのは、タレントレベルがよっぽど高いということです。

 

ダイヤモンドの原石というやつですね。

 

磨けば光るスゴイ才能を持っているものの、バスケのプレーに集中できていない。

 

それは、NBA入りしてからも続きました。

 

キャブスに入団したケビン・ポーターJr.は、1年目から6thマンとしてプレーし、ベンチからのインスタントスコアラーとして2ケタのアベレージを残しました。

 

しかしその一方で、コート外では問題を起こし続け、銃やマリファナの所持で逮捕されたり、暴行容疑で訴えられたり、トラブルのオンパレードが続きました。

 

そして2年目のシーズンを迎えた今季、シーズン途中のトレードで加入した選手に自分の使っていたロッカーを勝手に与えたことにブチギレ、GMに暴言を吐くというトラブルを起こしたところで、キャブスがついに愛想を尽かし、2巡目指名権との交換というタダ同然のトレードでチームから放出しました。

 

ただ、ここで漁夫の利を得たのがロケッツでした。

 

才能はピカイチのケビン・ポーターJr.をタダ同然で手に入れただけでなく、ある意味で「更生」させることに成功しました。

 

まずはGリーグでじっくり育て、その中でゲームメイクという新たな一面も開花させました。

 

ちょうどジョン・ウォールが欠場してPGがいなかったこともあって、トップチーム加入後も攻撃の起点としての役割を担いました。

 

ロケッツ加入後の成績は「16.7点・6.4アシスト」と、キャブス時代の2.2アシストから、3倍ぐらいのアシスト数にジャンプアップしています。

 

ショットセレクションや3Pシュートにはまだまだ課題が残りますが、それも目下猛特訓中なんだそうです。

 

選手育成コーチのジョン・ルーカスと、週3で3Pの特訓をしていて、今回の50点ゲームの中でも9本の3Pを決めています。

 

3月は23.0%だった成功率が、4月は38.6%と劇的に改善されています。

 

元々、磨けば光る才能の原石。

 

努力することで生まれ変わろうとしています。

 

もうすっかり「更生」したのかなと思いましたが、つい先日もマイアミのストリップクラブでトラブルに巻き込まれ、また警察沙汰に。

 

リーグからも、コロナ予防の規定に違反したとして罰金を食らいました。

 

まあ、すぐに全てが改善されるわけではないかもしれませんが、徐々にでもいい方向に進んでいるのなら御の字でしょう。

 

特にロケッツにとっては、ハーデンの後に出てきた才能ということで、期待がかかります。

 

ちょうど、左利きで、ゲームメイクもできて、得点も取れるガードということで、ハーデンとの共通点が多いのも不思議な縁を感じます。

 

ハーデンが去り、ルバートもオラディポも手放してしまったロケッツですが、思わぬところからチームの将来を担う才能が出てきたのかもしれませんね。

 

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