FA交渉解禁2日目です。
今日もまたいっぱい動いてますね。
★SF モーリス・ハークレス(ニックス ⇒ ヒート) 1年3.6mil
★PG クリス・ダン(ブルズ ⇒ ホークス) 2年10mil
★PF ボビー・ポーティス(ニックス ⇒ バックス) 2年7.5mil
★PG DJ・オーガスティン(マジック ⇒ バックス) 3年21mil
★PG フレッド・バンブリート(ラプターズと再契約) 4年85mil
★SF ゴードン・ヘイワード(セルティックス ⇒ ホーネッツ) 4年120mil
★SG エイブリー・ブラッドリー(レイカーズ ⇒ ヒート) 2年11.6mil
★PF ジェイ・クラウダー(ヒート ⇒ サンズ) 3年30mil
★PF ゲイリー・クラーク(マジックと再契約) 2年4.1mil
★PF ジェフ・グリーン(ロケッツ ⇒ ネッツ) 1年ベテランミニマム
★PG ラウル・ネト(シクサーズ ⇒ ウィザーズ) 1年1.8mil
★PG ラジョン・ロンド(レイカーズ ⇒ ホークス) 2年15mil
★SG パット・コノートン(バックスと再契約) 3年16mil(契約内容変更)
★PF ポール・ミルサップ(ナゲッツと再契約) 1年10mil
★PG エルフリッド・ペイトン(ニックスと再契約) 1年5mil
★SF カーメロ・アンソニー(ブレイザーズと再契約) 1年ベテランミニマム
★PG ジェイレン・アダムス(ブレイザーズ ⇒ バックス) 2way契約
★SF ジョン・コンチャー(グリズリーズと再契約) 4年9mil
★PG ディアンソニー・メルトン(グリズリーズと再契約) 4年35mil
★PG マイケル・カーター・ウィリアムス(マジックと再契約)
★SG デンゼル・バレンタイン(ブルズと再契約) 1年4.6mil
★C トリスタン・トンプソン(キャブス ⇒ セルティックス) 2年19mil
★PG ブラッド・ワナメイカー(セルティックス ⇒ ウォリアーズ) 1年2.25mil
★SF ウェスリー・イワンドゥ(マジック ⇒ マブス) 2年ベテランミニマム
★SG ケンタビウス・コールドウェル・ポープ(レイカーズと再契約) 3年40mil
★C ナーレンズ・ノエル(サンダー ⇒ ニックス) 1年5mil
★PG ジェフ・ティーグ(ホークス ⇒ セルティックス) 1年
★SG キャメロン・レイノルズ(バックス ⇒ スパーズ) 1年
★PG ジェボン・カーター(サンズと再契約) 3年11.5mil
★C セルジュ・イバカ(ラプターズ ⇒ クリッパーズ) 2年19mil
最も大きなニュースは、ゴードン・ヘイワードのホーネッツ入りでしょう。
ヘイワードは大方の予想に反して、34.2milのプレイヤーオプションを行使せず、FAになる道を選びました。
なぜ「予想に反して」かと言うと、今回のオフは、コロナの影響で通常のシーズンが送れず、リーグ全体の収入が大幅に減りました。
その結果、リーグ全体の収益額から加味して各チームに割り当てられるサラリーキャップの金額も減ることになりました。
つまり、FAなどの契約にあまりお金をかけられなくなってしまったんですね。
チーム側も契約に使える金額枠が狭くなってしまって動きが取れず、選手側もいつもの年のような契約金額をオファーしてもらうことができなくなりました。
なので、今回のオフにFAになる選手は、そもそも不利な状況があったんです。
また、プレイヤーオプションというのは、選手側がその契約をもらうかもらわないか決めることができる権利です。
つまり、高額なプレイヤーオプションが残っている選手は、それをもらっておいた方が無難なんですね。
特に今回のようなオフには。
加えて、活躍度がイマイチだったり、評価がそれほど上がっていない選手は、なおさらもらっておいた方が得策です。
だって、FA市場に出たところで、そのプレイヤーオプションと同等の金額はもらえない可能性が高いからです。
例えば、ホーネッツのニコラ・バトゥームの27.1milのプレイヤーオプション。
ホーネッツでほとんど試合にも出ていないバトゥームが、今FAマーケットに出ていっても、間違いなく年27milの契約はもらえませんね?
なので、当然のことながら、プレイヤーオプションをもらっておくわけです。
一流どころの選手も、このオフはチーム側がお金をかけられないことがわかっているため、そのままプレイヤーオプションを選択する選手が多かったです。
例えば、キャブスのアンドレ・ドラモンド(28.8mil)やスパーズのデマー・デローザン(27.7mil)といった選手たちです。
その流れで考えると、ヘイワードの34.2milのプレイヤーオプションも、近年のヘイワードの活躍度から考えても、もらっておいた方がお得という観点から、プレイヤーオプションを行使するものと思われていました。
ところがです。
ヘイワードがこの権利を行使せず、FAになったんですね。
まずこれにビックリしました。
条件が不利になるのをわかっているのに、保証された契約を蹴ってまで、あえてFAになる。
これは、もうセルティックスにはいたくないという意思表示かと思います。
元々セルティックスは、同じポジションの選手がカブり、力を出しにくい状況がありました。
チームの中心であるジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンは、本来のポジションはSFです。
つまり、主力級のSFが3人いるというイビツな状態のラインナップだったんですね。
それでも何とかバランスを見つけて、うまくやっていくのかなと思いましたが、度重なるケガによる戦線離脱や、自分抜きでもチームが戦えている様子を見るにつけ、チームの中での居場所を失っていく感覚があったのではないかと思います。
そうしてFAになる道を選んだヘイワードですが、当初はペイサーズへのサイン&トレードを望んでいたようです。
なぜペイサーズかというと、以前も書きましたが、ヘイワードはインディアナの出身なんですね。
ペイサーズ側も興味を持ち、このブログでも書いたように、マイルス・ターナー+オラディポでのトレードを持ちかけていたそうです。
しかし、セルティックス側がオラディポの代わりにTJ・ウォーレンを要求したことで、話が破談になったと言われています。
高望みをしすぎて、話がまとまらなかったんですね。
FAで何の見返りもなく失うぐらいだったら、ターナーとオラディポをもらっておいた方がよかったのにな・・・と思いますけどね。
そんなこんなで、第1希望のペイサーズ入りを諦めたヘイワードは、熱心に誘ってくれていたホーネッツに目を向けます。
実はホーネッツは、ヘイワードが最初にFAになった2014年にオファーしていて、一度契約に合意したことがありました。
しかしこの時は、ルーキー契約が明けた時で制限付きFAだったため、ジャズにマッチされて連れ戻されてしまったんですね。
なので、6年越しの?再アプローチになったわけです。
他にサラリーキャップが空いているチームは、ホークスかニックスぐらいしかなく、ホークスは早々にガリナーリとの契約を決めてしまったこともあって、ほぼほぼ選択肢は限られてしまっていました。
大物FAに人気がなく、誰も来てもらえないホーネッツは、とにかくチームの顔となるスターが欲しい。
多少ケガの不安はあるものの、ヘイワードが来てくれそうだったら「是非ウチに!」という状態だったんだと思います。
なので、蹴ったプレイヤーオプションの34.2milには及ばないものの、4年120milという年30mil平均の大型契約をGETすることができました。
これは、この冷え込んだ今オフにあっては破格の契約条件だと思います。
<ホーネッツ>
PG:デボンテ・グラハム/ラメロ・ボール/グラント・リラー
SG:テリー・ロジアー/マリーク・モンク/ケイレブ・マーティン
SF:ゴードン・ヘイワード/マイルズ・ブリッジズ/コーディ・マーティン
PF:PJ・ワシントン/ジェイレン・マクダニエルズ
C:コーディ・ゼラー/バーノン・キャリーJr./ニック・リチャーズ
どうでしょう?
なんかチームの核ができた感はありますね。
ドラフトでラメロ・ボールを指名したことで、先発級PGが3人になってしまったので、この辺は今後整理が必要になってくるでしょう。
2巡目指名のバーノン・キャリーJr.は、デューク大1年で17.8点・8.8リバウンドをマークしたビッグマンなので、1巡目指名の価値があると思います。
一方のセルティックスはというと、小さな動きを見せています。
ベテランのトリスタン・トンプソンとジェフ・ティーグを入れて、足りない部分の補強をしていっています。
<セルティックス>
PG:ケンバ・ウォーカー/ジェフ・ティーグ/ペイトン・プリチャード/カーセン・エドワーズ
SG:マーカス・スマート/アーロン・ネズミス/ロミオ・ラングフォード/ジャボンテ・グリーン
SF:ジェイレン・ブラウン/セミ・オジェレイ
PF:ジェイソン・テイタム/グラント・ウィリアムス
C:ダニエル・タイス/トリスタン・トンプソン/ロバート・ウィリアムス
ヘイワードは抜けたものの、その他の補強を粛々と進めている雰囲気です。
イネス・カンターをトレードで放出したCには、トリスタン・トンプソンを。
ブラッド・ワナメイカーがFAで抜けた穴には、ジェフ・ティーグをそれぞれ補強しました。
1巡目14位指名のアーロン・ネズミスは、3P職人としてすぐにローテーション入りするでしょう。
続いて、ヒートの動きをおさらいします。
早々にドラギッチとマイヤーズ・レナードとは再契約を決めましたが、ジェイ・クラウダーの引き止めは難航。
3年目のオプション付きの2年14milをオファーしましたが、3年30milを提示したサンズに持っていかれました。
また、デリック・ジョーンズJr.もブレイザーズに引き抜かれました。
その後、その穴埋めとして、ハークレスとエイブリー・ブラッドリーとの契約に合意し、ディフェンス力の強化を図っています。
<ヒート>
PG:ゴラン・ドラギッチ/ケンドリック・ナン
SG:タイラー・ヒーロー/エイブリー・ブラッドリー/アンドレ・イグオダーラ
SF:ジミー・バトラー/ダンカン・ロビンソン/KZ・オクパラ
PF:バム・アデバヨ/モーリス・ハークレス/クリス・シウバ/(ユドニス・ハスリム)
C:マイヤーズ・レナード/ケリー・オリニク/プレシャス・アチュワ
ドラフト1巡目20位で指名したアチュワは、ディフェンス面で貢献できる身体能力の高いビッグマン。
ちょっと弱いゴール下のディフェンスで、即戦力として使えるいい指名になりました。
それから、ホークスとバックスにも動きがありました。
ホークスは、ラジョン・ロンドとクリス・ダンというPG2人と合意しました。
トレイ・ヤングがいるのに、PGを2人も補強?という疑問は湧きますが、プレーオフに向けた戦力補強を着々と進めているのが伝わってきます。
<ホークス>
PG:トレイ・ヤング/ラジョン・ロンド/ブランドン・グッドウィン
SG:ケビン・ハーター/クリス・ダン/スカイラー・メイズ
SF:ダニーロ・ガリナーリ/キャメロン・レディッシュ/トニー・スネル
PF:ジョン・コリンズ/ディアンドレ・ハンター
C:クリント・カペラ/オニエカ・オコングー/ブルーノ・フェルナンド
ロンドは司令塔のパサー、ダンはディフェンダーとそれぞれ得意分野が違います。
ヤングは得点源としての役割も大きいので、ヤングをSG役にしてスコアリングに集中させる時間帯も作ろうとしているのかもしれません。
ボグダン・ボグダノビッチを獲得に失敗したバックスは、SGの補強ではなく、DJ/オーガスティンとボビー・ポーティスを招き入れました。
<バックス>
PG:ジュルー・ホリデイ/DJ・オーガスティン/ジェイレン・アダムス
SG:ドンテ・ディビンチェンゾ/パット・コノートン/サム・メリル
SF:クリス・ミドルトン/サナシス・アデトクンボ/ジョーダン・ヌウォラ
PF:ヤニス・アデトクンボ/DJ・ウィルソン/ママディ・ディアキテ
C:ブルック・ロペス/ボビー・ポーティス
いい補強だとは思いますが、先発SGを獲るのは諦めて、このままでいくのかな?という不安が残ります。
優勝を狙うのであれば、ちょっとこれでは弱いかなと思いますので。
ちなみに、バックスはバージニア大のディアキテと2way契約を結んだそうです。
NCAAファンなら覚えている、この名場面ですね。
Virginia vs Purdue: Mamadi Diakite hits buzzer-beater to send it to OT
残念ながらドラフトでは指名漏れしてしまいましたが、何とかNBA入りにつながってよかったなあと思います。
NBAに定着できるように頑張ってほしいです!
メロは、無事にブレイザーズに戻ることになったようですね。
ようやく“ホーム”を見つけられて、本当によかったと思います。
<ブレイザーズ>
PG:デイミアン・リラード/アンファニー・サイモンズ
SG:CJ・マッカラム/ゲイリー・トレントJr.
SF:ロバート・コビントン/ロドニー・フッド/デリック・ジョーンズJr.
PF:カーメロ・アンソニー/ザック・コリンズ/ナシアー・リトル
C:ユスフ・ヌルキッチ/イネス・カンター
ブレイザーズは、課題だったフォワードの選手層が厚くなりましたね。
来シーズンのプレーオフ進出に向けて、かなり順調に戦力補強が進んでいる印象です。
そして、地味ながらもビッグニュースが!
イバカのクリッパーズ入りが決まりました。
モントレズ・ハレル、ジャマイカル・グリーンと相次いでFAを失い、戦力の弱体化が心配されていたクリッパーズでしたが、イバカの獲得で何とか挽回した形です。
<クリッパーズ>
PG:パトリック・ビバリー/ルイス・ウィリアムス
SG:ポール・ジョージ/ルーク・ケナード/ジェイ・スクラブ
SF:カワイ・レナード/テランス・マン
PF:マーカス・モーリス/パトリック・パターソン/ミフォンドゥ・カベンゲリ/ダニエル・オトゥル
C:セルジュ・イバカ/イビチャ・ズーバッツ/ジョアキム・ノア/ジャスティン・パットン
ハレルはベンチからのスコアラーとして重宝されていましたが、ディフェンス面ではサイズ不足で弱点が指摘されていました。
その点イバカは、ブロックなどディフェンス面でも貢献できる上、オフェンスでも3Pを決められるレンジがあるため、より今のラインナップに合った戦力になります。
レナードかジョージがボールを持ってアタックし、モーリスとイバカが3Pラインに広がってアウトレットパスを待つようなフォーメーションです。
ケガの功名ですが、失ったことでかえってバランスが良くなるかもしれませんね。
さて、そうなると気になるのがレイカーズ。
その後は、コールドウェル・ポープとの再契約がまとまりましたが、ロンド、ハワード、エイブリー・ブラッドリーらはFAで去っていきました。
<レイカーズ>
PG:デニス・シュルーダー/アレックス・カルーソ
SG:ケンタビウス・コールドウェル・ポープ/ウェスリー・マシューズ
SF:ルブロン・ジェイムズ/テイレン・ホートン・タッカー
C:ジャベイル・マッギー/モントレズ・ハレル
クリッパーズはイバカを手に入れましたが、レイカーズはイバカの同僚のマルク・ガソールを狙っていると言われています。
ただし、年9.3milのミッドレベル・エクセプションはハレルの契約に使ってしまっています。
それ以下の金額でとなると、マルクの価値にそぐわないと思います。
(ハレルがミッドレベルで獲れるというのも納得いきませんが・・・)
ちなみに、マルクはラプターズとの再契約の他に、ウォリアーズも獲得を狙っていると言われています。
最後に、とっても細かいけど気になる話を。
冒頭のFA契約一覧に、これを書きました。
「★SF ジョン・コンチャー(グリズリーズと再契約) 4年9mil」
まあ、誰やねん?って話ですよね。
このコンチャーが誰かがわからなくても大丈夫です。
問題は、この人がグリズリーズの2way契約選手だったという事実です。
このオフに、晴れて2way契約からNBA契約に昇格したということです。
しかも4年契約。
なぜこんなことを書くかというと、もう一人のグリズリーズの2way契約選手って誰でしたっけ?
そう、渡邊雄太です。
同じ立場だったもう一人の2way契約選手が、見事にNBA契約をつかんだんですよ。
「あー、渡邊も〜」と思ってしまいますね。。
条件的には非常に厳しいと思いますが、どこかからチャンスがあるといいなと思いますね。