プレーオフの最中ですが、ドラフトのロッタリー抽選が行われました。
プレーオフに行けなかったチームを成績が低かった順に並べたのが基本ですが、この中から抽選を引き当てた4チームにNo.1ピックへの権利が与えられます。
ただ、上位4チームがすんなりその4チームに入ることはほぼありません。
例年、下位チームからジャンプアップして入るのが通例になっています。
今回、そのチャンスが与えられたチームは、7位のブルズと8位のホーネッツでした。
上位で残ったのは、1位のウォリアーズと3位のウルブス。
逆に、2位のキャブスは3つ、4位ホークス、5位ピストンズ、6位ニックスは、それぞれ2つずつポジションを落とすことになりました。
そして、残った4チームからNo.1ピックを勝ち取ったのは、ウルブスでした。
ウォリアーズは1つ順位を落として2位指名。
ホーネッツは3位、ブルズは4位と、それぞれジャンプアップを果たしました。
最終順位を見ていきます。
1位 ウルブス(3位 ↑)
2位 ウォリアーズ(1位 ↓)
3位 ホーネッツ(8位 ↑)
4位 ブルズ(7位 ↑)
5位 キャブス(2位 ↓)
6位 ホークス(4位 ↓)
7位 ピストンズ(5位 ↓)
8位 ニックス(6位 ↓)
9位 ウィザーズ
10位 サンズ
11位 スパーズ
12位 キングス
13位 ペリカンズ
順位だけだと「ふ~ん」としかならないかもしれませんが、早速決まった最終順位でモック(模擬)ドラフトをしていきたいと思います。
ちなみに、前回のモックドラフトはこちらになります。
【1位 ウルブス】
必要なポジション:PF、SF、SG
アンソニー・エドワーズ 6−5(196cm) SG ジョージア大1年
19.1点/5.2R/2.8A/1.3S/0.6B/FG40.2%/3P29.4%/FT77.2%
★他候補:ラメロ・ボール(PG)、オビ・トッピン(PF)
ウルブスがNo.1ピックを獲得できたのは喜ばしいことです。
ただ、誰を選ぶのか?というのはちょっと悩ましいです。
ウルブスは、フランチャイズプレイヤーのカール・アンソニー・タウンズとディアンジェロ・ラッセルは不動ですが、その他のポジションは空いています。
本当は最も手薄なPFポジションを補強したいところですが、当初候補に挙げていたオビ・トッピンは、1位指名まではいかないという評価になっています。
とすると、SGのアンソニー・エドワーズかPGのラメロ・ボールかとなりますが、ラッセルはPGでもSGでもプレーできるので、その先はラッセルをどう使うかというチームの方針によって変わってくるのかなと思います。
まだそこの意図が見えないので、ここではオーソドックスにウィングの人材としてエドワーズを選んでおきたいと思います。
本来はSGのエドワーズですが、体格がいいのでSFに入ることもできるのではないかと思います。
また、制限付きFAのマリーク・ビーズリーをサイン&トレードで出し、交換相手として先発PFを獲得することができれば、エドワーズを先発SGに据えることもできます。
ウルブスがどういう考え方で、どう動くのか、注目して見て行きたいと思います。
<想定ロースター>
SG:マリーク・ビーズリー(制限付きFA)
SF:アンソニー・エドワーズ/ジャレット・カルバー
PF:フアン・エルナンゴメス(制限付きFA)
C:カール・アンソニー・タウンズ
【2位 ウォリアーズ】
必要なポジション:C、PF
ジェイムズ・ワイズマン 7−1(216cm) C メンフィス大1年
19.7点/10.7R/0.3A/0.3S/3.0B/FG76.9%/3P0.0%/FT70.4%
★他候補:オビ・トッピン(PF)、ラメロ・ボール(PG)
1番から4番までスター級が揃うウォリアーズは、5番のCポジションが唯一の弱点。
大学でわずか3試合の出場に留まったことで評価の下がったワイズマンですが、今のウォリアーズにピッタリのビッグマンです。
ただ、ウォリアーズはこのドラフトピックをトレードの駒として利用するんじゃないかという噂が以前からずっと言われています。
というのも、毎年優勝を狙うウォリアーズは、ルーキーよりもベテランの即戦力の方が望ましいからです。
そこで出てくる話が、以前記事にしたこちらです。
もし本当にジョン・コリンズのトレードが実現するとしたら、ホークスに渡すことになるこの2位指名は、ラメロ・ボールになるのではないかと思います。
このあたりのお話は、これからドラフト当日までいろんな噂として流れてくると思いますので、これまた注目していきたいと思います。
<想定ロースター>
PG:ステフ・カリー
SG:クレイ・トンプソン
SF:アンドリュー・ウィギンス
PF:ドレイモンド・グリーン
C:ジェイムズ・ワイズマン
【3位 ホーネッツ】
必要なポジション:C、PF、SG
ラメロ・ボール 6−7(201cm) PG イラワラ・ホークス(オーストラリア)
17.0点/7.6R/6.8A/1.6S/0.1B/FG37.5%/3P25.0%/FT72.3%
★他候補:ジェイムズ・ワイズマン(C)、オビ・トッピン(PF)
ホーネッツの指名は、1つ上のウォリアーズがどう動くかによって左右されそうです。
もしウォリアーズがトレードを実施し、ワイズマンをスルーした場合は、ビッグマンの人材が不足しているホーネッツはワイズマンを指名すると思います。
逆にウォリアーズがトレードをせず、そのままワイズマンを指名した場合、ポジション的なニーズよりも、タレント重視の指名にならざるを得ないと思います。
となると、残る候補の中で最もポテンシャルが高いと言われているのは、ラメロ・ボールになります。
ただ、現在のホーネッツは、本来はPGであるスモールガード(デボンテ・グラハム&テリー・ロジアー)を2人並べて先発させている状態です。
当面はPG/SGポジションのバックアップとして使い、来季後ぐらいをメドにどちらかをトレードで放出するような動きが必要になってくるでしょう。
<想定ロースター>
PG:デボンテ・グラハム
SG:テリー・ロジアー/ラメロ・ボール
SF:マイルズ・ブリッジズ
PF:PJ・ワシントン
C:コーディ・ゼラー
【4位 ブルズ】
必要なポジション:SF、C
デニ・アブディーヤ 6−9(206cm) SF イスラエル
7.7点/4.1R/1.7A/0.5S/0.6B/FG51.4%/3P33.6%/FT52.0%
★他候補:アイザック・オコロ(SF)、オビ・トッピン(PF)
来季が契約最終年となるオットー・ポーターJr.の後釜として、SFが一番のニーズであるブルズ。
マッカビ・テルアビブで優勝し、イスラエルリーグでMVPを獲得したアブディーヤは、その評価が上がっています。
前回はまだ未知なるタレントという扱いでしたが、今回はより確実なタレントという評価に変わってきています。
ドンチッチの躍進もあり、ドンチッチのようなポイントフォワードと評されているアブディーヤは、チームのニーズにも合うタレントと言えるでしょう。
<想定ロースター>
PG:コービー・ホワイト
SG:ザック・ラビーン
SF:オットー・ポーターJr./デニ・アブディーヤ
PF:ラウリ・マルッカネン
C:ウェンデル・カーターJr.
【5位 キャブス】
必要なポジション:SF、C、SG
オビ・トッピン 6−9(206cm) PF デイトン大2年
20.0点/7.5R/2.2A/1.0S/1.2B/FG63.3%/3P39.0%/FT70.2%
★他候補:タイリース・ハリバートン(PG/SG)、アイザック・オコロ(SF)
いくつもの課題があるキャブス。
まずウィングに機動力を加えたいところでしたが、2位から5位へと順位が下がってしまったことで、アンソニー・エドワーズに手が届かなくなりました。
次に、アンドレ・ドラモンドが契約最終年、トリスタン・トンプソンがFAになるCも補強したい場所でしたが、ジェイムズ・ワイズマンにも手が届かなくなりました。
そうすると残る選択肢は、PGタイリース・ハリバートンを指名して小兵2人のバックコートにサイズを加え、ダリアス・ガーランドかコリン・セクストンどちらかのトレードを画策するか。
あるいは、オビ・トッピンを指名してアンダーサイズのCとして起用するか、ケビン・ラブをトレードに出した後の先発PFとするか。
いずれもピタリとはハマりませんが、ここでは実績を重視してトッピンを候補としておきます。
<想定ロースター>
PG:ダリアス・ガーランド
SG:コリン・セクストン
SF:ジェディ・オズマン
PF:ケビン・ラブ/オビ・トッピン
C:アンドレ・ドラモンド
【6位 ホークス】
必要なポジション:SG、PF
タイリース・ハリバートン 6−5(196cm) PG/SG アイオワ州立大2年
15.2点/5.9R/6.5A/2.5S/0.7B/FG50.4%/3P41.9%/FT82.2%
★他候補:オビ・トッピン(PF)、オニエカ・オコングー(PF/C)
元々4位だったホークスは、さらに上位に上がってアンソニー・エドワーズかラメロ・ボールを狙っていましたが、結果は6位に。。
前述したウォリアーズとのトレードで2位指名権を獲得できたとしたら、ラメロ・ボールを手にできる可能性があります。
しかし、それがうまくいかない場合のプランBとしては、ラメロ・ボール同様にサイズがあって両バックコートポジションをこなせるハリバートンがいいかもしれません。
SGのサイズがあり、プレーメイクとディフェンスができるハリバートンは、シューターとしての役割も大きいトレイ・ヤングを補完するいい相棒となれそうです。
また、もし2位指名権のトレードでラメロ・ボールが獲得できた場合は、この6位指名権でジョン・コリンズの後釜となるPFとして、トッピンかオコングーあたりを指名しておきたいところです。
<想定ロースター>
PG:トレイ・ヤング
SG:ケビン・ハーター/タイリース・ハリバートン
SF:ディアンドレ・ハンター/キャメロン・レディッシュ
PF:ジョン・コリンズ
C:クリント・カペラ
【7位 ピストンズ】
必要なポジション:SF、SG、PG、C
オニエカ・オコングー 6−9(206cm) PF/C USC1年
16.2点/8.6R/1.1A/1.2S/2.7B/FG61.6%/3P25.0%/FT72.0%
★他候補:タイリース・ハリバートン(PG/SG)、アイザック・オコロ(SF)
5位のままであればアブディーヤを狙えたかもしれないピストンズでしたが、7位となるとなかなか思い通りにはいかなくなってきます。
基本的には全ポジションが必要なので、ポジション的なニーズよりも、タレントレベルを重視した指名に切り替えた方がよさそうです。
オコングーは、Cとしてはアンダーサイズですが、ブロックなどディフェンス力に優れるビッグマン。
オフェンス力に優れ、アウトサイドも打てるクリスチャン・ウッドとうまく補完関係が築ければ、いいコンビになれるかもしれません。
<想定ロースター>
PG:デリック・ローズ
SG:ルーク・ケナード
SF:トニー・スネル
PF:ブレイク・グリフィン
C:クリスチャン・ウッド(FA)/オニエカ・オコングー
【8位 ニックス】
必要なポジション:PG、SF
コール・アンソニー 6−3(191cm) PG ノースカロライナ大1年
18.5点/5.7R/4.0A/1.3S/0.3B/FG38.0%/3P34.8%/FT75.0%
★他候補:タイリース・ハリバートン(PG/SG)、アイザック・オコロ(SF)
同じく6位から8位へと降格したニックス。
この順位までくると、ある程度リスクを背負った形での指名も必要になってきます。
かつてニックスの先発PGを務めたグレッグ・アンソニーの息子コール・アンソニーは、高校時代からエリート選手として名を馳せていました。
しかし、大学1年生シーズンでのFG成功率の低さから、安定感のない選手という評価を受けてしまいました。
ただ、ワークアウトで現役NBA選手とも互角に渡り合う力があり、タレントレベルは非常に高いものがあります。
スター性や高いポテンシャルがあることは間違いなく、将来的に大化けする可能性を秘めています。
8位という順位に落ちた以上、ある程度リスクを取って将来性に賭けるといった決断も必要になってくるのではないかと思います。
特にNYという特別な街には、アンソニーのようなスター性を持ったタレントが必要なのではないかなと個人的には思います。
<想定ロースター>
PG:コール・アンソニー
SG:RJ・バレット
SF:モーリス・ハークレス(FA)/ケビン・ノックス
PF:ジュリアス・ランドル
C:ミッチェル・ロビンソン
【9位 ウィザーズ】
必要なポジション:SF、C
アイザック・オコロ 6−6(198cm) SF オーバーン大1年
12.8点/4.4R/2.0A/0.9S/0.9B/FG51.2%/3P28.6%/FT67.4%
★他候補:プレシャス・アチュワ(PF)、アーロン・ネズミス(SF)
ジョン・ウォールが復帰してバックコートの穴が埋まれば、ウィザーズ最大の補強ポイントはSFポジションになります。
オコロは、力強いウィングのディフェンダーとして高い評価を受けています。
アウトサイドシュートは課題ですが、身体もできているので即戦力として期待できます。
ウィザーズは、チーム全体としてディフェンスの弱さが弱点にもなっているので、オコロの指名はバランス的にも非常に理に適った補強になりそうです。
<想定ロースター>
PG:ジョン・ウォール
SG:ブラッドリー・ビール
SF:トロイ・ブラウンJr./アイザック・オコロ
PF:八村塁/ダービス・ベルターンズ(FA)
C:トーマス・ブライアント
【10位 サンズ】
必要なポジション:PF、PG
キリアン・ヘイズ 6−5(196cm) PG/SG フランス
11.6点/2.8R/5.4A/1.5S/0.3B/FG48.2%/3P29.4%/FT87.6%
★他候補:プレシャス・アチュワ(PF)、コール・アンソニー(PG)
サンズはPFが最大の補強ポジションですが、この順位で指名できる選手が少ないのが現状です。
逆にPGは人材が豊富なため、ルビオのバックアップ及び後継者として、PGもできるコンボガードのヘイズを選んでいます。
スピードがあって攻撃的なヨーロッパ人のガードが好きなサンズには、ちょうど合致する人材ではないかと思います。
<想定ロースター>
PG:リッキー・ルビオ/キリアン・ヘイズ
SG:デビン・ブッカー
SF:ケリー・ウーブレイJr.
PF:ダリオ・サリッチ
C:ディアンドレ・エイトン
ロッタリー最後の14位までやりたかったんですが、ちょっと11位以降が混戦すぎて整理がつかないので、今回はTOP10までにしておきます。
最後にコーンロウ姿でロッタリー抽選に登場したカリーの写真を載せておきます(笑)