以前こちらの記事で、個人賞の選び方について異議を唱えましたが、またそういう話です(笑)
今度は「オールNBAチーム」についてです。
まずは結果から。
上から点数の高かった順に並んでいて、点数は合計点とカッコ内の数字がそれぞれ(1stチーム票=5点/2ndチーム票=3点/3rdチーム票=1点)を表しています。
【All NBA 1st team】
F:ヤニス・アデトクンボ(バックス) 500(100/0/0)
F:ルブロン・ジェイムズ(レイカーズ) 500(100/0/0)
G:ジェイムズ・ハーデン(ロケッツ) 474(89/9/2)
C:アンソニー・デイビス(レイカーズ) 455(79/20/0)
G:ルカ・ドンチッチ(マブス) 416(59/40/1)
【All NBA 2nd team】
F:カワイ・レナード(クリッパーズ) 372(39/59/0)
C:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ) 311(21/64/14)
G:デイミアン・リラード(ブレイザーズ) 284(6/82/8)
G:クリス・ポール(サンダー) 199(2/52/33)
F:パスカル・シアカム(ラプターズ) 168(1/36/55)
【All NBA 3rd team】
F:ジェイソン・テイタム(セルティックス) 153(0/32/57)
F:ジミー・バトラー(ヒート) 147(0/32/51)
C:ルーディ・ゴベア(ジャズ) 110(1/19/48)
G:ベン・シモンズ(シクサーズ) 61(0/9/34)
G:ラッセル・ウェストブルック(ロケッツ) 56(0/9/29)
<選外>
F:クリス・ミドルトン(バックス) 82(0/10/52)
C:ジョエル・エンビード(シクサーズ) 79(3/14/22)
G:ブラッドリー・ビール(ウィザーズ) 32(0/3/23)
G:カイル・ラウリー(ラプターズ) 26(0/3/17)
C:バム・アデバヨ(ヒート) 26(0/0/26)
G:トレイ・ヤング(ホークス) 13(0/1/10)
G:ドノバン・ミッチェル(ジャズ) 10(0/1/7)
F:ポール・ジョージ(クリッパーズ) 7(0/2/1)
G:ケンバ・ウォーカー(セルティックス) 4(0/1/1)
C:アンドレ・ドラモンド(キャブス) 3(0/1/0)
G:デビン・ブッカー(サンズ) 3(0/0/3)
C:カール・アンソニー・タウンズ(ウルブス) 2(0/0/2)
C:ブルック・ロペス(バックス) 1(0/0/1)
G:ザック・ラビーン(ブルズ) 1(0/0/1)
以前、予想記事として書いたものがこちらです。
スタッツもこちらにまとめていますので、比較材料として。
「オールNBAチーム」の問題点は、既に上記の記事中でもあらかた書いてはいますが、結果を見た上で改めて振り返ってみます。
★疑問①
今シーズンのレイカーズは、先発Cにジャベイル・マッギーを固定していました。
これは、ADがセンターとして出ることを望まず、あくまでPFとして出たいという意向を尊重してのものでした。
それがなければ、カイル・クーズマをPF、ADをCにして並べて先発させることも可能だったんですが、そうはしなかったわけです。
それがいいかどうかは別として、今シーズンのADはシーズンを通してPFとして出場し、Cとしては先発していなかったというのは厳然たる事実です。
それなのに、オールNBAチームの投票では、Cとして1位票を入れた人が山ほどいて、Cとして1stチームに選ばれているんですね。
もちろん、ADが1stチームに相応しい選手であることは誰の目にも明らかで、1stチームに入るべきだと僕も思います。
ただ、現行ルール上では、オールNBAチームはポジションごとに選ぶ“シバリ”があるままなんですね。
であれば、Cとして最多得票を得たヨキッチが、ADに代わって1stチームに選ばれなければいけないと思うんです。
ポジションの縛りをきちんと守って選ぶのか、それとも、ある程度の融通を利かせて選ばれるべき選手が入れるようにするのか。
正直どっちに転んでもいいとは思ってます。
ただ、両方の解釈が混在してダブルスタンダードになっているのは良くないと思います。
例えば、もしこれがアリなんだったら、どうしてクリス・ミドルトンは選ばれないんでしょうか?
次点で選外となったミドルトンですが、82点を獲得しています。
これはガード部門で3rdチーム入りしているベン・シモンズ(61点)やウェストブルック(56点)よりも多いポイントなんですね。
ADが選ばれたのと同じ理屈でいくならば、ミドルトンをガード部門で選んだっていいわけですよね?
実際、SGでプレーすることだってできるわけですから。
でもこちらは逆に、フォワード部門に固定され、より点数の低いガードの2人が選ばれています。
それってなんかおかしくないですか???
一方ではポジション枠を無視して選ばれ、もう一方ではポジション枠に縛られて選ばれないんですよ?
だったら、オールルーキーチームと同じように、ポジション枠を取っ払って点数の高い順から5人ずつ選べばいいんですよ。
それをせずに、選ぶ側の都合で、その都度ポジションを拡大解釈して投票するというのは不公平です。
ポジションごとに選ぶなら、そのシーズン一番多くプレーしたポジションで選ぶべき。
ポジションで選ばないなら、ポジション枠は撤廃すべき。
どちらかだと思います。
★疑問②
「平均30点でも選ばれないの???」
先ほどの過去記事にある通り、僕は2ndチームにトレイ・ヤングを、3rdチームにブラッドリー・ビールを選んでいます。
なぜなら、個人成績がスゴかったからです。
これにブッカーも含めた3人は、オールNBAチームに入ってもおかしくない成績だと思います。
G:トレイ・ヤング(ホークス)
29.6点/4.3R/9.3A/1.1S/0.1B/FG43.7%/3P36.1%/FT86.0%/勝率29.9%
G:ブラッドリー・ビール(ウィザーズ)
30.5点/4.2R/6.1A/1.2S/0.4B/FG45.5%/3P35.3%/FT84.2%/勝率34.7%
G:デビン・ブッカー(サンズ)
26.6点/4.2R/6.5A/0.7S/0.3B/FG48.9%/3P35.4%/FT91.9%/勝率46.6%
ただ、得票数はヒドイものでした。
G:ブラッドリー・ビール(ウィザーズ) 32(0/3/23)
G:トレイ・ヤング(ホークス) 13(0/1/10)
G:デビン・ブッカー(サンズ) 3(0/0/3)
逆に、選ばれたガード部門の選手と比較してみます。
G:クリス・ポール(サンダー)
17.6点/5.0R/6.7A/1.6S/0.2B/FG48.9%/3P36.5%/FT90.7%/勝率61.1%
G:ベン・シモンズ(シクサーズ)
16.4点/7.8R/8.0A/2.1S/0.6B/FG58.0%/3P28.6%/FT62.1%/勝率58.9%
G:ラッセル・ウェストブルック(ロケッツ)
27.2点/7.9R/7.0A/1.6S/0.4B/FG47.2%/3P25.8%/FT76.3%/勝率61.1%
これを見ると、たとえ2倍近くの平均得点を挙げていても、チームの勝率が6割前後をマークしていないと選ばれないのかな?と感じてしまいます。
ただ、であればこういう選手はどうなんでしょう?
G:カイル・ラウリー(ラプターズ)
19.4点/5.0R/7.5A/1.4S/0.4B/FG41.6%/3P35.2%/FT85.7%/勝率73.6%
F/G:クリス・ミドルトン(バックス)
20.9点/6.2R/4.3A/0.9S/0.1B/FG49.7%/3P41.5%/FT91.6%/勝率76.7%
勝率は上で、成績もクリス・ポールやベン・シモンズよりは上です。
サンダーを予想外の成績に導いたクリス・ポールを評価したい気持ちはわかります。
ただ、ベン・シモンズになると、もはやどうして選ばれたのか理由もわかりません。
話を本題に戻すと、平均30点前後をマークするというのは、ほぼ得点王レベルです。
いくらチーム成績が振るわなかったとはいえ、得点王レベルの活躍をした選手が、3rdチームにすら選ばれないというのは、おかしいと思います。
オールNBAチームが、チーム成績を評価するアウォードなんだったらわかります。
でも、あくまで個人成績を評価するアウォードなので、勝率は参考程度には考慮に入れたとしても、平均30点を無視するほど優先すべきではないと思います。
チームの成績が良くないと、「勝利に導けない選手」というレッテルを貼られることがよくあります。
でも、チームが勝てないのは、周りのロースターが貧弱だったり、ケガ人が多く出たり、その選手のせいではないことだって多々あります。
チーム成績が悪いというだけで、そのチームの選手はどんなにすごいスタッツを挙げていても評価しないという風潮はおかしいと思います。
チーム成績と個人成績はどちらかに偏ることなく、総合的に評価して、公平に判断してほしいなと思います。