今シーズンの各個人賞のノミネートが発表されました。
今シーズンは変則的な日程となってしまった関係上、公平を期するため、全30チームがプレーしていた3/11までの結果をもとに、各賞が投票されることになっています。
以前、各賞の予想を立ててみたのですが、大体は予想通りの結果になっています。
ただ、2つだけ疑問の残る部分があったので、そこだけ取り上げてみようかなと思います。
【Defensive player of the year】
<ノミネート>
・ヤニス・アデトクンボ(バックス)
・ルディ・ゴベール(ジャズ)
過去記事の情報を再掲してみますと・・・・
14.2R(2位)/0.4S/3.1B(1位)
15.2R(1位)/1.9S(3位)/1.6B
③C:ルディ・ゴベール(ジャズ)
13.7R(4位)/0.8S/2.0B
9.4R/1.5S/2.4B(3位)
◯F:ヤニス・アデトクンボ(バックス)
13.7R(3位)/1.0S/1.0B
ヤニスのスタッツも載せてみました。
リーグTOP5だけ、順位も追記しています。
過去の記事を書いた時には、ディフェンスの主要3部門である「リバウンド」「スティール」「ブロック」で2部門TOP3入りしていたホワイトサイドとドラモンドを、受賞候補として挙げていました。
しかし、その2人とも、ノミネートにすら入っていないんですね。
いや、わかります。
ディフェンスがスタッツだけではないことは。
ただ、歴代の受賞者を振り返って見ても、ブロック王やスティール王が受賞していることが多かったんですね。
かつてのムトンボやペイトン、モーニングといった時代から、リバウンド王のベン・ウォーレス、リバウンドとブロックで高い水準だったドワイト・ハワードなど、やはりスタッツリーダーが受賞することが多かったのは確かです。
最有力と言われているヤニスが総合的に優れていることはわかります。
ただ、ブロック王やリバウンド王が候補にすら上がらないのは、やはりどう考えてもおかしいんじゃないかと思うんです。
しかも、1部門だけでなく、主要2部門でトップにいる2人が、どちらも候補に入らないんですよ?
チームの成績?
確かにそれもあるでしょう。
でも、それを理由にして、メジャーな名前を候補に挙げておきたいという意図が働いているように見えて仕方ありません。
個人賞は、個人の成績を評価するもの。
であれば、少なくともスタッツリーダーはノミネートに挙げられてしかるべきなのではないかと思います。
【Most Improved player】
<ノミネート>
・バム・アデバヨ(ヒート)
・ルカ・ドンチッチ(マブス)
こちらも過去記事の情報を再掲します。
①G:デボンテ・グラハム(ホーネッツ)
4.7点/1.4R/2.6A/0.5S/0.0B/FG34.3%/3P28.1%/FT76.1%
↓ +13.5点/2.0R/4.9A/FG3.9%/3P9.2%/FT5.9%
18.2点/3.4R/7.5A/1.0S/0.2B/FG38.2%/3P37.3%/FT82.0%
②G/F:ダンカン・ロビンソン(ヒート)
3.3点/1.3R/0.3A/0.3S/0.0B/FG39.1%/3P28.6%/FT66.7%
↓ +10.0点/2.0R/1.1A/FG7.6%/3P16.2%/FT23.9%
13.3点/3.3R/1.4A/0.5S/0.2B/FG46.7%/3P44.8%/FT90.6%
③F/C:バム・アデバヨ(ヒート)
8.9点/7.3R/2.2A/0.9S/0.8B/FG57.6%/3P20.0%/FT73.5%
↓ +7.3点/3.2R/2.9A
16.2点/10.5R/5.1A/1.2S/1.3B/FG56.7%/3P7.7%/FT69.0%
④G:テリー・ロジアー(ホーネッツ)
9.0点/3.9R/2.9A/0.9S/0.3B/FG38.7%/3P35.3%/FT78.5%
↓ +9.0点/1.2A/FG3.6%/3P5.4%/FT8.9%
18.0点/4.4R/4.1A/1.0S/0.2B/FG42.3%/3P40.7%/FT87.4%
⑤G:シェイ・ギルジャス・アレクザンダー(サンダー)
10.8点/2.8R/3.3A/1.2S/0.5B/FG47.6%/3P36.7%/FT80.0%
↓ +8.5点/3.3R
19.3点/6.1R/3.3A/1.1S/0.7B/FG47.3%/3P35.1%/FT80.1%
⑥G:フレッド・バンブリート(ラプターズ)
11.0点/2.6R/4.8A/0.9S/0.3B/FG41.0%/3P37.8%/FT84.3%
↓ +6.6点/1.2R/1.8A/1.0S
17.6点/3.8R/6.6A/1.9S/0.3B/FG40.9%/3P38.8%/FT84.3%
18.3点/5.1R/3.0A/0.5S/0.6B/FG49.7%/3P33.0%/FT67.5%
↓ +6.0点/1.2R/1.3A/3P5.7%/FT18.3%
24.3点/6.3R/4.3A/1.0S/0.7B/FG46.6%/3P38.7%/FT85.8%
⑧F:ダービス・ベルターンズ(ウィザーズ)
8.0点/3.5R/1.3A/0.5S/0.4B/FG45.0%/3P42.9%/FT88.3%
↓ +7.4点/1.0R
15.4点/4.5R/1.7A/0.7S/0.6B/FG43.4%/3P42.4%/FT85.2%
◯G:ルカ・ドンチッチ(マブス)
21.2点/7.8R/6.0A/1.1S/0.3B/FG42.7%/3P32.7%/FT71.3%
↓ +7.5点/1.5R/2.7A/FG3.4%/FT3.9%
28.7点/9.3R/8.7A/1.1S/0.2B/FG46.1%/3P31.8%/FT75.2%
ノミネートされたドンチッチのスタッツを追加しました。
こちらの疑問もやはり、ある程度名の通った選手しかノミネートされていないんじゃないか?という疑いです。
真っ先に候補に挙げたデボンテ・グラハムとダンカン・ロビンソンは、成績の上がり幅が最も大きかった2人です。
いずれも、平均で10点以上得点をアップさせています。
でも、ノミネートにすら挙がらないのはなぜでしょうか??
無名だから?
いや、MIPってそういう人にあげる賞ですよね?
2年目だから?
いや、ドンチッチも2年目ですよ?
以前も書きましたが、従来2年目のプレイヤーは成績がアップするのが通例なので、あまりMIPの候補には選出されません。
ただ、2巡目指名だったデボンテ・グラハムと、ドラフト外で2way契約だったダンカン・ロビンソンの2人は、ただの2年目選手ではなく、ロースターに残れるかどうかの当落線上から這い上がったという意味で、MIPに値すると思うんです。
つまり、「事前の評価が低かったにもかかわらず、予想を超える活躍を果たした」という意味で、非常にMIPの趣旨に合った候補だと思うんです。
逆に、ドラフト上位で指名された選手は、言わば「元々高く評価されていて、活躍することはある程度予想された」選手たちです。
ドラフト3位のドンチッチしかり、ドラフト2位のイングラムしかりです。
元々高く評価されていた選手が、本来の実力を発揮し始めたことが、なぜMIPなんでしょうか?
それよりも、誰も予想していなかったのに、自ら成長することで期待以上の活躍を見せた選手の方が、よっぽど「成長した」と言えるんじゃないでしょうか?
例えば、ヒートのケンドリック・ナンも、本当はMIP候補になってしかるべき選手だと思います。
1年目の昨シーズンはドラフトで指名されず、Gリーグで過ごしました。
そして、昨シーズンの最後にヒートとNBA契約にこぎつけましたが、試合の出場はありませんでした。
そして2年目となる今シーズンは、開幕からスターターに抜擢されました。
ただ、昨年は1試合も出場していないため、2年目の今シーズンがルーキーシーズン扱いになっているんですね。
そのためMIPの候補にはならないのですが、GリーグからNBAのスターターにまで上りつめたっていう事実は、めちゃめちゃ「成長」じゃないですか?
個人的には、このケンドリック・ナン、ダンカン・ロビンソン、デボンテ・グラハムの3人をノミネートしたいです。
ちなみに、このノミネートについては、ドンチッチ本人も疑問を呈しています。
「自分は相応しくないから、自分よりもデボンテ・グラハムを候補に入れてほしい」とコメントしてるんですね。
選手たちにそういうことを言わせるノミネートの仕方って、なんなんですかね?
ここ最近、NBAがアウォードをショーアップして、アカデミー賞やグラミー賞のように発表するために、最終候補の3人をノミネートして、最後に授賞式をやるスタイルに変更しています。
その頃から、「授賞式を盛り上げるための人選」になっている気がしてなりません。
なぜなら、ノミネートされた3人が無名な若手だと、授賞式が盛り上がらないからです。
そんなショーアップのための候補選びではなく、真に値する人が候補となる健全なアウォードに戻してほしいなと思います。