5 DEEP

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【EAST 2nd Round】

 

(2) Toronto X (3) Philadelphia  GAME4

Raptors 101-96 76ers [TOR 2-2 PHI]

 

GAME3を快勝したシクサーズは、勢いに乗ってホームで連勝すれば、カンファレンス・ファイナルへ向け大きく前進する一戦でしたが、エースのエンビードが体調不良でプレーできるかわからないという状態に。

何とか強行出場するものの、FG成功わずか2本の11点止まりとなりました。

 

代わりにバトラーがエースの働きをして29点・11リバウンド、レディックも高確率のショットで3P4本を含む19点を挙げますが、トバイアス・ハリスがFG7/23本・3P2/13本と決まらず、ベン・シモンズも相変わらずノンファクターで蚊帳の外。

チーム全体でもFG40.2%・3P31.6%と低調なオフェンスに終わりました。

 

逆にラプターズは、レナードがこの日もFG13/20本・3P5/7本の39点・14リバウンド・5アシストと止まらず。

シリーズ平均でも、38.0点・FG62.0%・3P48.6%とアンストッパブル

 

また、ふくらはぎを痛めて万全でないシアカムの代わりに、イバカとマルクを同時に使うフロントラインを多用。

いつもより積極的にショットを狙い、マルクがFG7/13本の16点、イバカもFG6/12本の12点・9リバウンドと貢献しました。

調子の上がっていなかったラウリーも、FG6/13本の14点・6リバウンド・7アシストと堅実な働きを見せました。

 

シクサーズは、波に乗って一気に押し切れるチャンスでしたが、エンビードの穴を埋めきれませんでした。

そうなると、オフェンスがバトラー頼みになっている点が気になります。

ボールハンドリングも、オフェンスの組み立ても、ショットを決めるのも、全てバトラー頼みになっていて、この試合もレナードとバトラーの1対1のバトルみたいになっていました。

 

ジャンプシュートが弱点のベン・シモンズは、昨年もプレーオフになるとノンファクターとなり、存在感がなくなっていました。

このシリーズも、平均10.0点・4.8アシストと振るわず、完全に消えてしまっています。

バトラーだけでなく、シモンズも攻撃の起点として機能しないと、豊富なタレントを活かした多彩な攻撃が生まれません。

 

せっかく5人のオールスタークラスを先発に抱えているのに、結局エンビードかバトラーに頼るしかない単調な攻めになっていて、特にゲームの終盤の勝敗を決める局面になってくると、ますますその傾向が強まってきます。

タレントレベルから考えたら、誰が打っても決められる強力ラインナップなはずなのに、なぜか相手にとってわかりやすいワンパターンな攻めになっているのは、シモンズが全く絡まず、ハリスとレディックも自分から仕掛けるタイプではないので、2人に比重がかかってしまっています。

 

そうした個人対個人の戦いに矮小化してしまうと、絶好調のレナードに敵いません。

5人の総合力をいい形で発揮できるような展開に持ち込まないと、シクサーズの有利な点が発揮されないでしょう。

果たしてそれができるかどうかが、今後のシリーズの行方を占いそうです。

 

 


Kawhi Leonard scores 39 as Raptors even series with 76ers | 2019 NBA Playoff Highlights

 

 

【WEST 2nd Round】

 

(2) Denver X (3) Portland  GAME4

Nuggets 116-112 Blazers [DEN 2-2 POR] 

 

4度のオーバータイムという激闘の後、両チームがどんな状態で臨むかが注目されたGAME4。

若いナゲッツは、敗戦のショックで意気消沈してしまうんじゃないか?

劇的勝利のブレイザーズは、ホームで一気に波に乗るんじゃないか?

そんな大方の見方を、ナゲッツがまた覆してきました。

 

中1日の休みを完全オフにしたナゲッツは、心身ともにリフレッシュ。

ジャマール・マレーは、バックボードの裏からボードを超えてトリックショットを決めるなど最初からエンジン全開で、ゲームハイの34点。

前の試合で65分も出場したヨキッチは、この日も39分間プレーし、21点・12リバウンド・11アシストで2試合連続トリプルダブル。

プレーオフゲームで、2試合連続でトリプルダブルと30点以上のスコアラーを出したのは、マジック・ジョンソンカリーム・アブドゥル・ジャバー以来だそうです。

 

チームメイトも後に続き、ポール・ミルサップは21点・10リバウンドのダブルダブルを残し、ゲイリー・ハリスとウィル・バートンは4Q終盤の大事な局面で重要な働きをしました。

試合残り3分半で99−98と1点差に迫られた場面。

ここから、バートンの3P⇒ハリスのジャンプショット⇒バートンの3P⇒ハリスのバスケットカウントと2人だけで11連続ポイントを挙げます。

 

最後は、ファールゲームに来たブレイザーズに対して、マレーが3度に渡って2点差をセイフティリードの4点差に広げるフリースローを決め、ナゲッツが接戦を制しました。

 

ナゲッツのマイク・マローンHCは、今シーズンのナゲッツは、2連戦の2試合目が12勝1敗だったこと、3点差以内で決着した接戦で13勝3敗だった事実を挙げ、「ウチのチームはタフなんだ」と胸を張りました。

 

ブレイザーズは、マッカラムが29点、リラードが28点・7アシストといつも通りの活躍を見せましたが、ナゲッツの全員攻撃の前に屈しました。

 

ゲーム終盤のクラッチタイムでも、ゲイリー・ハリスやウィル・バートンのような脇役が大事なショットを決められる多彩さを持つナゲッツに対して、どうしてもリラードとマッカラム一辺倒になってしまう選手層の差が出たゲームでした。

 

ブレイザーズは、2人以外に外角シュートを決められる選手を、もっとコンスタントに出すべきではないかと思います。

このシリーズ平均14.5点・FG61.4%・3P68.8%と絶好調のロドニー・フッド。

プレーオフに入って3P48.1%、今日の試合でも3P4/6本の16点をマークしたセス・カリー。

レギュラーシーズンでは先発も務めたのに、プレーオフで全く出番のないジェイク・レイマン

 

テリー・ストッツHCは、お気に入りのアミヌやハークレスを重用していますが、この2人には3Pをコンスタントに決める力がないため、どうしてもリラードとマッカラムに頼った攻めになってしまいます。

なので、上述したシューター陣をコンスタントに出場させ、リラードとマッカラム以外にも3Pを狙える布陣を組まないと、全員攻撃のナゲッツに対抗していけないと思います。

 

GAME3の4OTで最後に試合を決めるショットを放ち、勝利の立役者となったフッドですが、これも実はハークレスが足をつったため、やむなく行ったメンバーチェンジでした。

つまり、本当はフッドを出す気はなく、偶然が生んだヒーローだったわけです。

HCが頭を切り替え、リラードとマッカラムに頼った単調な攻めを改めないと、多彩な武器を持つナゲッツにやられてしまうでしょう。

 

 


Jokic and Murray help even the series | Blazers vs. Nuggets Game 4 | 2019 NBA Playoff Highlights

 

 


Seth Curry Shocks Crowd With Crazy 3 Point Shots In Game 4! Nuggets vs Blazers Game 4