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キャブス⇔バックス⇔ウィザーズの3チーム間でトレードが成立しました。

 

<バックス>      

 ジョージ・ヒル(←キャブス) 

 ジェイソン・スミス(←ウィザーズ)

 2021年2巡目指名権(←ウィザーズ)

 

<キャブス>

 ジョン・ヘンソン(←バックス)

 マシュー・デラベドーバ(←バックス)

 2021年1巡目指名権(←バックス)

 2021年2巡目指名権(←バックス)

 2022年2巡目指名権(←ウィザーズ)

 

<ウィザーズ>

 サム・デッカー(←キャブス)

 2021年2巡目指名権(←キャブス)

 

ロールプレイヤー同士の地味なトレードではありますが、それぞれに目的があります。

 

<バックス>

 PG:エリック・ブレッドソー/ジョージ・ヒル

 SG:マルコム・ブログドン/パット・コノートンドンテ・ディヴィンチェンゾ

 SF:クリス・ミドルトン/トニー・スネル

 PF:ヤニス・アデトクンボ/エルサン・イリャソワ

 C:ブルック・ロペス/ソン・メイカー/ジェイソン・スミス

 

現在イースト2位のバックスは、プレーオフ上位進出に向けて好位置につけています。

ブレッドソーとブログドンのバックコートコンビはショットが好調ですが、ゲームをコントロールできる司令塔タイプのPGがいませんでした。

 

そこで、キャブスの若手への転換方針で先発を外れていたベテランのジョージ・ヒルを獲得。

自ら攻め込むタイプのブレッドソーと、一歩引いてバランスを取るタイプのヒルを併用することで、試合状況に合わせた柔軟な戦い方が可能となりそうです。

3P成功率も46.4%と高く、頼れるシューターの1人となりそうです。

 

また、ウィザーズから器用なビッグマン、ジェイソン・スミスも獲得。

PFとCを両方こなせるスミスは、バックアップとして便利な存在です。

速攻に走れる機動力と3Pを決めるシュート力も持ち合わせています。

 

バックスにとって、このトレードにはもう一つの裏目的があります。

来オフのFA市場に向けたサラリーキャップの整理です。

 

トレードで放出したジョン・ヘンソン(残り2年10.6/9.7mil)とデラベドーバ(残り2年9.6/9.6mil)は、いずれも契約をあと2年残しているため、来季のサラリーキャップにも残ってしまいます。

一方で、今回獲得したジョージ・ヒル(残り2年19.0/18.0mil←来季の契約は1milしかギャランティーされていない)とジェイソン・スミス(残り1年5.5mil)は、今季終了後にサラリーキャップから外すことができます。

 

バックスは、今季終了後にアデトクンボ以外の先発4人が全てFAになってしまいます。

うまくいっている今のラインナップを維持するためには、少しでも多くキャップの空きを作っておかなければなりません。

そのために、来季も契約が残っているロールプレイヤーを放出して、今季で契約が切れる選手を集めたわけです。

 

プレーオフに向けて貢献できる戦力を確保しながら、次のオフに向けてサラリーキャップの空きも準備できたバックスは、非常にいい取引をしたと言えるでしょう。

 

<キャブス>

 PG:コリン・セクストンマシュー・デラベドーバ

 SG:ロドニー・フッド/ジョーダン・クラークソン/デビッド・ヌワバ

 SF:セディ・オズマン/アレック・バークス/JR・スミス

 PF:ケビン・ラブ/ラリー・ナンスjr.

 C:トリスタン・トンプソン/ジョン・ヘンソン

 

エースのラブが戦線離脱したキャブスは、完全にリビルディングモードに入りました。

そこで、ベテラン選手を放出して、若手やドラフト指名権を集めに入っています。

前回のカイル・コーバーのトレードでも2巡目指名権を2つ手に入れ、今回のトレードでも計3つもドラフト指名権を入手しています。

 

それ自体は決して間違った動きではないのですが、だったらどうしてオフの間に始めないのか?という疑問が残ります。

 

7/1のFA交渉解禁日にルブロンを引き留められないとわかった時点で、もうキャブスはリビルディングモードに入らなければいけませんでした。

コーバーやJR・スミス、ジョージ・ヒルといった“ルブロンのために集めたベテラン選手”は、夏の間にトレードをまとめ、若手やドラフト指名権に交換すべきでした。

シーズンが開幕し、各チームのロースターが固まってからでは、いい取引はなかなか見つかりません。

 

ルブロンが残ってくれなければ優勝が狙えないのは明らかなのに、ケビン・ラブと延長契約を結び、ベテランもキープするなど、中途半端に戦力を維持しようとする動きは理解に苦しむものでした。

どうせ勝てないなら、思いっきり負けて、来年のドラフト順位を上げた方がいいからです。

 

それもしなかったのに、シーズンが始まってすぐにHCを解任し、JR・スミスと衝突し、コーバーとヒルを今頃放出する動きは、明らかにフロントの失策です。

キャブスはまた暗黒の時代に突入しそうです。

 

<ウィザーズ>

 PG:ジョン・ウォール/トマス・サトランスキー

 SG:ブラッドリー・ビール/オースティン・リバース

 SF:オットー・ポーターJr./ケリー・ウーブレJr.

 PF:マーキフ・モーリス/ジェフ・グリーン/サム・デッカー

 C:ドワイト・ハワード/トーマス・ブライアント/イアン・マイーミ

 

サム・デッカーは、ユーティリティタイプのフォワード。

SFとPFを両方こなせて、ゴール下もできるし3Pも打てます。

新人だったロケッツ時代から光る動きは見せており、プレータイムさえ与えられればチームへの貢献度は高いプレイヤーです。

 

しかし、ウィザーズはフォワードポジションに人材がダブっているので、十分なプレータイムがもらえるかどうかが微妙なところです。

このトレード話が出た当初、デッカーはバックスに行くと思われていたのですが、その方が活躍する機会も多かった気がします。

 

ただ、今シーズン不調のウィザーズは、今後もトレードが噂されているので、さらなる動きがあるのかもしれません。

 

 

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こちらがサム・デッカー

 

 

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ロケッツにドラフトされ、ルーキーシーズンからローテーション入り

 

 

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その後クリス・ポールのトレードでクリッパーズへ移籍

 

 

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ウィスコンシン大出身だったので、バックスに行ってほしかったな・・・・