またトレード話ですが、ちょっとおもしろい記事があったので、ご紹介したいなと思います。
2チーム間のトレードではなく、3チームのトレードに特化したシナリオなんですが、現実的にアリだなという話が多かったので取り上げてみたいと思います。
①ウォリアーズが先発センターを獲得?
<ウォリアーズ>
2021年2巡目指名権(←ホーネッツ)
<ホーネッツ>
SF アンドリュー・ウィギンス(←ウォリアーズ)
2020年1巡目2位指名権(←ウォリアーズ)
2020年2巡目指名権(←ペイサーズ)
<ペイサーズ>
SF ニコラ・バトゥーム(←ホーネッツ)
2020年1巡目3位指名権(←ホーネッツ)
2020年2巡目指名権(←ウォリアーズ)
<ウォリアーズ>
PG:ステフ・カリー/カイ・ボウマン
SG:クレイ・トンプソン/ジョーダン・プール
SF:デイミオン・リー/エリック・パスカル
PF:ドレイモンド・グリーン/ケボン・ルーニー
C:マイルズ・ターナー/マーキース・クリス
ウォリアーズは、今年の2位指名権を手放す代わりに、先発Cを手に入れる取り引きです。
カリーが32才、トンプソンとグリーンも30才のウォリアーズは、すぐに優勝争いに戻るための即戦力を必要としています。
ドラフト2位で指名する新人の成長を待っている時間的余裕はないわけですね。
ターナーはまだ24才と若いですが、ブロック王を獲得した実績のあるビッグマン。
ゴール下の高さが弱点のウォリアーズには、重要な戦力になります。
速攻に走る走力があり、3Pを打てる器用さもあるので、ウォリアーズのスタイルにもフィットするビッグマンと言えるでしょう。
また、29.5milのウィギンスを出して、18milのターナーを入れることで、サラリーキャップの空きを生み出すこともできます。
さらに、ドラフト2位指名選手に支払う高額な新人契約も回避できるので、チーム総年俸が膨らんでしまったウォリアーズにとっては、コストカットも同時に行うことができます。
<ホーネッツ>
PG:デボンテ・グラハム
SG:テリー・ロジアー/マリーク・モンク
SF:アンドリュー・ウィギンス/マイルズ・ブリッジズ
PF:PJ・ワシントン
C:コーディ・ゼラー/ジェイムズ・ワイズマン
今年の3位指名権を持っているホーネッツが、わざわざ1つ上の2位指名権を取りに行くのには理由があります。
ビッグマンのジェイムズ・ワイズマンを狙っているためです。
先発Cのゼラーが契約最終年となるホーネッツは、後釜としてワイズマンを狙っていると言われています。
ただ、1つ前のウォリアーズも先発Cを必要としているため、そのままだと2位でワイズマンを指名されてしまうのではないかという心配があります。
そこで、指名を確実にするために、2位指名権を獲得するトレードをするかもしれない、というわけです。
さらに、スター不在で、FAを呼ぶ魅力にも乏しいホーネッツは、多少過大評価されているウィギンスであっても、スター候補として喜んで受け入れるかもしれません。
25才のウィギンスは、同じく25才のグラハムや26才のロジアーと年も近く、これからの中心選手として考えることができます。
そこへ、22才のブリッジズやワシントン、新人のワイズマンらが加われば、ホーネッツのリビルディングとして相応しいかもしれません。
<ペイサーズ>
PG:マルコム・ブログドン/アーロン・ホリデイ
SG:ビクター・オラディポ
SF:ジェレミー・ラム/ダグ・マクダーモット
PF:TJ・ウォーレン/ニコラ・バトゥーム
C:ドマンタス・サボニス
ペイサーズは、コンビネーションの悪かったターナーとサボニスのツインタワーを解消し、サボニス中心のインサイドに移行することができます。
ターナーの対価として3位指名権を獲得できるので、そこでチームに必要なタレントを指名することができます。
ラメロ・ボールやアンソニー・エドワーズのガード陣、あるいは、デニ・アブディーヤやオニエカ・オコングーといったフォワード陣を選ぶこともできます。
ホーネッツで不良債権化していたバトゥームは、契約最終年となるので、1年だけ引き取れば27mil分のサラリーキャップの空きを手に入れることができます。
②ウォール&ビール体制の解体?
<ネッツ>
SG ブラッドリー・ビール(←ウィザーズ)
PF タージ・ギブソン(←ニックス)
<ニックス>
PG ジョン・ウォール(←ウィザーズ)
SF ロディオンス・クルークス(←ネッツ)
2020年1巡目9位指名権(←ウィザーズ)
2024年1巡目指名権(←ウィザーズ)
<ウィザーズ>
SG キャリス・ルバート(←ネッツ)
C ジャレット・アレン(←ネッツ)
SF トーリーン・プリンス(←ネッツ)
SF ケビン・ノックス(←ニックス)
2020年1巡目19位指名権(←ネッツ)
2020年1巡目27位指名権(←ニックス)
<ネッツ>
PG:カイリー・アービング/スペンサー・ディンウィディ
SG:ブラッドリー・ビール
SF:ケビン・デュラント
PF:タージ・ギブソン
C:ディアンドレ・ジョーダン
ネッツは若手を放出し、即戦力のベテランを入れるトレードになります。
KDとカイリーのスーパースターコンビに、平均30点のビールを加えたトリオは、リーグNo.1のBIG3誕生となります。
ディアンドレ、ギブソン、ディンウィディと、脇を固めるロール・プレイヤーたちも実績十分です。
即座に優勝を狙いにいけるラインナップになるでしょう。
ところで、ネッツがスティーブ・ナッシュを新HCとして迎え入れたのは誰もが驚きましたが、その後もアマレ・スターダマイヤーとマイク・ダントーニをアシスタントコーチとして招聘し、またもリーグをアッと言わせました。
かつて2年連続MVPを獲得したサンズ時代の盟友をアシスタントに従え、強かった時代のミニサンズを再結成したのは、来シーズン楽しみな話題となりました。
<ニックス>
PG:エルフリッド・ペイトン/デニス・スミスJr.
SG:ジョン・ウォール/フランク・二リキナ
SF:RJ・バレット/ウェイン・エリントン
PF:ジュリアス・ランドル/ロディオンス・クルークス
C:ミッチェル・ロビンソン
フロントが新体制となったニックスは、「他チームの不良債権を引き取っても構わない」と宣言して注目を集めています。
これはクリス・ポールのことを指した発言かなと思われますが、40mil超のガードといえばジョン・ウォールの方が深刻な不良債権です。
いくら不良債権を引き取る覚悟とは言っても、その対価がドラフト9位指名権では、そこまでのリスクを負う価値はないと思われます。
ただ、昨年オフにことごとく有力FAにそっぽを向かれただけに、スターパワーに飢えているのもまた事実だと思います。
また、もしウォールを入れることになるとしたら、混雑しているPG陣は整理しないとロースター枠に無駄が生じてしまいます。
<ウィザーズ>
PG:イシュマエル・スミス
SG:キャリス・ルバート/ジェローム・ロビンソン
SF:トーリーン・プリンス/トロイ・ブラウンJr.
SF:八村塁/ケビン・ノックス
C:ジャレット・アレン/トーマス・ブライアント
ジョン・ウォール(41.3mil)とブラッドリー・ビール(28.8mil)の2人は、来シーズンのウィザーズの総年俸103milのうちの、実に70mil分を占めています。
チーム再建を進めるのであれば、中途半端にベテランがいるよりも、思い切って若手中心に舵を切ってしまうことも一つの手です。
ルバートは、オーランド・バブルの中でネッツのエースとしてブレイクしました。
年16milという延長契約は、エース級の役割を期待される選手としては安価なので、「賢いお買い物」と言えます。
アレンは先発Cとして実績があり、プリンスも本来のSFに戻ればホークス時代のプレーを再現できる可能性があります。
2年目に伸び悩んだノックスも、環境を変えることでルーキー時代の輝きを取り戻せるかもしれません。
さらに、1巡目下位にはなりますが、2つの指名権で新戦力を補強することもできます。
ベテランをキープして、中途半端にプレーオフ当落線上をウロウロするよりは、思い切ってリビルディングを進めた方が、チームの将来にとってはプラスではないかと思います。
③バックス優勝への補強策?
<バックス>
SG ビクター・オラディポ(←ペイサーズ)
SF ロバート・コビントン(←ロケッツ)
<ペイサーズ>
PG エリック・ブレッドソー(←バックス)
PF エルサン・イリャソワ(←バックス)
2020年1巡目24位指名権(←バックス)
<ロケッツ>
SG ドンテ・ディビンチェンゾ(←バックス)
SF ダグ・マクダーモット(←ペイサーズ)
2024年1巡目指名権(←バックス)
2022年2巡目指名権(←バックス)
<バックス>
PG:ジョージ・ヒル
SG:ビクター・オラディポ
SF:クリス・ミドルトン
PF:ロバート・コビントン
C:ヤニス・アデトクンボ/ブルック・ロペス
契約最終年となるヤニスと再契約するため、是が非でも優勝したいバックス。
優勝するための最後のピースとして、ベテラン2人を獲得するというトレードになります。
動きのキレで勝負するタイプのオラディポは、ケガをしてからイマイチ輝きを取り戻せていませんが、バックスではエースとしてオフェンスを背負う必要はありません。
ディフェンスに力を注ぎながら、第2第3の得点源としてプレーすればいいという立ち位置は、ケガ明けのオラディポにとって無理のない役割かもしれません。
また、コビントンは、優勝を目指すチームには欠かせない3&Dタイプのプレイヤー。
オラディポと合わせて、バックスはディフェンス力のグレードアップが期待できます。
そしてヤニスがセンターに入るラインナップは、相手チームにとって相当嫌な存在になると思います。
<ペイサーズ>
PG:エリック・ブレッドソー/アーロン・ホリデイ
SF:TJ・ウォーレン
PF:ドマンタス・サボニス/エルサン・イリャソワ
C:マイルズ・ターナー
ブレッドソーとブログドンの2人は、かつてのバックスでコンビを組んでいたバックコートになります。
ペイサーズ移籍でようやくPGになれたブログドンでしたが、またSGに戻らなくてはならなくなるので、あまり歓迎しないかもしれません。
契約最終年を迎えるオラディポは、フロントとうまくいっていないと言われているため、シーズン終了後にFAで出ていかれてしまう可能性が濃厚です。
その前に何らかの対価と交換しておく方が無難であると言えます。
ただ、チームのエースを放出するのだとしたら、もう少しいい取り引きを見つけないともったいないですね。
<ロケッツ>
PG:ラッセル・ウェストブルック/ドンテ・ディビンチェンゾ
SG:ジェイムズ・ハーデン/ベン・マクレモア
SF:エリック・ゴードン/ダグ・マクダーモット
PF:ダヌエル・ハウスJr.
C:PJ・タッカー
ロケッツが放出するコビントンは、年12milと安価で使えるリーズナブルな選手です。
ロケッツ的にも特に放出する理由はないので、ちょっとこの取り引きは実現性が難しいのではないかなと思います。
また、マイク・ダントーニが去った今、超スモールラインナップは卒業することになると思いますので、仮にトレードをするにしてもガードではなく、手薄なインサイドを補強する方向へ動くと思われます。
④サンズがCP3で勝ちに行く?
<サンズ>
PG クリス・ポール(←サンダー)
C イネス・カンター(←セルティックス)
C ヴァンサン・ポアリエ(←セルティックス)
2020年1巡目26位指名権(←セルティックス)
<サンダー>
PG リッキー・ルビオ(←サンズ)
SF ケリー・ウーブレイJr.(←サンズ)
2020年1巡目30位指名権(←セルティックス)
2021年1巡目指名権(←サンズ)
<セルティックス>
SG ハミドゥ・ディアロ(←サンダー)
2023年1巡目指名権(←サンダー)
<サンズ>
PG:クリス・ポール
SG:デビン・ブッカー
SF:ミケル・ブリッジズ/キャメロン・ジョンソン
PF:ダリオ・シャリッチ/フランク・カミンスキー
C:ディアンドレ・エイトン/イネス・カンター/ヴァンサン・ポアリエ
オーランド・バブルでブレイクしたサンズが、本気でプレーオフを目指すための補強策になります。
サンダーが第5シードでプレーオフに行けたなら、タレントで上回るサンズならもっと強いチームが作れるかもしれません。
ウーブレイを手放すのは惜しいですが、同じポジションにブリッジズとキャメロン・ジョンソンが控えているので、いずれタレントを整理しなければいけない時が来ます。
ウーブレイは来季で契約最終年となるため、1年後に大金をつぎ込む覚悟がない場合は、今手放した方がいいと思います。
<サンダー>
PG:リッキー・ルビオ/デニス・シュルーダー
SG:ルーゲンツ・ドート
SF:シェイ・ギルジャス・アレクザンダー/テレンス・ファーガソン
PF:ケリー・ウーブレイJr./ダリアス・ベイズリー
C:スティーブン・アダムズ
サンダーは、41.4/44.2milの巨大契約が残るクリス・ポールを出し、17.0/17.8milのルビオと14.4milのウーブレイを入れることで、サラリー枠の整理をすることができます。
ここに来てようやく、若手中心のチーム再建へ舵を切ることができるでしょう。
ウーブレイは、ギルジャス・アレクザンダーやドートらと共に、将来チームの核として残るかもしれないタレントです。
サンダー的には、FAになる前のこの1年で、チームにフィットするかどうかを見極めることができます。
<セルティックス>
PG:ケンバ・ウォーカー/マーカス・スマート
SG:ジェイレン・ブラウン/ハミドゥ・ディアロ
SF:ゴードン・ヘイワード
PF:ジェイソン・テイタム/グラント・ウィリアムズ
C:ダニエル・タイス/ロバート・ウィリアムズ
セルティックスは、今年のドラフトで14位・26位・30位と3つの1巡目指名権を持っています。
それは一見いいことに聞こえますが、ギャランティ契約の新人を3人抱えることになるのは、サラリーキャップ的には厳しくなります。
そこで、こうした三角トレードに参加して、要らないドラフト権を手放してしまおうという作戦ですね。
上位の14位指名権だけ残して下の2つの指名権は手放し、将来の指名権と交換しておけば、今シーズンはやり繰りに困らなくて済むし、将来への投資にもなります。
⑤シクサーズ大改造?
<シクサーズ>
SG ザック・ラビーン(←ブルズ)
SF オットー・ポーターJr.(←ブルズ)
<ブルズ>
SF トバイアス・ハリス(←シクサーズ)
SF ディアンドレ・ハンター(←ホークス)
2020年1巡目6位指名権(←ホークス)
2020年1巡目21位指名権(←シクサーズ)
2021年1巡目指名権(←ホークス)
<ホークス>
SG ジョシュ・リチャードソン(←シクサーズ)
C クリスティアーノ・フェリシオ(←ブルズ)
2021年1巡目指名権(←シクサーズ)
<シクサーズ>
PG:ベン・シモンズ
SG:ザック・ラビーン/シェイク・ミルトン
SF:オットー・ポーターJr./フルカン・コルクマズ
PF:アル・ホーフォード/マイク・スコット
C:ジョエル・エンビード
トバイアス・ハリスとジョシュ・リチャードソンを、ザック・ラビーンとオットー・ポーターJr.に交換するトレードです。
ハリスは、34.4/36.0/37.6/39.3milというエース級の契約を結んでいますが、活躍度はエースのそれではありません。
ラビーンはいろいろと言われていますが、19.5/19.5milと年俸も手頃な割に、リーグ11位の平均25.5点・3P38.0%と費用対効果は高い選手です。
チームのエースとしては問題があるものの、エンビードとシモンズに次ぐ3番手としてなら、申し分ないタレントではないでしょうか?
ポーターは契約最終年なので、1年待てば28.5mil分のキャップの空きを作ることができ、また次なる補強を進めることができます。
リチャードソンとサイブルを手放すのはちょっともったいないですが、ハリスの巨大契約を早いうちに放出するとしたらやむを得ない犠牲ですね。。
<ブルズ>
PG:トマス・サトランスキー
SG:コービー・ホワイト
SF:トバイアス・ハリス/ディアンドレ・ハンター
PF:ラウリ・マルッカネン/サディアス・ヤング
C:ウェンデル・カーターJr.
ブルズはトバイアス・ハリスの長期契約を引き取る代わりに、1巡目指名権3つを手に入れます。
昨年のドラフト4位であるハンターを入れたら、1巡目指名権4つとも言えますね。
特に、ホークスの6位指名権は上位のタレントが取れますし、翌年のホークスの1巡目も上位指名権が予想されます。(ホークスが急に強くならない限り・・・)
つまり、TOP10ピックを3つ手にするようなイメージになりますね。
HCも代わり、チームを一新してリビルディングをしていこうという方針であれば、悪くない取り引きではないかなと思います。
<ホークス>
PG:トレイ・ヤング
SG:ケビン・ハーター/ジョシュ・リチャードソン
SF:キャメロン・レディッシュ/マティース・サイブル
PF:ジョン・コリンズ/クリスティアーノ・フェリシオ
C:クリント・カペラ/ドゥエイン・デドモン
昨年のドラフト4位、今年の6位、来年と3年分の1巡目上位指名権を放出してしまうのは、かなりもったいないです。
リビルディング中のチームとしたらなおさらです。
ただ、ハンターのルーキーシーズンがイマイチの出来で、今年のドラフトはタレントが弱いという点を考えると、それもアリなのかもしれません。
でも、来年の1巡目指名権はキープしておいた方がいいと思いますね。
リチャードソンとサイブルはディフェンス力に定評があり、ホークスに足りない部分を補う戦力補強にはなります。
ただ、1巡目TOP10の指名権を3つも手放して獲得するかと考えると、疑問が残ります。
てな記事を書いていたら、クリス・ポールとサンズのトレード話が本当に出てきたようですね。
今後の動きに注目していきましょう!