Zion & Barrett

ザイオン・ウィリアムソンとRJ・バレット。

この2人の名前は、来年のドラフトの時まで是非覚えておいてください。

 

ザイオンは、以前からかなり目立つ存在でした。

その高校生離れした立派な体格と、その身体から繰り出されるド迫力のダンクが話題となり、"You Tube Sensation" なんて呼ばれたりもしていました。

 

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これが高校生って信じられないですよね(笑)

ただ、こんな怪物でもドラフト1位予想ではないんですよ。

どんだけレベル高いんだ??って話ですよね〜

 

では、誰が1位候補なのかっていうと、この人です。

RJ・バレット。

カナダから来た高校No.1プレイヤーです。

 

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ハイライト動画だけだとなかなかスゴさが伝わらないかもしれませんが、バレットの良さはオールラウンドなプレースタイルと完成度の高さです。

ジャンプシュートも打てるし、アシストパスも出せる。

全てにおいて質の高いプレーができるので、欠点が見つからないというところが総合的な評価を上げる要因となっています。

 

一方のザイオンは、まだアウトサイドシュートに課題があったり、荒削りな部分も残っているものの、大きな体格の割にはハンドリングも良く、細かな動きもできる俊敏さも持ち合わせているので、"ダンクもできるビッグマン"ではなく、"パワフルなウィングプレイヤー"というイメージです。

ルブロン二世と呼ぶ声もありますが、それよりはもう少しインサイド寄りのプレースタイルかなと思います。

 

そんな来年のドラフトNo.1ピックを争う2人が、なんと同じ大学に進学することになったんです!

これはスゴイことですね〜

進学先は、名門デューク大学です。

 

そのデューク大が先日、エキシビションマッチとしてカナダに遠征しました。

そこでこの注目の2人が大学デビューを果たしたんですね。

その成績がこちら。

 

<1試合目>

ザイオン 29点・13リバウンド・4アシスト・2ブロック・2スティール・3P 3/4

バレット 34点・5リバウンド・2アシスト・1ブロック・2スティール・3P 2/8

 

<2試合目>

ザイオン 24点・8リバウンド・2アシスト・1ブロック・2スティール・3P 0/2

バレット 35点・9リバウンド・3アシスト・0ブロック・1スティール・3P 3/8

 

<3試合目>

ザイオン 36点・13リバウンド・4アシスト・2ブロック・3スティール・3P 0/3

バレット 23点・5リバウンド・10アシスト・0ブロック・0スティール・3P 1/5

 

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スゴイですね〜

いきなりエンジン全開で、格の違いを見せつけている感じがします。

 

実は、デューク大のスーパー1年生は、この2人だけではありません。

もう1人ドラフトTOP5入りが有力視されているキャメロン・レディッシュというウィングプレイヤーがいて、さらにトレ・ジョーンズというPGもいます。

今年のデュークは、このスーパー1年生4人が即先発となりそうです。

 

でも昨シーズンを振り返ると、昨年もスーパー1年生4人が先発していました。

そして、先発5人全員がNBA入りしています。

 

PG:トレボン・デュバル(1年)⇒ ドラフト外でバックスと2way契約

SG:ゲイリー・トレントJr.(1年)⇒ 2巡目37位指名でブレイザーズ

SF:グレイソン・アレン(4年)⇒ 1巡目21位指名でジャズ

PF:マービン・バグリーⅢ(1年)⇒ 1巡目2位指名でキングス

C:ウェンデル・カーターJr.(1年)⇒ 1巡目7位指名でブルズ

 

2年連続で1年生4人が先発し、そして全員が有力なドラフト候補生になるのはスゴイことです。

デューク大は元々名門でしたが、これだけトップクラスの高校生が集まるようになったのは、ここ数年のことです。

 

近年ずっと、大学のリクルーティングをリードしていたのはケンタッキー大学でした。

ジョン・ウォールやディマーカス・カズンズ、アンソニーデイビスにカール・アンソニー・タウンズ、ジャマール・マレーなどなど、枚挙にいとまがないほど毎年必ず上司指名選手を排出してきました。

 

それがここ数年、急激にデューク大学へとシフトしてきています。

それはなぜか?

元々ケンタッキー大にトップクラスの高校生が集まってきたのには、理由がありました。

 

1つは、スターHCジョン・カリパリの存在です。

カリパリはカレッジ界を代表するカリスマHCで、かつてニュージャージー・ネッツのHCを務めたこともあります。

NCAAに戻った後も、メンフィス大でデリック・ローズを擁して準優勝を果たし、現在のケンタッキー大に引き抜かれました。

 

もう1つは、"One & Done"。

直訳すれば、「1年で終わり」ということ。

つまり、大学に1年間だけ所属し、翌年アーリーエントリーでNBA入りすることをこう呼びます。

 

NBAが高卒から直接ドラフトエントリーするのを禁止して以降、どんなに実力がある選手も大学に1年間行かなければならなくなりました。

でも、進学した大学がアーリーエントリーさせてくれなかったら・・・?

選手は少しでも早くNBAに行きたいのに、不安を抱えたまま進学することになります。

 

ケンタッキー大とカリパリHCは、1年でアーリーエントリーさせてあげる"One & Done"ルールを浸透させることで、有望な高校生をたくさん集めることに成功したんですね。

2010年のドラフトでは、ジョン・ウォール(1位)、ディマーカス・カズンズ(5位)、エリック・ブレッドソー(18位)、ダニエル・オートン(29位)と4人の1年生が1巡目指名を受けています。

 

一方のデューク大は、名門校ということもあり、伝統的にあまりアーリーエントリーを推奨する大学ではありませんでした。

かつてはJJ・レディックやシェーン・バティエなど、4年生まで勤め上げることも珍しくないイメージがありました。

 

しかし最近は、そんなことにこだわっていては有望選手も集められず、NCAAトーナメントも勝ち進めなくなってしまうので、次第にスタンスが軟化していきました。

ひとたび、「デューク大も"One & Done"を認めてくれる」となれば、元々名門である上に、スターHCのコーチKがいるデューク大は、ケンタッキー大を上回る魅力的な進学先となり、みんなが行きたがるようになります。

 

昨年、今年とトップクラスの高校生が軒並みデューク大に集まったのも、そんな流れが後押ししています。

今をときめくジェイソン・テイタムも、一昨年のドラフトにアーリーエントリーして3位で指名されたデューク大の1年生、その前の年もブランドン・イングラムが2位で指名されたデューク大の1年生でした。

 

今年の1年生がどんな成績を残し、どんな順位でドラフト指名されるのか、今からワクワクしますね!

 

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左からトレ・ジョーンズ、RJ・バレット、キャメロン・レディッシュ、ザイオン・ウィリアムソンのデューク大スーパー1年生カルテット

 

<おまけ>

 デューク大の練習でジャンプ力測定を行い、チームメイトを驚かせたザイオン

www.espn.com

 

フリースローラインからダンクを決めるザイオン

www.espn.com