Harden Trade?
早くもプレシーズンマッチが始まりました。
あっという間ですねぇ・・・・
大体落ち着いてきたところですが、まだくすぶっているのがハーデンのトレード要求ですね。
ただ、仲良しのPJ・タッカーが、インスタのストーリーにこんな投稿をしたので、復帰も近いのかな??という気もします。
PJ Tucker posts a story on Instagram with him and James Harden at a workout/practice. pic.twitter.com/FRQGou6eys
— ClutchFans (@clutchfans) 2020年12月11日
さて、以前もトレードするとしたら・・・・のシナリオを考えました。
この時は、KDのいるネッツへの話しか出ていませんでした。
その後、元ロケッツGMだったダリル・モーリーが移籍したシクサーズの可能性が浮上しました。
さらには、ヒートとかバックスなら行ってもいい、みたいな感じの話も出ていました。
ま、優勝できそうなチームに行きたいっていうことなんでしょうね。
そこで今回は、この3チームに行くとしたら・・・・のシナリオを考えてみたいと思います。
【シクサーズの場合】
まず、よく出てくるのが、「ハーデン⇔シモンズ+若手ロールプレイヤー」という話。
これは、サラリー的にも、タレント的にも、トレード自体のバランスとしては成り立ちます。
ただロケッツは、決してシューターとは言えないジョン・ウォールを獲ったばかり。
そこへきて、さらにシュートを打たないシモンズを追加してしまったら、チームとしてのバランスが良くありません。
シュートは打てないけど、サイズがあって、パスが出せるというシモンズのプレースタイルが、ウォールのそれと重なってしまうんですね。
お互いの弱点を補完し合える関係だといいのですが、長所と短所が一緒だと、チームとしてのバランスが悪いんですね。
なので、単純にシモンズを獲るだけではうまくいかない、ということで、もう一歩踏み込んでロケッツ側のメリットになるような取り引きを考えてみたいと思います。
例えばこんな形。
<ロケッツ> 計66.6mil ⇔ <シクサーズ> 計66.1mil
SF トバイアス・ハリス(34.4mil) SG ジェイムズ・ハーデン(41.3mil)
PG ベン・シモンズ(30.6mil) SG エリック・ゴードン(16.9mil)
SG シェイク・ミルトン(1.7mil) PF PJ・タッカー(8.0mil)
ロケッツがハーデン放出を決断するとすれば、それは同時に今すぐ優勝を狙うのは諦めて、シモンズを中心にしたチーム作りをやり直すということを意味します。
であれば、今すぐ勝つために集めたベテランの選手たちは不要になります。
特に、現在31才で16.9/18.2/19.6/20.9milという大型の4年契約が残るゴードンは、“手放したい契約”になります。
トバイアス・ハリスも、34.4/36.0/37.6/39.3milという巨大4年契約を残していますが、まだ28才でこれからピークを迎えることと、サイズがあって外からも打てるので、シモンズやウォールと並べた時に必要なシューターになります。
また、シェイク・ミルトンは、昨シーズン先発起用された24試合で、12.5点/FG50.9%/3P45.5%と活躍し、ポテンシャルの高さを見せました。
まだ24才で1.7milと安価なので、お得な先行投資として育てていけば将来的に化ける可能性があり、先発SGを埋めてくれる存在としては十分でしょう。
そうするとラインナップはこうなります。
<ロケッツ>
PG:ジョン・ウォール/クリス・クレモンズ/ジェリアン・グラント
SG:シェイク・ミルトン/ベン・マクレモア/デイビッド・ヌワバ/メイソン・ジョーンズ
SF:トバイアス・ハリス/スターリング・ブラウン/ジェラルド・グリーン/ケニヨン・マーティンJr.
PF:ベン・シモンズ/ダヌエル・ハウスJr./ブルーノ・カボクロ/ジェイショーン・テイト
C:クリスチャン・ウッド/ディマーカス・カズンズ/ケニー・ウッテン
ウォールとシモンズが、ボールハンドラーとして攻撃の起点になります。
ミルトン、ハリス、ウッドの3人はいずれも3Pが打てるので、ウォールとシモンズの強みを活かしつつ、弱点は周りの3人がカバーするという形が作れれば、5人のバランスとしては悪くないと思います。
<シクサーズ>
PG:ジェイムズ・ハーデン/タイリース・マクシー/デリック・ウォルトンJr.
SG:エリック・ゴードン/セス・カリー/マティース・サイブル/アイザイア・ジョー/ダコタ・マシアス
SF:ダニー・グリーン/テレンス・ファーガソン/フルカン・コルクマズ/ライアン・ブロコフ
PF:PJ・タッカー/マイク・スコット/ジャスティン・アンダーソン/ポール・リード
C:ジョエル・エンビード/ドワイト・ハワード/トニー・ブラッドリー/ヴァンサン・ポアリエ
ハーデンとエンビードを攻撃の軸として、1on1やピック&ロールで組み立て、残りの3人が3Pラインでパスを待つという体制がすでに見えます。
ゴードン、グリーン、タッカーの3人は、いずれも3&Dプレイヤーとして機能できるので、エース2人とサポート3人という役割分担がハッキリしていて、スムーズな流れを作れそうです。
【ヒートの場合】
ヒートはアデトクンボの獲得が最優先事項なので、ハーデンを獲る可能性があるとしたら、それはアデトクンボがスーパーMAXを結ぶと決まってからの話になります。
また、ヒートの場合、交換相手がなかなか難しいです。
バトラー、アデバヨはアンタッチャブルで、ドラギッチやマイヤーズ・レナードは再契約直後でしばらくトレードはできないので、トレード要員が限られるためです。
ロケッツが求める若手コアになりうるタレントは、いるにはいるものの契約金額が安く、ハーデンの契約と釣り合わせるのがなかなか大変です。
例えば、こんなトレードです。
<ロケッツ> 計33.5mil ⇔ <ヒート> 計41.3mil
SG アンドレ・イグオダーラ(15.0mil) SG ジェイムズ・ハーデン
PF ケリー・オリニク(12.6mil)
SG タイラー・ヒーロー(2.6mil)
PG ケンドリック・ナン(1.7mil)
SF ダンカン・ロビンソン(1.7mil)
イグオダーラとオリニクは、ハーデンの40milに近づけるために必要なサラリー額。
ポイントは、昨シーズンのヒートの躍進を支えた、安くて使える若手3人を全て差し出すというところです。
ロビンソンとナンはドラフト外から、ヒーローはドラフト13位指名からチーム内で大きな役割を担うようになりました。
特にヒーローは、将来的にチームのエース格を担う可能性があり、ヒートとしては3人目のアンタッチャブルな存在です。
ただ、ロケッツ的にはハーデンを出す以上、代わりにオールスター級の選手を要求するのは当たり前。
本当はルーキーのヒーローでは物足りないのが正直なところ。
大活躍したロビンソンとナンをセットでつけても、ネッツやシクサーズの交換要員と比べたら、だいぶ弱いと思います。
なので、いくらヒートが出したくないと思っても、まずはヒーローを加えないことには話も始まらないと思います。
<ロケッツ>
PG:ジョン・ウォール/ケンドリック・ナン/クリス・クレモンズ/ジェリアン・グラント
SG:タイラー・ヒーロー/エリック・ゴードン/ベン・マクレモア/デイビッド・ヌワバ/メイソン・ジョーンズ
SF:ダンカン・ロビンソン/ジェラルド・グリーン/スターリング・ブラウン/アンドレ・イグオダーラ/ケニヨン・マーティンJr.
PF:PJ・タッカー/ケリー・オリニク/ダヌエル・ハウスJr./ジェイショーン・テイト
C:クリスチャン・ウッド/ディマーカス・カズンズ/ブルーノ・カボクロ/ケニー・ウッテン
ヒーローとロビンソンがSGとSFの先発に収まり、ナンとオリニクがPGとPFの控えに入ると、選手層は厚くなると思います。
ただ、優勝を目指すチームというよりは、クリスチャン・ウッドを含めた若手を中心に新たなチーム作りをする方向に向かうのがいいと思います。
ヒートとトレードをするとしたら、そういう方向に向かうしかないということですね。
<ヒート>
PG:ゴラン・ドラギッチ/ブリーイン・タイリー/ゲイブ・ビンセント
SG:ジェイムズ・ハーデン/エイブリー・ブラッドリー/マックス・ストラス
SF:ジミー・バトラー/モーリス・ハークレス/KZ・オクパラ/BJ・ジョンソン
PF:バム・アデバヨ/クリス・シウバ/ポール・エボア
C:マイヤーズ・レナード/プレシャス・アチュワ/ユドニス・ハスリム
ヒート側は、急に人が少なくなってしまいました(笑)
とりあえず、キャンプ契約の選手も入れて埋めてみましたが、まだ未契約のFAも結構いるので、ベテラン最低年俸で集めて来れる人材はまだいます。
ロールプレイヤーは、これから集めてくるしかないですね。
先発陣は、この1、2年の間に即優勝を狙いにいくチーム構成ですね。
アデトクンボがダメだった場合、ハーデンに切り替えて優勝を狙うというのは一つの考え方です。
ただその場合、将来チームの中心になりそうな若手はほぼ全部切った上で、優勝のみを狙うというやり方になると思います。
【バックスの場合】
一方のバックスはと言うと、40milのハーデンと交換するサラリーが釣り合うようにするためには、ミドルトンかホリデイを放出する必要があります。
ホリデイは、FAで獲得したばかりのオフの補強の目玉。
ミドルトンは、ヤニスがNBA入りした時からずっと7シーズンを共にした仲。
どちらも放出することは考えにくいので、まずトレードはありえないと思います。
ただ、そういった側面を全て無視して考えるなら、トレードすべきはミドルトンになると思います。
バックスがPJ・タッカーに興味を持っているという話もあるので、タッカーもセットでくっつけるために、ブルック・ロペスも追加しています。
<ロケッツ> 計48.8mil ⇔ <バックス> 計49.2mil
SF クリス・ミドルトン(33.1mil) SG ジェイムズ・ハーデン(41.3mil)
C ブルック・ロペス(12.7mil) PF PJ・タッカー(8.0mil)
SG ドンテ・ディビンチェンゾ(3.0mil)
ただ、しつこいようですが、ミドルトンはヤニスにとって家族のような仲。
ヤニスが10代でアメリカに渡ってきたその時から、ずっとチームメイトだったお兄さんのような存在です。
おそらく、ミドルトンを放出すると、逆にヤニスの再契約に悪影響が出る危険の方が高いと思います。
バックスもそれをわかっていて、ミドルトンに市場価値以上の大きな契約を与えていると思います。
33.1/35.5/38.0/40.4milと4年契約が残っていますが、これはスーパースター級の年俸ですからね。
まあ、明らかにあげすぎているわけです。
普通に考えて、ミドルトンとハーデンを交換できるなら、交換しますよね?
MVPクラスの選手と、ボーダーラインのオールスター選手を交換できるわけですから。
なので、戦力的な面だけで言えば、やるべきトレードでしょう。
ただ、そうした心情的な面を考えるとないだろうなと思っています。
さして戦力として見ていないヤニスの実兄サナシスを、ずっとロースターに入れたままにしていることから見ても、バックスがそんな決断をできるチームとは思えません。
この2年前のオールスターの時のエピソードを見ても、やっぱりないだろうな・・・・と思ってしまいます。
一応、ロースターです。
<ロケッツ>
PG:ジョン・ウォール/クリス・クレモンズ/ジェリアン・グラント
SG:エリック・ゴードン/ドンテ・ディビンチェンゾ/ベン・マクレモア/デイビッド・ヌワバ/メイソン・ジョーンズ
SF:クリス・ミドルトン/ジェラルド・グリーン/スターリング・ブラウン/ケニヨン・マーティンJr.
PF:クリスチャン・ウッド/ダヌエル・ハウスJr./ブルーノ・カボクロ/ジェイショーン・テイト
C:ブルック・ロペス/ディマーカス・カズンズ/ケニー・ウッテン
うーん・・・・地味だけど使えるメンバーが揃っているという印象はあります。
ただまあ、優勝を目指すようなチーム構成ではないですね。
そこそこいいチームかもしれないけど、さてどこを目指せばいいのだろう?という感じがします。
<バックス>
PG:ジュルー・ホリデイ/DJ・オーガスティン/ジェイレン・アダムス
SG:ジェイムズ・ハーデン/ブリン・フォーブス/ニック・スタウスカス/サム・メリル
SF:トーリー・クレイグ/パット・コノートン/トレビオン・グラハム/サナシス・アデトクンボ
PF:ヤニス・アデトクンボ/PJ・タッカー/ジョーダン・ヌウォラ
C:ボビー・ポーティス/DJ・ウィルソン/ママディ・ディアキテ
アデトクンボ、ハーデン、ホリデイのBIG3は強烈です。
これだけでファイナルまで行けそうです。
ただまあ、バックスではなくなりますね。完全に(笑)
「優勝を目指す」ということと、「仲間と一緒に」というとこの間で、どこに重きを置いて、どこまでやるか、ということによって判断は変わってくると思います。