NBA RE-DRAFT Vol.4
ついに80年代まで来ました。ベストと呼ばれる84年のドラフトはいかに?
【1989年ドラフト】
①ティム・ハーダウェイ(↑⑭)
17.7点/3.3R/8.2A/FG43.1%/3P35.5%
②グレン・ライス(↑④)
18.3点/4.4R/2.1A/FG45.6%/3P40.0%
③ショーン・ケンプ(↑⑰)
14.6点/8.4R/1.6A/FG48.8%/3P27.7%
④ディノ・ラジャ(↑㊵)
16.7点/8.4R/1.6A/FG49.7%/3P0.0%
⑤ムーキー・ブレイロック(↑⑫)
13.5点/4.1R/6.7A/FG40.9%/3P33.6%
⑥ブラデ・ディバッツ(↑㉖)
11.8点/8.2R/3.1A/FG49.5%/3P23.5%
⑦クリフォード・ロビンソン(↑㊱)
14.2点/4.6R/2.2A/FG43.8%/3P35.6%
⑧ニック・アンダーソン(↑⑪)
14.4点/5.1R/2.6A/FG44.6%/3P35.6%
⑨ショーン・エリオット(↓③)
14.2点/4.3R/2.6A/FG46.5%/3P37.5%
⑩プー・リチャードソン(←⑩)
11.1点/2.8R/6.5A/FG44.4%/3P32.9%
この年は、上位指名が大きくコケたドラフトでした。
そんな中、14位指名のティム・ハーダウェイが2年目から3年連続でオールスターに選ばれる大活躍を見せました。
ヒザのケガがなければ、もっとすごいスタッツを残していたはずですが、それでもトップの成績を残しています。
それから、この時代にしては珍しく、カレッジ経験のないケンプや、ヨーロッパ出身のラジャやディバッツなどが活躍し、新時代の到来を予感させました。
グレン・ライスやクリフ・ロビンソン、ショーン・エリオットなど、上背のあるフォワードでも3Pを武器にするようになってきたのは、このあたりからかなと思います。
【1988年ドラフト】
①ミッチ・リッチモンド(↑⑤)
21.0点/3.9R/3.5A/FG45.5%/3P38.8%
②ロッド・ストリックランド(↑⑲)
13.2点/3.7R/7.3A/FG45.4%/3P28.2%
③ロニー・サイカリー(↑⑨)
14.7点/9.5R/1.3A/FG48.4%/3P18.8%
④リック・スミッツ(↓②)
14.8点/6.1R/1.4A/FG50.7%/3P11.5%
⑤ダニー・マニング(↓①)
14.0点/5.2R/2.3A/FG51.1%/3P20.6%
⑥アンソニー・メイソン(↑53)
10.9点/8.3R/3.4A/FG50.9%/3P16.7%
⑦ハーシー・ホーキンス(↓⑥)
14.7点/3.6R/2.9A/FG46.1%/3P39.4%
⑧レックス・チャップマン(←⑧)
14.6点/2.5R/2.7A/FG43.0%/3P35.0%
⑨チャールズ・スミス(↓③)
14.4点/5.8R/1.4A/FG47.5%/3P19.4%
⑩ジョン・スタークス(↑外)
12.9点/2.5R/3.6A/FG41.2%/3P34.0%
トップとなったリッチモンドをはじめ、ハーシー・ホーキンス、レックス・チャップマン、ダン・マーリー、スティーブ・カー、ビニー・デルネグロ、ティム・レグラーなど、職人的な名シューターの多い年でした。
また、ドラフト外からスタークスやエイブリー・ジョンソン、この年まであった3巡目指名からアンソニー・メイソンなど、下から這い上がってスターになる選手も生まれました。
特にメイソンは、豆タンクのようなガタイなのに、パスがさばけてポイントフォワード的な役割をこなしたり、フリースローは片手で打ったり、頭には字が書いてあったりと、ハチャメチャでエンターテイニングな強烈な個性の持ち主でした。
【1987年ドラフト】
①デイビッド・ロビンソン(←①)
21.1点/10.6R/2.5A/FG51.8%/3P25.0%
②ケビン・ジョンソン(↑⑦)
17.9点/3.3R/9.1A/FG49.3%/3P30.5%
③スコッティ・ピッペン(↑⑤)
16.1点/6.4R/5.2A/FG47.3%/3P32.6%
④レジー・ミラー(↑⑪)
18.2点/3.0R/3.0A/FG47.1%/3P39.5%
⑤レジー・ルイス(↑㉒)
17.6点/4.3R/2.6A/FG48.8%/3P20.0%
⑥アーメン・ギリアム(↓②)
13.7点/6.9R/1.2A/FG48.9%/3P0.0%
⑦ケン・ノーマン(↑⑲)
13.5点/6.1R/2.1A/FG48.6%/3P31.2%
⑧ホーレス・グラント(↑⑩)
11.2点/8.1R/2.2A/FG50.9%/3P6.3%
⑨マーク・ジャクソン(↑⑱)
9.6点/3.8R/8.0A/FG44.7%/3P33.2%
⑩ケニー・スミス(↓⑥)
12.8点/2.0R/5.5A/FG48.0%/3P39.9%
この年は、提督ロビンソンのドラフトでした。
兵役で2年間NBA入りできないとわかっているにもかかわらず、それでも1位指名は揺るがないぐらいダントツの評価を受けていました。
とはいえ、その他にも優勝な選手が多い当たり年でしたね。
KJ、マーク・ジャクソン、ケニー・スミス、マグジー・ボーグズといった名PGたち。
ブルズの黄金時代を築いたピッペンとホーレス・グラントも、この年に同時にドラフトされています。
そして、孤高のシューター、レジー・ミラーも、スターネームに華を添えています。
【1986年ドラフト】
①ブラッド・ドアティ(←①)
19.0点/9.5R/3.7A/FG53.2%/3P14.3%
②マーク・プライス(↑㉕)
15.2点/2.6R/6.7A/FG47.2%/3P40.2%
③ジェフ・ホーナセック(↑㊻)
14.5点/3.4R/4.9A/FG49.6%/3P40.3%
④チャック・パーソン(←④)
14.7点/5.1R/2.8A/FG45.8%/3P36.2%
⑤ロン・ハーパー(↑⑧)
13.8点/4.3R/3.9A/FG44.6%/3P28.9%
⑥デニス・ロッドマン(↑㉗)
7.3点/13.1R/1.8A/FG52.1%/3P23.1%
⑦ロイ・タープリー(←⑦)
12.6点/10.0R/1.0A/FG48.3%/3P17.6%
⑧アルビダス・サボニス(↑㉔)
12.0点/7.3R/2.1A/FG50.0%/3P32.8%
⑨ドラゼン・ペトロビッチ(↑60)
15.4点/2.3R/2.4A/FG50.6%/3P43.7%
⑩スコット・ブルックス(↑㉒)
11.1点/2.5R/6.5A/FG43.5%/3P37.9%
ブラッド・ドアティとマーク・プライスの2トップは、共にキャブスに入団し、キャブスをプレーオフ常連チームへと押し上げました。
また、ホーナセック、チャック・パーソン、ペトロビッチ、デル・カリーといった名シューターたちも生み出しました。
そして、稀代のリバウンダー、ロッドマンがドラフトされたのもこの年でした。
サボニス、カリーといった二世選手のパパがドラフトされているのも、時代を感じますね。
【1985年ドラフト】
①カール・マローン(↑⑬)
25.0点/10.1R/3.6A/FG51.6%/3P27.4%
②パトリック・ユーイング(↓①)
21.0点/9.8R/1.9A/FG50.4%/3P15.2%
③クリス・マリン(↑⑦)
18.2点/4.1R/3.5A/FG50.9%/3P38.4%
④ジョー・デュマース(↑⑱)
16.1点/2.2R/4.5A/FG46.0%/3P38.2%
⑤デトレフ・シュレンプ(↑⑧)
13.9点/6.2R/3.4A/FG49.1%/3P38.4%
⑥マイケル・アダムス(↑66)
14.7点/2.9R/6.4A/FG41.5%/3P33.2%
⑦ゼイビア・マクダニエル(↓④)
15.6点/6.1R/2.0A/FG48.5%/3P26.1%
⑧ウェイマン・ティスデイル(↓②)
15.3点/6.1R/1.3A/FG50.5%/3P0.0%
⑨チャールズ・オークリー(←⑨)
9.7点/9.5R/2.5A/FG47.1%/3P25.3%
⑩テリー・ポーター(↑㉔)
12.2点/3.0R/5.6A/FG46.3%/3P38.6%
初めてロッタリー抽選が行われたのが、この1985年ドラフトでした。
そして、どのチームもNo.1ピックで欲しがったのが、ユーイングでした。
ビッグセンター全盛の時代、チーム作りの根幹を成す7フッターの獲得は、どのチームにとっても悲願でした。
しかし、この年の稼ぎ頭は、13位指名だったカール・マローンでした。
当時は誰も予想していなかった結果でしょう。
クリス・マリンやデュマース、シュレンプといった渋い名選手たちもこの年にドラフトされています。
【1984年ドラフト】
①マイケル・ジョーダン(↑③)
30.1点/6.2R/5.3A/FG49.7%/3P32.7%
②チャールズ・バークリー(↑⑤)
22.1点/11.7R/3.9A/FG54.1%/3P26.6%
③アキーム・オラジュワン(↓①)
21.8点/11.1R/2.5A/FG51.2%/3P20.2%
④ジョン・ストックトン(↑⑯)
13.1点/2.7R/10.5A/FG51.5%/3P38.4%
⑤オーティス・ソープ(↑⑨)
14.0点/8.2R/2.2A/FG54.6%/3P4.7%
⑥アルビン・ロバートソン(↑⑦)
14.0点/5.2R/5.0A/FG47.7%/3P29.5%
⑦ケビン・ウィリス(↑⑪)
12.1点/8.4R/0.9A/FG48.7%/3P21.1%
⑧サム・パーキンス(↓④)
11.9点/6.0R/1.5A/FG45.9%/3P36.2%
⑨サム・ブウイ(↓②)
10.9点/7.5R/2.1A/FG45.2%/3P30.2%
⑩バーン・フレミング(↑⑱)
11.3点/3.4R/4.8A/FG49.8%/3P18.1%
96年、03年と並んで、史上最高のドラフトと呼ばれているこの年。
ジョーダン、バークリー、オラジュワン、ストックトンは、リーグを代表するスーパースターとして、長年に渡ってNBAを支えました。
他の年であれば1位指名であっただろうタレントが、同じ年に集まっていたのはスゴイことですね。
他にも、3度のスティール王に輝いたディフェンス職人のアルビン・ロバートソンや、オラジュワンと一緒にロケッツで優勝メンバーとなったオーティス・ソープらもこの年でした。
【1983年ドラフト】
①クライド・ドレクスラー(↑⑭)
20.4点/6.1R/5.6A/FG47.2%/3P31.8%
②ラルフ・サンプソン(↓①)
15.4点/8.8R/2.3A/FG48.6%/3P17.2%
③ジェフ・マローン(↑⑩)
19.0点/2.6R/2.4A/FG48.4%/3P26.8%
④デイル・エリス(↑⑨)
15.7点/3.5R/1.4A/FG47.9%/3P40.3%
⑤デレック・ハーパー(↑⑪)
13.3点/2.4R/5.5A/FG46.3%/3P35.4%
⑥バイロン・スコット(↓④)
14.1点/2.8R/2.5A/FG48.2%/3P37.0%
⑦スティーブ・スティパノビッチ(↓②)
13.2点/7.8R/2.3A/FG48.4%/3P17.9%
⑧ロイ・ヒンソン(↑⑳)
14.2点/6.8R/1.0A/FG49.9%/3P0.0%
⑨ロドニー・マクレイ(↓③)
11.7点/6.6R/3.6A/FG50.3%/3P26.0%
⑩ドック・リバース(↑㉛)
10.9点/3.0R/5.7A/FG44.4%/3P32.8%
この年は、“ラルフ・サンプソン”ドラフトでした。
7−4(224cm)と規格外の長身で、しかもPFという、この時代にしては超人というか、宇宙人と思います。
カレッジで3年連続大学最優秀選手という、とんでもない業績を残したら、そら当然No.1ピックになります。
しかし、ケガの影響で4シーズン目から失速。
キャリアスタッツでは、ドレクスラーに抜かれてしまいました。
オラジュワンとのツインタワーで、3年目にはファイナルにも進出していましたから、ケガさえなければきっと優勝していたのだろうと思います。
【1982年ドラフト】
①ドミニク・ウィルキンス(↑③)
24.8点/6.7R/2.5A/FG46.1%/3P31.9%
②ジェイムズ・ウォージー(↓①)
17.6点/5.1R/3.0A/FG52.1%/3P24.1%
③テリー・カミングス(↓②)
16.4点/7.3R/1.9A/FG48.4%/3P29.5%
④ファット・リーバー(↑⑪)
13.9点/6.0R/6.2A/FG44.7%/3P31.0%
⑤クラーク・ケロッグ(↑⑧)
18.9点/9.5R/2.9A/FG49.7%/3P33.8%
⑥スリーピー・フロイド(↑⑬)
12.8点/2.6R/5.4A/FG44.4%/3P32.4%
⑦リッキー・ピアース(↑⑱)
14.9点/2.4R/1.9A/FG49.3%/3P32.2%
⑧ポール・プレッシー(↑⑳)
10.6点/3.9R/5.1A/FG48.5%/3P22.2%
⑨クインティン・デイリー(↓⑦)
14.1点/2.5R/2.3A/FG45.4%/3P15.8%
⑩デレック・スミス(↑㉟)
12.8点/3.2R/2.1A/FG49.9%/3P29.4%
ジョーダンとダンクコンテストのライバルとして雌雄を競ったウィルキンスがトップ。
この時代は名前もユニークですね。
眠たそうな目をしてるから“スリーピー”・フロイド、名前がレバーと同じだから“ファット”・リーバー。
ちなみに、“ファット”というニックネームだったリーバーですが、当人は細身のPGでした。
ちなみにこの年、4巡目72位でマーク・イートンが指名されています。
7−4(224cm)・132kgの巨漢で、ブロック王のタイトルに4度も輝いたビッグマンでした。
キャリア平均3.5ブロックは、NBA史上No.1の記録です。
【1981年ドラフト】
①アイザイア・トーマス(↑②)
19.2点/3.6R/9.3A/FG45.2%/3P29.0%
②マーク・アグワイア(↓①)
20.0点/5.0R/3.1A/FG48.4%/3P31.2%
③ラリー・ナンス(↑⑳)
17.1点/8.0R/2.6A/FG54.6%/3P14.5%
④トム・チェンバース(↑⑧)
18.1点/6.1R/2.1A/FG46.8%/3P30.7%
⑤ローランド・ブラックマン(↑⑨)
18.0点/3.3R/3.0A/FG49.3%/3P34.3%
⑥バック・ウィリアムス(↓③)
12.8点/10.0R/1.3A/FG54.9%/3P16.7%
⑦ケビン・トリピューカ(↑⑫)
17.2点/3.8R/3.0A/FG47.3%/3P36.1%
⑧エディ・ジョンソン(↑㉙)
16.0点/4.0R/2.1A/FG47.2%/3P33.5%
⑨オーランド・ウールリッジ(↓⑥)
16.0点/4.3R/1.9A/FG51.3%/3P9.1%
⑩ジェイ・ビンセント(↑㉔)
15.2点/5.5R/2.0A/FG47.4%/3P14.8%
この年はアイザイア・トーマスがトップでした。
ラリー・ナンスのパパも3位にランクインしてます。
パパは初代ダンクコンテスト王者でもあります。
2巡目31位では、現セルティックスGMのダニー・エインジ(11.5点/4.0A)が指名されています。
そして、日本人初のドラフト指名選手となった岡山恭崇は、この年の8巡目171位でウォリアーズに指名されています。
230cm・159kgの巨体がNBAの目に止まったわけですが、残念ながらプレーすることはありませんでした。
ウォリアーズの青と黄色のジャージーは、この頃の復刻版をリニューアルしたものですから、ちょっと見てみたかった気がしますね。
【1980年ドラフト】
①ケビン・マクへイル(↑③)
17.9点/7.3R/1.7A/FG55.4%/3P26.1%
②キキ・バンダウェイ(↑⑪)
19.7点/3.4R/2.1A/FG52.5%/3P36.8%
③ジョー・バリー・キャロル(↓①)
17.7点/7.7R/1.8A/FG47.4%/3P0.0%
④ジェフ・ルーランド(↑㉕)
17.4点/10.2R/3.0A/FG56.4%/3P15.8%
⑤アンドリュー・トニー(↑⑧)
15.9点/2.2R/4.2A/FG50.0%/3P34.2%
⑥ダレル・グリフィス(↓②)
16.2点/3.3R/2.1A/FG46.3%/3P33.2%
⑦マイク・グミンスキー(←⑦)
11.7点/6.9R/1.3A/FG46.5%/3P12.2%
⑧マイク・ウッドソン(↑⑫)
14.0点/2.3R/2.3A/FG46.6%/3P27.1%
⑨ラリー・ドリュー(↑⑰)
11.4点/1.8R/5.2A/FG46.7%/3P29.1%
⑩マイケル・ブルックス(↓⑨)
12.8点/6.3R/2.6A/FG48.6%/3P15.2%
ケビン・マクへイルは誰もが知る名選手ですが、この年の1位指名はジョー・バリー・キャロルというセンターでした。
元々1位指名権はセルティックスが持っていましたが、ドラフト前にウォリアーズにトレードし、代わりに3位指名権と先発Cのロバート・パリッシュを手に入れていました。
そう聞くと普通のトレードに見えますが、当時セルティックスの全権を握っていたレッド・アワーバックは、自らの1位指名権をウォリアーズに譲り渡し、ジョー・バリー・キャロルを獲るように勧めたそうです。
そうしておいて、自らは3位でマクへイルを指名し、まんまとPFとCの先発2人を手に入れました。
アワーバックは、まだ無名だったマクへイルを気に入っていた一方で、ジョー・バリー・キャロルのことは評価していなかったそうです。
そこで、他のチームをそそのかして指名させ、自らは伏兵の新人と既に実績を挙げていた4年目の先発CをGETしたというわけです。
一見ズルい気もする話ですが、それも含めてスカウティングと選手のタレントを評価する審美眼が試されるドラフトの醍醐味が詰まった逸話だなと思います。