ようやく、ようやく、決まりましたね。
ついに、ジミー・バトラーのトレードが決まりました。
<シクサーズ> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ ロバート・コビントン
ジャスティン・パットン ダリオ・サリッチ
ジェリド・ベイレス
ドラフト2巡目指名権
シクサーズは、個人的に実現したらいいなと考えていたトレード先だったので、決まってよかったなあと思っています。
シクサーズは昨シーズンのプレーオフで若さと経験不足を露呈して以降、ベテランのオールスター級が欲しいと公言してきました。
ルブロンから始まり、レオナルド君、ポール・ジョージ、そしてバトラーと、とりあえずSFポジションを埋められるスター級を狙ってきましたが、ここにきてようやくGETできました。
これは、改めてシクサーズ的に良かったと思います。
昨シーズン大躍進し、今シーズンもイーストのBIG3に挙げられていたシクサーズですが、開幕から思うような結果を残せていません。
原因の一つは、シューター不足が解消されていないこと。
以前も指摘しましたが、ベリネッリとイリャソワが抜け、ビエリツァも取り逃がした結果、3Pシューターの補強ができませんでした。
ドラフトでも即戦力のシューターがいたのに指名せず、結果として昨シーズンのロースターから弱点を改善するどころか、かえって状況は悪くなってしまいました。
それなのに、開幕からマーケル・フルツを先発起用し、レディックをベンチに下げるという謎の采配をします。
そんでなくてもシューター不足だって言ってんのに、唯一の頼みであるレディックを先発で使わないのは、全く理解に苦しみます。
しかも、元々アウトサイドシュートをほとんど打たないシモンズとバックコートを組ませるのは、自殺行為以外の何物でもありません。
その“アウトサイドシュート”部門は、コビントンとサリッチのフォワードコンビに託したのかもしれませんが、それも不発。
期待のサリッチはFG36.4%、3P30.0%に沈み、コビントンもFGが42%そこそこと安定感がありません。
唯一好調をキープするエンビードにおんぶに抱っこという状態では、チーム成績が安定しないのも仕方ありません。
オフに弱点を補強できなかったツケが、今シーズンの成績に色濃く反映される結果となっています。
バトラーの加入は、この状況を打開するきっかけになっていくと思います。
バトラー自身の実力は言うまでもありませんが、これをきっかけにチーム内のシフトチェンジが起きていくからです。
<シクサーズ>
PG:マーケル・フルツ/TJ・マッコネル
SG:JJ・レディック/ランドリー・シャメ
SF:ジミー・バトラー/ウィルソン・チャンドラー/フルカン・コルクマズ
PF:ベン・シモンズ/マイク・マスカラ
まず、バトラーがコビントンに代わってSFに入り、サリッチの抜けたPFにシモンズがスライドすると思います。
そして、バックコートの先発にレディックが復帰すると思います。
シモンズはPFのポジションからポイントフォワードの役割を担い、フルツとレディックはバックコートからスコアラーの役割を担います。
司令塔のシモンズを起点として、フルツのスピードとレディックの3Pを活かしていけば、多少攻撃のバランスが改善されると思います。
ただ、それでもまだシューター不足は解消されません。
カイル・コーバーやウェイン・エリントン、マイク・スコットあたりの3P職人を、是非獲りにいって欲しいなと思います。
一方のウルブスですが、こちらは完全にマネジメントの失敗だと思います。
今シーズンが開幕する前に、最も有力なトレード先として挙げられていたのはヒートでした。
そのトレードパッケージの中心になっていたのが、ジョシュ・リチャードソンという若手スウィングマンでした。
なぜリチャードソンだったのかと言うと、「若い」「安い」「使える」という三拍子が揃っていたからです。
ウルブスはトレードの条件として、若手か良い条件のドラフト権を求めていました。
以前にも触れましたが、リチャードソンは25才と若いのにリーズナブルな4年契約(9.4/10.1/10.9/11.6mil)の契約下にありました。
特に守備面で定評があったため、バトラーに代わる先発としてもちょうど良い人材ではないかと考えていました。
他の候補で考えると、SGタイラー・ジョンソンは年19.2milという破格の年俸が2年残っているのでダメ、SFジャスティス・ウィンズロウはまだ新人契約下で来オフ制限付きFAというタイミングで、その後もキープできるかどうかが不透明でした。(その後ヒートが延長契約を締結)
そこで、確実にチームに残ってくれて、契約も安価で、攻守で貢献できて、先発も任せられそうなリチャードソンは、地味ながらもとても良い買い物ではないかと考えていたわけです。
実際このトレードは、実現寸前までいっていたそうです。
ただ、両チームが概ね合意に達し、もう選手の身体検査をしようかぐらいの最終段階になってウルブスが翻意し、もっと良い条件を要求したため、破談となったそうです。
そして、これが大失敗でした。
ジョシュ・リチャードソンという選手はあまり馴染みがないかもしれませんが、3年目の昨シーズンにはほぼ全試合となる81試合で先発出場しています。
ただ、平均得点は12.9点で、“ディフェンスの選手”というイメージが先行していたことと、元々ドラフト2巡目40位指名という“掘り出し物”だったことから、最後の最後になってウルブス側が「物足りない」と考えたのではないかと想像しています。
バトラーのようなオールスター選手を出すんだから、もっといい条件の取引がきっとあるはずだと欲をかいたんだと思います。
ところが、いざシーズンが開幕してみると、このリチャードソンが攻撃面でも大活躍。
平均得点は20点を超え、ヒートのトップスコアラーとなってしまいました。
「後悔先に立たず」
こうなった以上、ブレイクしたリチャードソンをヒートが放出するはずもありません。
「あの時獲っていれば・・・・」というのもあとの祭り。
タウンズ、ウィギンス、リチャードソンの若手BIG3を結成できていたら、ウルブスはとってもいい再スタートが切れたでしょうね。。。
その後、ロケッツが1巡目指名権を4つも差し出すといった仰天ニュースなどもありましたが、“逃した魚”は大きく、それ以上の取引は現れませんでした。
今回のシクサーズのパッケージは、その中で一番マシだったということになるんだろうと思いますが、リチャードソンのようなチームの中核になりそうな人材ではなく、あくまでロールプレイヤーの補強のようなイメージになるでしょう。
あとはサリッチが成長して、BIG3と呼ばれるようになってくれれば・・・・というところに期待を寄せるしかないといった感じだと思います。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/タイアス・ジョーンズ/ジェリド・ベイレス
SG:デリック・ローズ/ジョシュ・オコギー
SF:アンドリュー・ウィギンス/ロバート・コビントン/ルオル・デン
PF:タージ・ギブソン/ダリオ・サリッチ/アンソニー・トリバー
C:カール・アンソニー・タウンズ/ゴーギー・ジェン
逃した魚は大きかった。
ウルブスの再建は遠そうです。
こちらがジョシュ・リチャードソン
開幕前だったら獲れてたのにねえ・・・・
シクサーズのラインナップはだいぶ改善されると思います。
ただ、あとはフルツが本物かどうかですねえ〜
場合によっては、サリッチじゃなくてフルツを出した方がよかったということもありえますので。
フルツがどこまで期待に応えられるか、シクサーズはどこまで我慢できるか、という感じになっていくと思います。