キャンプインを直前に控えて、爆弾が投下されました。
ジミー・バトラーがトレードを要求したんですね。
バトラーは以前から、若手コアであるアンドリュー・ウィギンスやカール・アンソニー・タウンズと折り合いが悪いと言われてきました。
ディフェンスとハードワークが信条で、48分間プレーすることもいとわないバトラーにとって、イージーゴーイングでディフェンスも手ぬるい若手2人のスタンスが、チームの中心と期待されているのにその自覚が足りないと映っているのだと思います。
ただ、そんなバトラーにシボドーHCは全幅の信頼を置いていますが、チームのオーナーは将来を担う若手2人の方を買っています。
そのため、バトラーがトレード要求をした時、シボドーHCはバトラーを引き留め、他のチームに対しても「トレードする気はない」と言っていたのですが、オーナーがそれを許さず、フランチャイズにとってマイナスイメージになることを避け、すぐにトレードするよう指示したようです。
そんなわけで、にわかにトレード戦線が騒がしくなっています。
まだ具体的な交換話は出ていないのですが、いくつか可能性のありそうなシナリオを考えてみたいと思います。
ちなみに、トレード先の候補として挙がっていたクリッパーズ、ニックス、ネッツの3チームは、あくまでバトラーが希望したチーム名であり、トレード先を決めるウルブスがその要求を汲む必要はありません。
ウルブスとしては、1番条件のいい交換相手と取引することになると思います。
さて、まず最初に挙げるチームはサンズ。
なぜかと言うと、このバトラーの移籍話が出る前に、先発PGがいまだ決まっていないサンズが、ウルブスのバックアップPGであるタイアス・ジョーンズを狙っているという話が出ていたんですね。
となれば、バトラーにジョーンズをくっつけてあげれば、話がまとまるのも早いのでは?と思います。
<サンズ> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ TJ・ウォーレン
タイアス・ジョーンズ タイソン・チャンドラー
そうすると、ラインナップはこうなります。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/デリック・ローズ
SG:アンドリュー・ウィギンス/ジョシュ・オコギー
SF:TJ・ウォーレン/ルオル・デン
PF:タージ・ギブソン/アンソニー・トリバー/ゴーギー・ジェン
C:カール・アンソニー・タウンズ/タイソン・チャンドラー
ウォーレンは昨季平均19.6点をマークしたことに加え、11.8/10.8/11.8/12.7milと比較的安価な長期契約を結んでいます。
今季限りでFAになるバトラーの代わりに、安価な4年契約の残る25才の20点スコアラーを獲得できれば、決して悪い話ではありません。
<サンズ>
SG:デビン・ブッカー/ジョシュ・ジャクソン/トロイ・ダニエルズ
SF:ジミー・バトラー/トレバー・アリーザ/ミケル・ブリッジズ
PF:ライアン・アンダーソン/ドラガン・ベンダー/ダレル・アーサー
C:ディアンドレ・エイトン/リショーン・ホームズ
一方のサンズも、先発PGと先発SFを同時に2人獲得することができます。
来オフにバトラーにMAX契約をオファーするサラリーキャップの空きもあります。
さらに、ライアン・アンダーソンの残り1年21.3milの契約をトレードするか、バイアウトすれば、もう一人スター級の選手を獲得できるかもしれません。
次に挙げるチームは、バトラーの希望にも入っていたネッツ。
<ネッツ> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ ディマーリ・キャロル
ゴーギー・ジェン ケネス・ファリード
キャリス・ルバート
ネッツはバトラーが希望したチームの一つなので、来オフに再契約してくれる可能性があると見込まれ、スターのいないチームとしては獲りにいきたい話だと思います。
ウルブスとしては、不良債権化しているジェンの残り契約(15.2/16.2/17.3mil)を、バトラーのバーターとして引き取ってくれるなら、アリな話かなと思います。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/タイアス・ジョーンズ/デリック・ローズ
SG:アンドリュー・ウィギンス/キャリス・ルバート
SF:ディマーリ・キャロル/ルオル・デン
PF:タージ・ギブソン/ケネス・ファリード/アンソニー・トリバー
C:カール・アンソニー・タウンズ
<ネッツ>
PG:スペンサー・ディンウィディー/シャバズ・ネイピアー
SF:ジミー・バトラー/ジョー・ハリス/ジャレッド・ダドリー
C:ジャレット・アレン/ゴーギー・ジェン
続いて、もう一つの希望チームであるニックス。
<ニックス> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ ティム・ハーダウェイJr.
ゴーギー・ジェン ジョアキム・ノア
ネッツと同じく、ニックスはバトラーが希望したチームの一つなので、来オフに再契約してくれる可能性があると見込まれます。
また、ニックスで不良債権化しているノアは、シボドーHCが “Timberbulls” と揶揄されている元ブルズ戦士。
となれば、ジェンの代わりにノアを引き取ってくれるかもしれません。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/タイアス・ジョーンズ
SG:ティム・ハーダウェイJr./デリック・ローズ
SF:アンドリュー・ウィギンス/ルオル・デン
<ニックス>
PG:トレイ・バーク/エマニュエル・ムディエイ/フランク・二リキナ
SG:ジミー・バトラー/コートニー・リー
SF:ケビン・ノックス/マリオ・ヘゾーニャ/ランス・トーマス
PF:クリスタップス・ポルツィンギス/ノア・ボンレイ
C:イネス・カンター/ゴーギー・ジェン
3つ目の希望チームもやっておきましょう。
<クリッパーズ> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ トバイアス・ハリス
パトリック・ビバリー
(or ウェスリー・ジョンソン)
(or ボバン・マリヤノビッチ)
ハリス+α の交換で、ポジションによってビバリーかジョンソンかマリヤノビッチをつける感じです。
シボドーHCが好きなディフェンダーならビバリー、ポジション的なニーズを優先すればジョンソンかマリヤノビッチかなと考えています。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/パトリック・ビバリー/タイアス・ジョーンズ
SG:アンドリュー・ウィギンス/デリック・ローズ
SF:トバイアス・ハリス/ルオル・デン
C:カール・アンソニー・タウンズ/ゴーギー・ジェン
<クリッパーズ>
PG:ミロス・テオドシッチ/シェイ・ギルジャス・アレクザンダー
SG:エイブリー・ブラッドリー/ルイス・ウィリアムズ/ジェローム・ロビンソン
SF:ジミー・バトラー/ルーク・ンバムーテ/ウェスリー・ジョンソン
PF:ダニロ・ガリナーリ/モントレズ・ハレル/マイク・スコット
C:マーチン・ゴータット/ボバン・マリヤノビッチ
これは個人的に実現してほしいトレードです。
<シクサーズ> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ ロバート・コビントン
ウィルソン・チャンドラー
以前にも書きましたが、プレーオフでもう一工夫必要だったシクサーズは、SFにオールスター級のベテランを探しています。
レオナルド君は取り逃がしましたが、それがバトラーでもいいわけです。
ディフェンスに優れたリーダーが若手の宝庫を統率してくれたら、イーストの覇権争いに加わることができるようになるでしょう。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/タイアス・ジョーンズ
SG:アンドリュー・ウィギンス/デリック・ローズ
SF:ロバート・コビントン/ウィルソン・チャンドラー/ルオル・デン
C:カール・アンソニー・タウンズ/ゴーギー・ジェン
<シクサーズ>
PG:ベン・シモンズ/TJ・マッコネル/ジェリド・ベイレス
SG:JJ・レディック/マーケル・フルツ/ザイーア・スミス
SF:ジミー・バトラー/フルカン・コルクマズ
PF:ダリオ・サリッチ/マイク・マスカラ
ここからは実際に噂が出ているチームを。
<ヒート> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ ジョシュ・リチャードソン
ゴーギー・ジェン ジェームズ・ジョンソン
ディオン・ウェイターズ
リチャードソンはディフェンスに優れた若手スウィングマンで、現代の基準では安価な契約が4年(9.4/10.1/10.9/11.6mil)残っています。
ジョンソンは気持ちが前面に出るベテランですので、シボドーHC好みのプレイヤーではないかと思います。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/タイアス・ジョーンズ/デリック・ローズ
SG:ジョシュ・リチャードソン/ディオン・ウェイターズ
SF:アンドリュー・ウィギンス/ジェームズ・ジョンソン/ルオル・デン
C:カール・アンソニー・タウンズ
<ヒート>
PG:ゴラン・ドラギッチ
SG:タイラー・ジョンソン/ドゥエイン・ウェイド/ウェイン・エリントン
SF:ジミー・バトラー/ジャスティス・ウィンズロウ/デリック・ジョーンズJr.
PF:ケリー・オリニク/ゴーギー・ジェン/ユドニス・ハスレム
C:ハッサン・ホワイトサイド/バム・アデバヨ
ヒートはSG/SFポジションが余剰気味でしたので、多少の人員整理をする必要もあるのではないかと思います。
続いては、ルブロンに逃げられたキャブス。
ラブ⇔ウィギンスのトレードもしてますので、話がしやすいトレードパートナーです。
<キャブス> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ トリスタン・トンプソン
ゴーギー・ジェン ジョーダン・クラークソン
カイル・コーバー
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/タイアス・ジョーンズ
SG:ジョーダン・クラークソン/デリック・ローズ
SF:アンドリュー・ウィギンス/カイル・コーバー/ルオル・デン
C:カール・アンソニー・タウンズ/トリスタン・トンプソン
<キャブス>
SG:JR・スミス/ロドニー・フッド
SF:ジミー・バトラー/セディ・オズマン/サム・デッカー
PF:ラリー・ナンスJr./ゴーギー・ジェン
C:ケビン・ラブ/チェニング・フライ
キャブスは今後若手中心にシフトしていくと思いますので、少しロースターを整理していく必要があります。
ウルブスは、若手コアを支える仕事人的なベテランを加えることで、チームとして安定感が増すのではないかと思います。
もう一つ興味を示しているチームがバックス。
<バックス> <ウルブス>
ジミー・バトラー ⇔ クリス・ミドルトン
トニー・スネル
ミドルトンもバトラーと同じく来オフFAになるので、条件は一緒です。
それとスネルは元ブルズで、若手をあまり使わないシボドーHCが珍しくルーキーの頃からローテーションに入れて使っていたプレイヤーです。
<ウルブス>
PG:ジェフ・ティーグ/タイアス・ジョーンズ
SG:クリス・ミドルトン/デリック・ローズ
SF:アンドリュー・ウィギンス/トニー・スネル/ルオル・デン
C:カール・アンソニー・タウンズ/ゴーギー・ジェン
<バックス>
PG:エリック・ブレッドソー/マシュー・デラベドーバ
SG:マルコム・ブログドン/ドンテ・ディビンチェンツォ
SF:ジミー・バトラー/パット・コノートン
PF:ヤニス・アデトクンボ/エルサン・イリャソワ
C:ブルック・ロペス/ジョン・ヘンソン/ソン・メイカー
第2のスター選手が入ることで、アデトクンボへのマークが分散されるとチームとしてのバランスが向上すると思います。
いろいろと見てきましたが、いい条件を出せばどこのチームにも獲得の可能性があると思います。
ポール・ジョージやレオナルド君の事例を見ても、残り1年のスター選手を獲るギャンブルが最近増えていますので、狙ってくるチームは多いのではないでしょうか?
あとは、バトラーとカイリー・アービングが来年一緒のチームでプレーしようとしているという噂話が、どこまで現実味があるのかどうかも気になります。
いずれにしても、オーナーはキャンプインまでに話をまとめろと言ってるようですし、近いうちに結論が出そうですね。
ブルズ時代からの盟友だったシボドーHCとバトラー
全権を握ったウルブスに招き入れたのもシボドーHCでした
オーナー命令とはいえ苦渋の選択でしょうね・・・・