NBA DRAFT 2020 vol.1

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本命不在で波乱の予感しかしないドラフトでしたが、フタを開けてみたら驚くほど静かな、動きのない滑り出しとなりました。

 

上位陣の指名権をめぐるトレードはほとんどなく、飛び交っていた噂話は全てウワサのままで終わりました。

 

前後で行われたトレードの整理もしたいんですが、まずはドラフト指名のおさらいからまとめていきたいと思います。

 

 

【1位 ウルブス】

 

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アンソニー・エドワーズ 6−5(196cm) SG ジョージア大1年

19.1点/5.2R/2.8A/1.3S/0.6B/FG40.2%/3P29.4%/FT77.2%

 

ウルブスは、最後の最後までトレード交渉をし続けていたようですが、結局トレード話はまとまらず、そのままアンソニー・エドワーズを1位指名しました。

 

ポジション的なニーズから考えると、より無難な指名となりましたが、専門家の中には物足りなさを訴える意見もあるようです。

 

前回このブログでも紹介したように、3位にトレードダウンするような選択肢もあったと思うので、もう少し工夫できなかったのかな・・・という思いは残りました。

 

身体能力が高く、既にNBAサイズの体躯も誇っているので、カール・アンソニー・タウンズ、ディアンジェロラッセルに次ぐ、第3の得点源となることが期待されます。

 

 

【2位 ウォリアーズ】

 

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ジェイムズ・ワイズマン 7−1(216cm) C メンフィス大1年

19.7点/10.7R/0.3A/0.3S/3.0B/FG76.9%/3P0.0%/FT70.4%

 

2位のウォリアーズもトレードはなく、そのままワイズマンの指名となりました。

 

センターのポジションは空白になっているので、そのまま開幕から先発出場を果たすかもしれません。

 

7フッターの長身ながら、コートを走るスピードに長ける“走れるビッグマン”は、ウォリアーズのスタイルにピッタリとマッチするセンターと言えるでしょう。

 

 

【3位 ホーネッツ】

 

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ラメロ・ボール 6−7(201cm) PG イラワラ・ホークス(オーストラリア)

17.0点/7.6R/6.8A/1.6S/0.1B/FG37.5%/3P25.0%/FT72.3%

 

ワイズマンをウォリアーズに取られてしまったホーネッツは、あくまでビッグマンを指名してポジション的なニーズを満たすのか、ポジションを無視してタレント重視の指名をするのかの選択を迫られました。

 

当初は、次に評価の高かったビッグマンのオニエカ・オコングーを指名するのではないかと予想されていましたが、最終局面になってタレント重視に方針を切り替えたようです。

 

ラメロはまだまだ荒削りな部分が多いものの、ポテンシャルの高さでは今ドラフトでNo.1という声も多く聞かれるタレントです。

 

チームにはデボンテ・グラハム、テリー・ロジアーと2人の先発級PGがいる中で、さらにPGを加えるのは得策ではありませんが、今後トレードなどで整理していくことになるものと思われます。

 

 

【4位 ブルズ】

 

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パトリック・ウィリアムス 6−8(203cm) PF/SF フロリダ州立大1年

9.2点/4.0R/1.0A/1.0S/1.0B/FG45.9%/3P32.0%/FT83.8%

 

今ドラフト最初のサプライズは、この4位指名でした。

 

パトリック・ウィリアムスは、元々ロッタリーピックにも予想されていませんでしたが、この数週間の間に急上昇してTOP10圏内に入ってきていました。

 

ただ、それでも8位のニックスあたりが妥当かと予想されていたのですが、ドラフト直前になってまさかの4位まで登りつめてきました。

 

最大の特徴は、1番から5番まで全てのポジションをプレーできるバーサタリティと、攻守両面で貢献できる2ウェイプレイヤーであるという点です。

 

ポジションレス化が進む現代NBAにあって、この多彩さと柔軟さは貴重な能力となるでしょう。

 

 

【5位 キャブス】

 

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アイザック・オコロ 6−6(198cm) SF オーバーン大1年

12.8点/4.4R/2.0A/0.9S/0.9B/FG51.2%/3P28.6%/FT67.4%

 

こちらもちょっと意外な指名となりました。

 

オビ・トッピンやデニ・アブディーヤが残っている段階で、キャブスはアイザック・オコロを指名してきました。

 

オコロはディフェンス力が売りのウィングプレイヤーで、どちらかというとプレーオフを目指すチームが即戦力のロールプレイヤーとして評価する選手でした。

 

なので、まだまだチーム再建途中のキャブスが、ディフェンシブな若手をチョイスしたことに少々驚きを覚えたわけです。

 

ただ、ディフェンスの弱いチームには必要な戦力だとは思いますので、キャブスにとってはいい指名だったのではないかと思います。

 

 

【6位 ホークス】

 

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オニエカ・オコングー 6−9(206cm) PF/C USC1年

16.2点/8.6R/1.1A/1.2S/2.7B/FG61.6%/3P25.0%/FT72.0%

 

こちらも意外な指名となりました。

 

指名順位は意外ではないのですが、クリント・カペラ、ジョン・コリンズとインサイドの人材が揃っているホークスが指名したことに驚きを感じました。

 

オコングーは、ややアンダーサイズではありますが、パワフルでディフェンス力に優れるビッグマン。

 

今年のドラフトでは、ジェイムズ・ワイズマンに次ぐ評価を受けていたインサイドプレイヤーでした。

 

今後、3人のビッグマン・ローテーションを組んでいくのか、はたまたカペラやコリンズのトレードを考えているのか、ホークスの動きが気になります。

 

 

【7位 ピストンズ

 

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キリアン・ヘイズ 6−5(196cm) PG/SG フランス

11.6点/2.8R/5.4A/1.5S/0.3B/FG48.2%/3P29.4%/FT87.6%

 

これまた驚きでした。

 

ピストンズは当初、アブディーヤやタイリース・ハリバートンを指名する噂が出ていたので、てっきりそのどちらかかと考えていました。

 

ヘイズは、今年のヨーロッパNo.1ガードで、SGのサイズでPGもこなせるコンボガードです。

 

ピストンズはデリック・ローズの後釜として、ハリバートンではなく、ヘイズをチョイスしたということになります。

 

同じヨーロッパであれば、SFのアブディーヤという選択肢もあっただけに、この指名が意外に感じました。

 

積極的な動きで大シャッフルを進めているピストンズは、これからのチーム作りがどうなっていくのか楽しみです。

 

 

【8位 ニックス】 

 

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オビ・トッピン 6−9(206cm) PF デイトン大2年

20.0点/7.5R/2.2A/1.0S/1.2B/FG63.3%/3P39.0%/FT70.2%

 

意外な指名が続いたことで、当初上位指名が予想されていたタレントが順位を落としました。

 

その最初の恩恵を受けたのが、8位のニックスです。

 

カレッジ最優秀選手のトッピンは、当初はTOP3での指名も噂されていた選手。

 

直前でも5位のキャブスあたりが指名すると思われていましたが、まさかの8位までランクダウン。

 

おかげでニックスは上位指名権を狙うトレードをせずに、トッピンを手に入れることに成功しました。

 

なかなかドラフトでいい思いをすることがなかったニックスですが、今年は幸運が舞い込んだと言えるのではないでしょうか?

 

 

【9位 ウィザーズ】

 

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デニ・アブディーヤ 6−9(206cm) SF イスラエル

7.7点/4.1R/1.7A/0.5S/0.6B/FG51.4%/3P33.6%/FT52.0%

 

ニックスに続いて恩恵を受けたのが、9位のウィザーズ。

 

最高で2位のウォリアーズが指名するかも、と言われたアブディーヤをGETすることに成功しました。

 

しかも、SFはウィザーズの穴となっていたポジションです。

 

最大の補強ポイントであったポジションを、最高の人材で埋めることができ、願ったり叶ったりの状態でした。

 

当初は、5位でキャブスに指名されたオコロになるかなと考えていましたが、オールラウンドな技巧派であるアブディーヤが指名できるなら万々歳。

 

八村塁とのフォワードコンビがどんなコンビネーションを見せてくれるのか、今から楽しみですね。

 

 

【10位 サンズ】

 

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ジェイレン・スミス 6−10(208cm) PF メリーランド大2年

15.5点/10.5R/0.8A/0.7S/2.4B/FG53.8%/3P36.8%/FT75.0%

 

この指名も予想外でした。

 

8位、9位と落ちてきたタレントの棚ぼた指名が続いていたので、10位のサンズもてっきりタイリース・ハリバートンを指名するものと思っていました。

 

確かに、PFポジションはサンズの補強ポイントだったので、ポジションのニーズを満たした指名だったのはわかります。

 

ただ、PG・SG両方をこなせるハリバートンは、両バックコートポジションをバックアップできるコンボガードとして即戦力になったはず。

 

昨年のドラフトでも11位でキャメロン・ジョンソンを指名して驚かせましたが、サンズは独自の鑑識眼で選手を見定めているのかもしれませんね。

 


【11位 スパーズ】

 

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デビン・バッセル  6−7(201cm) SG/SF フロリダ州立大

12.7点/5.1R/1.6A/1.4S/1.0B/FG49.0%/3P41.5%/FT73.8%

 

PGをたくさん抱えているスパーズも、ハリバートンをスルーしました。

 

バッセルは、スパーズが好きな典型的な3&Dプレイヤー。

 

ディフェンス力に優れ、3Pは41.5%という高確率。

 

SGとSFを両方こなすことができます。

 

スパーズらしい堅実な指名と言えるでしょう。

 

 

【12位 キングス】

 

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タイリース・ハリバートン 6−5(196cm) PG/SG アイオワ州立大2年

15.2点/5.9R/6.5A/2.5S/0.7B/FG50.4%/3P41.9%/FT82.2%

 

ようやくハリバートンがきました。

 

6位のホークスあたりでの指名が予想されていましたので、そこから12位までスライドしたのは意外でした。

 

その分、思わぬ得をしたのはキングスです。

 

サイズがあって、パスもさばけて、チームに落ち着きを与えることができるハリバートンは、スピードが売りのディアーロン・フォックスといいバックコートコンビになりそうです。

 

 

【13位 ペリカンズ】

 

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キーラ・ルイスJr. 6−3(191cm) PG アラバマ大2年

18.5点/4.8R/5.2A/1.8S/0.6B/FG45.9%/3P36.6%/FT80.2%

 

キーラ・ルイスJr.は、スピードが自慢のPG。

 

パトリック・ウィリアムスと同様に、ドラフト間近になって評価が急上昇してきた選手です。

 

ただペリカンズは、先発にロンゾ・ボールがいて、最近のトレードでエリック・ブレッドソーとジョージ・ヒルも入ってきたばかり。

 

PGが飽和状態となっている中で、ペリカンズがどのような使い方を考えているのかが気になります。

 

 

【14位 セルティックス】

 

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アーロン・ネズミス 6−6(198cm) SF バンダービルト大2年

23.0点/4.9R/0.9A/1.4S/0.9B/FG51.2%/3P52.2%/FT82.5%

 

ネズミスは、今ドラフトNo.1シューターとの呼び声高いシュート職人。

 

昨シーズンの3P成功率は、驚異の52.2%を誇っています。

 

各ポジションにコマが揃っているセルティックスとしては、ベンチから計算できるシューターとして考えていることでしょう。

 

すぐにローテーションプレイヤーとなりそうです。

 

 

【15位 マジック】

 

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コール・アンソニー 6−3(191cm) PG ノースカロライナ大1年

18.5点/5.7R/4.0A/1.3S/0.3B/FG38.0%/3P34.8%/FT75.0%

 

当初はTOP10確実と言われていたアンソニーですが、ロッタリーピックから外れてしまいました。

 

ただ、高校最終年のランキングでは、ワイズマンに次ぐ全米2位の高い評価を受けていました。

 

タレントレベルの高さは世代トップクラスです。

 

先発PGを探していたマジックが、15位という順位でアンソニーを指名できたのはラッキーでした。

 

NBA入りしてからのアンソニーの巻き返しに期待がかかります。

 

 

【16位 ピストンズ

 

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アイザイア・スチュワート 6−9(206cm) C/PF ワシントン大1年

17.0点/8.8R/0.8A/0.5S/2.1B/FG57.0%/3P25.0%/FT77.4%

 

スチュワートは、横幅があってゴール下を主戦場とする昔ながらのビッグマン。

 

1巡目終盤から2巡目上位が予想されていましたが、ピストンズがこの高い順位で指名してきたのは周囲を驚かせました。

 

ただ、高校生ランキングではTOP5に入っていた素材なので、タレントレベルは高いものがありました。

 

ビッグマンも3Pを放つこの時代に、インサイド専門のビッグマンをどのように活用するのか、注目されます。

 

 

【17位 サンダー】

 

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アレクセイ・ポクセウスキー 7−0(213cm) PF セルビア

9.9点/7.3R/2.8A/1.2S/1.7B/FG40.0%/3P32.1%/FT78.3%

 

本格的にリビルディングモードに突入したサンダーは、各チームからドラフト指名権をかき集めています。

 

ポクセウスキーは7フッターの長身にもかかわらず、速攻をリードしてアシストパスをさばくポイントフォワード。

 

未知なる魅力と、無限の可能性を感じさせる未完の大器です。

 

そんな“プロジェクト”を指名できる余裕があるのは、たくさんのドラフト権を集めているサンダーだからこそ。

 

このサンダーの賭けが当たって、大化けするのかしないのか、将来が楽しみです。

 

 

【18位 マブス

 

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ジョシュ・グリーン 6−6(198cm) SG アリゾナ大1年(オーストラリア)

12.0点/4.6R/2.6A/1.5S/0.4B/FG42.4%/3P36.1%/FT78.0%

 

オーストラリア人で、IMGアカデミーに進み、NBAまで辿り着いたグリーン。

 

ディフェンス力に優れたウィングで、プロで3Pを磨けば、立派な3&Dプレイヤーになれる素材です。

 

国際色が豊かなマブスに、また1人インターナショナルプレイヤーが加わることになります。

 

 

【19位 ピストンズ

 

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サディック・ベイ 6−8(203cm) SF ビラノバ大2年

16.1点/4.7R/2.4A/0.8S/0.4B/FG47.7%/3P45.1%/FT76.9%

 

ベイは、3P成功率45.1%を誇る3&Dプレイヤー。

 

ひそかにウォリアーズも狙っていたという即戦力の選手です。

 

ピストンズは、先発SGだったルーク・ケナードを放出してまで、このベイの指名権を獲りにいったところに、期待の高さがうかがえます。

 

 

【20位 ヒート】

 

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プレシャス・アチュワ 6−9(206cm) PF メンフィス大1年

15.8点/10.8R/1.0A/1.1S/1.9B/FG49.3%/3P32.5%/FT59.9%

 

精力的に動いて、ディフェンス面で貢献できるビッグマン。

 

ヒートでは、アデバヨのバックアップとしてゴール下で身体を張れる存在になりそう。

 

 

後半はまた次回に続きます。