House Cleaning
今年のオフは本当にシビアですね。。
カズンズのミッドレベルに引き続いて、アイザイア・トーマスがベテランミニマムで契約しました。
セルティックスに在籍し、MVP投票にも名前が上がり、翌年FAになったらMAX契約をもらえるだろうと言われていたのは、わずか1年前のオフです。
それが1年経ったら、1年2milのベテラン最低年俸しかもらえないという結果になりました。
うーん、やりきれない。
What if.......がいくつもありました。。
そんなアイザイア・トーマスの悲劇にもスポットを当てたいところですが、今回そのトーマスを獲得したナゲッツのお話を。
ナゲッツはこのオフ、まず自チームの再契約を進めました。
SF/SGのウィル・バートンと4年54mil(年平均13.5mil)で再契約。
そして、ニコラ・ヨキッチの4年目のオプション(1.5mil)を破棄し、5年148mil(年平均29.6mil)の大きな契約に結び直しました。
これにより、チームのペイロールは146milに膨れ上がり、123milのラグジュアリータックスラインを23milオーバーする状態となりました。
まあ、1.5milの人が29.6milにジャンプアップしたわけですから、当然そうなりますね。。
そうなると、コストカットをしなくてはなりません。
ターゲットとなるのは高額年俸のベテラン選手の契約です。
ケネス・ファリード 1年13.8mil
ウィルソン・チャンドラー 1年12.8mil
ダレル・アーサー 1年7.5mil
チャンドラーは先発でしたが、ファリードとアーサーはローテーションからも外れていて不良債権化していました。
プレイヤーオプションを持っていたチャンドラーは、完全FAになる選択肢もありましたが、オプトインしてチームに残りました。
ナゲッツ的にはFAになってくれた方がキャップが空くので都合が良かったんですが、チャンドラー側はFAマーケットに出ても現年俸はもらえないと判断したわけです。
これは、サンダーのメロも同じ状況ですね。
SFの補強を目指していたシクサーズへ売り飛ばしました。
これだけで、ラグジュアリータックスを含めて50milの節約になるというから驚きです。
そして前述のトーマスを獲得した段階で、ロースターは16人、チームのペイロールは136.3milになりました。
最初よりは減りましたが、まだロースター枠を1人オーバーし、ラグジュアリータックスも22.5mil払わなくてはいけない状態でした。
これを解消すべく、続いてファリードとアーサーをネッツへトレードしました。
2人合わせて21mil分のサラリーを放出し、ロースターは14人に減り、ペイロールもようやくラグジュアリータックスラインを8.7mil下回ることに成功しました。
ここで重要なのは、それぞれサラリーキャップの空きのあるチームへトレードし、交換要員となる選手を引き取らなかったことです。
同じぐらいの金額の交換要員が入ってきてしまうと、サラリーキャップが減りません。
なので、キャップが空いているチームと取り引きし、余計なサラリーをもらいませんでした。
そうして3人合計で34milものコストカットに成功する一方で、2milでトーマスまで獲得する見事なキャップ・マネジメントを見せ、チーム・ペイロールの大掃除を実現しました。
新しいラインナップはこうなります。
PG:ジャマール・マレー/アイザイア・トーマス
SG:ゲイリー・ハリス/マリーク・ビーズリー
SF:ウィル・バートン/マイケル・ポーターJr.
PF:ポール・ミルサップ/トレイ・ライルズ
C:ニコラ・ヨキッチ/メイソン・プラムリー
ログジャムだったPFポジションもスッキリ整理され、ポジションのバランスも改善された良いロースターになりました。
これで新人のポーターがプレーできるようになれば、さらにボーナスとなります。
また、来オフにミルサップがFAになれば、約30milのキャップが空き、大物FAを獲りにいくこともできます。
大物が獲れなくても、個人的にイチオシのトレイ・ライルズが成長すれば、ミルサップの後釜に収まるかもしれません。
ジャマール・マレーもオールスター級の選手に進化する可能性を秘めてますし、ナゲッツはにわかに若手のホープなチームに変身を遂げました。
地味な動きかもしれませんが、こうしたキャップ・マネジメントをして、残すべき戦力と手放すべき戦力を的確に判断することはとても重要です。
ナゲッツは正しい方向に軌道修正したと言えるんじゃないかと思います。
ナゲッツHCのマイク・マローンとトーマスはキングス時代からのつながり
トーマスは先発PGのいないマジックと契約交渉を進めていましたが、金額の折り合いがつかずに破談。
最終的に、キングス時代の恩師マイク・マローンが指揮を執るナゲッツに身を寄せることになりました。
この2人がFAで苦戦したのも何かの縁?
カズンズ同様、安価な1年契約を結び、来年のオフにもう一度FA戦線にトライすべく、来るシーズンでの評価アップを目指します。
ジャマール・マレーとトーマスのPGコンビもおもしろくなりそう
マレーと言えば、やはりパン・アメリカンゲームスでアメリカ代表を破った時のプレーが鮮明に記憶に残っています。
この時まだ18才の高校生。
ケンタッキー大への進学が決まったぐらいの時でした。
それが国を背負って、クラッチプレーの連続ですから・・・・
カリーがデビッドソン大でNCAAトーナメントを勝ち上がっていった時ぐらいの衝撃を受けました。
そして、個人的に一押しなトレイ・ライルズ
マレーとライルズは、カナダ代表でも盟友
ケンタッキー大出身というところまで同じです。
2人で26点ずつ取ったゲームもありました
若手コアが揃ったナゲッツは、秘かに楽しみなチームになってきました!