続いて、セルティックスの動きを見ていきます。
前半は不調にあえいだセルティックスですが、年明け以降は16勝6敗(それまでは16勝19敗)と復調してきました。
ここ最近も7連勝中と調子を上げてきました。
そんなセルティックスは、トレードを3つ行いました。
もう一つの目的は、ラグジュアリータックスラインをオーバーしていたサラリーキャップの整理です。
<セルティックス> ⇔ <スパーズ>
デリック・ホワイト ジョシュ・リチャードソン
ロミオ・ラングフォード
2022年1巡目指名権
2028年1巡目指名権交換権
デリック・ホワイトは、アメリカ代表チームに選ばれ、大型契約を結んだまでは良かったんですが、その後スタッツが伸び悩み、年俸に見合った成績ではなくなってきてしまいました。
一方で、先発PGのデジョンテ・マレーはオールスタープレイヤーへと進化を遂げ、SGには出場時間を求める若手が余っているという状況の中で、徐々に居場所がなくなってきていました。
セルティックス的には、PGもSGも両方こなせるコンボガードで、先発でも控えでも大丈夫なホワイトは、非常に使い勝手が良い選手。
ただ、1巡目指名権を明け渡すのはもったいなかったなと思います。
スパーズは4年の長期契約を引き取ってもらってメリットがあるので、そこまで大盤振る舞いをする必要はなかったと思います。
<セルティックス> ⇔ <ロケッツ>
ダニエル・タイス デニス・シュルーダー
イネス・カンター・フリーダム
ブルーノ・フェルナンド
以前セルティックスで先発として活躍していたダニエル・タイス。
セルティックスは元々、タイスを放出したくはなかったんですが、FAとなって再契約が難しい財政状況であったことから、仕方なく手放したという経緯がありました。
そこで、若手ばかりのロケッツで埋もれていたタイスを呼び戻すことにしました。
それはそれで戦力的には良かったと思いますが、5.9milと格安でお得なシュルーダーをもっと高く売れなかったのかな?という疑問は残ります。
ウィザーズやニックスなど先発PGを必要としているチームはもちろん、優秀なバックアップを探しているプレーオフチームもいっぱいあります。
どうしてシュルーダーを必要としていないロケッツだったのか?
単にタイスを獲りたいだけであれば、他の選手でも獲れたのではないか?
技術的な部分に疑問の残るトレードでした。
<マジック> ⇔ <セルティックス>
PJ・ドージアー ドラフト2巡目指名権
ボル・ボル
ドラフト2巡目指名権
金銭
これは完全にコストカットのトレードでした。
ラグジュアリータックスラインを少し超えていたセルティックスは、不要な契約をキャップの空きがあるチームに引き取ってもらう必要がありました。
そこで、ケガで今シーズン絶望であり、戦力として獲ったわけではないドージアーとボル・ボルの2人をマジックに引き取ってもらうトレードを行いました。
マジックはドージアーをカットし、制限付きFAとなるボル・ボルの所有権は残しておく模様です。
最後に関連のあるところで、スパーズのトレードをもう一つ。
<ラプターズ> ⇔ <スパーズ>
サディアス・ヤング ゴラン・ドラギッチ
ドリュー・ユーバンクス ドラフト1巡目指名権
2022年2巡目指名権
ラプターズは、スパーズで埋もれていたサディアス・ヤングを獲得しました。
ヤングはプレーオフチームから引く手あまたでしたが、若手を育てたいスパーズでは出場機会を失っていました。
ただ、今シーズンで契約が切れる33才のベテランを手に入れるのに、1巡目指名権を渡すのはもったいないと思います。
逆にスパーズは、先ほどのデリック・ホワイトのトレードでも1巡目指名権1つと1巡目指名権交換権を1つGETしており、さすがスパーズという取引巧者ぶりです。
ロースターを見ていきます。
<セルティックス>
PG:マーカス・スマート/ペイトン・プリチャード
SG:ジェイレン・ブラウン/デリック・ホワイト/ブロドリック・トーマス
SF:ジェイソン・テイタム/アーロン・ネズミス/サム・ハウザー
PF:アル・ホーフォード/グラント・ウィリアムス
C:ロバート・ウィリアムスⅢ/ダニエル・タイス/ルーク・コーネット
デリック・ホワイトはPG/SG両方のバックアップ、ダニエル・タイスもPF/C両方のバックアップとしてローテーションの重要な一角を担います。
そして今回のトレードデッドラインで、セルティックスは実に7人の選手を放出しましたが、獲得した選手はわずか2人だけ。
その結果、ロースターは極端に少なくなり、5枠も余ることになりました。
そのため、2way契約のハウザーを本契約に切り替え、FAのコーネットと契約しましたが、それでもまだ4枠残っています。
これからのバイアウト市場でどんどん選手を獲得していきそうです。
<スパーズ>
PG:デジョンテ・マレー/トレ・ジョーンズ/ゴラン・ドラギッチ
SG:デビン・バッセル/ロニー・ウォーカーⅣ/ロミオ・ラングフォード/ジョシュア・プリモ
SF:ダグ・マクダーモット/ジョシュ・リチャードソン/トマス・サトランスキー/ジョー・ウィースカンプ
PF:ケルドン・ジョンソン/ケイタ・ベイツ=ジョップ/デボンテ・ケイコック
C:ヤコブ・ポエルトル/ザック・コリンズ/ジョック・ランデイル
デリック・ホワイトが抜けたことで、2年目のデビン・バッセルが晴れて先発SGに昇格。
早速初戦で20点をマークして、世代交代を印象づけました。
ロースターのバランスで言うと、ガードとウィング系が多くて、インサイドの選手が足りていません。
特にPF不足は顕著で、SFの選手が交代でPFを埋めています。
今度のドラフトはPFの当たり年なので、今回集めたドラフト指名権も生かして若手を取りに行くつもりかもしれませんね。
ドラギッチはバイアウトされることが濃厚です。
<ロケッツ>
PG:デニス・シュルーダー/(ジョン・ウォール)
SG:ケビン・ポーターJr./エリック・ゴードン/ジョシュ・クリストファー/トレベリン・クイーン
SF:ジェイレン・グリーン/ギャリソン・マシューズ/デイビッド・ヌワバ/ダイシェン・ニックス
PF:ジェイショーン・テイト/ケニヨン・マーティンJr./ウスマン・ガルバ
C:クリスチャン・ウッド/アルパレン・シェングン/ブルーノ・フェルナンド
ロケッツは、ポーターとグリーンの若手バックコートを使い続けていますが、あまりうまくいっているとは言えません。
ここで一度、シュルーダーをPGに入れ、ポーターをSG、グリーンをSFにそれぞれ配置換えしてはどうかな?と思います。
21才と20才のバックコートは魅力的ですが、まだ経験不足は否めないので、ここで一度リセットしてベテランを入れ、何が足りないのかを見極める機会にしてもいいのではないかと思います。
シュルーダーの契約は今シーズンが最終年なので、どのみち来シーズンはいなくなる可能性が高いです。
イネス・カンター・フリーダムは既にカットされています。
<マジック>
PG:コール・アンソニー/RJ・ハンプトン
SG:ジェイレン・サグズ/ゲイリー・ハリス/(マーケル・フルツ)
SF:フランツ・バーグナー/テレンス・ロス/イグナス・ブラズデイキス/アドミラル・スコフィールド
PF:ウェンデル・カーターJr./チュマ・オキキ/モリッツ・バーグナー/(ジョナサン・アイザック)
C:モー・バンバ/ロビン・ロペス/(ボル・ボル)
PJ・ドージアーは既にカットされています。
ボル・ボルは戦力として残る可能性があるのと、制限付きFAの権利があるので、チームとしては残しています。
モー・バンバとボル・ボルが同じチームでプレーすることになったらちょっとおもしろいので、ぜひ見てみたいなとは思います。
<ラプターズ>
PG:フレッド・バンブリート/ダラーノ・バントン/マラカイ・フリン/デイビッド・ジョンソン
SG:ゲイリー・トレントJr./スビアトスラフ・ミハイリュウク/イザック・ボンガ
SF:OG・アヌノビー/渡邊雄太/ジャスティン・シャンパニー
PF:スコッティ・バーンズ/サディアス・ヤング/プレシャス・アチュワ
C:パスカル・シアカム/クリス・ブシェー/ケン・バーチ
ドリュー・ユーバンクスは既にカットされています。
サディアス・ヤングはPFの控えに入ります。
最近のラプターズはスターターの5人を40分近く使って、ベンチをほとんど使わないような戦術を執っていましたが、ヤングは少なくとも6人目のスターターのような扱いで使える選手です。