Unwanted Contracts

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不良債権化した契約を整理するのは難しいです。

ただ、方法がないわけではありません。

 

例えば、ジョン・ウォール。

今シーズンはまだ1試合もプレーしていません。

 

残っている契約は、44.3/47.4mil。

まあ、普通考えたら無理ですよね。

 

ただ、こんなカタチであればどうでしょう?

 

レイカーズ>    ⇔ <ロケッツ>

 ジョン・ウォール     ラッセル・ウェストブルック

 エリック・ゴードン    テイレン・ホートン=タッカー

              ケンドリック・ナン

 

ウォールとウェストブルックの契約はほぼ同じ金額です。

すなわち、1対1でもトレードが成り立ちます。

 

ただ、1対1だと戦力的にウェストブルックに分があります。

そこで、他の選手をくっつけることでバランスを取ります。

 

エリック・ゴードンは、今シーズン3P43.9%と絶好調。

レイカーズで3Pが40%を超えるのは、マリーク・モンクしかいません(40.3%)。

 

寄せ集め軍団で、いまいち調子の上がらないレイカーズ

ゴードンはまさに、即戦力として欲しい人材です。

 

一方のロケッツには、若くて可能性のある選手を渡します。

THTはここまでいまひとつで、ナンはまだ出場もできていません。

ただ、リビルディング中のロケッツにとっては魅力ある若手です。

 

さらにロケッツにとってのメリットは、金銭面にもあります。

33才のゴードンには、18.2/19.6milの契約が残ります。

これを引き取ってもらえるだけでも、リビルディングが加速します。

 

代わりに受ける金額は、THTの9.5/10.3/(11.0)milとナンの5.0/(5.3)mil。(※カッコ内はプレイヤーオプション)

THTは21才、ナンは26才と若く、どちらもリーズナブルな金額ですし、さしたる負担にはなりません。

また、ブレイクを果たしたら儲けもんの契約になる可能性も十分あります。

 

レイカーズ

 PG:ジョン・ウォールオースティン・リーブス

 SG:エリック・ゴードンエイブリー・ブラッドリーウェイン・エリントンメイソン・ジョーンズ

 SF:マリーク・モンクトレバー・アリーザケント・ベイズモア

 PF:ルブロン・ジェイムズ/カーメロ・アンソニースタンリー・ジョンソンセクー・ドゥンブーヤ

   C:アンソニーデイビスドワイト・ハワードディアンドレ・ジョーダン

 

ジョン・ウォールがPG、エリック・ゴードンがSGの先発にそのまま入ります。

マリーク・モンクも先発させれば、3P40%台のシューターが2人並びます。

ウォールがどこまでやれるかという懸念はありますが、昨シーズンの成績(20.6点・6.9アシスト)が残せれば戦力になるでしょう。

 

<ロケッツ>

 PG:ケビン・ポーターJr./ケンドリック・ナンDJ・オーガスティン/ラッセル・ウェストブルック

 SG:ジェイレン・グリーン/アーモニ・ブルックスジョシュ・クリストファートレベリン・クイーンダイシェン・ニックス

 SF:テイレン・ホートン=タッカーギャリソン・マシューズ/デイビッド・ヌワバデジョン・ジャロウ

 PF:ジェイショーン・テイト/ダニエル・タイス/ケニヨン・マーティンJr.

   C:クリスチャン・ウッド/アルパレン・シェングンウスマン・ガルバ

 

ジョン・ウォールがそうだったように、ウェストブルックにもプレーはさせないで、すぐにバイアウトすることになるでしょう。

まだ21才のTHTは、新チームで出場時間が増えれば、持てるポテンシャルを発揮するかもしれません。

ナンはケガのためまだプレーできていませんが、ヒートでの経験を若いロケッツに持ち込めば、大きな戦力になると思います。

 

 

ウェストブルックについては、もう一つ別の行き先を考えてみました。

 

クリッパーズ>       ⇔ <レイカーズ

 ラッセル・ウェストブルック    マーカス・モーリスSr.

 ディアンドレ・ジョーダン     エリック・ブレッドソー

 トレバー・アリーザ        セルジュ・イバカ

 

ずっと先発PGを探しているクリッパーズです。

今シーズンは特に、レナードとジョージの両エースを欠いている状態なので、ある意味ウェストブルックがフリーに暴れ回ることができる環境にあります。

 

レイカーズは代わりに、シューター(モーリス)と、代役のPG(ブレッドソー)を手に入れます。

シュートが打てるイバカは、ディアンドレやハワードよりはレイカーズに馴染むかもしれません。

 

レイカーズで行き場を失っているディアンドレは、古巣に戻って息を吹き返すかもしれません。

 

クリッパーズ

 PG:ラッセル・ウェストブルックレジー・ジャクソンゼイビア・ムーンジェイソン・プレストン

 SG:テランス・マン/ルーク・ケナード/ブランドン・ボストンJr.キーオン・ジョンソン

 SF:アミーア・コフィートレバー・アリーザジェイ・スクラブ/(ポール・ジョージ)/(カワイ・レナード)

 PF:ニコラ・バトゥーム/ジャスティス・ウィンズロウ

   C:ディアンドレ・ジョーダン/イビチャ・ズーバッツ/アイザイア・ハーテンスタイン

 

ウェストブルックを先発PG、ディアンドレを先発Cに置く形にしてみました。

ポール・ジョージを欠く今、レジ―・ジャクソンがチームのトップスコアラー(16.4点)になっていますが、FG38.9%・3P32.1%と精度を欠いているので、とりあえずウェストブルックのバックアップにしました。

ディアンドレは、ウェストブルックと一緒に速攻に走る形が増えれば、良さが生きてくるんじゃないかと思ったので、先発にしています。

ちなみに、ウェストブルックとポール・ジョージ、レジ―・ジャクソンは、かつてサンダーでチームメイトだったつながりがあります。

 

レイカーズ

 PG:エリック・ブレッドソーエイブリー・ブラッドリー(ケンドリック・ナン)

 SG:マリーク・モンクオースティン・リーブスウェイン・エリントンメイソン・ジョーンズ

 SF:マーカス・モーリスSr./テイレン・ホートン=タッカー/ケント・ベイズモア

 PF:ルブロン・ジェイムズ/カーメロ・アンソニースタンリー・ジョンソンセクー・ドゥンブーヤ

   C:アンソニーデイビスドワイト・ハワードセルジュ・イバカ

 

シューターのモーリスが入れば、モンクと2人シューターが並びます。

実質的な司令塔はルブロンなので、ブレッドソーはフィジカルを活かしたディフェンスで貢献すればOK。

入らないシュートを打ちたがるウェストブルックよりも、シュートはシューターに、ディフェンダーはディフェンスに専念した方が、いい結果が出るかもしれません。

少なくとも、これまでのラインナップよりはバランスが向上すると思います。

 

 

さて、クリッパーズつながりで別のトレードを。

 

ケビン・ラブは今シーズン、ついにベンチスタートとなってしまいましたが、ここのところ復調の兆しを見せています。

 

12月は月間平均17.9点・7.5リバウンド・3P49.1%という成績を残し、1/1のホークス戦では35点・11リバウンド・3P7本成功と爆発しました。

 

ただまあ、ネックはその高額年俸です。

 

31.3/28.9milという契約が2年残っていて、これがトレードの足かせとなっているわけですが、もし相手も要らないと思っている契約との交換だったら成立するかもしれません。

 

クリッパーズ>   <キャブス>

 ケビン・ラブ  ⇔  エリック・ブレッドソー

            セルジュ・イバカ

            ジャスティス・ウィンズロウ

 

ブレッドソーも、イバカも、ウィンズロウも、おそらくクリッパーズ的にはもう要らないと思っている契約だと思います。

この3人の契約を寄せ集めることによって、ラブの契約にマッチさせることができます。

クリッパーズ的には、レナードとジョージが復帰した後の、インサイドのリバウンダー&シューターとしてラブを使えるかもしれません。

キャブス的には、ルビオの穴を埋める役割として、ロンドに加えてブレッドソーが加われば、PGの層が厚くなります。

 

クリッパーズ

 PG:レジー・ジャクソンゼイビア・ムーンジェイソン・プレストン

 SG:テランス・マン/ルーク・ケナード/ブランドン・ボストンJr.キーオン・ジョンソン

 SF:マーカス・モーリスSr./アミーア・コフィージェイ・スクラブ/(ポール・ジョージ)/(カワイ・レナード)

 PF:ケビン・ラブ/ニコラ・バトゥーム

   C:イビチャ・ズーバッツ/アイザイア・ハーテンスタイン

 

今の状態だと何だか寂しい印象しかありませんが、エース2人が帰ってきたら、スターターはこうなります。

レジ―・ジャクソン、ポール・ジョージ、カワイ・レナード、マーカス・モーリスSr.、ケビン・ラブ。

どうですか?このラインナップ。ちょっとワクワクしますね。

もちろんラブに過度な期待はできないかもしれませんが、これがブレッドソー&イバカ&ウィンズロウで獲れると考えたら、悪くない気がします。

 

<キャブス>

 PG:ダリアス・ガーランド/ラジョン・ロンドケビン・パンゴスブランドン・グッドウィン(リッキー・ルビオ)

 SG:アイザック・オコロ/エリック・ブレッドソー/ディラン・ウィンドラー/RJ・ネンハードJr.マリーク・ニューマン/(コリン・セクストン)

 SF:ラウリ・マルッカネン/ジェディ・オスマン/ラマー・スティーブンス

 PF:エバン・モーブリー/ディーン・ウェイド/ジャスティス・ウィンズロウトレボン・スコット

   C:ジャレット・アレン/セルジュ・イバカエドデイビス

 

一方のキャブスは、ロンドとブレッドソーのベテランコンビで若い先発をバックアップします。

ウィンズロウはまだ25才で、1月は7.5点・6.3リバウンドと復調の兆しを見せています。

イバカは、キャブス自慢の若いビッグマンたちにとっていいお手本となりそうです。

そのままラブをキープするよりも、早くサラリーキャップの空きもできるので、キャブスにとっても悪い話ではないと思います。

 

 

最後にもう一つ、MAX契約を結んでから、かつての輝きを取り戻せないでいるポルツィンギス。

 

ダラスは出さないと言ってはいますが、今シーズンは平均得点が20点に届かず、3P成功率も30%を切っています。

 

このままの成績だと、31.7/33.8/36.0milという残り契約が重くのしかかってきます。

 

来シーズンからは、ルーキー契約が終わったドンチッチのスーパーMAX契約が始まるので、キャップに余裕のあったこれまでと同じというわけにはいきません。

 

このトレードデッドラインか、夏のオフには決断しないといけないタイミングに来ています。

 

<スパーズ>           ⇔ <マブス

 クリスタップス・ポルツィンギス    デリック・ホワイト

                    サディアス・ヤング

                    ロニー・ウォーカーⅣ

 

スパーズは、デジョンテ・マレーとの契約では大成功を収めましたが、デリック・ホワイトでは大失敗。

平均19.4点・8.4リバウンド・9.1アシストと平均トリプルダブルも夢ではないスタッツを残し、今シーズンは初のオールスターに選ばれそうなマレーに対し、ホワイトは平均14.2点・FG41.9%・3P29.8%と低迷しています。

そして、このマレーよりもホワイトの契約の方が、金額も年数も上なんです・・・

なので、ホワイトは早めに放出しておいた方がいいと思います。

 

スパーズで出場機会に恵まれていないベテランのサディアス・ヤングは、プレーオフチームが欲しがる人材です。

ロニー・ウォーカーは、今シーズンでルーキー契約が終わり、制限付きFAになります。

キープするかどうか見極めながら、他チームからのオファーにマッチする権利を得ることができます。

 

スパーズ的に、ポルツィンギスが必要なのか?という話ですが、今のスパーズには先発PFがいないという点と、デローザンのように3Pを武器にしなくても活躍できるシステムがスパーズにはあるという点から、ポルツィンギスが復活できる環境がここにはあるのではないかと考えています。

 

<スパーズ>

 PG:デジョンテ・マレー/トレ・ジョーンズ

 SG:ダグ・マクダーモット/デビン・バッセル/ジョシュア・プリモ

 SF:ケルドン・ジョンソン/ケイタ・ベイツ=ジョップジェイレン・モーリスジョー・ウィースカンプ

 PF:クリスタップス・ポルツィンギスフアン・エルナンゴメスデボンテ・ケイコック

   C:ヤコブ・ポエルトル/ザック・コリンズ/ドリュー・ユーバンクス/ジョック・ランデイル

 

このラインナップは大きいです。

マレー(6−4/193cm)、マクダーモット(6−7/201cm)、ジョンソン(6−6/198cm)、ポルツィンギス(7−3/221cm)、ポエルトル(7−1/216cm)の5人は、平均して205.8cmになります。

大きいだけでなく、バランスも取れていると思います。

マレーはトリプルダブル級、マクダーモットとジョンソンは3Pが40%を超え、ポエルトルはFG61.3%に9.1リバウンド。

ここにキャリア18.7点・7.8リバウンド・1.9ブロック・3P35.3%のポルツィンギスが加わったら、なかなか興味深いチームになりそうです。

 

マブス

 PG:ジェイレン・ブランソン/デリック・ホワイトフランク・ニリキナ/トレイ・バーク

 SG:ルカ・ドンチッチ/ティム・ハーダウェイJr./ロニー・ウォーカーⅣ/ジョシュ・グリーンセオ・ピンソン

 SF:ドリアン・フィニー・スミス/ジー・ブロックスターリング・ブラウンジョージ・キング

 PF:サディアス・ヤングマーキース・クリス/ドワイト・パウエル

   C:マキシ・クリーバー/モーゼス・ブラウン/ボバン・マリヤノビッチ

 

マブスはまず30mil超の契約から逃れるということが一番の目的にはなりますが、代わりの先発PFには実力者のサディアス・ヤングを据えることができます。

プレーオフを目指すチームにとっては、非常に有益な補強になります。

ホワイトは、PG・SG双方のバックアップを務めることができます。

オフにFAとなるブランソンが、もし出ていった時の後釜にもなります。

ウォーカーは、今後伸びる可能性を秘めているので、若いタレントとして残すか、FAにしてキャップの空きを作るかは、マブスの自由に扱うことができます。

このトレードだけだとパンチ力がないですが、プレーオフ用の戦力を補強しながら、サラリーキャップの空きを作るという意味で、必要なトレードかなとは思います。