一通り現状のロースターをおさらいしたところで、デニス・シュルーダーのセルティックス入りが決まりました。
<セルティックス>
PG:デニス・シュルーダー/クリス・ダン/カーセン・エドワーズ
SG:マーカス・スマート/ペイトン・プリチャード/ロミオ・ラングフォード/フアン・ベガリン
SF:ジェイレン・ブラウン/ジョシュ・リチャードソン/アーロン・ネズミス
PF:ジェイソン・テイタム/ロバート・ウィリアムス/グラント・ウィリアムス/ジャバリ・パーカー
C:アル・ホーフォード/イネス・カンター/ブルーノ・フェルナンド
セルティックスはこれでPGが、スマート、シュルーダー、プリチャード、ダン、エドワーズと5人になりました。
2年目のプリチャードはサマーリーグでも活躍していて、ダンもトレードで獲ったばかり。
なので、どうしてセルティックスだったのかな?という疑問は残ります。
ま、それは置いときまして、話題になったのはその契約です。
わずかに、「1年5.9mil」という金額だったんですね。
昨シーズン途中に、レイカーズからオファーされていた延長契約は「4年84mil」でした。
単純に平均すると、「1年21mil」です。
もしそのオファーを受けていれば、「1年21mil×4年」の長期契約を手にできていたのに、それを断ったばっかりに、結果として「1年5.9mil」の契約しか手にすることができなかった、という話なんです。
確かに、レイカーズにフィットしていたかと言われれば疑問です。
ただ、レイカーズ側は残留してほしいということで、延長契約をオファーしていました。
ただ、シュルーダー側は、完全FAとなってマーケットに出れば、もっと大口の契約を手にできると踏んで、このオファーを蹴ったということなんですね。
あ~、もったいない。
完全に選手としての市場価値を見誤った結果ですね。
選手側は、もっと高額のオファーが来ると踏んでいたけど、実際は他のチームはそんなオファーをしなかった、ということです。
ただ、このオフは、先発PGを求める需要は多かったんです。
ラプターズからFAになったカイル・ラウリーを獲ろうと、ヒート、マブス、ペリカンズが争奪戦を繰り広げていたぐらいです。
それぞれ、30mil分のサラリーキャップの枠を捻出して、ラウリーを迎え入れる態勢を整えていました。
であれば、ラウリーを獲得したヒート以外のチームは、その空いた30milの枠でシュルーダーを獲得することもできたわけです。
ただ、そうしなかったんですね。
先発PGは欲しかったけど、シュルーダーは要らないってことなんでしょうね。
ペリカンズは、先発PG候補として、ホーネッツからデボンテ・グラハムをトレードで入れました。
マブスはPGは獲らず、ティム・ハーダウェイJr.の再契約費用などに充てました。
サラリー枠はあり、PGも欲しかったけど、シュルーダーは要らないという判断をしたわけですね。
3年85mil(年平均28.3mil)のラウリーや、4年85mil(年平均21.3mil)のロンゾ・ボール並みの契約がもらえると踏んでいたシュルーダー側のアテは完全に外れました。
残る道としては、1年契約で来年のオフにもう一度FAになり、もう一度大きな契約を狙うということになりますが、それもまた難しいでしょう。
PGがひしめき合うセルティックスのバックコートで、十分なプレータイムをもらえるかどうかも定かではありませんので。
ただ、こうした“失策”をしてしまったのは、シュルーダーだけではありません。
昨シーズン途中にロケッツからヒートにトレードで加入したビクター・オラディポは、
ベテラン最低年俸の1年2.4milでヒートと再契約しました。
ケガのため、次のシーズンも大部分は欠場が決まっている状態であるため、致し方ない部分もありますが、それにしても最低年俸になってしまうとは・・・・
というのも、これまで何度も大きな契約を結ぶチャンスがあったからです。
昨シーズンは、ロケッツから2年45.2mil(年平均22.6mil)の契約延長のオファーを受けていました。
しかし、これを断ったため、ロケッツはオラディポをトレードでヒートへと放出しました。
もっとさかのぼると、ペイサーズ時代の2019年オフには、ペイサーズから4年80mil(年平均20mil)という契約延長のオファーを受けていました。
もちそんMAXの金額ではありませんが、大きなケガから復帰して本調子ではなかったオラディポにとっては、長期的な“保険”となりうる契約でした。
ただ、このいずれも断った結果、年20mil級のオファーは消えてなくなり、ついにはベテラン最低年俸の1年2.4milというところまで落ちてしまいました。。
これは、数年前のディマーカス・カズンズにも言えることでした。
ペリカンズからのMAXに近い契約オファーを蹴って、ウォリアーズと1年5milの契約を結んだところから転落が始まり、もはやベテラン最低年俸すらもらえるかどうかというボーダーライン上の選手になってしまいました。
タイミングと自らの市場価値の判断を間違えると、こうした結果を招いてしまうという、悲しくも厳しい事例です。