Struggling teams vol.2

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苦戦しているチーム第2弾は、ラプターズです。

 

一昨年はリーグ制覇、昨シーズンもイースト2位の勝率を残したラプターズですが、今シーズンは開幕から1勝6敗とまさかの不振にあえいでいます。

特にオフェンスが冴えず、最初の7試合のFG成功率は41%台で、リーグでダントツの最下位でした。

 

ベテランビッグマンのマルク・ガソールとセルジュ・イバカがチームを去り、代役として招いたアーロン・ベインズとアレックス・レンはほとんど機能していません。

控えビッグマンのクリス・ブシェーが、その穴を埋めるべく頑張っていますが、戦力の低下は否めません。

 

ただ一番心配なのは、エースとしての役割が期待されているパスカル・シアカムの状態です。

昨シーズンの中断・再開後から調子が上がらず、プレーオフではFG39.6%/3P18.9%という不振に陥り、プレーオフ敗退の一因にもなりました。

今シーズンも最初の7試合での成績は、FG43.1%/3P29.4%とまだ不調を引きずっている印象です。

 

 

そんな悪いチーム状態が続くラプターズに出てきた噂が、ジェイムズ・ハーデンのトレード話です。

未だトレード先が見つからないハーデンの行き先候補の一つとして、ラプターズの名前が上がってきたんですね。

優勝を目指せるチームというハーデンの条件と、不振を脱するためにオフェンスの柱を必要としているラプターズは、利害が一致するというわけです。

 

では、どんなトレードなら成立するでしょうか?

 

ラプターズ>        ⇔ <ロケッツ>

 SG ジェイムズ・ハーデン       PF パスカル・シアカム

                  SG ノーマン・パウエル

                  将来のドラフト指名権

 

シアカムが交換相手であれば、ロケッツ側が求める「若いフランチャイズプレイヤー」という条件にも当てはまります。

ロースターはこうなります。

 

ラプターズ

 PG:カイル・ラウリー/マラカイ・フリンジェイレン・ハリス

 SG:フレッド・バンブリート/テレンス・デイビス/マット・トーマス/ポール・ワトソン

 SF:ジェイムズ・ハーデンディアンドレ・ベンブリー/パトリック・マッコウ

 PF:OG・アヌノビー/スタンリー・ジョンソン/渡邊雄太

   C:クリス・ブシェー/アーロン・ベインズアレックス・レン

 

ハーデンがSFに入り、アヌノビーがSFからPFへスライド、好調のブシェーをCに置いたラインナップです。

高さに課題は残りますが、アウトサイドの攻撃力は相当上がるでしょう。

 

<ロケッツ>

 PG:ジョン・ウォール/(クリス・クレモンズ)

 SG:エリック・ゴードンノーマン・パウエル/ベン・マクレモア/メイソン・ジョーンズブロドリック・トーマス

 SF:ダヌエル・ハウスJr./スターリング・ブラウン/デイビッド・ヌワバ/ケニヨン・マーティンJr.

 PF:パスカル・シアカム/PJ・タッカー/ジェイショーン・テイト

   C:クリスチャン・ウッドディマーカス・カズンズ/ブルーノ・カボクロ

 

移籍後もオールスタークラスの成績を残すクリスチャン・ウッドとシアカムのインサイドコンビは、新たなチームの核となります。

エリック・ゴードンが先発に上がれば、復活したジョン・ウォールと組むバックコートの得点力もなかなかのものです。

 

ただ欲を言えば、せっかくトレードをするなら不在となっている控えPGも併せて補強しておきたいところです。

そこでトレードの範囲を広げてみます。

 

ラプターズ>        ⇔ <ロケッツ>

 SG ジェイムズ・ハーデン      PF パスカル・シアカム

 SF ダヌエル・ハウスJr.       SG ノーマン・パウエル

 SG ベン・マクレモア        SF パトリック・マッコウ

                    PG マラカイ・フリン

                    将来のドラフト指名権

 

ロケッツが必要な控えPGとしてマラカイ・フリンを加え、そのバランスを取るために3選手を新たに追加しています。

ロースターはこうなります。

 

ラプターズ

 PG:カイル・ラウリー/テレンス・デイビスジェイレン・ハリス

 SG:フレッド・バンブリート/ベン・マクレモア/マット・トーマス/ポール・ワトソン

 SF:ジェイムズ・ハーデンディアンドレ・ベンブリー/スタンリー・ジョンソン

 PF:OG・アヌノビー/ダヌエル・ハウスJr.渡邊雄太

   C:クリス・ブシェー/アーロン・ベインズアレックス・レン

 

当たりのルーキーであるマラカイ・フリンを手放すのはもったいないですが、シアカムが抜けて手薄になるPFにハウスを充てることができます。

PGは元々ラウリーとバンブリートの2人がいることと、テレンス・デイビスがバックアップを務めた昨シーズンの体制に戻せばカバーできるでしょう。

 

<ロケッツ>

 PG:ジョン・ウォールマラカイ・フリン/(クリス・クレモンズ)

 SG:エリック・ゴードン/デイビッド・ヌワバ/メイソン・ジョーンズブロドリック・トーマス

 SF:ノーマン・パウエルスターリング・ブラウンパトリック・マッコウケニヨン・マーティンJr.

 PF:パスカル・シアカム/PJ・タッカー/ジェイショーン・テイト

   C:クリスチャン・ウッドディマーカス・カズンズ/ブルーノ・カボクロ

 

クリス・クレモンズがシーズン絶望となってしまった控えPGに、即戦力のマラカイ・フリンを加えられるのはロケッツにとって大きいです。

少しサイズは小さくなりますが、ノーマン・パウエルをSFの先発に起用することもできると思います。

 

 

結論としては、決して「ラプターズはハーデンを獲った方がいい」と言っているわけではありません。

素早くローテーションを繰り返すラプターズのディフェンススタイルに、ハーデンがフィットするとは思えません。

 

ただそれも、オフェンスに転じた時に頼れる存在がいてこそ成り立つ話。

カワイ・レナードという大黒柱が抜けた後、その役割を託されたシアカムがフランチャイズプレイヤーとして頼れないという判断になった場合、選択肢の一つとしてそういう話も浮上してきてしまうということですね。