あれよあれよという間にFA交渉がスタートしました。
今回はドラフトの2日後という超強行スケジュール。
トレードもドラフトも整理しきれないまま、FAに突入です。
とりあえず、初日に決まった動きだけ列記してみます。
★PG ゴラン・ドラギッチ(ヒートと再契約) 2年37.4mil
★C マイヤーズ・レナード(ヒートと再契約) 2年20mil
★PG ファクンド・カンパッソ(レアル・マドリード ⇒ ナゲッツ) 2年
★PF ドリュー・ユーバンクス(スパーズと再契約) 3年5.3mil
★PF メイソン・プラムリー(ナゲッツ ⇒ ピストンズ) 3年25mil
★SG ドゥエイン・ベイコン(ホーネッツ ⇒ マジック) 2年
★C ジャーリル・オカフォー(ペリカンズ ⇒ ピストンズ) 2年4mil
★PF パトリック・パターソン(クリッパーズと再契約) 1年
★SG ジョーダン・クラークソン(ジャズと再契約) 4年52mil
★PG ディアーロン・フォックス(キングスと延長契約) 5年163mil
★C デリック・フェイバース(ペリカンズ ⇒ ジャズ) 3年30mil
★SF ジョシュ・ジャクソン(グリズリーズ ⇒ ピストンズ)
★PF ダニーロ・ガリナーリ(サンダー ⇒ ホークス) 3年61.5mil
★C ドワイト・ハワード(レイカーズ ⇒ シクサーズ) 1年2.6mil
★SF ロドニー・フッド(ブレイザーズと再契約) 2年21mil
★PG トレイ・バーク(マブスと再契約) 3年10mil
★SG マリーク・ビーズリー(ウルブスと再契約) 4年60mil
★PF モントレズ・ハレル(クリッパーズ ⇒ レイカーズ) 2年19mil
★PF ダービス・ベルターンズ(ウィザーズと再契約) 5年80mil
★SG アレック・バークス(シクサーズ ⇒ ニックス) 1年6mil
★SF ジョー・ハリス(ネッツと再契約) 4年75mil
★SG ギャレット・テンプル(ネッツ ⇒ ブルズ) 1年5mil
★PF クリスチャン・ウッド(ピストンズ ⇒ ロケッツ) 3年41mil
★PF ジェラミ・グラント(ナゲッツ ⇒ ピストンズ) 3年60mil
★SF デリック・ジョーンズJr.(ヒート ⇒ ブレイザーズ) 2年19mil
★PF マーカス・モーリス(クリッパーズと再契約) 4年64mil
★SG ウェスリー・マシューズ(バックス ⇒ レイカーズ) 1年3.6mil
★SF ジェイムズ・エニス(マジックと再契約) 1年
★SG ジャスティン・ホリデイ(ペイサーズと再契約) 3年18mil
★C ヤコブ・ポエルトル(スパーズと再契約) 3年27mil
★SG パット・コノートン(バックスと再契約) 2年8.3mil
★C ロビン・ロペス(バックス ⇒ ウィザーズ) 1年7.3mil
★PF ジャマイカル・グリーン(クリッパーズ ⇒ ナゲッツ) 2年15mil
この中から、目立った動きについて取り上げていきたいと思います。
まずはレイカーズ絡みから。
この日最も衝撃的だったのが、このニュース。
6thマン賞を受賞したクリッパーズのハレルが、あろうことか同じ街のライバルチームに移籍を決めたんですね。
いやいやいや〜
今年は残念な結果に終わったクリッパーズでしたが、次のシーズンこそ打倒レイカーズで巻き返しを見せるものと思っていました。
その出鼻をくじくようなこの動き。
ハレルが完全FAになった時点で、他のチームへ移籍する可能性は大いにありました。
なので、そこは仕方ないと思っています。
でも、よりによってレイカーズかい?と。
チームメイトだったパトリック・ビバリーのリアクションがこれ。
これが全てを言い表していますね(笑)
サッカーで言う、禁断のバルサ⇔レアルの移籍みたいな感じですが、もう一つ気になった点がこれです。
「2年19mil」という契約金額の低さ。
平均わずか27.8分という短い出場時間の中で、18.6点/7.1リバウンド/FG58.0%というものすごく効率の良い成績を挙げて、6thマン賞を受賞しているんですよ。
当然、年平均20milは超えるものと思っていました。
それが、年平均10milもいかないんですよ?
半額以下のディスカウント料金ですよ。
元々優勝していて強力なレイカーズに、どうしてさらに戦力をサービスしなきゃいけないのか?
これはシュルーダーのトレードの時に言いましたが、レイカーズは有利な条件をもらいすぎなんです。
ブランドなのか、見えざる力が働いているのか知りませんが、あまりにも不公平な取り引きだなと思ってしまいます。
他のFA契約と比較してみてください。
ジョー・ハリスは4年75mil(年平均18.75mil)、ダービス・ベルターンズも5年80mil(年平均16mil)ももらってるんですよ?
ハリスやベルターンズぐらいの選手でも(失礼)、これぐらいの金額じゃないと契約できないんですよ。
相場から言えば、せめてダニーロ・ガリナーリの3年61.5mil(年平均20.5mil)やジェラミ・グラントの3年60mil(年平均20mil)ぐらいのレベルだと思います。
でも実際は、デリック・フェイバースの3年30mil(年平均10mil)やヤコブ・ポエルトル3年27mil(年平均9mil)、メイソン・プラムリーの3年25mil(年平均8.3mil)と同じランクなんですよ。
おかしいでしょ!
てか、そんな格安でいい補強を続けるレイカーズがズルいです。
残念ながら、優勝して当たり前だと思います。
<レイカーズ>
PG:デニス・シュルーダー
SG:ウェスリー・マシューズ/アレックス・カルーソ
SF:ルブロン・ジェイムズ/テイレン・ホートン・タッカー
C:ジャベイル・マッギー/モントレズ・ハレル
レイカーズつながりでいくと、ドワイト・ハワードがまたやらかしました。
当初はレイカーズとの再契約が有力視されていましたが、最後の最後で一転してシクサーズ入りが決まりました。
それはいいんですが、当の本人がよくわかってなかったんですね。
そのシクサーズ入りが決まる前に、間違ってレイカーズに残るのが決まったという内容のツイートをしてしまったんです。
「オレは、このオレに相応しい場所に残る。レイカーズファンのみんなを愛している。紫と金色のレイカーズカラーは永遠だ!」
てなカッコつけツイートを流したんですが、しばらくしてこれを削除。
「あれれ? 何が起きてるんだ?」と思っていたら、シクサーズと契約の報道。
うわうわうわ、またやっちまいましたね。
というか、これまでもハワードは失言やら不用意な言動が多かったんです。
つい先日もインタビューで、「来シーズンはタダでは働かないぞ」とか言ってました。
これは何かと言うと、昨シーズンは評価が地に落ちていたので、契約が保証されないノンギャランティー契約の最低年俸でプレーしていたんですね。
そこで活躍して、再度評価を上げたんですが、つまりは「今年は活躍したから、来年は安くプレーしないぞ」ということを言ったわけです。
まあ、これだけでも十分イメージ悪いですよね(笑)
で、レイカーズとの再契約を蹴って、シクサーズと契約するということだったので、いい条件でももらったのかなあと思ったんですが、結局ベテラン最低年俸でした(笑)
今年はギャランティーされているので、その点は違いますが。
やっぱりこのちゃらんぽらんな性格が、キャリアをダメにしたんだと思いますね。
当然のことながら、レイカーズファンからは大ブーイング。
せっかく今回の優勝で、コービーとプレーして失敗に終わったかつての悪夢を忘れてくれていたのに、またミソがついてしまいました。
やっぱりハワードはハワードだな、という感想です。
<シクサーズ>
PG:ベン・シモンズ/シェイク・ミルトン/タイリース・マクシー
SG:セス・カリー/フルカン・コルクマズ/ザイーア・スミス/アイザイア・ジョー
SF:ダニー・グリーン/テレンス・ファーガソン/マティース・サイブル
PF:トバイアス・ハリス/マイク・スコット
C:ジョエル・エンビード/ドワイト・ハワード/ポール・リード
さて、ハレルを取られたクリッパーズは今どうなってるんでしょう?
<クリッパーズ>
PG:パトリック・ビバリー/ルイス・ウィリアムス
SG:ポール・ジョージ/ルーク・ケナード/ジェイ・スクラブ
SF:カワイ・レナード/テランス・マン
PF:マーカス・モーリス/パトリック・パターソン/ミフォンドゥ・カベンゲリ/ダニエル・オトゥル
C:イビチャ・ズーバッツ/ジョアキム・ノア/ジャスティン・パットン
クリッパーズは、マーカス・モーリスと再契約したものの、4年64mil(年平均16mil)というなかなかの高額。
この資金をハレルの再契約に回せなかったのかな・・・・という疑問が残ります。
トレードでシューターのケナードを獲得したものの、目ぼしい補強はそれぐらい。
自前のFAも、ハレルとジャマイカル・グリーンを失い、キープできたのはモーリスとパトリック・パターソンだけ。
先発PGの補強で、ホーネッツのテリー・ロジアーを獲るような噂も出ていますが、今のところ昨シーズンのロースターよりもグレードダウンしています。
レイカーズに大きく差をつけられてしまった上に、主力選手まで横取りされて、今後が心配なクリッパーズです。
次に気になった動きは、クリスチャン・ウッドのロケッツ入りです。
ビッグマンのウッドは、2月のトレードデッドラインでドラモンドが放出されてから先発に上がり、平均21.9点/9.4リバウンド/FG56.0%/3P40.8%という素晴らしい成績を残しました。
リビルディングに舵を切ったピストンズの中で、フランチャイズプレイヤーになっていくものと思っていました。
と・こ・ろ・が・・・・です。
ピストンズの動きは最初から不思議でした。
ドラフトやトレードで、どんどんインサイド系の選手を獲っていったんですね。
1巡目でセンターしかできない選手を指名したり、トレードでセンター系の選手を獲ってきたりしていて、
「あれ? ウッドのこと忘れてないよね?」
と疑問に思っていました。
一つ考えられたのは、ウッドの価値が上がりすぎて、再契約に必要な金額が高騰することを予期して、再契約を諦めたのかな?ということでした。
ただ、そうしてFA戦線がスタートし、ロケッツが合意したと最初に報じられた金額は、3年27milというものでした。
え? 年平均たったの9mil??
それはエースに払う金額ではなく、ベンチのロールプレイヤーに払う金額です。
そして、その程度の金額であれば、ピストンズは容易に再契約できたはずです。
最終的にサイン&トレードにすることで、3年41milに金額が上がりましたが、それでも年平均13.7milとリーズナブルな金額です。
これは絶対に“買い”な取り引きでした。
ちょっとピストンズの方向性がよくわかりません・・・・
<ロケッツ>
PG:ラッセル・ウェストブルック/クリス・クレモンズ
SG:ジェイムズ・ハーデン/ベン・マクレモア
SF:エリック・ゴードン/デイビッド・ヌワバ/ケニヨン・マーティンJr.
PF:PJ・タッカー/ダヌエル・ハウスJr.
C:クリスチャン・ウッド
ハーデンとウェストブルックがトレード要求中のロケッツは、先行きが不透明なままです。
ロバート・コビントンは放出してしまい、代わりに来たトレバー・アリーザも早々に放出。
ウッドだけは確保したものの、この先どうなっていくのか全くわかりません。
そして、ウッドを手放したピストンズは、目まぐるしく動いています。
一つ光った動きは、ナゲッツのジェラミ・グラントを獲れたことですね。
グラントはプレーオフで評価を上げ、各チームから人気のFAになっていました。
当初はナゲッツとの再契約が有力視されていましたが、より中心的存在になれる環境を求めてピストンズに移籍したようです。
願わくば、グラントとウッドのインサイドコンビを見てみたかったですけどね。
<ピストンズ>
PG:デリック・ローズ/キリアン・ヘイズ/セイベン・リー
SG:ジョシュ・ジャクソン/スビアトスラフ・ミハイリュウク/ロドニー・マッグルーダー
SF:ジェラミ・グラント/トレバー・アリーザ/サディック・ベイ/ジャーナン・ムサ
PF:ブレイク・グリフィン/セクー・ドゥンブーヤ/トニー・ブラッドリー
C:メイソン・プラムリー/ジャーリル・オカフォー/アイザイア・スチュワート/ドゥエイン・デドモン
いやはや、変わりすぎてなんだかわかりませんね。
これからさらに変わりますので、触れるのは後にしておきます。
あと、目立つ動きをしたホークス、ブレイザーズ、ウルブスの3チームを見てみます。
<ホークス>
PG:トレイ・ヤング/ブランドン・グッドウィン/スカイラー・メイズ
SG:ケビン・ハーター/キャメロン・レディッシュ/カイリー・トーマス
PF:ジョン・コリンズ/ディアンドレ・ハンター
C:クリント・カペラ/オニエカ・オコングー/ブルーノ・フェルナンド
ホークスは、かねてからターゲットにしていたガリナーリと契約しました。
トレードで獲得したスネルと併せて、3Pシューターを補強しました。
ドラフト指名したオコングーも含め、着々とプレーオフを目指した動きを続けています。
<ブレイザーズ>
PG:デイミアン・リラード/アンファニー・サイモンズ
SG:CJ・マッカラム/ゲイリー・トレントJr.
SF:ロドニー・フッド/デリック・ジョーンズJr./ナシアー・リトル
PF:ロバート・コビントン/ザック・コリンズ
C:ユスフ・ヌルキッチ/イネス・カンター
ブレイザーズは、弱点だったフォワードポジションの戦力補強に取り組みました。
コビントンをトレードで獲得し、ロドニー・フッドと再契約。
ヒートのデリック・ジョーンズJr.をFAで獲得することにも成功しました。
カーメロ・アンソニーと再契約するのかどうかは定かではありませんが、現時点でもフォワードの選手層はかなり厚みが増したと言えると思います。
<ウルブス>
PG:ディアンジェロ・ラッセル/リッキー・ルビオ/リアンドロ・ボルマロ
SG:マリーク・ビーズリー/ジョシュ・オコギー/ジェイレン・ノーウェル
SF:アンソニー・エドワーズ/ジャレット・カルバー/ジェイコブ・エバンス
PF:(フアン・エルナンゴメス)/ジェイク・レイマン/ジェイデン・マクダニエルズ
C:カール・アンソニー・タウンズ/ナズ・リード/オマリ・スペルマン
ウルブスはルビオをトレードで獲得し、アンソニー・エドワーズをドラフト指名。
その上で、マリーク・ビーズリーと再契約しました。
もしルビオを先発にすると、ラッセルがSGになり、SFはビーズリーかエドワーズどちらかしか使えないことになります。
ドラフトNo.1ピックを控えにはしないでしょうし、4年60milも控え選手に払う金額ではありません。
となると、ルビオが控えになるしかないのかな?ということでこんなラインナップにしてみました。
それから、ボルマロはすぐにはNBAに来ないかもしれませんが、アルゼンチンの新星がどんなプレーを見せてくれるのか、今から楽しみです。