海外の記事を読んでいると、いろいろな補強策やトレードのシナリオが出ていて楽しいんですが、突拍子もないものや実現性の薄いものも結構含まれています。
そんな中、「お、これは理にかなっているぞ」と思ったトレードの記事があったので、翻訳をしながらご紹介したいなと思います。
★シナリオ①
<キングス> ⇔ <シクサーズ>
C アル・ホーフォード F ハリソン・バーンズ
2021年2巡目指名権
シクサーズは1年前のオフに大型補強を行い、ジミー・バトラーとJJ・レディックを出し、アル・ホーフォードとジョシュ・リチャードソンを入れたわけですが、いまいちうまく機能しませんでした。
1つ目の原因は、アウトサイドシュートの不足。
シュート職人レディックとクラッチシューターのバトラーの穴を埋めなければいけませんでしたが、大型契約を結んだトバイアス・ハリスは開幕から3Pが不調。
新加入のリチャードソンも成功率が伸びず、オフに3Pを練習したはずのベン・シモンズは結局ほとんど打たずに終わってしまいました。
これではアウトサイドにマークがつかず、インサイドを固められてしまうため、エンビードが自由に動くことができなくなってしまいます。
2つ目の原因は、ホーフォードのPF起用です。
若い頃であれば問題なく対応できたと思いますが、もう33才のベテランです。
ただでさえ、センター抜きのスモールラインナップで速攻と3Pを多用する現代バスケの中で、キャリアを通してCを務めてきたベテランをFで起用するのは酷というものです。
ホーフォード個人がうんぬんというよりも、この時代にダブルCは戦略として合わなかったということだと思います。
このトレードは、そんな2つの課題を一挙に解消できるかもしれないトレードです。
ハリソン・バーンズはウォリアーズ時代はPFを、現在はSFを務め、3P成功率は40%近くの高確率で決めることができます。
トバイアス・ハリスもSFもPFも両方できますので、2人の動けて打てるフォワードコンビでバランスは改善できると思います。
逆にキングスは、若いチームをプレーオフに導く安定感のある戦力がほしい。
ちょうど先発Cの席が空いているので、百戦錬磨のホーフォードはうってつけの人材。
双方にメリットがあるいいトレードになるのではないかと思います。
<シクサーズ>
PG:ベン・シモンズ/ザイーア・スミス
SG:ジョシュ・リチャードソン/シェイク・ミルトン/マリアル・シャヨック
SF:ハリソン・バーンズ/フルカン・コルクマズ/マティース・サイブル
PF:トバイアス・ハリス/マイク・スコット
C:ジョエル・エンビード/ノーベル・ペル
FA選手は一旦ロースターから外しています。
2way契約1年目の選手はそのまま入れてあります。
PFの選手がCを、SFの選手がPFをやることも増えた時代に、33才のベテランCが若いSFのマークにつかなきゃいけない状態がそもそも無理でした。
例えばこんな感じで、ホーフォードが元チームメイトのテイタムについているシーンです。
これが毎試合だったら、確かに厳しいですよね・・・・
バーンズとハリスのFコンビは、その辺のバランスを改善してくれると思います。
★シナリオ②
<ナゲッツ> ⇔ <キングス>
G バディ・ヒールド G ゲイリー・ハリス
F ケイタ・ベイツ・ジョップ
2020年1巡目指名権
オフに巨額の延長契約を手に入れたヒールドは、キングスのエースとしてチームの中心となるはずでした。
ところが、シーズン中盤に先発から下げられ、6thマンとしての起用に甘んじることに。。
代わりに先発に上がったボグダン・ボグダノビッチとは、このオフに再契約を結びたいという意向が報じられています。
このままの起用法が続けば、チームと揉めてトレード直訴などにつながるのは時間の問題となってしまいそうです・・・・
そこで、プレーオフで戦える戦力増強を目指し、得点力のある先発SGを探しているナゲッツへ行く案がちょうどうまくハマるもしれません。
ヨキッチとジャマール・マレーを中心としたナゲッツは、レギュラーシーズンで上位につけるものの、プレーオフでは個の力の差が出て勝ち進めていません。
ヒールドが加われば、第3の得点源として強力な武器となります。
また、弱かった3Pを強化することもできます。
逆にキングスは、ポジション問題からくる軋轢を回避でき、また大型投資の失敗を早めに軌道修正することができます。
1巡目指名権も手に入るので、新たな若い戦力を加えることもできます。
あとは、ここ2シーズン調子の上がっていないゲイリー・ハリスが、本来の力を取り戻すことができれば万々歳です。
<ナゲッツ>
PG:ジャマール・マレー/モンテ・モーリス/PJ・ドージアー
SG:バディ・ヒールド/ブラトコ・チャンチャー
SF:ウィル・バートン/(トーリー・クレイグ)
PF:ジェラミ・グラント/マイケル・ポーターJr.
C:ニコラ・ヨキッチ/ボル・ボル
第3の得点源があやふやだったチームに、他チームのエースを加えることができれば、ナゲッツのBIG3が完成します。
これで、マイケル・ポーターJr.が順調に成長していけば、かなり強力なチームができあがっていくと思います。
是非実現してほしいなあと思うトレードです。
<キングス>
PG:ディアーロン・フォックス/コーリー・ジョセフ
SG:ゲイリー・ハリス/ジャスティン・ジェイムス/カイル・ガイ
SF:(ボグダン・ボグダノビッチ)/ジャバリ・パーカー/ケイタ・ベイツ・ジョップ
PF:マービン・バグリーⅢ/ネマーニャ・ビエリツァ
C:アル・ホーフォード/リショーン・ホームズ
キングスは、先発Cにホーフォードが入り、SGにハリス、そして再契約したボグダノビッチがSFに入るというラインナップになります。
こちらも、ゴチャゴチャしていたメンツが整理され、スッキリした印象を受けます。
無駄が削ぎ落とされ、ディフェンス力が上がり、より勝てるチームに変わる気がします。
★シナリオ③
<サンダー> ⇔ <マジック>
F アーロン・ゴードン G デニス・シュルーダー
2020年1巡目指名権
これまでも何度か取り上げてきた、アーロン・ゴードンとジョナサン・アイザックのポジションかぶり問題。
実質的にPFの2人が、両方本来のポジションでプレーするためには、チームを分かれるしかありません。
そして、マジックが最も必要としているポジションは先発PG。
とすれば、先発級のPGが3人も同居しているサンダーから1人もらうのが賢明です。
シュルーダーは本来先発の力がありながら、クリス・ポールとシェイ・ギルジャス・アレクザンダーの影に隠れる形でベンチスタートになっていました。
しかし、ベンチから20点近くをマークして、今年の6thマン賞最右翼となっています。
重複しているポジションを整理して、必要なポジションを補強する。
これはロースター構築の基本線となりますが、これまでマジックはやってこなかったので、ここらへんで是非やってほしいなあと思います。
<サンダー>
PG:クリス・ポール/ルゲンツ・ドール
SG:シェイ・ギルジャス・アレクザンダー/ハミドゥ・ディアロ
SF:テレンス・ファーガソン/アブデル・ナダー/ディオンテ・バートン
PF:アーロン・ゴードン/ダリアス・ベイズリー/アイザイア・ロビー
C:スティーブン・アダムス/マイク・マスカーラ/ケビン・ハービー
FAになるガリナーリは他チームへの移籍も噂されているので、ゴードンは先発PFにそのまま収まるのではないかと思います。
ゴードンはまだ24才と若いので、21才のギルジャス・アレクザンダーと長くコンビを組んでいけるのではないかと思います。
<マジック>
PG:デニス・シュルーダー/マーケル・フルツ
SG:エバン・フォーニエ/テレンス・ロス/メルビン・フレイジャーJr.
SF:ジェイムズ・エニスⅢ/(ウェスリー・イワンドゥ)/BJ・ジョンソン
PF:ジョナサン・アイザック/アル・ファルーク・アミヌ/チュマ・オケケ/ビック・ロウ
C:ニコラ・ブチェビッチ/モー・バンバ/ケン・バーチ
長らく固定できていなかった先発PGにシュルーダーが入れば、今までなかった安定感が出てくると思います。
アイザックも本来のPFに固定できるので、伸び悩んでいたスタッツも上がってくると思います。
★シナリオ④
<ペイサーズ> ⇔ <ジャズ>
C ルーディ・ゴベア C マイルズ・ターナー
F ダグ・マクダーモット
今回コロナ感染第1号となったゴベアですが、その感染発覚前の軽率な振る舞いが問題になりました。
その結果として、同僚のミッチェルにも移してしまったわけですが、これによってミッチェルとの関係性が悪くなってしまったという噂があります。
もしこれが事実だとすると、ジャズはゴベアを放出しなければならなくなるかもしれない、というわけです。
ただ、最優秀ディフェンス賞を2回も受賞したセンターを出すとなると、なかなか代わりを見つけるのは大変です。
でも、マイルズ・ターナーであれば、獲れる可能性が大いにあるんですね。
というのも、ドマンタス・サボニスの台頭によって、ペイサーズにおけるターナーの存在感は以前よりも薄くなっています。
おまけに、サボニスとターナーが同時に出場するとうまく機能せず、最初はサボニスをベンチスタートにしていました。
しかし、今シーズンのブレイクで、サボニスはペイサーズに欠かせない存在へと急成長してしまったため、共存できないなら出すのはターナーの方という見方が強くなっています。
ターナーは既にブロック王に輝いたこともあり、ゴベアの後釜としては十分なタレントを持っています。
まだ24才と若く、23才のミッチェルとコンビを組むにもいい年齢です。
シューターのマクダーモットも、カイル・コーバーのような役割でジャズにフィットすると思います。
ペイサーズ的には、ターナーよりもゴベアの方がサボニスとの相性はいいと思います。
ターナーが時折3Pも打ったりするのに対して、ゴベアはゴール下専門。
エリアの棲み分けができ、動きがカブらないことによって、サボニスも自由に動けるようになると思います。
<ペイサーズ>
PG:マルコム・ブログドン/アーロン・ホリデイ/TJ・マッコーネル
SG:ビクター・オラディポ/エドモンド・サムナー/ナズ・ミトロウ・ロング
SF:TJ・ウォーレン/ジェレミー・ラム/ブライアン・ボウエンⅡ
PF:ドマンタス・サボニス/TJ・リーフ
C:ルーディ・ゴベア/ゴガ・ビターゼ
ついベテランのように思ってしまいますが、ゴベアもまだ27才。
主力のオラディポ、ブログドン、ウォーレン、ラムと同世代ですので、実力派の中堅チームとして安定してイーストの上位に入ってくると思います。
<ジャズ>
PG:マイク・コンリー/ジョー・イングルス/ナイジェル・ウィリアム・ゴス/ジャスティン・ライト・フォアマン
SG:ドノバン・ミッチェル/(ジョーダン・クラークソン)/ミーエ・オーニ/レイジョン・タッカー
SF:ボヤン・ボグダノビッチ/ダグ・マクダーモット/ジュワン・モーガン
PF:ロイス・オニール/ジョージ・ニャン/ジャーレル・ブラントリー
C:マイルズ・ターナー/エド・デイビス/トニー・ブラッドリー
インサイドのサイズ感は心配ですが、より攻撃的で動けるチームになると思います。
アウトサイドからのシュート力もアップするでしょうね。
先発PFの補強は必要になるとは思いますが。
★シナリオ⑤
G デリック・ローズ F カイル・クーズマ
G ルーク・ケナード C ジャベイル・マッギー
G アレックス・カルーソ
F テイレン・ホートン・タッカー
2022年2巡目指名権
2023年2巡目指名権
レイカーズがローズを狙っているという話は、トレードデッドラインの頃から盛んに噂されていました。
しかしピストンズは、アンドレ・ドラモンドやレジー・ジャクソンは放出したものの、なぜかローズは出さないままでした。
完全にリビルディングモードに入ったピストンズが、31才で残り1年契約のローズを長く置いておく理由はありません。
今後のチーム作りの方向性がイマイチ見えてきませんが、交換できるうちに若いタレントと交換しておいた方が無難ではあります。
今シーズンはケガとアンソニー・デイビスとのポジションかぶりで目立ちませんでしたが、本来はスターターでオールスターのポテンシャルもある選手。
ブレイク・グリフィンをどうするのかという問題はあるものの、リビルディングをするなら獲れる時に若い人材を獲っておくのが良策です。
そういった意味では、クーズマはいいタレントと言えるでしょう。
<ピストンズ>
PG:アレックス・カルーソ/ジョーダン・ボーン
SG:スビアトスラフ・ミハイリュウク/ブルース・ブラウン/カイリー・トーマス
SF:トニー・スネル/テイレン・ホートン・タッカー/ルイス・キング
PF:ブレイク・グリフィン/カイル・クーズマ/セクー・ドゥンブーヤ
C:(クリスチャン・ウッド)/ジャベイル・マッギー/ソン・メイカー
ローズと同じ31才のグリフィンは、まだ契約が2年残っているものの、チームがリビルディングを進めるならば真っ先に放出候補となるでしょう。
逆に今シーズンブレイクした24才のウッドは、FAとなりますが再契約の可能性が高いと思います。
先発PGは、今度のドラフトか、グリフィンのトレード相手から探すことになるのではないかと思います。
<レイカーズ>
PG:デリック・ローズ/ラジョン・ロンド/クイン・クック
SG:ダニー・グリーン/エイブリー・ブラッドリー/(ディオン・ウェイタース)
SF:ルブロン・ジェイムズ/ケンタビウス・コールドウェル・ポープ/ルーク・ケナード
PF:アンソニー・デイビス/(マーキーフ・モーリス)/コスタス・アデトクンボ
C:(ドワイト・ハワード)/デボンテ・ケイコック
レイカーズが待望の先発PGを手に入れることができれば、ルブロンを本来のSFに戻すことができます。
これまで、ルブロンとデイビス2人にかかっていた負担も、20点級スコアラーのローズが入ることによって緩和されるでしょう。
既に35才となったルブロンに残された時間は限られているので、今優勝を目指すために必要な戦力を整えていくことが重要です。