It's a small world

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今年のトレードデッドラインを終えての感想ですが、ここ数年のトレンドであるスモールラインナップの傾向に拍車がかかってきたのかな?と感じます。

 

典型的な7フッターのビッグマンタイプはもはや絶滅危惧種となりつつあり、本来はPFの選手がセンターを務める傾向が増えてきています。

 

今回、先発Cのクリント・カペラを放出したのに、代わりのセンターを入れなかったロケッツの動きは、その傾向をさらに深化させた思い切ったものでした。

 

<トレード前のラインナップ>

PG:ラッセル・ウェストブルック 6−3(191cm)

SG:ジェイムス・ハーデン 6−5(196cm)

SF:ダヌエル・ハウスJr. 6−6(198cm)

PF:PJ・タッカー 6−5(196cm)

  C:クリント・カペラ 6−10(208cm)

   先発5人の平均=198cm

       ↓

<トレード後のラインナップ>

PG:ラッセル・ウェストブルック 6−3(191cm)

SG:エリック・ゴードン 6−3(191cm)

SF:ジェイムス・ハーデン 6−5(196cm)

PF:ロバート・コビントン 6−7(201cm)

  C:PJ・タッカー 6−5(196cm)

   先発5人の平均=195cm

 

これまでも決して大きなラインナップではありませんでしたが、トレード後はセンターを入れず、PFのタッカーを先発Cとして起用する驚きの動きに。

 

SGぐらいの上背しかなく、PFとしてもアンダーサイズだったタッカーを、さらにCとして起用するというのは、ほとんど無謀な賭けにしか見えません。

 

しかしロケッツは、この超スモールラインナップでいくということを、チームの戦略として決めたということでしょう。

 

トランジッションの速さと3Pでとにかく攻めるという現代の潮流には乗った戦略ではありますが、かなり時代を先取りしすぎたこの戦略が、吉とでるのか凶とでるのか。

 

特に、多少なりスローダウンさせられるプレーオフの戦いに入った時に、この戦略の真価が問われることになると思います。

 

 

このロケッツの動きも十分驚きだったんですが、個人的にこれよりも驚いたのが、アンドレ・ドラモンドのトレードでした。

 

何に驚いたのかというと、こんなにも安くドラモンドが売られていったのか・・・・という事実に対してでした。

 

つまり、典型的なビッグマンに対する価値が下がっている象徴のように感じられたからです。


ドラモンドのトレードをもう一度おさらいします。

 

<キャブス>       ⇔ <ピストンズ

 C アンドレ・ドラモンド    G ブランドン・ナイト

                C ジョン・ヘンソン

                2023年ドラフト2巡目指名権

 

これを聞いた時、かつてのこのトレードを思い出しました。

 

kg21.hatenablog.com

 

<ロケッツ>        <サンズ>

 ブランドン・ナイト  ⇔  ライアン・アンダーソン

 マーキス・クリス      ディアンソニー・メルトン

 

「ブランドン・ナイト+控えビッグマン」という交換内容が、この時のトレードと同じなんですよね。

 

つまり、今回のドラモンドは、この時の「ライアン・アンダーソン+ディアンソニー・メルトン」と同等の価値にしか見られていないんじゃないかと思ったわけです。

 

当時のブログに書いていますが、この時のライアン・アンダーソンは不良債権化しており、ロケッツが引き取り手探しに苦労していました。

 

ようやく、サンズで不良債権化していたブランドン・ナイトを引き取る形で、放出にこぎつけたという内容のトレードでした。

 

ディアンソニー・メルトンはこの年の2巡目指名のルーキーでしたから、2巡目指名権をつけたのと意味合いは同じです。

 

つまりドラモンドは、「不良債権化した要らない契約+2巡目指名権」と同等の価値という低い低い扱いで放出されていったという格好になります。

 

これは、仮にもフランチャイズプレイヤーだった選手に対して、非常に失礼な扱いであるし、ここまで安売りする必要が本当にあったのかと疑ってしまいます。

 

もし放出するという方針を決めていたとしても、いい取り引きがなかったのであれば、シーズン終了まで待って、オフに改めてトレード先を探してもいいわけです。

 

ドラモンドは別に不良債権化していたわけでもなく、しっかり結果も残しています。

 

リバウンド平均は15.8本でダントツのリーグトップ、ビッグマンにもかかわらずスティールはリーグ3位、ブロックもリーグ10位と、ディフェンスの数字はリーグトップクラスです。

 

オフェンスも年々進化しており、今シーズンの平均17.8点はキャリアハイの数字です。

 

それにまだ26才で、全盛期はこれから迎えるという年齢です。

 

つまり、低く安売りする必要なんて、どこにもなかったわけです。

 

なのに、このシーズン途中の段階で、タダ同然のような形でフランチャイズプレイヤーを放出するというのは、いったい何を考えているのか?

 

ピストンズの運営方針に疑問を感じると同時に、ビッグマンに対する各チームの需要というものが総じて低下しているのかなという印象を受けました。

 

これからビッグマン受難の時代が訪れるのでしょうか。。。

 

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