ADの大型トレードが成立。
ドラフト前に書こうと思っていましたが、結局書くヒマがなく・・・
ドラフトのことを書きたいんですが、まずはトレードから。
ロンゾ・ボール
ジョシュ・ハート
今年の1巡目4位指名権
将来の1巡目指名権✕2つ
行き先は、やはりトレード・デッドラインの時からずっと噂されていたレイカーズでした。
今シーズンの開幕前に、ADがエージェントをルブロンと同じリッチ・ポールに変えた時点で、FAになったらレイカーズに行くんだろうなという予測はありました。
その後、シーズン途中にトレード要求という形で、思ったよりも早くレイカーズ行きの話が表に出てきたなという印象がありました。
しかし、デッドラインの時は成立しませんでした。
それは、以前のブログでも書きましたが、セルティックスの存在があったためです。
ただ、そこから様々な状況が変わりました。
まず、ペリカンズの運営サイドが変わりました。
当時のGMは解雇され、キャブスでルブロンと共に優勝を果たしたデビッド・グリフィンが新GMとなりました。
そして、セルティックスの状況も変わりました。
以前はカイリーが残留する前提で、若手のテイタムやジェイレン・ブラウンらをトレードの交換要員にする話があり、それがレイカーズの交換条件よりも魅力的だったため、ペリカンズもデッドラインでのトレードを保留した経緯がありました。
しかし、セルティックスのプレーオフは散々な結果となり、カイリーはその戦犯となり、チームとの再契約に暗雲が立ち込めてきたのです。
カイリーはその後、ラッパーのJay-Zが立ち上げたスポーツマネジメント会社とエージェント契約を結びました。
つまり、カイリーもまたエージェントを変えたわけです。
そしてJay-Zは、ブルックリン・ネッツのマイノリティ・オーナー(小口オーナー)です。
それが何を意味するのかと言うと・・・・もうおわかりですね。カイリーはネッツとFA契約を結ぶ線が濃厚になったというわけなんです。
カイリーは、同じくFAとなるデュラントを誘って、同じチームに移籍する契約を立てていると噂されてきました。
当初はその行き先がニックスと言われていましたが、ここに来てネッツが急浮上してきたわけです。
しかし、これはデュラントがアキレス腱を切る前の話。
来シーズン絶望となったKDの気持ち次第では、残留するのか移籍するのか定かではなくなってきました。
話をセルティックスに戻すと、カイリーも移籍が濃厚、同じくFAとなるベテランのホーフォードもチームを離れる公算が高いという状況になり、事情が変わってきました。
残る若手でチームを作らざるを得ない状況になってきてしまったため、トレード要員に出してる場合ではなくなってきたわけです。
さらに、ADのパパが出てきて、息子をセルティックスではプレーさせんとか何とか言い始めてしまって、混乱にさらに拍車をかける事態に。
エージェントも、もし強引にトレードしても1年後にはFAになるからそのつもりで、と牽制したため、レイカーズ以外のチームは手を出せなくなってしまいました。
そんなアレコレの流れの最後に決まったのが、今回のトレードでした。
ですので、レイカーズに行くのは半ば必然でした。
ただ、最強のライバルであったセルティックスの勢いが弱まってしまった関係で、レイカーズのオファーはデッドラインの時よりも落としたものになりました。
デッドラインの時のオファーはこれです。
ロンゾ・ボール
ジョシュ・ハート
(カイル・クーズマ)
(イビチャ・ズーバッツ)
(ケンタビウス・コールドウェル・ポープ)
将来の1巡目指名権✕2つ
AD1人に対して、なんと実質8人分もの対価を差し出していたんですね。
それに対して今回は、選手3人+ドラフト権3つの6人分との交換になりました。
前回ボツになったオファーよりも、実質2人分減っているわけですね。
どうしてそんなことが可能になったかというと、1つはライバルのセルティックスの影響。
もう1つは、ロッタリー抽選会でレイカーズが4位指名権を引き当てたからです。
レイカーズは、ワースト11位だったので、通常であれば11位指名権だったところが、抽選の結果4位指名にジャンプアップしました。
この幸運によって、手持ちのドラフト権の価値が上がり、より少ない対価でのトレードが可能になったんですね。
ちなみに、レイカーズにとっての最大の幸運は、この4位指名権を持ったことよって、カイル・クーズマを交換要員から外すことができたことですね。
クーズマは当初のトレード要員の中でも最も使える人材であり、ルブロンとのコンビネーションも良く、できれば手元に置いておきたい戦力でした。
それが、4位指名権を得たことによって、クーズマを出さなくてもADの獲得を実現できたことは、今後のレイカーズにとって非常に大きな出来事となりました。
The LeBron-AD Trade Deadline Madness 😲 | Game Of Zones S6E5
<ジャズ> ⇔ <グリズリーズ>
マイク・コンリー ジェイ・クラウダー
カイル・コーバー
グレイソン・アレン
今年の1巡目23位指名権
将来の1巡目指名権
グリズリーズは、ドラフト2位でPGのジャー・モラントを指名することを明言していました。
チームはその前から、司令塔であるマイク・コンリーのトレードを模索していましたので、コンリーが放出されることは半ば既定路線でした。
そしてその行き先は、トレード・デッドラインの時にも候補の上がっていたジャズに決まりました。
ジャズは、FAとなったリッキー・ルビオに再契約の意思がないことを伝えていましたので、先発PGにコンリーを迎え入れる準備はできていました。
フランチャイズ・プレイヤーだったゴードン・ヘイワードをFAで失ってから、一時はリビルディングモードに入るかと思われたジャズですが、ドノバン・ミッチェルが救世主のように現れたことで、再びプレーオフモードに変わっていきました。
勝ちにいくとなれば、ミッチェル以外に頼れる存在が必要です。
そこで、実力者であるコンリーを取りに行ったというわけです。
スコアリングの負担が軽減されれば、マークが集中してシュート成功率が下がっていたミッチェルも、少し楽にプレーできるようになるでしょう。
ジャズがプレーオフ争いで一段と手強い相手となってきそうです。
<バックス> ⇔ <ピストンズ>
ジョン・ルーアー トニー・スネル
今年の1巡目30位指名権
こちらは完全にサラリーキャップ対策のトレード。
残り2年(11.4/12.2mil)の契約があるスネルを放出し、少しでもサラリーキャップの空きを作りたいというバックスの意向が働いたトレードになりました。
なぜなら、バックスはこのオフ、ミドルトン、ブログドン、ロペス、ミロティッチとたくさんのFAを抱えており、できるだけ多くのサラリー枠を捻出したいと考えているためです。
ラプターズが初優勝を果たし、そのラプターズより成績の良かったバックスは、次こそは自分たちが優勝する番と、意気込んでいるはずです。
そのためには、主力をどれだけキープできるかという、このオフの動きが非常に重要になってきます。
<ペイサーズ> ⇔ <サンズ>
TJ・ウォーレン 金銭
今年の2巡目32位指名権
このトレードは謎です。
ウォーレンは、今季平均18.0点、昨季は19.6点をマークした優秀なスコアラーです。
それをタダ同然であげてしまう理由は、いったいなんなのか??
ケリー・ウーブレイJr.、ジョシュ・ジャクソン、ミケル・ブリッジズと、チーム内に若くて有望なSFが増え、プレータイムの問題が出てきたからなのか?
仮にそうだとしても、それは無計画に同じポジションの若手を入れ続けたチームマネジメントの問題です。
それに、放出するにしても、仮にもチームNo.2のスコアラーを、ドラフト権まで添えてタダで明け渡してしまうのは、どういうことなのか?
もう少し何らかの対価を求めて交換することはできなかったのか?
20点級のスコアラーをタダであげてしまう意味が全くわかりません。
逆にペイサーズは、思わぬ棚ボタを得たと言っていいでしょう。
実力の割に安価な契約(残り3年10.8/11.8/12.7mil)のウォーレンは、今のFAマーケットで探したら絶対獲得不可能な好物件です。
控え選手ですら20milをもらってしまう人もいるようなこの時代に、20点級の先発で10mil程度、しかもあと3年キープできるなんて、お得感しかありません。
ボグダノビッチ、サディアス・ヤング、ダレン・コリソン、タイリーク・エバンス、コーリー・ジョセフといった主力級が軒並みFAになり、この夏のシャッフルが予想されていたペイサーズにとっては、幸先のいいオフの幕開けとなりました。
<ホークス> ⇔ <ペリカンズ>
ソロモン・ヒル 今年の1巡目8位指名権
今年の1巡目4位指名権 今年の1巡目17位指名権
今年の2巡目57位指名権 今年の2巡目35位指名権
将来の2巡目指名権 将来の2巡目指名権
こちらは、ホークスが4位指名権を取りに行ったトレードでした。
その引き換えとして、8位・17位・35位という比較的高順位の指名権3つを差し出し、さらにソロモン・ヒルの不良債権(13.3mil)を引き取ったのは大きな代償でしたが、それでも4位が欲しかったということなんだろうと思います。
その4位で指名したのは、優勝したバージニア大のディアンドレ・ハンター。
ホークスはハンターを、トレイ・ヤング、ジョン・コリンズと共にチームのコアとなる人材として捉えているはずです。
ハンターがホークスの期待通りに活躍してくれるかどうかが、このトレードの是非を決めるでしょう。
<サンズ> ⇔ <ウルブス>
ダリオ・サリッチ 今年の1巡目6位指名権
今年の1巡目11位指名権
11位指名権を持っていたウルブスはサリッチを差し出し、サンズから6位指名権をGETしました。
そこで、NCAAトーナメントで八村塁のいたゴンザガ大を破った、テキサス工科大のジャレット・カルバーを指名しました。
ウルブスは、MAX契約を結んだものの伸び悩んでいるウィギンスを放出するのではないかと噂されていて、その後釜としてカルバーを指名したのではないかと言われています。
今後のオフの動き方が注目されます。
一方のサンズは、これまた謎の動き。
11位でノースカロライナ大のキャメロン・ジョンソンを指名しましたが、ジョンソンは既に23才の4年生で、2巡目指名の予想をされていた選手。
それをロッタリーピックで取ったことに、他チームを含めて誰がも驚きました。
しかも、先ほどタダ同然でTJ・ウォーレンを手放したのと同じSFです。
SFが多くなりすぎてウォーレンを放出したわけではなかったのか?
それならウォーレンを手放さず、他のポジションの選手を指名した方がよかったのでは?
もし6位をキープしていれば、不在の先発PG候補として、同じノースカロライナ大のコービー・ホワイトを指名することもできました。
このホワイトは、次の7位でブルズが指名しています。
あるいは4位か5位の指名権を狙いにいったなら、もっといい先発PG候補のダリアス・ガーランドを指名することも可能でした。
もしウォーレンを放出する気があったなら、6位指名権+ウォーレンで、4位か5位を十分獲得できたはずです。
まあ、それでもウォーレンを出すのはもったいないと思いますが・・・・
もはや謎すぎて自分の理解を超えているので、合理的な説明ができません。
<サンズ> ⇔ <セルティックス>
アーロン・ベインズ 将来の2巡目指名権
今年の1巡目24位指名権
セルティックスも先ほどのバックスと同じく、チーム内に多くのFAを抱えているため、少しでもサラリーキャップの空きを捻出すべく、ベテランの契約を放出しました。
その見返りとして24位の指名権をセットで付け、その24位でサンズが指名したのが、優勝したバージニア大のタイ・ジェロームでした。
サンズは6位指名権でなく、24位で先発PGを指名したようですが、本当にそれで良かったんでしょうか?
ジェロームは、いいバックアップPGにはなると思いますが、先発PGを探しているなら、上位でそれなりの選手を取った方が良かったんじゃないかと思います。
そして、先ほどサンズが11位で指名したキャメロン・ジョンソンは、この24位でも十分指名できた選手でした。。
チームを強くするのは、選手ではなくフロントだと言われます。
いい選手を入れ、ロースターをグレードアップするのが上手なチームは、いつも強く戦えるチームになります。
サンズが勝てるチームになるのは、まだまだ先のようです。
<ウィザーズ> ⇔ <シクサーズ>
ジョナソン・シモンズ 金銭
今年の2巡目42位指名権
シクサーズも、前述のバックス、セルティックスと同様、チーム内に多くのFAを抱えているため、少しでもサラリーキャップの枠を捻出するために、来季まで残る契約を放出するためのトレードを行いました。
バトラー、トバイアス・ハリス、レディック、マリヤノビッチなど、どこまで主力をキープできるのか、オフの動きが注目されます。