トレードデッドラインが過ぎ、トレードされた選手たちが新チームでのデビューを果たしています。
やはり最も印象的だったのはシクサーズ。
ロバート・コビントンとダリオ・サリッチを放出して以降、すっぽり穴の空いていたフォワードポジションのサイズとアウトサイドシュート力を一気に手に入れました。
しかも、イーストだったら余裕でオールスターに選ばれていたであろう成績を残している選手でグレードアップも果たし、ウォリアーズに次ぐリーグ2番目に豪華なスターでィング5と呼ばれています。
まだ一度も全体練習を合わせられないまま昨日のゲームに臨みましたが、特にコンビネーションも申し分なく、いいタイミングで3Pやドライブを決めていたので、フィットの問題も全くなさそうです。
ロールプレイヤーのジェームズ・エニスも、身体能力の高さを活かしたディフェンスと、タイムリーな3Pでしっかり役割を果たしていて、こちらも持ち味を発揮していました。
これにエネルギッシュな動きでトランジッションに強いジョナソン・シモンズも加わるわけですから、戦力の厚みはだいぶ強化されたと言えると思います。
願わくば、あと3P職人のようなシューターを入れたいところですが、ウェスリー・マシューズやウェイン・エリントンは既に行き先が決まってしまったようです。
トレードで移籍した選手は、みんながみんな移籍先のチームに残るとは限りません。
なかには、サラリーキャップの枠を空けるためだけの目的でトレードされる選手も多いのが現実です。
つまり、トレードで獲得したものの、獲った側のチームがハナから使う気がないというケースも多いのです。
そうして、トレードされた後に即リリースされた選手たちは、FAとなって契約先を探します。
また、トレードデッドラインが過ぎると、別チームに行くことを期待していたのにトレードされなかったという選手たちも出てきます。
こういう選手は、たいてい実力のあるベテラン選手で、プレーオフに行く望みが低くなったチームから、プレーオフに行けそうなチームへの移籍を希望するケースが多いです。
そのためには、現在の契約をバイアウト(買い取り)してもらい、FA(自由契約)になる必要があります。
これら一連の動きを、ニックスを例に説明してみます。
ニックスはポルちゃんのトレードで、ダラスからデニス・スミスJr.、ディアンドレ・ジョーダン、ウェスリー・マシューズを獲得しました。
若手のデニス・スミスJr.は、当然戦力として計算しているので残します。
ただ、ディアンドレとマシューズは、どちらも今季で契約が切れるベテラン選手です。
オフにFAとなり、新たな契約先に探すにあたって、自身の評価は上げておきたいものです。
そのために一番いいのは、プレーオフに出場して結果を出すことです。
でも弱いニックスにいたらそれが無理なので、プレーオフに行けそうなチームへ移籍する必要が出てくるのです。
マシューズは、その流れでリリースされました。
オラディポを欠いて即戦力のSGを探していたペイサーズと既に合意しているようです。
ディアンドレはというと、こちらは若手ビッグマンの見本になってほしいということでチームが残しました。
貴重なセンターですので、夏のFA戦線の展開次第では再契約もありうるかもしれません。
そしてニックスで出場時間が減り、ベンチでくすぶっていたイネス・カンターは、チームにトレードを要求していましたが、デッドラインまでに成立しませんでした。
そこで、デッドライン後に契約をバイアウトしてもらい、FAとなりました。
こういった形で、トレードデッドライン後に実力のあるベテラン選手がFAマーケットにどんどん出てくるという現象が起こります。
これは“バイアウト・マーケット”とも呼ばれ、最初っからここでこぼれてきた選手を狙って補強しようとしているチームもいっぱいあります。
昨シーズンで言うと、シクサーズがマルコ・ベリネッリとエルサン・イリャソワを獲って3Pシュート力を強化したのが、このバイアウト・マーケットでした。
では、どんな選手が市場に出ているのかというと、今はこんな感じです。
今後また新たな名前がここに加わってくることも十分あります。
ウェスリー・マシューズ(⇒ペイサーズと合意)
イネス・カンター
ウェイン・エリントン(⇒ピストンズと合意)
マーキーフ・モーリス
ザック・ランドルフ
グレッグ・モンロー
ミロス・テオドシッチ
マーチン・ゴータット
マイケル・ビーズリー
オムリ・カスピ
コーリー・ブリューワー(⇒キングスと10日間契約)
アレックス・アブリーンズ
シェルビン・マック
ニック・スタウスカス
サラー・メジリ
さっき、シクサーズに3P職人が入れば補強は完璧なのになあ〜と言いましたが、やっぱり3Pシューターの需要は高く、どこのチームも欲しがっているので、マシューズもエリントンもすぐにもらわれていってしまいました。。
さて、話を戻しますが、もう一つ昨日のゲームで印象に残ったチームはウィザーズでした。
ウィザーズは、先発SFだったオットー・ポーターJr.を放出し、ブルズからボビー・ポーティスとジャバリ・パーカーを獲得しています。
初出場となった昨日のゲームで、共にベンチスタートながら、ポーティスは30点・6リバウンド・3P6本中4本成功の大爆発。
パーカーも、7点・11リバウンド・9アシスト・3スティール・1ブロックというオールラウンドな働きで、あわやトリプルダブルの活躍を見せました。
6−11(211cm)とサイズに恵まれ、リバウンドから3Pまで幅広くこなせるポーティスは、早くからその高い素質を見込まれてきました。
すぐに先発となってチームの中心選手になれる実力がありましたが、ブルズ時代はニコラ・ミロティッチやラウリー・マカネンなど、常に同じポジションにライバルが存在し、先発起用されることがほとんどありませんでした。
ウィザーズは先発PFだったマーキーフ・モーリスも放出していますので、今度こそポーティスが先発の座をつかむチャンスとなりそうです。
個人的に、是非日の目を見てほしいなあ〜と思います。
ポーティス、パーカー、ウェスリー・ジョンソンの移籍3人衆