両方とも最終戦までもつれこんだ激闘のカンファレンス・ファイナルが終わりました。
ロケッツとセルティックスの下克上が消えて、ファイナルはやっぱりおなじみの対戦に。
4年連続でファイナルが同一カードになったのは、NBA史上初なんだそうです。
てなこともあって興味が半減してしまったので(オイ!)、違う話題をw
All NBA Team は、毎年レギュラーシーズンの活躍度合いで、1st team、2nd team、3rd team が選ばれます。
オールスターのファン投票はセンターの枠が外され、バックコート2人とフロントコート3人という分け方になりましたが、この All NBA Team はまだガード2人、フォワード2人、センター1人とポジションを区切って投票します。
で、今シーズンの結果はこうなりました。(点数は500点満点)
【1st team】
G:ジェームズ・ハーデン(ロケッツ) 500
F:ルブロン・ジェームズ(キャバリアーズ) 500
F:ケビン・デュラント(ウォリアーズ) 426
【2nd team】
G:ラッセル・ウェストブルック(サンダー) 322
G:デマー・デローザン(ラプターズ) 165
F:ヤニス・アデトクンボ(バックス) 354
F:ラマーカス・オルドリッジ(スパーズ) 236
【3rd team】
G:ステフェン・カリー(ウォリアーズ) 164
G:ヴィクター・オラディポ(ペイサーズ) 105
F:ジミー・バトラー(ウルブス) 81
F:ポール・ジョージ(サンダー) 54
C:カール・アンソニー・タウンズ(ウルブス) 99
【選外】
G:クリス・ポール(ロケッツ) 54
C:ルディ・ゴベール(ジャズ) 51
G:ベン・シモンズ(シクサーズ) 36
C:アル・ホーフォード(セルティックス) 32
C:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ) 28
この選出の仕方にちょっと納得がいかないところがあったので、勝手に理由を説明します(笑)
①なんでカイリーは選ばれないの???
今シーズンのセルティックスは、開幕戦でヘイワードを失ったにもかかわらず、前半戦はイーストトップを独走する快進撃を見せました。
もちろん若手の成長やホーフォードの頑張りもありましたが、その原動力となったのは間違いなくカイリー・アービングの活躍だったはずです。
平均得点はリーグ8位の24.4点、FG49.1%、3P40.8%、5.1アシストという素晴らしいスタッツも残しました。
後半戦はケガで離脱し、チームもイースト2位に下がりましたが、前半戦で大きく貯金を貯めたからこそのTOP2フィニッシュでした。
では、なぜ選ばれなかったのか?
ケガしたから?
確かにケガでシーズン絶望になりました。
でも、離脱するまで60試合に出場してるんです。
公式記録に残るための基準は、82試合のうち70%の試合に出場すること。
82試合×70%=57.5=58試合
つまり、58試合以上出場すれば、そのシーズンの公式記録として認められます。
カイリーは60試合なので、その基準はクリアしてるんですね。
じゃあ、なんで選ばれないんですかね?
やっぱり出た試合が少なかったから?
でも、ちょっと待ってください。
今回 3rd Team に入ったカリーは、51試合にしか出ていないんです。
当然、得点もアシストもスティールも公式記録には残りません。
それでも選ばれてるんです。
この違いっていったい何なんですかね?
例えば、同じくケガで選ばれなかったディマーカス・カズンズやポルツィンギスも、48試合は出場してるんです。
48試合と51試合の違いって何なんですかね?
だったらカズンズやポルちゃんを選んだっていいわけですよね?
と、さんざん悪態をついてきましたが(笑)
僕の中での明確な基準は、やはりさっきの公式記録となる58試合以上出場というところで線を引くべきなんじゃないかと思っています。
じゃないと、曖昧すぎて不公平感が出てきてしまうと思うんです。
公式記録を満たしても、シーズン絶望のケガをしたら選ばれない。
逆に公式記録を満たしてなくても、シーズン終了まで出ていたら選ばれる。
そんな曖昧なことではダメだと思うんです。
投票はシーズン終了後なので、「誰にしよっかなぁ~」って悩むタイミングで、最後まで出てた人は印象が強いけど、最初の頃しか出てなかった人は印象薄いから選ばれない、みたいなことになってると思うんですよね。
そこは是非改善して、シーズンを通して正しく活躍度を評価してほしいと思いますね。
最初に書きましたが、 All NBA Team の投票は、まだセンターポジションを1枠区切っています。
となると、たとえ相応しい人がいなくとも、必ず1人センターを選ばなきゃいけないということになります。
今回 1st Team には、明確なセンター候補がいませんでした。
一番近かったカズンズが、ケガでシーズン絶望となってしまったためです。
そこでどうなったかというと、アンソニー・デイビスがセンター枠として選ばれたんですね。
でも、ちょっと待ってください。
カズンズが出場していた試合は、デイビスは当然PFとして出ていました。
カズンズがケガで離脱した後も、先発センターには主にエメカ・オカフォーが入っていました。
先発センターとしての試合数は、こんな感じです。
〇カズンズ 48試合
〇オカフォー 19試合
〇デイビス 13試合
デイビスは、75試合中62試合を先発PFとして、13試合を先発Cとして出場しています。
All NBA Team の投票は、「いつもプレーしているポジションで」選ぶことになっています。
であれば、デイビスのポジションは「F」となるはずです。
「いやあ、今年はビッグマンがいないから、デイビスはセンターもできるからセンターで入れとこう」みたいなノリなんだろうと思いますが、だとするとポジション枠って何?ってことになると思うんですよね。
例えば、ベン・シモンズを選びたいなあと思ったら、「G」でも「F」でも、あるいは「C」でも入れようと思えば入れられるかもしれません。
その時の都合で、たまたま「F」が少ないから「G」の人を「F」で選んじゃえとか、そんなことをやり始めたら、何でもアリになっちゃうと思うんですよね。
やっぱり、そのシーズンで一番多くプレーしたポジションで選ぶべきだろうし、それで都合が悪い場合があるなら、ポジション枠を撤廃すればいいと思うんです。
実際、All Rookie Team はポジションにかかわらずベストな5人を選んでいますし、前述のオールスターのファン投票は、バックコートとフロントコートという分け方になっているわけです。
③シーズントリプルダブルで 2nd Team?
みなさんお気づきでない方も多いかもしれませんが、ウェストブルックは今シーズンも平均トリプルダブルを記録しています。
昨シーズンは記録達成に向けて大いに盛り上がりました。
二度と達成不可能な記録と思われていたオスカー・ロバートソンの偉業をやってのける2人目の人物となったのですから。
そのご褒美として、ウェスト6位のチーム成績だったにもかかわらず、シーズンMVPも獲得しています。
ところが、今シーズンのシーズントリプルダブルは、驚くほど話題に上りませんでした。
あれ? 一回やっちゃったから、もう新鮮味がない?
いや、新鮮味はないかもしれませんが、とてつもない偉業であることに変わりはありませんよ。
なんせ、2年連続のシーズントリプルダブルはNBA史上初めての快挙なんですから!
でもやっぱり盛り上がってないなあと思っていたら、やっぱり評価もされていませんでした。。
慣れってコワイですねぇ~(笑)
でも見てください。
1st Team に入ったリラードとウェストブルックのスタッツ比較です。
<得点>
リラード 26.9点(リーグ4位)
ウェストブルック 25.4点(リーグ7位)
リラードの方が上ですが、大差ないですね。
<FG成功率>
リラード 43.9%
ウェストブルック 44.9%
ウェストブルックが少し上回っています。
<3P成功率>
リラード 36.1%
ウェストブルック 29.8%
リラードがだいぶ上回っています。
<リバウンド>
リラード 4.5
ウェストブルック 10.1(リーグ10位)
これは圧倒的にウェストブルックです。
<アシスト>
リラード 6.6
ウェストブルック 10.3(リーグ1位)
これも圧倒的にウェストブルックです。
<スティール>
リラード 1.05
ウェストブルック 1.84(リーグ5位)
これも圧倒的にウェストブルックです。
スタッツだけで見ると、3P以外はほぼ全てのカテゴリーでウェストブルックの方が上なんですよね。
じゃあ、もしかしてチーム成績が評価された?
<チーム成績>
ブレイザーズ 49勝33敗(ウェスト3位)
サンダー 48勝34敗(ウェスト4位)
ほぼ同じですね。
以上見てきたように、客観的なスタッツやチーム成績を比較しても、ウェストブルックの方が上なんですよね。
それに加えて、2年連続シーズントリプルダブルの快挙です。
昨シーズンはMVPまで与えて評価したのに、どうして今シーズンは 1st Team にも選ばれない低評価なんでしょう?
確かに、印象度は薄いです。
でも記録は記録だし、チーム成績も昨シーズンより上がっています。(微増ですがw)
つまり、1st Team に選ばれない要素はないと思うんですよね。
では、なぜリラードが選ばれたのかというと、たぶんこれも“印象度”だと思うんですね。
華麗なブザービーターを決めたり、50点取ったり、チームを3位に持ち上げたりという“印象度”が上回っているだけだと思います。
でも、よくよく見てみれば、チーム成績だってわずか1勝差でしかないし、3位と4位なわけですから、その「チームを導いた」的なところは全然差がないわけです。
もう一つ“印象度”を上げたのは、「後半に活躍した」からかもしれません。
2月31.4点、3月27.9点、4月30.0点とシーズン終盤に印象的な活躍をしました。
でもそれってやっぱり、①のカイリーのとこでも触れたのと同じ理由なんですよね。
「後半に活躍した」から「より強く印象に残った」だけなんじゃないかと。
やっぱり、シーズンは82試合を通しての評価なわけですから、その82試合で残した結果で公平に評価してほしい。
“印象度”を優先した投票だったら、オールスターのファン投票と変わらなくなってしまいますので。
・・・・とまあ、好き勝手なことをツラツラと書き連ねましたが、①②③を踏まえての僕が選ぶ All NBA Team はこんな感じです。(元の点数はあえて残します)
【1st team】
G:ジェームズ・ハーデン(ロケッツ) 500
G:ラッセル・ウェストブルック(サンダー) 322
F:ルブロン・ジェームズ(キャバリアーズ) 500
【2nd team】
F:ケビン・デュラント(ウォリアーズ) 426
F:ヤニス・アデトクンボ(バックス) 354
C:カール・アンソニー・タウンズ(ウルブス) 99
【3rd team】
G:デマー・デローザン(ラプターズ) 165
G:ヴィクター・オラディポ(ペイサーズ) 105
F:ラマーカス・オルドリッジ(スパーズ) 236
F:ポール・ジョージ(サンダー) 54
C:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ) 28
【公式記録未達】
G:ステフェン・カリー(ウォリアーズ) 164
G:デビン・ブッカー(サンズ) 0
F:クリスタップス・ポルツィンギス(ニックス) 1
C:ディマーカス・カズンズ(ペリカンズ) 1
【選外】
G:ジミー・バトラー(ウルブス) 81
G:クリス・ポール(ロケッツ) 54
G:ベン・シモンズ(シクサーズ) 36
C:ルディ・ゴベール(ジャズ) 51
C:アル・ホーフォード(セルティックス) 32
なぜかあまり評価されないカイリー
前半戦の活躍をお忘れですかー?
来シーズンのボストンは強いぞ〜