❝テリー・ロジアー❞
プレーオフ前にこの名前を知っていた人、いや聞いたことある人がいたら、相当なNBA通でしょう。
今年のプレーオフで何度もこの名前が出てきたので、セルティックスのガードなんだなということは知れ渡ったと思います。
テリー・ロジアーは、2015年のドラフトで1巡目16位指名された3年目の若手PGです。
でも、これまでは出場機会に恵まれず、今シーズンもカイリー・アービング、マーカス・スマートに次ぐ第3PGという扱いでした。
つまり、誰かがケガをしない限り、ずっとベンチに座ったままという立場です。
しかし、今シーズン後半、アービングもスマートも両方ともケガで戦線離脱したことで、急遽先発に抜擢されました。
そこからの活躍は素晴らしく、それはプレーオフに突入しても衰えるどころか、逆に勢いをドンドン増しています。
1年目 39試合 8.0分 1.8点 FG27.4% 3P22.2% 1.6REB 0.9AST
2年目 74試合 17.1分 5.5点 FG36.7% 3P31.8% 3.1REB 1.8AST
今季(控え) 64試合 23.9分 10.2点 FG40.1% 3P37.7% 4.3REB 2.3AST
今季(先発) 16試合 33.6分 15.6点 FG38.1% 3P38.9% 6.4REB 5.1AST
プレーオフ 9試合 36.1分 19.1点 FG44.1% 3P43.8% 5.0REB 6.9AST
1年目、2年目は先発出場ゼロ。
3年目の今シーズンも、最初の64試合はベンチスタートでした。
先発したのは最後の16試合だけでしたが、プレーオフではエース級の活躍でチームを引っ張っています。
これまでのプレーオフ9試合のうち、チームトップの得点を挙げたのが2試合、チーム2位だったのが5試合と、9試合中7試合でチームトップ2に入る安定した高いパフォーマンスを見せています。
2nd RD GAME2 テイタム21 ロジアー20
2nd RD GAME1 ロジアー29 テイタム28
1st RD GAME7 ロジアー26 ホーフォード26
1st RD GAME6 テイタム22 ロジアー16
1st RD GAME5 ホーフォード22 ロジアー16
1st RD GAME4 ブラウン34 テイタム21
1st RD GAME3 ホーフォード16 モンロー15
1st RD GAME2 ブラウン30 ロジアー23
1st RD GAME1 ホーフォード24 ロジアー23
プレーオフ各試合のTOP2スコアラーを列記したものです。
ここへの登場回数を並べてみると・・・・
ロジアー 7回
ホーフォード 4回
テイタム 4回
ブラウン 2回
モンロー 1回
ダントツでロジアーが多いことがわかります。
プレーオフの平均得点19.1点と6.9アシストはチームトップです。
さらに特筆すべきは、ターンオーバーの少なさです。
アシスト数に対するミスの少なさを計るアシスト/ターンオーバー比率というスタッツがこちらです。
1位 テリー・ロジアー(セルティックス) 4.77
2位 ダレン・コリソン(ペイサーズ) 3.67
3位 ラジョン・ロンド(ペリカンズ) 3.59
アシスト数の多さよりもPGとしての安定感を評価するこのスタッツで、プレーオフの先発PG中トップなのです。
いかにミスなく、有効なプレーを続けているかということがわかります。
さらに、1stラウンドのバックス戦で見せたように、勝負所でプレッシャーのかかる3Pを決め、チームを勝利に導く大事な1本を沈められる力を見せています。
今やセルティックスの中で、ラストショットを託される存在となりつつあります。
リーグ入りして2年半もの間、先発出場さえなかった第3PGが、今やプレーオフの大事な1本を任される存在へと成長を遂げたのです。
NBAはタレントの宝庫ですが、チャンスさえもらえれば輝ける選手が、まだまだ眠っているのかもしれませんね。
このセルティックスの12番がテリー・ロジアー
これまではカイリーとスマートに次ぐ第3PGという存在でした
1st RDでバトルを繰り広げたブレッドソーも凌駕しました
会見でのこのパーカーも話題になりましたね(笑)
ちなみに、あるメディアはドラフト時にこう評価していました。
1巡目16位でロジアーを指名したセルティックスに対し、最低ランクの"F"という評価を下し、論評に値しないと書いたのです。
今ではどっちが論評に値しないのか明らかですね。
さて次回は、このロジアーとゆかりのあるもう1人の選手を取り上げようかなあと思っています。