コービーのことは驚きました。
まさか、という言葉しか出てきません。
よく「10年に1度の逸材」と言われますが、ジョーダン(84年)⇒コービー(96年)⇒ルブロン(03年)の系譜は、まさにそれだなという感じがします。
通算得点記録でコービーを抜いて歴代3位に上がったルブロンに対し、讃える言葉を送ったのが最後のツイートになったとか、ドラマチックすぎます。
オールスター初出場のコービーがジョーダンに1on1を挑み、ヘルプでスクリーンをかけにきたカール・マローンに「どけ!」と叫んだ場面を思い出しながら、時代が受け継がれていく瞬間を目の当たりにしているような気になりました。
・・・と、しばらく感傷に浸りたい気もしますが、コービーに関する記事はそこかしこにあふれているので、ここではマイナーは話に戻りたいと思います(笑)
オールスターのリザーブメンバーが発表されました。
前々からオールスター選考には疑問が多いんですが、今年もやはり例外ではありませんでした。
ちなみに、以前この話題を取り上げた時のメンバー内容はこんな感じでした。
スタッツは現地1/31までのもので、◯内の数字はリーグ順位(50位以内)になります。
<ウェスタン・カンファレンス>
G:クリス・ポール(サンダー⑦)
17.1点・5.1リバウンド・6.6アシスト⑯・1.6スティール⑪・0.1ブロック・FG47.7%㊹・3P35.6%・FT89.7%⑩
G:デイミアン・リラード(ブレイザーズ⑨)
29.4点④・4.4リバウンド・7.8アシスト⑥・1.0スティール・0.3ブロック・FG46.0%・3P39.0%㊾・FT88.5%⑮
G:ラッセル・ウェストブルック(ロケッツ⑤)
26.5点⑩・8.0リバウンド㉔・7.4アシスト⑧・1.7スティール⑨・0.4ブロック・FG45.6%・3P23.4%・FT78.9%
G:ドノバン・ミッチェル(ジャズ④)
24.6点⑭・4.2リバウンド・4.3アシスト㊹・1.1スティール㊹・0.2ブロック・FG45.7%・3P36.1%・FT86.5%㉓
24.9点⑬・6.3リバウンド・4.3アシスト㊺・0.9スティール・0.8ブロック・FG47.0%㊽・3P40.0%㉚・FT85.9%㉙
C:ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ②)
19.9点㉘・10.0リバウンド⑪・6.6アシスト⑮・1.1スティール・0.6ブロック・FG50.7%㉕・3P32.6%・FT80.1%
C:ルディ・ゴベア(ジャズ④)
15.8点・14.5リバウンド②・1.6アシスト・0.7スティール・2.0ブロック④・FG69.2%①・3P0.0%・FT60.9%
<選外>
G:デビン・ブッカー(サンズ⑪)
27.1点⑧・4.0リバウンド・6.4アシスト⑳・0.8スティール・0.2ブロック・FG51.0%㉒・3P36.4%・FT91.9%②
F/G:デマー・デローザン(スパーズ⑩)
23.0点⑯・5.7リバウンド・5.2アシスト㉚・1.0スティール・0.3ブロック・FG53.5%⑬・3P27.6%・FT84.5%㉝
*C:カール・アンソニー・タウンズ(ウルブス⑭)
26.9点・10.7リバウンド・4.2アシスト・0.9スティール・1.2ブロック・FG51.1%㉑・3P41.2%⑳・FT81.2%
タウンズはスタッツ的には申し分ありませんが、規定の出場試合数(チーム全試合数の70%)にわずか3試合だけ足りていません。
そこで、次の候補であるゴベアが選ばれたという感じです。
ただ、一番の疑問はクリス・ポールでしょう。
確かに、サンダーが30勝20敗と勝ち越し、プレーオフ圏内に入ってくるとは誰も予想していませんでした。
その功績を讃えたいという意図はわかります。
ただ、かといって無理くり誰かを選ぼうという考えには同意しかねます。
しかも、今シーズンのサンダーは成績がキレイに分散しています。
19.4点 シェイ・ギルジャス・アレクザンダー
19.2点 ダニロ・ガリナーリ
19.1点 デニス・シュルーダー
17.1点 クリス・ポール
得点はチーム内でも4番目、アシストも6本台と平凡。
毎年20点・10アシスト前後をマークしていたキャリアの全盛期と比べると、とてもオールスターに選ばれる成績ではありません。
でも、若手のギルジャス・アレクサンダーではまだ早いし、ガリナーリやシュルーダーではネームバリューが・・・・と考えた投票者の皆様が、じゃあチームをまとめてるってことでクリス・ポールにしとこう!と考えたんでしょう。
僕はこういう選び方が好きではありません。
そらサンダーの快進撃は予想外でした。
でも、選ぶべき人がいないんだったら無理やり選ぶ必要はないと思うんです。
オールスターは個人の栄誉です。
必要以上にチーム成績を重視し、そのチームから代表で1人選ぶというチーム戦ではありません。
そこに一番疑問を感じています。
個人の評価という観点から言えば、選ばれるべきはデビン・ブッカーです。
平均27点・6アシスト・FG50%以上のシーズンアベレージを残しているのは、歴史上オスカー・ロバートソン、ラリー・バード、マイケル・ジョーダン、ルブロン・ジェイムス、ステフ・カリーの5人しかいません。
そんな抜群のスタッツを残しているのに、なぜか選ばれていません。
チームの成績が悪いから?
いえ、サンズはプレーオフ圏内まで3.5ゲーム差の11位で、まだまだプレーオフも狙える位置にはいます。
それに、チーム成績を理由にするなら、サンズより下のペリカンズからブランドン・イングラムが選ばれている説明がつきません。
個人のスタッツもブッカーが上、チームの成績もブッカーが上なのに、なぜかイングラムは選ばれ、ブッカーは落ちています。
じゃあ、百歩譲ってプレーオフ圏内のチームから選ぶことが最優先なんだとしたら、8位のグリズリーズも候補になりますよね?
単純にジャー・モラントとクリス・ポールのスタッツを比較しても、得点・アシスト・FG成功率・3P成功率ともモラントが上回っています。
ただ、ルーキーのモラントがその成績で選ばれることはないでしょう。
結局、違いはネームバリューということになるんでしょうか?
結論としては、クリス・ポールのところはデビン・ブッカーが選ばれるべきであったと思います。
サンダーの頑張りは認めますが、誰か1人オールスターを選ばなきゃいけないほどの圧倒的な成績でもないですし、優秀なスタッツを残しているブッカーが選ばれないほど、サンズのチーム成績が悪いわけでもありません。
投票権を持っている人たちには、公平な目線で、個人スタッツとチーム成績を総合的に判断して評価してほしいなと思います。
<イースタン・カンファレンス>
G:カイル・ラウリー(ラプターズ②)
19.6点㉚・4.6リバウンド・7.3アシスト⑩・1.3スティール㉞・0.4ブロック・FG41.0%・3P34.3%・FT85.6%㉚
G:ベン・シモンズ(シクサーズ⑥)
16.6点・7.7リバウンド㉕・8.3アシスト⑤・2.2スティール①・0.6ブロック・FG58.3%⑩・3P40.0%・FT62.0%
F/G:ジミー・バトラー(ヒート④)
20.2点㉔・6.9リバウンド㊳・6.4アシスト⑱・1.8スティール⑥・0.6ブロック・FG44.1%・3P24.5%・FT83.5%㊷
F/G:クリス・ミドルトン(バックス①)
20.2点㉔・5.8リバウンド・4.0アシスト㊽・0.9スティール・0.1ブロック・FG50.6%㉖・3P43.8%⑥・FT89.8%⑨
F:ジェイソン・テイタム(セルティックス③)
21.5点⑳・6.9リバウンド㊲・2.8アシスト・1.4スティール㉓・0.8ブロック㊽・FG43.6%・3P36.3%・FT84.1%㊳
F/C:ドマンタス・サボニス(ペイサーズ⑤)
18.0点㊼・12.8リバウンド⑥・4.6アシスト㊶・0.8スティール・0.6ブロック・FG53.5%⑭・3P23.9%・FT72.6%
C/F:バム・アデバヨ(ヒート④)
16.0点・10.4リバウンド⑧・4.7アシスト㊲・1.2スティール㊵・1.1ブロック㉓・FG58.9%⑧・3P9.1%・FT69.2%
<選外>
G:スペンサー・ディンウィディ(ネッツ⑦)
21.4点㉑・3.3リバウンド・6.5アシスト⑰・0.7スティール・0.3ブロック・FG42.2%・3P31.1%・FT77.6%
G:ブラッドリー・ビール(ウィザーズ⑩)
28.7点⑥・4.5リバウンド・6.4アシスト⑲・1.0スティール・0.3ブロック・FG45.3%・3P32.5%・FT85.0%㉜
G:ザック・ラビーン(ブルズ⑨)
25.1点⑫・4.8リバウンド・4.0アシスト㊾・1.4スティール㉒・0.5ブロック・FG44.0%・3P37.7%・FT83.0%㊹
G/F:ジェイレン・ブラウン(セルティックス③)
20.1点㉖・6.6リバウンド㊸・2.4アシスト・1.2スティール㊸・0.3ブロック・FG49.4%㉚・3P39.2%㊼・FT75.4%
C:ニコラ・ブチェビッチ(マジック⑧)
18.6点㊷・11.0リバウンド⑦・3.5アシスト・0.9スティール・0.8ブロック㊻・FG44.2%・3P35.6%・FT81.4%
17.2点・15.7リバウンド①・2.7アシスト・2.0スティール②・1.7ブロック⑨・FG52.3%⑮・3P4.8%・FT58.4%
ここまでいくと本当に極端ですね。
プレーオフ圏内に入っていないチームは、どんなスタッツを残していても意味がないと言われているように感じてしまいます。
わかりやすく並べてみます。
(※太字は先発)
①バックス:アデトクンボ/ミドルトン(2人目)
②ラプターズ:シアカム/ラウリー(2人目)
③セルティックス:ウォーカー/テイタム(2人目)
④ヒート:バトラー/アデバヨ(2人目)
⑤ペイサーズ:サボニス
⑦ネッツ:
⑧マジック:
⑨ブルズ:
⑩ウィザーズ:
⑪ピストンズ:
⑫ホーネッツ:
⑬ニックス:
⑭キャブス:
⑮ホークス:ヤング
今回リザーブメンバーが選出されたのは、全て上位6位以内のチームからのみです。
しかも、ほとんどが同じチームからの2人目。
それ以下のチームからは、どんなに優秀なスタッツでも選ばれていません。
例えば、ブラッドリー・ビール。
平均28.7点はリーグ6位、イーストでは3位のスタッツです。
そして、過去の歴史を見ても、これだけのアベレージを挙げてオールスターに選ばれなかったのは、1978−79シーズンに同じく28.7点をマークして選ばれなかったワールド・B・フリーだけだそうです。
これもまた、“プレーオフチームの呪縛”なんでしょう。
でも、いつからそんなに個人のスタッツよりもチーム成績が優先されるようになったんですかね??
上位チームから2人ずつ選んで、下位チームからは選ばないって、誰が決めたんですかね?
トレイ・ヤングのようにファン投票で選ばれなければ、下位チームからは選んでもらえないんですかね?
しかもウィザーズはまだ、プレーオフスポットまであと2つの10位です。
下にあと5チームもいるわけです。
プレーオフだって、まだすべり込む可能性はあります。
そこまでドン底というわけでもないのに、これだけのスタッツを残して選ばれないのは、ほとんど狂気です。
いったいオールスターって何なんですかね?
チーム成績が良かった人を讃える会なんでしょうか?
ちなみに、ウィザーズの1つ上の9位にいるブルズのザック・ラビーンも、平均25点以上をマークしているにもかかわらず選ばれていません。
先程のリストを見ながらバランスを考えてみます。
①バックス:アデトクンボ/ミドルトン(2人目)
②ラプターズ:シアカム/ラウリー(2人目)
③セルティックス:ウォーカー/テイタム(2人目)
④ヒート:バトラー/アデバヨ(2人目)
⑤ペイサーズ:サボニス
⑦ネッツ:
⑧マジック:
⑨ブルズ:
⑩ウィザーズ:
⑪ピストンズ:
⑫ホーネッツ:
⑬ニックス:
⑭キャブス:
⑮ホークス:ヤング
まずバックスはチーム成績が圧倒的なので、複数の選手が選ばれても仕方がないと思います。
ただ、2〜6位は団子状態なので、必ずしも2人目を選ばなければいけないほどの圧倒的な成績ではありません。
従って、少なくとも20点のボーダーラインもクリアしていない2人目の選手は、選ばなくてもいいのではないかと思います。
つまりそれは、ラウリー、アデバヨ、シモンズの3人です。
サボニスはペイサーズから1人目なので、選ばれていいと思います。
この3人は、2人目を選ばなければいけないほどのチーム成績ではなく、個人として絶対選ぶべきスタッツでもありません。
であれば、この3人に代わって、ビール、ラビーン、ドラモンドが選ばれるべきではないかと思います。
アデバヨは、比較として同じポジションのブチェビッチとドラモンドのスタッツを載せていますが、得点・リバウンドの平均がいずれも2人に届きません。
上回っているのはアシストとチーム成績だけです。
オールラウンドなプレースタイルが評価されたから?
確かにそうですが、でもそれを言うなら、ドラモンドはスティール2位、ブロック9位とよりハイレベルなスタッツを残しています。
やっぱり、選ぶべき合理的な理由が見つかりません。
その3人を入れ替えると、全体のバランスはこう変わります。
①バックス:アデトクンボ/ミドルトン
②ラプターズ:シアカム
③セルティックス:ウォーカー/テイタム
④ヒート:バトラー
⑤ペイサーズ:サボニス
⑦ネッツ:
⑧マジック:
⑨ブルズ:ラビーン
⑩ウィザーズ:ビール
⑪ピストンズ:ドラモンド
⑫ホーネッツ:
⑬ニックス:
⑭キャブス:
⑮ホークス:ヤング
オールスターというからには、各チームのエース級が満遍なく集まる方が、それぞれのチームのファンも喜ぶし、見ている方も楽しいと思います。
勝っているチームだけのご褒美だって言うなら話は別ですが。